監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

生理前は肌が敏感になる時期。ニキビやかゆみなどの肌荒れが起こりやすくなります。いつも使っている化粧品でもヒリヒリと刺激になることもあるでしょう。最近では、このような周期的な肌荒れに悩む女性が増えています。

そこで今回は、肌荒れの原因と改善策を詳しく解説します。生理前の肌荒れをいち早く改善して、健康的な肌を目指しましょう。

生理前に肌荒れがひどくなる…ボコボコ・ヒリヒリ…

生理前になると肌のボコボコが目立ったり、ヒリヒリと敏感になったりしませんか?いつもよりテカリや毛穴が目立って気になる人もいるでしょう。

実は、ほとんどの女性が肌荒れなどの生理前の不調を経験しています。普段と同じお手入れをしても、ファンデーションが綺麗にのらないこともあります。

肌が乾燥して荒れていると、その日の気分まで下がってしまいますよね。とくに生理前は肌質が変わりやすいので、肌荒れをしっかり防ぎたいところです。

生理前の肌荒れの原因を知って、ゆらぎにくい健やかな肌を手に入れましょう。

生理前に肌荒れする原因5個

生理前になると、肌荒れによるかゆみなどのトラブルも起こりやすくなります。では、なぜ生理前は肌荒れがひどくなるのでしょうか?ここからは肌荒れの原因を詳しく解説していきます。

1. 黄体ホルモン(プロゲステロン)の活性化

女性は生理前になると、女性ホルモンの影響を強く受けます。女性ホルモンは、「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロン)」です。

これらの2つの女性ホルモンが増減を繰り返し、排卵や生理を起こしています。

卵胞ホルモンの働き

卵胞ホルモンはコラーゲンやヒアルロン酸の合成をサポートして、肌の水分量を高めます。このホルモンは、肌のハリとツヤを保つために欠かせません。生理の終了とともに卵胞ホルモンが分泌されるため、生理後は肌がきれいに見えます

黄体ホルモンの働き

黄体ホルモンが分泌されると、男性ホルモンと同じように皮脂の分泌量が増えます。生理終了から排卵までの期間を「卵胞期」、排卵から生理が始まるまでの期間を「黄体期」といいます。生理前(黄体期)になると黄体ホルモンが増加し、肌のバリア機能が低下して肌荒れしやすくなるのです。

2. 偏った食事

食事の時間はバラバラ、食べる日と食べない日の差が激しいなど、偏った食生活を送っていませんか?甘いものや塩分、脂の多いもの、カフェインやアルコール類を摂りすぎている可能があります。

バランスの悪い食事をしていると、栄養が不足して肌も荒れやすくなります。ビタミンやミネラル類の不足は肌荒れの原因になるので気を付けたいポイントです。

3. 腸内環境の乱れ

腸内環境は加齢や生活習慣によって大きく左右されます。腸内の悪玉菌が増えると便秘になりやすく、肌荒れも起こりやすくなります。

生理前の便秘の原因は、主にホルモンバランスや食事、生活習慣です。生理前は黄体ホルモンが活性化するため、便秘になりやすい時期といえるでしょう。

4. ストレスによるホルモンバランスの乱れ

ストレスが続くと、「アンドロゲン(男性ホルモン)」と「コルチゾール(ストレスホルモン)」などのホルモンが分泌されます。

男性ホルモンが活性化すると皮脂の分泌量が増えて、ニキビや肌荒れを悪化させます。「女性にも男性ホルモンはあるの?」と疑問に思う人もいることでしょう。

男性ホルモンは男性だけでなく、女性も腎臓の上にある副腎皮質から少量ずつ分泌されているのです。また、ストレスホルモンは肌のハリを維持するのに重要なコラーゲンやエラスチンなどの合成を低下させます。

ストレスホルモンの分泌量が増えると、皮膚が薄くなり乾燥気味に。その結果、肌荒れはもちろん、シワやたるみといった老化の原因にもつながります。

5. 自律神経の乱れによるバリア機能の低下

ストレスによって生理前にホルモンバランスが乱れると、自律神経にも影響します。自律神経が乱れると、頭痛やめまい、イライラなどの不調が現れる可能性もあります。

また、40代半ば頃から卵巣の働きが悪くなると、女性ホルモンの分泌が減り始めます。更年期に入り女性ホルモンの量が減ると、バリア機能が低下して乾燥や肌荒れを起こしやすくなるのです。

生理前の肌荒れ改善対策5個[スキンケア]

