監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

フェイスラインのニキビは、急にできてなかなか治らず、繰り返すことの多いトラブルです。春から夏にかけて悪化することの多い思春期ニキビとは違って、時期を問わずにできることも悩みの種。年間通してニキビが治らず、コンプレックスを感じる人もいるのではないでしょうか。

そこで、この記事では、フェイスラインのニキビの原因およびスキンケアや市販薬、生活習慣の見直しによる対策を全てまとめて解説します。

フェイスラインにニキビが急にできてかゆい・痛い…

ニキビは、約9割の人が経験し、皮膚の慢性炎症性疾患として認められるトラブルです。若い世代特有の疾患というわけではなく、成人してから急にニキビを繰り返す人も非常に多く見られます。

そして、フェイスラインのニキビはまさに、30代や40代以上の女性からよく聞かれる悩みの1つ。以下のような症状をコンプレックスに感じ、悩みを抱えていませんか。

・白ニキビができやすく、フェイスラインのざらつきも気になる。
・赤ニキビや黄ニキビがあごから首にかけて目立ち、痛みを感じる。
・フェイスラインにニキビが何個もできて、とにかくかゆい。
・ニキビを何度も繰り返し、ニキビ跡や黒ずみが気になる。
・あご周りのニキビが気になり、トレンドメイクを楽しめない。

繰り返しニキビができる状態では、自分自身の肌に自信が持てず、憂鬱な気持ちになります。より自分らしく、活き活きとした生活を実現するための手段として、フェイスラインニキビの改善を目指しましょう。

フェイスラインニキビの原因4個

フェイスラインは、マフラーやマスクの着用・頬杖や口元を覆う癖などによって、細菌が繁殖しやすい部位と言えます。その他に以下のような要素もまた、フェイスラインのニキビを招く原因です。

1. 肌の乾燥

まず、肌の乾燥です。フェイスラインはもともと皮脂腺が少なく、乾燥しやすい部位といえます。基礎化粧品による保湿ケアを怠ったり加齢の影響で肌内部の水分量が減少したりすると、肌の乾燥が進みますよね。

乾燥を感じた肌は、自分自身を守るためにターンオーバーを促進し、角質層を厚くします。すると、必要以上に厚くなった角質層が毛穴の出口を塞いでしまって、白ニキビが出現。さらに症状が進行し、アクネ菌が繁殖すると、赤ニキビや黄ニキビができてしまいます。

2. ホルモンバランスの乱れ

次に、ホルモンバランスの乱れです。過剰なストレスや睡眠不足、食習慣の問題などを理由にホルモンバランスが乱れると、男性ホルモンの影響を強く受けることがあります。

男性ホルモンは皮脂腺の活動を活発化する働きを担いますので、毛穴の詰まりを起こすリスクが高まり、ニキビを招いてしまうのです。

3. 誤ったスキンケア

ゴシゴシこする洗顔やクレンジング・頻繁な角質ケアを続けると、角質層の水分・油分のバランスが崩れ、刺激に対して敏感な状態に傾きます。

水分・油分のバランスが乱れた肌は正常なバリア機能を保持することが難しく、わずかな刺激に対しても敏感に反応する状態です。アクネ菌の繁殖しやすい状態でもありますので、赤ニキビや黄ニキビといった炎症を伴うニキビの発生リスクは高まります。

4. 誤ったニキビケア

「良かれ」と思って行った対策が刺激となって、ニキビの再発・悪化を招いてしまうケースもあります。以下のような対策はフェイスラインのニキビを悪化させるリスクがありますので、正しいケアに切り替えましょう。

・自分自身でニキビを潰し、膿を出す。
・思春期ニキビ用の洗顔料やローションを使用し、ベタつきを解消する。
・1日に何度も油取り紙を使用し、過剰な皮脂を吸収する。

膿を出すお手入れを安全に行うためには、医療機関に相談しましょう。経験豊富な医師が行う治療は、周囲の肌を傷つけるリスクが低く、比較的安心です。

フェイスラインニキビを治す対処方法4個[スキンケア]

