監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

スキンケアでよく聞く「肌のくすみ」という言葉。聞き馴染みはあるものの漠然とした定義で「何だかよく分からない」と感じる女性は多いものです。

ここでは、くすみとはどのようなトラブルかを整理するとともに考えられる原因とそれに応じた改善方法を紹介します。

肌のくすみとは?

化粧品で「肌のくすみ」とは、シミやそばかすができているわけではないのに、明るさが一時的に低下して暗く見える肌を指します。日焼けしたときのように茶褐色になってきた・青黒く元気がない印象に見える・黄色く濁った色をしているなどの症状を総称した呼び名が「肌のくすみ」ということです。肌のくすみが目立ってしまうと、こんなデメリットが考えられます。

・実年齢より上に見える
・疲れ顔に見られやすく、冴えない印象になってしまう
・メイクのノリが悪くなる
・毛穴や凹凸がいつも以上に目立ってしまう
・はかなさ、透明感といった「憧れの女性」イメージから遠ざかる

ヘアカラーでもメイクでも「透明感」がトレンドです。「あざとかわいい」「抜け感」「ナチュラル」といったキーワードも増えています。これらのキーワードは、肌のくすみとは正反対に位置するものです。くすみを改善することで垢抜けた印象となり、ナチュラルメイクでも魅力的・内側から輝く女性に見せてくれます。

肌のくすみの原因4つ

肌のくすみの原因は、血行不良・乾燥・肌の糖化・メラニン色素の4つです。各原因でなぜくすみができるのかを順番に見ていきましょう。

①血行不良

睡眠不足やストレス、身体の冷えなどの理由で血行が悪くなると、顔全体が青黒く、くすんで見えることがあります。青クマができやすい・唇が青くなるなどのトラブルを併発することが多く、早めの対策が必要です。

血行不良が進行すると、手足は冷えるのに顔はほてるといった「ほてり冷え」状態になってしまうこともあります。「顔を冷たく感じないから、血行不良にあたらない」とはいいきれず、正しい理解が必要です。

②乾燥

肌の乾燥が進むとターンオーバーリズムが乱れて、ごわつき・くすみが生じます。保湿を行わずに放置すると、シワやたるみといったエイジングサインが目立ち始めて、老け込んだ印象になりがちです。ターンオーバーの乱れから古くなった角質が肌表面に滞留し、角質肥厚になることでくすみが生じることもあります。

③肌の糖化

糖分・脂質を摂りすぎると、肌のタンパク質を変性させて、黄色くくすんだ肌になってしまいます。卵と小麦粉、牛乳を混ぜたパンケーキの生地は白ですが、油を引いたフライパンで焼いた後は茶色い焦げ目ができますよね。同じことが肌で起こると黄色く濁った色になって、透明感が失われます。

④メラニン色素

紫外線や間違ったスキンケアなど外的な刺激が重なると、肌の防御反応が働き、メラニン色素が生成されます。ターンオーバーで排出できなかったメラニン色素が停滞し、色素沈着を起こしたものが「くすみ」です。目の下にできる茶色いクマも、メラニン色素によるくすみの1つと考えられます。目元をこする摩擦刺激やメイクの負担が蓄積し、メラニン色素が溜まってしまうことからクマができるのです。

肌のくすみ改善方法8つ

さて、ここからが本題です。4つの原因ごとに2つずつ、合計8つのくすみ改善方法を紹介します。

血行不良によるくすみの改善方法2つ

血行不良が原因のくすみ改善方法はシンプルです。簡単なエクササイズやスキンケアで血の巡りをよくしてあげると、血色がよく活き活きとした肌への変化が期待されます。

①顔ヨガで緊張をほぐす

1つ目の改善策は、顔ヨガです。普段はなまけている顔の筋肉を動かすことで代謝を高めて、血行をよくしてあげます。メイク前の習慣にすることで透明感が高まるうえに、むくみを解消し、すっきりとした小顔に見せることも可能です。ここでは、顔ヨガ初心者でも挑戦しやすい「あっかんべー」を紹介します。

◎顔ヨガ【あっかんべー】のやり方
【1】真っ直ぐ正面を向いて目を開きます。
【2】首は動かさず、視線だけを天井側に向けて、黒目を上に持っていきます。
【3】「はー」と声を出しながら顎先に向かって舌を出し「これ以上は伸びない」というところまで持っていきます。

これを3〜5回繰り返すだけで、顔全体がポカポカと温かくなったように感じます。毎日継続することで、くすみにくく、透明感ある素肌を目指しましょう。

②炭酸水でコットンパック

しゅわしゅわと弾ける泡が肌に適度な刺激を与えて、血行促進してくれます。用意するものは、無糖タイプの炭酸水とコットンだけです。炭酸水は、クエン酸と重曹を1:1の割合で水に溶かし、手作りしてもかまいません。