次に、生理前の肌荒れを改善するスキンケア方法を見ていきましょう。普段と同じスキンケアでは、肌に負担がかかっているかもしれません。スキンケアを見直して荒れた肌を整えましょう。

1. 敏感な時は普段よりも優しい洗顔をする

肌荒れの改善に重要となるのが洗顔です。皮脂などの汚れなどが残ったままの状態だと、雑菌の繁殖や皮脂の酸化による過酸化脂質が作られて、肌への刺激になることもあります。

生理前はとくに刺激を受けやすい状態なので、敏感肌用や低刺激性の優しい洗顔料を使いましょう。酵素洗顔やスクラブ、ピーリングなどは刺激になるため、肌が落ち着いてから使用してください。吸着洗顔も肌に大切な皮脂まで洗い流すので控えたほうが良いでしょう。

2. 抗炎症作用のある化粧品で肌を落ち着かせる

ヒリヒリや赤みがあるときは、抗炎症作用のある化粧品で肌を整えます。以下は抗炎症作用のある化粧品の成分です。

・グリチルリチン酸2K
・グリチルリチン酸ステアリル
・カンゾウ根エキス
・ヘパリン系類似物質

これらの成分は肌の炎症を抑える効果があります。ヘパリン系類似物質は皮膚科で処方される薬にも含まれる成分です。

現在では薬局で購入できる市販薬にも含まれているので、気軽に試せるところも良いですね。高保湿効果と抗炎症作用があり、荒れた肌を落ち着かせます。

3. バリア機能を高める化粧品で肌の保水力をアップ

生理前は肌を刺激などから守る「バリア機能」が低下している可能性もあります。保水力を高める「セラミド」や水分を閉じ込める「スクワラン」などの化粧品を用いて、肌にうるおいを補いましょう。

とくにセラミドはバリア機能と肌荒れの改善に効果が期待できます。健康な肌を維持するのに必要な成分なので要チェックですよ。

4. 低刺激性の化粧品を使う

生理前に化粧品でかぶれや赤み、ヒリヒリなどの症状が出たことがある人は、なるべく低刺激性の化粧品を選びましょう。

もしも自分の肌に合わなければ、すぐに使用を控えることが大切です。とくにアトピー性皮膚炎の人は刺激に敏感なので注意しましょう。

この時期に新しい化粧品を使うと、ヒリヒリや赤みの原因となる可能性もあるため控えます。化粧品で荒れているのか、生理前の肌荒れなのかが判断しにくいからです。

新商品などを試したいときは、肌の状態を整えてから使用してください。肌が落ち着いたら、色々な化粧品を試して自分の肌に合う化粧品を見つけましょう。

5. 紫外線対策を忘れずに行う

生理前は普段より紫外線の影響を受けやすく、日焼けもしやすいので、紫外線対策を忘れずに行いましょう。とはいえ、日焼け止めを忙しい朝にくまなく塗るのは至難のわざ。

時間がないときは、UVカット機能の付いたアームカバーや帽子、日傘などを活用して紫外線から肌を守りましょう。紫外線対策を徹底的に行うことで、日焼けによる肌荒れを防ぎます。日焼け止めに刺激を感じたときは使用を中止して、低刺激性のものを使いましょう。

生理前の肌荒れ改善対策8個[食べ物・サプリ]

生理前は皮脂の分泌量が増えて、ニキビや肌荒れも起こりやすい時期。カロリーの高い脂っぽい食事は控えて、ビタミン類やミネラルをバランス良く摂り入れましょう。

ここからは、肌荒れを改善するために必要な成分の特徴と、それを含む食べ物をまとめています。食べ物やサプリメントを選ぶときは、ぜひ参考にしてくださいね。

1. ビタミンA

ビタミンAは角化などの肌荒れを予防し、肌の免疫機能をキープ。不足すると、ニキビや乾燥などの肌荒れが起こりやすくなります。ただし、摂りすぎには注意が必要な成分なので、植物性食品からの摂取がおすすめです。

2. ビタミンB群

ビタミンB2やビタミンB6は、肌荒れの改善に効果が期待できるので積極的に摂りましょう。ビタミンB2は肌の代謝を促し、ビタミンB6は脂肪の分解に作用します。

これらの成分が不足するとニキビや肌荒れ、口内炎の原因になります。ビタミンB群を摂ることで、皮脂の分泌を抑えるため肌荒れの予防もできます。

3. ナイアシン(ニコチン酸)

