
肌はカサつくのに、メイクをしても毛穴が目立つ…。その正体は「乾燥毛穴」かもしれません。ではなぜ肌は乾燥しているのに、毛穴が目立つのでしょうか?
ここでは乾燥毛穴の原因と改善対策、毛穴の赤みと黒ずみなどについて詳しく解説します。原因と対策を知って、毛穴に悩まされない美肌を目指しましょう。
乾燥毛穴とは?
「乾燥毛穴」は、何らかの原因で乾燥して毛穴が開いて目立つ状態のこと。乾燥と毛穴は無縁と考える人も多いでしょうが、実は乾燥していても毛穴が目立つこともあるのです。
肌のうるおいが不足すると、肌表面の弾力も失われてしまいます。乾燥して肌が引っ張られることで、毛穴も開いてしまうのです。
そこに皮脂がたまり白いポツポツとした角栓になると、肌はひどく乾燥した状態になることも。乾燥した肌を守ろうと肌が厚くなり、時にゴワつくこともあります。
毛穴が目立つからと、ファンデーションを厚く塗ってしまう人もいるでしょう。このような間違ったケアを続けていると、毛穴の開きがますます進んでしまいますよ。正しいスキンケアを身につけて、ふっくらとした美肌を手に入れましょう。
乾燥毛穴の開きが目立つ…
「年齢とともに毛穴の開きが目立つようになってきた」
「小鼻や口周りの毛穴にポツポツと白いものが…」
「メイクをしてもなかなかきれいに毛穴が隠れない!」
と加齢とともに、乾燥毛穴の開きに悩む人が増えています。
20代の頃に脂性肌だったという人も、30歳を過ぎると徐々に乾燥肌に傾く傾向です。「脂性肌や混合肌ではないから毛穴とは無縁…」と思っている人は要注意。
乾燥肌でも毛穴が開いて目立つこともあるのです。しっかり保湿しているつもりでも、毛穴が目立ってメイク映えしないことも。
特に体に比べると顔の毛穴は皮脂腺が大きく、毛穴の開きが目立ってしまいがち。できることなら毛穴の開きを改善して、綺麗な肌を手に入れたいですよね。憧れの毛穴レスな肌を目指すために、乾燥毛穴の原因をしっかりチェックしておきましょう。
乾燥毛穴の原因3個
乾燥毛穴はなぜ起こるのでしょうか?ひとまとめに乾燥といっても、原因は1つとは限りません。原因に対処する適切なケアが必要です。
まずは肌の状態をチェックして、乾燥毛穴の原因を把握しましょう。以下では乾燥毛穴の原因について、詳しく解説していきます。
1. うるおい不足
乾燥毛穴の原因1つ目は水分量の減少です。加齢などにより、肌の保水力が低下することで起こります。うるおいが不足すると、肌が引っ張られて毛穴の目立つ原因に。
20代のときと同じ化粧品では、肌の乾燥を防げないかもしれません。洗顔した後は、小鼻や口周りに白いポツポツとしたものが現れることもあります。特に乾燥する冬は、毛穴が開いて見えるので念入りなケアを必要とします。
2. 皮脂の過剰分泌
乾燥した肌は、うるおいを補うために皮脂を過剰に分泌します。皮脂の分泌量が多くなると、皮脂腺の出口も大きくなり毛穴を広げてしまうのです。顔がベタつくからと、必要な皮脂までとりすぎているかもしれません。
こまめにあぶらとり紙で皮脂をとっている人は要注意です。顔のテカリやベタつきは、乾燥による皮脂の過剰分泌が原因ということも珍しくありません。
皮脂で顔がベタついても、肌の内部は乾燥している状態(インナードライ)です。それぞれの肌の状態に合ったスキンケアの見直しが必要です。
3. 間違ったスキンケア
洗顔時に水や熱めのお湯で洗ったり、シャワーを直接顔にかけたりしていませんか?多いケースがシャワーのお湯を直接顔にかけている人です。
確かに、手っ取り早くてしっかり洗えている感がありますよね。しかし、直接顔にシャワーをあてると肌に負担となり、毛穴の開きがますます悪化してしまいます。
また過度な洗顔やゴシゴシ洗いなども、肌に刺激となり乾燥の原因に。化粧水と乳液だけをつけて、クリームや美容液を使っていないという人も要注意です。1度、日々のスキンケアを見直してみると良いでしょう。
乾燥毛穴の改善対策7個
ここからは、乾燥毛穴を根本から改善する方法を詳しく解説していきます。基本的なスキンケアの見直しとひと手間を加えて、理想的な美肌を手に入れましょう。
1. しっとりタイプの洗顔料を使ってうるおいを守る