コットンパックは、以下の手順で進めます。

【1】コットンに炭酸水を浸す
適当な容器にコットンを数枚入れて、ひたひたになるくらいまで炭酸水をそそぎましょう。量が少ないとパック中に蒸発してしまうので、十分な量を使ってください。

【2】パックする
1で作ったコットンを2枚にさき、くすみが気になる部分に貼り付けます。空気が入らないように、肌と密着させることがポイントです。この状態で5分くらい放置して、コットンが乾燥する前に剥がします。

コットンパックを行った後の肌は、デリケートな状態です。普段通りの保湿ケアを行って、外部からの刺激を受けないように保護しましょう。炭酸水を使った洗顔でも、同様の変化が期待されます。即効性が高く、すぐに変化が見られることから、お疲れ顔に見えるときの応急処置におすすめです。

乾燥によるくすみの改善方法2つ

乾燥が原因のくすみには、十分な保湿を行います。次のようなポイントに気をつけて、普段のお手入れを見直しましょう。

①保湿重視のスキンケアを正しく使う

乾燥肌をうるおすためには、水分と油分の両方が必要です。保湿成分が入った化粧水や美容液、乳液もしくはクリームを使った基本的なスキンケアを正しく行い、健康な肌を育てましょう。

「べたつきが気になるから」と乳液やクリームを止めてしまうと、補充した保湿成分を維持することができず、乾燥トラブルを悪化させる原因です。化粧水を使った後にハンドプレスし、しっかり吸収させたところで美容液、乳液を使うと、ベタつきストレスを軽減できます。

くすみケアをうたう化粧水や美容液には、ビタミンC誘導体やアルブチンなど、刺激が強い成分が入っているものもあります。メラニン色素が原因のくすみにはよいのですが、乾燥を悪化させるおそれがあるため、弱った肌には不向きです。保湿重視のスキンケアを継続して肌の状態がよくなれば、メラニン色素をきちんと排出できる状態となり、白くて透明感ある肌へと変わっていくことがあります。今の自分に必要なお手入れを見極め、一定期間続けてみましょう。

②泡立てないクレイ洗顔でやさしく洗う

過剰な洗顔は、必要な皮脂まで洗い流してしまって、乾燥トラブルを悪化させるおそれがあります。だからといって「洗わなすぎ」も、クレンジングで落としきれないメイクの汚れや古くなった角質が残ってしまい、くすみを悪化させる要因です。「肌の健康を守るために必要なものは残しつつ、汚れだけを吸着して落としてくれる洗顔料があったら」と思いますよね。

そこで活用したいアイテムが天然クレイを使った泡立てない洗顔料です。泡立ちをよくするために必要な刺激成分を含まず、マイルドな洗浄力にしていることから、肌の負担を軽減できます。天然クレイが汚れを吸着、毛穴のお掃除をしてくれるところもポイントです。毎日の洗顔で毛穴ケアまでできれば酵素洗顔やピーリングで負担をかける心配がなく、乾燥予防に役立ちます。

クレイの中でもホワイトクレイは、肌への負担が少なく、初心者でも挑戦しやすい種類です。ホワイトクレイ配合の洗顔料もしくはパウダーを溶かしたクレイペーストによる洗顔を試してみましょう。

糖化によるくすみの改善方法2つ

糖化が原因のくすみには、食生活の見直しが不可欠です。気をつけたいポイントは2つあります。

①糖質・脂質を摂りすぎない

黄くすみが気になるときには、甘いお菓子や油っこいおかずはなるべく避けて、健康的な食生活に切り替えます。麺類や丼ものなど炭水化物に偏りやすいメニューは避け、食物繊維を含む副菜、汁物を含む定食メニューを選択しましょう。糖化を防ぐためには、食べ順も重要です。サラダや卯の花、切り干し大根の小鉢など食物繊維が豊富なメニューを最初に食べて、血糖値の急上昇を防ぎます。

サラダを食べるときには、ドレッシングやマヨネーズなど脂質が多い調味料を避けてください。自宅で野菜をとるときには、蒸し野菜をポン酢で食べる・だし汁にくぐらせてしゃぶしゃぶ風に調理するなど工夫すれば、脂質のコントロールが可能です。

②糖化を抑制するお茶を飲む

健康茶、美容茶といわれる種類の中には、糖化を抑制する働きが期待されるものがあります。以下のお茶は通信販売や自然食品を扱うお店で購入しやすく、黄くすみ対策におすすめです。