フェイスラインのニキビが気になる人のスキンケアのポイントは、正しいクレンジング・洗顔と十分な保湿です。以下4個のポイントを守り、ニキビの予防・改善を目指しましょう。

1. オイルフリーのクレンジングを活用する

フェイスラインのニキビをなるべく早く治すためには、過剰な油分を控えるケアがおすすめ。クレンジングオイルやクレンジングバームといった油分の多いクレンジングの日常使いは極力控え、オイルフリーのクレンジングを活用しましょう。

敏感肌用に開発されたシリーズのクレンジングにはオイルフリーの商品が多く、フェイスラインのニキビの気になる人も使用しやすい傾向があります。複数メーカーのクレンジングを比較し、自分に合う商品を継続的に使って下さい。

2. 目元・口元専用のリムーバーを併用する

オイルフリーのクレンジングは一般的に、油分の多いクレンジングと比較してメイクを落とす力がマイルド。目元や口元の濃いメイクに対しては、専用リムーバーを併用しましょう。

◎目元・口元専用のリムーバーの使い方

【1】適量をコットンに出し、アイメイクや口紅の上に置きます。
【2】メイクとリムーバーがなじむまで、10秒程度待って下さい。
【3】コットンを優しく滑らせ、アイメイクや口紅を拭き取ります。

専用リムーバーを活用するタイミングは、顔全体のクレンジングを行う前段階です。濃いメイクを先に落としておくことで顔全体のクレンジング時間を短縮でき、肌の負担が軽くなります。

3. フェイスラインを意識した洗顔手順と方法を守る

日々の洗顔のポイントは、フェイスラインの汚れをきちんと落とし、清潔に維持することです。フェイスラインを意識した洗顔手順と方法を遵守して、繰り返すニキビの予防・改善を目指しましょう。

◎フェイスラインを意識した洗顔手順・方法

【1】35℃程度のぬるま湯で、顔全体を予洗いします。
【2】よく泡立てた洗顔料を鼻と顎の周りに乗せ、指の腹を使用して、優しく洗顔して下さい。
【3】TゾーンやUゾーンにも泡を広げて、同様に洗顔します。
【4】両頬や目元、口元に泡を乗せ、スピーディーに洗顔しましょう。
【5】ぬるま湯でよくすすぎ、フェイスラインやこめかみにすすぎ残しのないことを確認します。

ぬるま湯のみの洗顔では、皮脂汚れをきれいに落とせず、ニキビの悪化を招いてしまうことがあります。「炎症がとくにひどく、洗顔料を刺激に感じる」など特定の状況を除いては、朝・夜2回、洗顔料を使用したスキンケアを行いましょう。

4. 十分な保湿ケアによって、バリア機能を強化する

クレンジング・洗顔後は間髪入れずに保湿ケアを行い、水分・油分のバランスを整えることが大切です。保湿ケアに活用する基礎化粧品の主な種類と役割は、以下の表を参照して下さい。

化粧水洗顔によって失われた水分を補うためのアイテム。角質層を水分で満たすことにより、美容液や乳液に含まれる保湿成分の浸透しやすい状態を作り出す役割も担います。
乳液化粧水によって補った水分を肌内部に閉じ込めて、なるべく長く維持するためのアイテム。天然保湿因子やアミノ酸など潤いをつなぎとめるための成分を含むことも多く、バリア機能を補完する働きが期待されます。
クリーム洗顔によって失われた皮脂膜の代用として機能し、水分の蒸散を防いだり外部刺激から肌を守ったりする働きを担います。

化粧水のみのお手入れでは水分・油分のバランスを整えることは難しく、乳液やクリームの合わせ使いが必要です。肌の状態によっては、高保湿成分配合の美容液を併用し、重点的な乾燥対策を行うケアも検討しましょう。