乾燥毛穴は保湿成分を配合したしっとりタイプの洗顔料で、皮脂を落としすぎないよう優しく洗顔します。洗いあがりはつっぱらず、しっとり感のあるものを選びましょう。
洗顔をするときは、泡立てネットで手に吸いつくくらいのモチモチした泡を作ります。皮脂量の多い部分からたっぷりの泡をつけていきましょう。
乾燥が気になる部分には、薄くのばす程度でOKです。摩擦が起きないようこすらず優しく洗うことが洗顔の大切なポイントです。
洗いすぎを防ぐため、なるべく1分以内の洗顔を心掛けましょう。洗顔後の肌は、皮脂が少ない状態なので素早く化粧品で保湿をしてくださいね。
洗顔料の種類と特徴
洗顔の目的は、水だけでは落とせない皮脂などの汚れを洗い流すことです。メーカーや種類によって洗浄力はさまざまですが、なるべく肌に負担のかからないものを使用しましょう。
以下では洗顔料の種類と特徴をまとめました。洗浄力の高さや使い心地など、洗顔料を選ぶときの参考にしてくださいね。※洗浄力は一般的な目安です。
種類 | 洗浄力 | 特徴 |
---|---|---|
クリーム、フォーム | 弱~強 | 泡立ちが良い |
固形石けん | 中~強 | つっぱり感が出やすい |
泡タイプ | 弱~中 | 泡立てる手間がかからない |
クレンジングジェル | 弱~強 | アルカリ性の洗浄力は強い 弱酸性の洗浄力は弱い |
洗顔パウダー | 中~強 | 水分を配合していない |
2. メイクに合ったクレンジングでしっかり汚れを落とす
しっかりメイクをしている人は、化粧品とクレンジング剤との相性を確認すること。ウォータープルーフなどの密着型の化粧品は、通常のクレンジング剤で落ちていない可能性も。
しっかりメイクを落とせていないと、毛穴に汚れがたまって角栓となり、肌の乾燥や肌荒れにつながります。化粧がきれいに取れていないと感じている人は、違うクレンジングを試してくださいね。自分のメイクに合ったクレンジング剤を使って、しっかり汚れを落としましょう。
クレンジングの種類と選び方
自分のメイクに合ったクレンジング剤を確認するために、以下では種類と特徴をまとめました。クレンジング剤を選ぶときの参考にしてください。
種類 | 落とせるメイク | 洗浄力 |
---|---|---|
ミルク(乳液)・ジェル | ・BBクリーム ・ミネラルファンデーション | 低 |
クリーム・ふきとりシート | ・リキッドファンデーション ・エマルジョンファンデーション | 普通 |
オイル・バーム | ウォータープルーフの日焼け止め、アイライナー、マスカラなど | 高 |
洗浄力の低いものだとメイクは残ります。しかし、反対に高すぎると肌に負担がかかります。
メイクを浮かせて、こすらず落とせるクレンジング剤を使いましょう。毛穴の汚れを綺麗に落とすと化粧水や美容液の浸透が良くなり、ファンデーションのノリも良くなりますよ。
3. 毛穴を塞ぎやすいメイクは控える
クリームやリキッドタイプのファンデーションは、肌に密着して毛穴を塞ぎやすくなるので控えましょう。毛穴に汚れがたまると角栓となり、酸化すると黒ずみにも繋がるため要注意です。
洗浄力の優しいクレンジングで落とせるパウダーなどで、ナチュラルメイクを心掛けることが大切です。毛穴の凹みが気になるなら、毛穴をカバーする軽い付け心地の下地を使用しましょう。
4. セラミドなどを配合した化粧品で保水力をアップ
肌のうるおいは皮脂やNMF(天然保湿因子)、細胞間脂質の3つの保湿因子で保たれています。しかし、これらの保湿因子の減少により、バランスが崩れると肌の水分量も減少します。その結果、肌が酷く乾燥した状態になるのです。
「セラミド」を配合した化粧品で、肌の保水機能を高めるケアが効果的です。角質層内のセラミドが減少すると、バリア機能が低下して乾燥や肌荒れを招きます。また、角質層にセラミド成分を届けることで、乾燥や肌荒れの改善が期待できますよ。
以下は3つの保湿因子に近い成分をまとめたものです。
・セラミド…細胞間脂質の成分に近い
・スクワラン…皮脂膜の成分に近い
・アミノ酸…NMFの成分に近い
「スクワラン」や「アミノ酸」は、うるおいをしっかりつかんで水分蒸発を防ぎます。これらの成分を配合した化粧品で、乾燥毛穴の原因となる「肌内部の乾燥」を根本から改善しましょう。
