監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

生理前は身体に不快な変化が現れます。普段ニキビがない人でも、生理前になるとニキビに悩まされる女性は多いはずです。なぜ生理前になるとニキビができやすくなるのでしょうか。特に口周りや口元にできやすいという人もいると思います。

今回はどうして生理前にニキビができやすくなるのか、なぜ口周りや口元にできるのかについて、原因や対策法を中心に解説します。

生理前の時期を快適に過ごせるよう、ニキビ予防・改善に取り組みましょう。

生理前の口周りニキビが気になる…

生理前になると肌荒れしやすくなり、気をつけていてもニキビがポツポツとできてしまいます。特に口周りや口元にできるニキビは困りものです。

会話中は話している人の口元に目線が行きがちなのでニキビが気になるし、気にすることにも疲れてしまったり、ストレスになったりするのが辛いと感じる人もいるのではないでしょうか。

口周り・口元はニキビができて欲しくない場所のひとつですね。気になってつい触ってしまうことも多く、触ることでさらに悪化して痛みが増し、話しづらくなるのも不快です。生理前はただですらイライラしたり精神的に不安定になったりしがちです。体調もすぐれないことが多く、身体がいつもだるくて眠たいという症状を抱えている女性は多いです。

この時期に、なぜニキビが口周り・口元にできやすいのでしょう。原因を知れば、良い対策法が見つかりそうです。ではさっそく、生理前に口周りや口元にできるニキビの原因を見てみましょう。

生理前にニキビが口周り・口元にできる原因5個

女性の性周期は2種類の女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)量のバランスで決まります。普段はエストロゲンの量のほうが多いのですが、生理前だけ、プロゲステロンの量がエストロゲンを上回ります。

その影響で体調に変化が現れるのですが、プロゲステロンの役割が妊娠を継続させるために子宮内部の環境を整えることであるがゆえ、女性の身体にとっては快適とはいえないコンディションになるのです。ニキビができやすくなるのはプロゲステロンの増加が根本原因になっています。

生理前にホルモンバランスが変化することはわかりましたが、なぜ口周り・口元にニキビができやすいのでしょう。

はっきりとしたことはわかっていませんが、普段口周りは皮脂が比較的少ない場所なので、ホルモン変化によって急に皮脂分泌が盛んになることが関わっているかもしれません。

ではプロゲステロンが増えることで、具体的に身体にどのような変化が起きて口周り・口元にできるニキビの原因になっているのかについて説明します。

1. 皮脂分泌の増加

黄体ホルモンは皮脂分泌を活発にする作用があります。生理前は黄体ホルモンが増加するので、皮脂分泌も多くなってしまうのです。そのため普段よりも肌が油っぽくなり、ニキビができやすい状態になります。

2. 血流の悪化

黄体ホルモンは妊娠を継続させる作用があり、赤ちゃんが子宮内で安定して過ごせるような環境に整えるため、女性の身体にも変化が起こります。

具体的には骨盤内に血液を溜めようとするために血流が悪くなりがちです。血行が悪いと肌に栄養が行き届かず肌が乾燥しやすくなり、ターンオーバーも滞りがちになります。

すると毛穴が詰まりやすくなります。そして、この時期は皮脂の分泌量も増えているため、普段よりもニキビができやすくなっているのです。

3. 便秘しがち

黄体ホルモンには腸の蠕動運動を抑制する作用もあるため、生理前は便秘になりがちです。なぜ便秘でニキビができやすくなるのかというと、便秘になると便や老廃物が腸内に長時間とどまり、悪玉菌を増やしてしまうからです。

悪玉菌はタンパク質を分解して、アンモニアやインドールを生成します。それらが血流にのって全身に運ばれ、その一部が汗となって皮膚表面に排出されるのです。

アンモニアやインドールは肌への刺激性があるため、炎症が起きやすいのです。汗は汗腺から排出されますが、汗腺は毛穴の中に開口しているので、毛穴周りで炎症が起きてニキビになります。

4. ストレスの増加

生理前は体調がすぐれないことが多く、気分も滅入りがちです。この時期に分泌が増えるプロゲステロンの影響で、抑うつ状態にもなりやすくなっています。

そのような精神状態のため、ストレスに対しても敏感になります。ストレスが溜まると日常のことが億劫になりがちですよね。

またストレスを感じると男性ホルモンの分泌が増え、皮脂分泌が多くなります。これらが重なって、肌荒れやニキビができやすくなるのです。

5. 眠りが浅い

生理前は日中眠気が取れないと感じることが多いと思います。これはホルモンの影響で体温が下がらないからです。

質の良い睡眠を取るためには、入眠時に体温が低くなることが必要だそうです。私たちの体温は一日のうち体温が最も高くなるポイントともっとも低くなるポイントがあります。

日中に最高体温にまで上がり、夜に最低体温まで下がります。質の良い睡眠をとるためには、入眠時に体温がぐっと下がることが必要と言われています。

ところが生理前は夜に体温があまり下がらないため眠りが浅くなります。そのため夜にしっかりと寝ているつもりでも昼間に眠気を強く感じるのです。

生理前は寝不足状態が続くのと同じで、肌のターンオーバーが乱れ毛穴が詰まりやすくなります。そこへホルモンの影響で皮脂分泌も増えるので、ニキビができやすくなります。

生理前の口周り・口元ニキビの改善対策7個

生理前に口周り・口元にニキビができる原因がわかりました。改善対策はこの原因から導くことができます。ホルモンの影響で、精神的にも身体的にも不快な時期を過ごさなければなりません。