純粋たる脂性肌で過剰な皮脂がとくに気になる人だけは、乳液やクリームではなくオイルフリーのジェルを使い、ベタつきを抑えることも一案です。その場合も化粧水による水分補給は必須事項。化粧水もしくは化粧水と美容液の後にジェルを重ねて、刺激に対する抵抗力を高めて下さい。

フェイスラインニキビを治す対処方法3個[薬・サプリ]

軽症ニキビは、市販の薬やサプリメントを活用し、改善を目指すことが可能です。慢性化したニキビや炎症を伴うニキビは医療機関に相談し、適切な対処を行いましょう。以下では、ニキビ対策に役立つ薬やサプリメントの種類と特徴、選び方を紹介します。

1. 市販の塗り薬を活用する

抗炎症成分や抗菌成分、角質軟化成分配合の塗り薬を塗ることで、ニキビを治す方法です。市販の塗り薬に含まれる成分の代表例と働きは、以下の表の通りです。

抗炎症成分ニキビによって生じる炎症を抑制する成分。具体的には、イブプロフェンピコノールやアラントインなどが代表例です。
抗菌成分アクネ菌の増殖を抑制し、ニキビの悪化を防ぐための成分。具体的には、レゾルシンやホモスルファミンなどが該当します。
角質軟化成分固くなった角質を柔らかくして、毛穴の詰まりの解消を目指すための成分。具体的には、イオウやサリチル酸などが該当します。

市販の塗り薬を使う際の注意点は、ニキビのある部位に対して、ピンポイントで使用するということです。抗菌成分の含まれる塗り薬を広範囲に使用すると、その成分に対する耐性菌が作られて、いざニキビができた時に対応できないケースがあります。

塗り薬の使い方に不安を感じる人は、ドラッグストアの担当者に質問したり説明書を読んだりして、正しい知識を持つことが大切です。疑問点を残したまま自己流の治療を行うことは避けて下さい。

2. ビタミンサプリで栄養バランスの不足を補う

ビタミンB2やビタミンB6、ビタミンC不足は、肌トラブルの大敵です。普段の食事で不足する栄養素をサプリメントで補うことは、ニキビ予防と改善に貢献します。

◎各種ビタミンの主な働き

ビタミンCコラーゲンの生成を助け、健やかな状態への生まれ変わりを後押しする栄養素。ニキビ跡の予防や毛穴の引き締めにも一役買います。
ビタミンB2糖質や脂質の代謝を促し、皮脂量のコントロールを担当する栄養素。暴飲暴食やストレスからニキビを繰り返すタイプの女性が意識的に摂取したい栄養素の1つです。
ビタミンB6アミノ酸の代謝を促し、皮膚や粘膜の健康維持に貢献する栄養素。ビタミンB2と合わせて摂取することにより、相乗作用が期待されます。

サプリメントはあくまでも、食事の補完という位置づけです。「サプリメントを飲めば、大丈夫」とは考えず、野菜や果物などビタミン豊富な食材を日々の食事に含めましょう。

3. 医療機関の塗り薬・飲み薬で治療する

フェイスラインニキビの早期改善を目指すためには、医療機関を受診して、薬の処方を受けることも一案です。皮膚科では、以下のような薬から症状に応じたものを選び、個別の処方を行います。

外用過酸化ベンゾイル製剤コメドを減少させたり毛穴の詰まりを解消したりする作用を持ち、白ニキビや赤ニキビ、黒ニキビの治療に処方されることがあります。
外用レチノイド新陳代謝のサイクルを整え、毛穴のつまりを抑えてくれたりします。
抗菌剤(塗り薬)ニキビの炎症による赤みや腫れ、痛みを抑えるために処方される薬です。アクネ菌を殺菌・除去し、炎症を伴うニキビの改善を助けます。
抗菌剤(飲み薬)塗り薬では対処が難しい重症ニキビの治療に使用される抗生物質。ひどい腫れや赤み、痛みを伴うニキビに対して、処方されることがあります。

フェイスラインニキビを治す対処方法3個[生活習慣]

