監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

女性の肌の状態は、生理周期の影響を受けることが多くあります。生理前は肌がかゆい・毛穴の詰まりやニキビも気になる。そのようなトラブルに悩み、ストレスを感じていませんか。

この記事では、生理前のニキビの原因とニキビを予防・改善するためのスキンケアや生活習慣のポイントを紹介します。毎月のように訪れる肌荒れリスクの高い時期に負けず、きれいな肌を作るためのヒントとして、ぜひ参考にしてご活用下さい。

生理前にニキビが必ずできる…

生理前は、身体や心の不調を感じやすく、肌荒れやむくみといったトラブルが生じることも多くあります。

全身が重だるくて、手足がむくむ。肌は敏感に傾き、ひどいブツブツが大量にできる。あらゆるトラブルが毎月のように発生し、治る気配を見せないと、悲しい気持ちになりますよね。

そして、生理前のニキビは、多くの女性が人知れず悩むトラブルの1つ。以下のような症状をコンプレックスに感じ、「恥ずかしい」と考えてはいませんか。

・口元やフェイスラインを中心にニキビができて、ひどく目立つ。
・白ニキビが大量に発生し、なかなかきれいに治らない。
・定期的にニキビができて、ボコボコになってしまう。
・赤ニキビができやすく、大きなしこりができてしまう月もある。

ここまで私たちを悩ませる生理前ニキビの原因は、一体どこにあるのでしょうか。繰り返すニキビの原因を特定し、しかるべき対応を検討しましょう。

生理前のニキビの原因3個

生理前のニキビの根本的な原因は、ホルモンバランスの変化です。排卵後から生理を迎えるまでの期間は、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が増加する時期。黄体ホルモンの増加によって以下のような症状が起こると、ニキビができてしまいます。

1. 毛穴の詰まり

毛穴の詰まりは、生理前の白ニキビを招いてしまう原因です。黄体ホルモンは男性ホルモンと似た働きをしますので、過剰な皮脂が分泌されて、毛穴の詰まりを悪化させることがあります。

毛穴の詰まりがひどくなり、白く盛り上がって見える状態が白ニキビ。洗顔やクレンジング不足・ターンオーバー周期の乱れなどによって毛穴の詰まりが悪化すると、余計にひどくなってしまいます。

2. アクネ菌の増殖

アクネ菌の増殖は、赤ニキビや黄ニキビなど、炎症を伴うニキビの原因です。黄体ホルモンは、アクネ菌の繁殖を防止する「抗菌ペプチド」の産出量を低下させるといわれます。ホルモンバランスの変化によって、アクネ菌の繁殖しやすい状態に傾くということです。

また、生理前は、身体のだるさを感じることでスキンケア不足になったり体温が高くなることで過剰な皮脂が分泌されたりする時期。十分な洗顔を行わなかったり毛穴の詰まりが悪化したりすることで、アクネ菌の栄養源が増加すると、ニキビリスクは高まります。

3. バリア機能の低下

最後に、バリア機能の低下です。バリア機能の低下した肌は外部刺激を受けやすく、わずかな刺激に対しても過敏な反応を示す状態。

肌が乾燥し、ムズムズかゆい・ニキビや吹き出物がすぐにでき、悪化しやすいといった問題を引き起こしてしまうのです。

生理前ニキビのスキンケア方法7個

ホルモンバランスの変化と上手に付き合い、肌の調子を整えることが生理前ニキビの解消を後押しします。生理前のスキンケアのポイント7個を理解して、定期的な肌トラブルを改善しましょう。

1. 正しい洗顔で毛穴の詰まりを解消する

生理前であってもなくても、日々の正しい洗顔はニキビ対策における基本の「キ」です。朝・夜2回の洗顔を正しく行い、肌表面を清潔に維持しましょう。

◎生理前ニキビが気になる人の洗顔手順

【1】洗顔料をよく泡立てる
適量の洗顔料を手のひらに出し、十分に泡立てます。泡立てが苦手な人は泡立てネットや泡立て器を使用する方法がおすすめ。手のひらを逆さにしても落ちないくらいの濃密さを目安として、十分な泡立てを行って下さい。

【2】ベタつきを感じる部位から洗う
洗顔料を乗せる順番は、ベタつきを感じる部位→両頬など広い部位→口元や目元といった乾燥しやすい部位の順番。いずれの部位も泡のクッションを利用して、なでるように洗顔しましょう。