そこで不快を軽減したり不調を和らげたりすることで、ニキビの原因をできる限り取り除いていくことで、予防・改善を目指しましょう。

1. 刺激の少ない洗顔をする

皮脂分泌が活発になるからといって、1日に3回も4回も洗顔料で洗顔するのは洗い過ぎです。適度な皮脂は必要ですし、洗浄剤の使い過ぎは肌への刺激になるので気をつけましょう。

洗顔料は洗浄力が強すぎるものは避けた方が無難です。洗顔後に肌のツッパリやヒリヒリチクチクを感じる場合には、洗浄力の弱い敏感肌や乾燥肌用の洗顔料を選ぶと良いでしょう。また、洗顔の回数を増やす必要はなく、1日2回の洗顔で十分です。

洗顔の仕方は生理前だからといって変わるわけではなく、よく泡立てて肌を擦らないように気をつけながらやさしく泡で包むように洗います。

すすぎは体温くらいのぬるま湯で十分に洗顔料を落とします。すすぎのときも、ゴシゴシ擦らないよう気をつけてください。タオルで拭くときも、擦らないで優しく押さえるようにして肌の水分を拭き取ります。

2. 丁寧に保湿する

洗顔直後・入浴直後は肌がうるおっていますが、保湿をしないで放っておくと洗う前よりも肌が乾燥してしまいます。乾燥すると毛穴の詰まりを招くので、ニキビを悪化させることになります。

また乾燥した肌は防御のために皮脂を分泌しようとするので、洗顔・入浴後は直ちに保湿を行うようにしましょう。

口周りは特に、口角や唇との境あたりの細かい部分に、保湿剤を指の腹やコットンなどを使って、丁寧に塗布しましょう。

3. 食事内容に気を使う

食事面でも生理前のニキビ対策が可能です。まずは便秘にならないよう、または便秘を解消するために、繊維質の多い食事をすることが大切です。

おすすめの食材は豆類、野菜や果物、海藻類です。豆類は腸壁を刺激する不溶性食物繊維を多く含み、海藻類は便を丁度良い硬さにする水溶性食物繊維を多く含みます。野菜やくだものは両方の食物繊維を含み、さらに肌に良いビタミン類も豊富なので、積極的に食べましょう。

肌に良いビタミンB群やビタミンC、ビタミンAやEなども、野菜や果物に含まれています。多種類の野菜や果物を食べることで、バランスよくビタミン類を摂取することができるので、同じ種類の食材に偏らないように気をつけましょう。

4. リラックスできる時間を持つ

生理前はイライラしたり精神的に不安定な状態になりやすかったりするので、1日に1回はリラックスできる時間を設けましょう。

好きな香りや趣味を楽しむ、ぬるめのお湯でゆったり入浴するのも効果的です。好きなことに集中できる時間を持つことで一時でも嫌なことを忘れ、気持ちが前向きになります。

5. ストレッチなどで身体をほぐす

体調がすぐれない場合、ジョギングやウォーキングをする気にならないこともあるでしょう。だからといって、家の中でじっとしていても気持ちがふさぎこみやすくなるので、身体にも心にもよくありません。生理前は血行が悪くなっているので、ストレッチをして身体をほぐすと気分もすっきりします。

だるさや眠気も、少し身体を動かす方が楽になるのでおすすめです。やってみると楽しくて、つい張り切ってしまうかもしれませんが、思わぬケガにつながる恐れがあるため無理をせず、自分のペースで行うようにしましょう。

6. 水分を十分に摂る

便秘防止には水分を摂ることも大切です。野菜や果物など、食材からも摂れることはもちろんですが、意識して水分補給も行いましょう。

コーヒーなどのカフェインが含まれる飲み物はほどほどに、また清涼飲料水は糖分が多いため、ノンカフェインのお茶や水がおすすめです。がんこな便秘に困っている人は、マグネシウム含量の多いミネラルウォーターを飲むと良いでしょう。

7. 快適な睡眠を心掛ける

生理前はホルモンの影響で1日の体温変化が通常と異なります。そのため普段よりも眠りが浅くなり、体調もすぐれず肌トラブルも起きやすくなります。

そこでできるだけ眠れる工夫をすることで、少しでも快適にこの期間を過せるようにしましょう。

まずは夜更かしを避け、早めに布団に入るよう心がけましょう。布団に入って寝付けなかったとしても、横になっているだけでも起きているよりは身体は休まっています。

私たちは朝日を浴びることで、体内時計を調節しています。朝に太陽の光を浴びることで、体内のセロトニン分泌量が増えます。睡眠ホルモンといわれるメラトニンはセロトニンから作られるので、朝日を浴びることは良い眠りにもつながります。

まとめ:不快な時期は楽しみを見つけて

生理前の不快な時期を、できるだけ快適に楽しく過ごせる工夫をしましょう。普段よりも少し時間的にゆとりを持った生活を心掛けて、スキンケアや食事に気を配る時間を持てたら今まで気づかなかった楽しみが見つけられるかもしれません。

楽しく過ごすことは、肌の健康にも良いのです。楽しい気持ちでいると、身体はそれに反応して活動的になれるので、血行も良くなります。食事も美味しくなり、イライラもおさまるでしょう。

逆に楽しみがないと、嫌なことや不快なことばかりに目が行きがちになり、ニキビができるとつい手で触ってしまったりするかもしれません。ゆったりできる環境づくりをして、口周りや口元のニキビ対策にも取り組みましょう。