最後に、フェイスラインニキビを治すための生活習慣について紹介します。生活リズムやストレス対策、運動習慣のポイントを理解し、気になるニキビを解消しましょう。

1. 規則正しい生活リズムに切り替える

まず何よりも、不規則な生活リズムを卒業し、規則正しい生活を送ることです。大人ニキビの気になる世代の女性は、家事や仕事、自分磨きなど、いろいろな用事に追われて、不規則な生活リズムに陥りがち。

不規則な生活リズムは、自律神経のバランスを乱し、ホルモンバランスを崩してしまうリスクがあります。

そこで取り入れたい対策が規則正しい生活リズムを始めること。毎日決まった時間に起床し、朝食を食べる・午前中からアクティブに活動して、深夜0時をまわる前に就寝するといった理想的な生活リズムを身に付けましょう。

2. オンとオフを明確に区別する

仕事モードを残したまま帰宅後の時間を過ごしたり、食事をとったりする生活は、ストレスの原因です。「部屋着に着替えた後は、仕事のことを考えない」など、自分なりの切り替えスイッチを持ち、メリハリある生活を送りましょう。

オフの時間は、心から「楽しい」と感じる趣味やエクササイズ、サークル活動を行うことがおすすめです。何時間でも没頭できるほど楽しく、ときめきを感じる活動は、心身の疲れを癒して、ホルモンバランスを整えることに貢献します。

英会話や資格スクールなど自分磨きの活動を行うことも大切ですが、「気が進まない」と感じる内容の活動は、本当の意味での「息抜き」として機能しません。フェイスラインのニキビを「心身のSOSサイン」ととらえ、本当にやりたいことや好きなことを見つめ直すと良いでしょう。

3. 適度な運動で身体の冷えを解消する

適度な運動習慣は、血流を促進して身体の冷えを解消し、ホルモンバランスを整えることに貢献します。手前の駅で電車を下りて、ウォーキングする・エレベーターは使わずに階段で移動するなど無理のない範囲から、身体を動かす時間と頻度を高めましょう。

運動時間の目安は、1日あたり30分が当面の目標。連続して30分の運動を行う必要はなく、通勤中に15分のウォーキング・就寝前に15分のストレッチなど、累積時間でクリアできれば大丈夫です。

適度な運動習慣はPMSの緩和に貢献するとも言われますので、生理前の肌荒れやイライラを感じた時こそ、身体を動かす好機です。ライフスタイルになじむ運動パターンを検討し、日常的な習慣として継続しましょう。

フェイスラインのニキビ跡を隠す方法

フェイスラインのニキビ跡を隠すためには、グリーン系の化粧下地やコンシーラーを活用します。グリーン系の化粧下地は、比較的広範囲に薄く広がるニキビ跡を隠す際に活躍する化粧品。コンシーラーは、濃いニキビ跡をピンポイントで隠す際に活躍する化粧品です。

◎グリーン系の化粧下地でニキビ跡を隠す方法

【1】いつもと同じ化粧下地を顔全体になじませます。
【2】グリーン系の化粧下地を指先にとり、ニキビ跡の気になる範囲になじませます。
【3】ファンデーションを上から重ねて、ベースメイクを仕上げましょう。

◎コンシーラーでニキビ跡を隠す方法

【1】化粧下地とファンデーションを顔全体に薄く塗り、いつもと同じベースメイクを行います。
【2】ニキビ跡の気になる部分に対して、コンシーラーを点置きします。
【3】指の腹で優しくタップするようになじませ、境界線をぼかしましょう。
【4】フェイスパウダーを薄く重ねて、密着度合いを高めます。


まとめ

フェイスラインニキビの原因と治し方、カバーメイクについて紹介しました。根本的な肌質改善を実現するまでには一定の時間を要することも多いのですが、焦りは禁物。

様々な対処方法を手当たり次第に試すことは、ニキビの治りを遅くする原因です。この記事の内容を今一度読み直して、治し方の方針を明確化し、腰を据えて取り組みましょう。