【3】ぬるま湯で十分にすすぐ
たっぷりのぬるま湯を手のひらにため、十分にすすぎます。すすぎの回数は、最低でも20回から30回。洗顔料が残ってしまうと肌に負担をかけますので、すすぎ残しのないことを確認し、洗顔を終えて下さい。

朝の洗顔をぬるま湯のみで行う洗顔法もありますが、就寝中に付着した皮脂汚れがきれいに落ちず、ニキビの悪化を招いてしまうリスクがあります。

ましてや、生理前はとくに過剰な皮脂が気になることの多い時期。朝の洗顔にも洗顔料を使用し、汚れをきちんと落としましょう。

2. 刺激の強い洗顔料の使用を避ける

バリア機能の低下した肌は、ただでさえ敏感です。ピーリング成分の含まれる洗顔料やスクラブ粒子の含まれる洗顔料など刺激の強いアイテムによるお手入れは一旦お休み。基本通りの泡洗顔と洗顔後の十分な保湿で、「守りのケア」を行います。

3. ニキビを悪化させにくいクレンジングを活用する

メイク汚れの蓄積は、毛穴の詰まりを悪化させ、ニキビリスクを高めます。ニキビを悪化させにくいクレンジングを活用し、汚れをきれいに落としましょう。

ニキビを悪化させにくいクレンジング選びのポイントは、以下2点です。

【1】こすらず使えるクレンジングであること
拭き取り式のクレンジングは、摩擦刺激を与えやすく、バリア機能の更なる低下を招いてしまう原因です。生理前の敏感に傾いた肌をいたわるためには、洗い流すタイプを選択しましょう。

【2】ノンコメドジェニックテスト済みであること
「ノンコメドジェニックテスト済み」表記は、ニキビ肌に対する影響を事前にテストし、一定ラインをクリアしたことを証明するもの。ニキビのできやすい時期でも活用しやすく、トラブルリスクを軽減できます。

4. 帰宅後すぐにメイクを落とす

メイクしたまま過ごす時間が長いほど、肌にとっては負担です。帰宅後は速やかにメイクを落とし、肌の負担を軽減しましょう。

◎クレンジング手順

【1】適量のクレンジングをなじませる
商品指定の量のクレンジングを手のひらに出し、顔に優しくなじませます。頬や額といった広い部位は手のひらでなじませ、目元や口元といった細かい部位は指の腹を使う方法がおすすめ。人差し指・中指・薬指の腹を使い、入り組んだ部分のメイクを落としましょう。

【2】少量のぬるま湯をなじませる
オイルクレンジングやミルククレンジング、クリームクレンジングを使用する場合は、少量のぬるま湯を手のひらにとり、顔全体になじませましょう。この工程は、水と油が混じる状態に変えるために欠かせない作業。ジェルクレンジングなど油分を含まないクレンジングを使用する場合には、省略して構いません。

【3】ぬるま湯でよくすすぐ
洗顔同様にぬるま湯でよくすすぎ、汚れをきちんと取り除きます。すすぎ残しのないように気をつけることは大切ですが、時間をかけすぎてしまうこともまた肌にとって大きな負担。クレンジングを始めてから1分以内にすすぎまで終わることを目標として、順序良く進めて下さい。

5. 十分な保湿でバリア機能を強化する

クレンジング・洗顔後は十分な保湿を行い、バリア機能を強化します。化粧水や保湿ジェルを手のひらに出し、優しく包み込むように意識しながら、顔全体になじませましょう。

次に、乳液やクリームなど適度な油分の含まれる基礎化粧品をなじませ、水分・油分のバランスを整えます。すでにニキビのある部位だけは乳液やクリームの量を控えめにして、アクネ菌の繁殖を防ぐ方法もおすすめ。健やかな肌の水分・油分のバランスに近づけるようなイメージで、必要な成分を必要な部位へと補います。

なお、生理前は、普段の化粧水や乳液・クリームに対しても敏感な反応を起こしてしまうリスクの高い時期です。「化粧水がしみる」「ヒリヒリとした刺激を感じる」といった反応が生じる場合は無理をせず、敏感肌用に開発された商品を活用しましょう。

可能であれば、肌の調子が落ち着かない時期でも活用できる化粧水や乳液、クリームを持っておくと安心です。いつも通りのお手入れを無理に続けることは避け、肌の状態に応じたスキンケアを実践しましょう。

6. 市販のニキビ治療薬を活用する

炎症を伴う赤ニキビや黄ニキビをきれいに治すためには、皮膚科を受診し、内服薬や外用薬による治療を行うことが理想です。できたばかりのニキビには、市販の塗り薬を活用し、応急処置を行うことも一案。