ドクダミ茶:利尿作用が強く、余計な糖の排出を助けてくれます。独特のニオイが苦手な人は、ほかのお茶と掛け合わせたブレンド茶がよいでしょう。

甜茶:花粉症対策にも使われるほのかな甘みのあるお茶です。甜茶ポリフェノールにはアレルギーを抑える働きが期待され、肌荒れや花粉症対策にも役立ちます。

ヨモギ茶:乾燥させたヨモギの葉を原料とした香り豊かな健康茶です。クロロフィル・フラボノイドといったアンチエイジング成分を含み、くすみやシミを予防できます。

糖化を抑制するお茶をこまめに飲むことによって、血糖値を上げにくい状態を維持できます。マイボトルに入れて持ち歩き、水分補給代わりに飲みましょう。体内の水分量が足りないと、乾燥トラブルを悪化させやすく、くすみもよくなりません。1日の中で数回に分けて十分な水分補給を行うことが、きれいな肌を作ってくれます。

メラニン色素によるくすみの改善方法2つ

メラニン色素が原因のくすみを改善するには、メラニン色素を溜めないもしくは作らせない対策を検討します。具体的には、以下2つの改善策がおすすめです。

①年間を通してUVケアを怠らない

紫外線が強い夏場はもちろんのこと、春先や冬場も油断大敵。年間を通した対策がくすみのない肌を作ってくれます。

3〜5月のUVケア:
花粉が飛ぶ時期になると徐々に紫外線が増え始めるにも関わらず、穏やかな日差しに惑わされて日焼け止めを忘れがち。夏場に向けて、日焼け止めを毎日塗る習慣をつけていきます。

6〜8月のUVケア:
海や山に出掛ける機会も増える夏場は、本格的な紫外線対策が不可欠です。レジャーシーンで選ぶ日焼け止めは、SPF50の強力なタイプがおすすめ。汗をかいたらこまめに塗り直し、紫外線ダメージを予防しましょう。

9〜11月のUVケア:
紫外線のピークを乗り切った肌は、お疲れ気味です。気温が下がる10月・11月に乾燥が進行すると、内側に隠れていたシミやくすみが表面に出てきて、肌の不調を感じやすい時期にもあたります。強すぎる日焼け止めが負担となるリスクもあるので、低刺激タイプへの切り替えを検討しましょう。UVケアと同時に肌の保湿もきちんと行い、トラブルの悪化を防ぎます。

12〜2月のUVケア:
空気が乾燥する季節はバリア機能が衰えやすく、少なくなった紫外線量でもダメージを受けてしまうリスクがあります。UVカット機能がついた下地を使うなど負担を軽減しながら紫外線対策できる工夫を取り入れ、メラニン色素の蓄積を防ぎましょう。

②美白成分配合のスキンケアを活用する

美白有効成分は、メラニンの生成を抑えるタイプ・排出を促すタイプ・還元して白くするタイプの3種類に分けられます。蓄積したメラニン色素に対応するなら、排出を促すタイプ・還元して白くするタイプがおすすめです。

メラニンの排出を促すタイプの美白有効成分:
ビタミンC誘導体・プラセンタエキス・リノール酸

メラニンを還元して白くするタイプの美白有効成分:
ビタミンC誘導体・コウジ酸

乾燥のところでも触れたように、美白成分配合のスキンケアは刺激が強いものもあって、相性診断は必要です。はじめて使うときにはパッチテストを行い、赤みやかぶれ、ヒリヒリした刺激が出ないことを確認してから使ってください。

ライスパワーエキス・セラミド・コラーゲンといった保湿成分×美白成分の組み合わせで、乾燥対策しながら美白ケアもできるスキンケアを選択することでも、トラブルを予防できます。保湿が得意なスキンケアブランドが出している美白美容液を活用し、化粧水で水分を補充した後に美容液でメラニン対策を行い、乳液やクリームで保護するといったシリーズ使いもよいでしょう。

肌のくすみ改善に役立つ食べ物5つ

原因別の改善方法が分かったところで応用編です。肌のくすみに対して身体の内側から対処すべく、透明感ある美肌作りに役立つ食べ物5つを紹介します。

①トマト

トマトに含まれるリコピンは、メラニン生成を抑制できるうえ、紫外線ダメージを受けにくい状態にしてくれます。コラーゲン生成を促す働きからシワ対策も助けてくれるアンチエイジング食材の定番です。