5. 乳液やクリームでフタをして水分の蒸発を防ぐ
化粧水と美容液をつけた後は、乳液やクリームなどの油分を含んだ化粧品でフタをして水分の蒸発を防ぎましょう。
化粧水は水溶性成分ベースで作られています。せっかく水分を補っても、油分を配合した化粧品でフタをしなければうるおいを逃すことに。
保湿の順番は化粧水、美容液、乳液、クリームです。中には油分ベースの美容液もあるので、メーカーが推奨している使用順をチェックしてくださいね。乾燥毛穴の改善には、肌の内側までうるおいを届けることが重要です。
6. 美容液パックでしっかり保湿する
週に1度は美容成分を豊富に配合したシートパックで集中ケアを。「ヒアルロン酸」や「コラーゲン」、「セラミド」など、高保湿成分を配合したものがおすすめです。
乾燥が気になるなら、毎日でも続けてOKです。肌がうるおいで満たされてふっくらすれば、毛穴の開きも徐々に目立たなくなります。
美容液を含んだシートパックは、肌の内部までしっかりうるおいを届けてくれますよ。毛穴に効果的なものに加えて、美白やエイジングなど、肌の悩みに合うものを選びましょう。
7. 綿棒で優しく毛穴の詰まりを解消
日々のクレンジングや洗顔で落とせない毛穴の汚れは、美容オイルを塗って優しく綿棒で取り除きます。ホットスチーマーやホットタオルなどで、事前に毛穴を開いておくと効果がアップしますよ。
美容オイルはベビーオイルや植物オイルでOKです。小鼻など毛穴の詰まりが気になる部分に、たっぷりとオイルをなじませます。
綿棒の先にもオイルをつけて、優しくクルクルと動かすだけで角栓がきれいに取れていきます。あまりゴシゴシすると、肌に負担がかかるので気をつけましょう。きれいに取り除いた後は、念入りな保湿を忘れずに。
乾燥毛穴の赤みの対処方法
乾燥毛穴の赤みの主な原因は「炎症」です。日光や気温といった環境の変化や、食事や化粧品、薬などが影響します。
毛穴内の毛包や皮脂腺の周りに「炎症」が起きている状態です。放置したり触ったりして炎症が進むと、赤ニキビのようなブツブツにつながることも。
まずは、抗炎症作用のある化粧品を使って炎症を鎮めます。炎症が酷いときは、市販薬や処方薬で対応しましょう。
また、炎症が起きているということは、肌を守るバリア機能の低下も考えられます。バリア機能を整える成分「セラミド」などを配合した化粧品でしっかり保湿してくださいね。
洗顔やクレンジング、化粧水などは、刺激を避けるため「肌に優しいもの」を。刺激の強い界面活性剤を配合していないものがおすすめです。
顔を拭くタオルは綿などの肌に優しい素材を使用します。日焼け止めも肌に刺激の少ないものを選び、日傘や帽子で紫外線対策は徹底的に行いましょう。
乾燥毛穴の黒ずみの対処方法
乾燥毛穴の黒ずみは、毛穴にたまった皮脂が酸化することによって起こります。主に鼻の先端など、皮脂の分泌が多い場所に現れる傾向です。「メイクをしても毛穴が黒ずんで隠せない!」とお悩みの人も多いはず。
この黒ずみは、酵素配合の洗顔料やピーリング剤を使って取り除きましょう。事前にホットタオルで毛穴をしっかり開いておくと効果的です。角栓ケアをした後の肌は、乾燥しがちなので丁寧な保湿を忘れずに。
最後は収れん作用のある化粧品で、毛穴をキュッと引き締めます。肌に刺激の強いアルコールやパラベンなどを配合していない無添加タイプがおすすめです。
注意点は洗顔やピーリングをするときに、ゴシゴシと肌をこすらないこと。また吸着洗顔(クレイパック)は、皮脂を取り除きすぎるため控えます。
貼って剥がすタイプのピールオフパックも、刺激が強いため避けてくださいね。日頃から適切な洗顔料やクレンジング剤で、毛穴に汚れをためないよう綺麗にしておくことが大切です。
まとめ
乾燥毛穴の原因と改善策などを解説してきましたが、いかがでしたか?毛穴の開きの改善に大切なことは、肌をうるおいで満たしてあげること。そして毛穴に汚れがたまらないように、肌に合ったクレンジングや洗顔料を選ぶことも大切です。
今まで毛穴ケアをサボっていた人も、今からでも決して遅くはありませんよ。しっかりとお手入れをして、毛穴の目立たない美肌を目指しましょう。