以下のような成分の含まれる市販薬を活用し、ニキビの悪化を防ぎましょう。

抗炎症成分ニキビや肌荒れに伴う炎症を鎮め、悪化を防ぐ成分です。

例:グリチルリチン酸2K、イブプロフェンピコノールなど
殺菌・抗菌成分アクネ菌の繁殖を抑え、ニキビの悪化を防止する成分です。

例:レゾルシン・、イソプロピルメチルフェノールなど
角質軟化成分固くなった角質を柔らかくほぐし、毛穴の詰まりの解消を支援する成分です。

例:イオウ・サリチル酸など

市販のニキビ治療薬を一定期間使用しても改善できないニキビは、皮膚科を受診し、意見をあおぐと安心です。

市販薬を活用してもなお症状が悪化して、赤ニキビや黄ニキビ、しこりニキビに進行した場合も同じこと。専門家のもとで適切な対処を行い、きれいに治す方法が安心です。

7. 日焼け止めの塗り直しをこまめに行う

紫外線刺激は、ニキビの炎症を悪化させるリスクがあります。生理前はいつも以上に万全の紫外線対策を行い、ニキビの悪化を防ぎましょう。日焼け止めを毎日欠かさず塗ることはもちろん2時間から3時間置きに塗り直し、うっかり日焼けを防ぎます。

スプレータイプの日焼け止めは、外出中でも活用しやすく、メイク崩れも気になりません。メイクのお直しも兼ねて、UVカット機能付きのルースパウダーを使うこともおすすめです。

曇りの日や室内で過ごす日も紫外線の影響を受けますので、日焼け止めを欠かすことはできません。肌質に合う日焼け止めを上手に使い、紫外線刺激によるニキビの悪化を防ぎましょう。

生理前のニキビ予防に役立つ食べ物4個

生理前は、黄体ホルモンの働きによってお通じが滞り、腸内環境が悪化しやすい時期といえます。腸内環境の悪化は、アンモニアなどの有害物質を増加させて、生理前ニキビを招いてしまう原因の1つ。腸内環境を整える食べ物を食べることで、ニキビの増加を防ぎましょう。

腸内環境を整えるためにとりたい食べ物の代表例は、以下4個です。

1. ヨーグルト

善玉菌の一種である「乳酸菌」や「ビフィズス菌」が含まれます。また、ヨーグルトは、皮脂量のコントロールを担当するビタミンB2を比較的多く含む食べ物。生理前のイライラから過食に走り、脂質や糖質の多いメニューを食べ過ぎた時のリセットにもひと役買います。

2. バナナ

ヨーグルトと合わせて食べたいおすすめ食材がバナナです。バナナに含まれる食物繊維やオリゴ糖は、善玉菌のエサになって、腸内環境の正常化を後押しする栄養素。

その他、むくみの解消を助けるカリウムやタンパク質の代謝に欠かせないビタミンB6、脂質の代謝に欠かせないビタミンB2など、生理前のトラブルを予防・改善するための栄養素が非常に多く含まれます。

3. 納豆

納豆には、悪玉菌を減少させて、有害物質の発生を抑制する「納豆菌」が含まれます。また、納豆は、善玉菌のエサになる食物繊維や大豆オリゴ糖を豊富に含む食べ物です。他の善玉菌の働きを助けて、お通じを促すことにも貢献します。

さらに、納豆は、女性ホルモン「エストロゲン」に似た働きを担う大豆イソフラボンを含む食べ物。生理前のイライラや憂鬱な気持ちの解消にも一役買います。

4. きのこ

お通じを改善するためには、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方が必要です。きのこは、この両方を豊富に含む優秀な食材。不要なものの排出を助けたり、ぜん動運動を促したりすることで、「溜めない身体」を作ってくれます。

腸内環境改善のためにきのこを食べる際の目安は、1日あたり100gです。えのきやエリンギ、しめじといった一般的なきのこの場合はちょうど、1パック丸ごと使い切る程度の重量。朝・昼・晩と三食の中で1パックを使い切ることを目標として、日々の献立を組み立てましょう。


まとめ

生理前のニキビの原因とスキンケアや食べ物による対策を紹介しました。洗顔やクレンジング、保湿といった外部からの対策・ニキビを防ぐ食べ物によるインナーケアの両方を同時進行で行うことが定期的な肌荒れを予防し、いつでもきれいな肌を維持するコツ。

すぐに変化が見られなくても諦めず、継続的な対策を行うことで、理想の肌を目指しましょう。