生のトマトはもちろん、トマトピューレやジュースからでもリコピンを摂取できます。コンビニご飯のときにはトマトジュースを組み合わせる・トマトソースやラタトゥユにしてストックするなどアレンジが多く、継続しやすいところもメリットです。

②パプリカ

野菜の中でもトップクラスのビタミンC含有量を誇り、くすみや肌荒れ、シミなどあらゆるトラブルを予防できる食材といったらパプリカです。代謝を高めるβ-カロテンやビタミンEも豊富に含み、血行不良が原因のくすみにも対応できます。

パプリカのビタミンCは熱に強く、加熱しても失われにくいところが特徴です。β-カロテンは油で炒めると吸収率が高まるため、オリーブオイルでソテーしたり焼きマリネにしたりして頂きましょう。

③栗

秋になると食べたくなる栗も、くすみ対策に役立ちます。ビタミンB1・ビタミンB2・食物繊維を含み、美肌作りに欠かせない栄養素が豊富です。渋皮部分には、糖化によって生成されるAGEsを減少させる働きが期待されます。黄くすみが気になる人は、渋皮を残したまま調理しましょう。

意外に感じる人もいるはずですが、栗はナッツの一種です。カロリーが高めなので、食べ過ぎにはご注意ください。適量に留めれば、小腹が空いたときにおやつ代わりに取り入れるのもよいでしょう。豊富な食物繊維のおかげで腹持ちがよく、効率的なエネルギー摂取が可能です。

④青魚

血行不良が原因のくすみにおすすめしたい食材は青魚です。青魚に含まれるDHA・EPAが血液をサラサラにして代謝を高め、冷えに負けない身体を作ってくれます。サバの切り身1切れ・サンマなら1尾の半分程度が1日あたりの摂取量目安です。ここ数年ブームが続いている缶詰にも、DHA・EPAは含まれます。トマトと一緒に煮込んだりオリーブオイルでマリネにしたりとアレンジしやすい食材でもあるため、いろいろな食べ方を試してみましょう。

⑤豆腐

肌の原料になるタンパク質を豊富に含み、くすみのないきれいな肌への生まれ変わりをサポートできます。豆腐に含まれる必須アミノ酸のL-システインは、シミ対策サプリメントでも採用される美肌成分の1つです。メラニン色素の生成を抑制して、色素沈着を防いでくれます。

効率的なくすみ対策を行うためにおすすめしたい食べ方は、鰹節、しらす干しといったほかのアミノ酸との組み合わせです。味噌・醤油といった発酵食品とも相性がよく、冷や奴・味噌田楽といった和のおかずを三食のどこかに加えるだけでも、くすみ対策に役立ちます。

肌のくすみ対策のメイクテクニック3つ

今すぐくすみをカバーするには、ベースメイクを工夫します。コントロールカラー・ファンデーション・コンシーラーを活用したカバーメイクのポイントを確認しましょう。

①コントロールカラーで色むら調整

くすみの色を中和させて目立ちにくくするために、コントロールカラーを活用します。くすみの色によって選びたいカラーが異なるので、自分に合うアイテムを用意しましょう。

イエロー:日本人の肌になじみやすい色味ではあるものの、くすみカバー力は控えめです。メラニン色素や血行不良で暗くくすんだ肌を少しだけ明るく見せたいときに適しています。黄くすみに使うとトラブルを強調してしまうリスクがあるので注意しましょう。

ピンク:血行不良で青く見えるくすみに適したカラー。不足している血色を補って、女性らしくかわいい印象に見せてくれます。

ブルー・パープル:糖化や加齢による黄くすみ、メラニン色素によって全体的に茶色くくすんだ肌に適しています。もとから色白の人が使うと、元気のない印象になりやすいので注意しましょう。

②ファンデーションの部分塗り

化粧下地・コントロールカラーでベースができた上から、ファンデーションを塗っていきます。透明感ある素肌に見せるコツは、ほほ・鼻筋・額の中央だけにのせ、外側に向かって伸ばすことです。フェースラインをていねいにぼかすと顔だけ浮くことがなく、自然な印象に仕上がります。

③目元のくすみカバーはコンシーラー

ペンタイプのコンシーラーを使って、目元のくすみを飛ばします。上下のまぶた全体に塗ってしまうとヨレやすいため、くまの境目や目尻のしわ・上まぶたの目頭側と3カ所くらいに点で置き、スポンジで押さえるときれいです。

まとめ

肌のくすみの原因と改善方法、今すぐ何とかしたいときのカバーメイクを紹介しました。「色白は七難隠す」ともいわれるように、透明感があって、くすみの目立たない肌は、女性の大きな武器になります。くすみの原因を特定して、原因に応じた改善方法を試してみましょう。