ナイアシンは美肌に欠かせない成分です。不足すると皮膚炎が起こりやすくなるので要注意です。

4. ビオチン

ビオチンは湿疹や皮膚炎などの肌荒れを予防します。不足すると皮膚炎や白髪、脱毛など、美容面で大きく影響を与えます。

5. ビタミンC

美容面で大きな役割を果たしているのがビタミンCです。万能ビタミンとも呼ばれ、美白やコラーゲンの合成、疲労やストレスの回復に効果が期待できます。

6. ビタミンE

ビタミンEは強い抗酸化作用があり、肌荒れも予防できます。不足すると、シミやシワが増えることもあります。アンチエイジングに欠かせない成分なので、40代以降は意識して摂りたい成分です。

7. 亜鉛

亜鉛は偏った生活を送っていると不足しやすい成分です。不足すると、食欲不振や皮膚炎を起こすことが分かっています。

亜鉛には細胞の再生を促し、肌の抵抗力を保つ働きがあります。バランスの良い食生活を送る上で重要な成分といえるでしょう。

8. ヒアルロン酸とコラーゲン

肌のハリを保つのに欠かせないのがヒアルロン酸とコラーゲン。どちらも強力な保湿力があり、肌の保湿力を高める成分です。

食べ物やサプリメントはもちろん、肌につける化粧品も美肌に効果的なことが分かっています。ヒアルロン酸とコラーゲンは肌の乾燥を防ぎ、うるおいとツヤをキープしてくれますよ。2つの成分を多く含む食べ物はカロリーが高めなので、サプリメントを上手く活用しましょう。

肌荒れの改善に最適な食べ物

食べ物は色々な種類のものを摂り、荒れた肌をいち早く落ち着かせてあげましょう。以下は上記で紹介した成分を多く含む食べ物です。

成分主な食品
ビタミンB2レバー、のり
ビタミンB6ニンニク、マグロ
ナイアシン(ニコチン酸)たらこ、マグロ
ビオチンアーモンド、レバー、ピーナッツ、青のり
ビタミンCイチゴ、赤ピーマン、レモン
ビタミンEアーモンド、たらこ
亜鉛牡蠣(かき)、いわし、にぼし
ヒアルロン酸豚足、手羽先、オクラ、納豆
コラーゲン豚足、鳥皮、ウナギ、スッポン

ご飯は食べないでサプリメントだけ服用するというのは、体にも肌にも良くありません。バランスの良い食生活を送り、不足分をサプリメントで補うようにしましょう。

また、サプリメントを飲む時は水道水を避けてください。水道水に含まれる塩素はビタミンを破壊してしまいます。服用時はミネラルウォーターや塩素を抜いた水がおすすめです。

生理前の肌荒れ改善対策3個[生活習慣]

生理前の肌荒れを防ぐには、健康な肌を維持する必要があります。肌荒れが起きにくい肌に導くために、乱れがちな生活習慣を正しましょう。

1. ストレスを適度に解消する

「ストレスは万病のもと」といわれており、過剰なストレスを受けるとホルモンバランスや自律神経に乱れが起こります。

現代社会においてストレスは避けられないものですが、上手に解消することが大切です。適度な運動や休息、質の良い睡眠をとることがストレス解消につながります。

2. 自宅ではリラックスできる環境作りを

肌荒れのない美肌へ導くには、十分な睡眠と休息が1番の近道です。女性は仕事や家事で疲れがたまっている人も多いでしょう。

家に帰ったらゆっくり過ごせる時間と環境を作ることが大切です。心地よい睡眠をとるために、リラックス効果のある入浴やアロマにこだわるのも良いですね。また、寝る前は携帯の電源はオフにして、照明を全て消すと熟睡しやすいですよ。

3. 善玉菌を増やして腸内環境を整える

ビフィズス菌や乳酸菌には、腸内環境を整えて善玉菌を増やす働きがあります。健康面はもちろん、美容面でも高い効果が期待できるので、ご存知の人も多いのではないでしょうか。

腸内環境を整えることで、肌が安定して荒れにくい状態にあります。便秘のときは、ヨーグルトなどのオリゴ糖を多く含む食べ物や、納豆や味噌などの発酵食品を食べると良いでしょう。

まとめ

生理前の肌荒れの原因や改善方法を解説してきました。肌荒れの改善には、日々のスキンケアに加えて、食生活や生活習慣が重要なポイントです。

気軽に始められる対策ばかりなので、ぜひ改善策を実践して生理前の不調に負けない美肌をキープしましょう。