監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

睡眠不足で肌荒れを起こすと言われますが、ニキビも睡眠不足が理由でできることってあるのでしょうか。実は睡眠と肌のコンディションには深いかかわりがあるのです。

睡眠が肌のコンディションにどのように関わっているのかから始まり、ニキビの原因、さらにはニキビを悪化させずケアするために自宅でできることについて説明します。

睡眠不足でニキビはできる?

睡眠は一日の活動で溜まった疲れを取るために必要です。睡眠不足が続くと肌が荒れる経験をした人は多いのではないでしょうか。

もしも十分な睡眠時間を取らなければ、肌荒れだけではなく体調不良に陥るでしょう。風邪を引いたときには薬を飲むことも大事ですが、まずは身体を休めることですよね。

このように睡眠は私たちの身体の回復に、なくてはならないものです。

肌荒れはターンオーバーの乱れによるもので、肌表面がガサガサになり毛穴が詰まりやすくなります。毛穴が詰まると皮脂が出口を失い毛穴にどんどん溜まります。

毛穴の中には皮膚の常在菌であるアクネ菌がいて、皮脂を食べて増殖を始めます。アクネ菌が皮脂を分解してできる物質が肌に炎症を起こし、ニキビになるのです。

睡眠不足の身体は免疫力も落ちていることもあるので、その場合は普段よりもニキビになりやすいでしょう。

睡眠と肌の関係

私たちの身体は、寝ているときも活動しています。脳の下垂体から分泌される成長ホルモンは主に寝ているときに分泌されるホルモンで、成長期の子どもは身長が伸びるなど、身体の発育に関わる働きをすることで知られています。

実は成長ホルモンにはもう一つ大事な働きがあるのですが、それは代謝を促す働きです。代謝は体内の物質を合成・分解したりエネルギーを生成したり、新しい細胞を作り出したりするために必要な活動です。

眠っている間に分泌される成長ホルモンの働きにより、肌の細胞も生まれ変わり(肌のターンオーバー)が促されるのです。

肌のターンオーバーが滞ると肌が荒れます。毛穴も詰まりやすくなり、その結果ニキビができるのです。

つまり、睡眠不足が続くと成長ホルモンの分泌が減ることで代謝が低くなり、肌のターンオーバーが滞りがちになるため、肌が荒れてニキビになりやすくなるのです。

ニキビができる主な原因5個

睡眠不足とニキビの関係がわかったところで、ニキビができる直接の原因5個について説明します。

1. 肌のターンオーバーの乱れ

肌の細胞は常に新しく生まれ、古くなった細胞は垢となって剥がれ落ちます。細胞が生まれてから剥がれ落ちるまでをターンオーバーといい、個人差や年齢差がありますが、約4~6週間の周期と言われています。睡眠不足やストレスなどでターンオーバーの周期が乱れると、肌が荒れてきます。周期は短すぎても長すぎても良くないのです。

周期が短すぎると細胞が未成熟なまま角質層に上がってくるため、肌が乾燥します。逆に周期が長すぎると、古くなった角質層が剥がれ落ちずに角質が肥厚して硬くなります。いずれも肌が乾燥したり毛穴が詰まりやすくなったりします。

2. 肌の乾燥

ターンオーバー周期の乱れ意外に、湿度が低いときや間違ったスキンケアを続けることでも肌が乾燥します。肌が乾燥すると角質層が硬くなり、古くなった角質層が剥がれ落ちにくくなるため、毛穴が詰まりやすくなります。

3. 毛穴の詰まり(角栓)

肌のターンオーバーが乱れて肌荒れや乾燥などで角質層が硬くなると、自然に剥がれ落ちるはずの古くなった角質が肌表面に残り、それが皮脂と混ざって毛穴を塞ぎます。毛穴を塞いでいる古い角質と皮脂の混ざったものは、角栓と呼ばれます。

4. 過剰な皮脂分泌

睡眠不足・ストレスなどにより、ホルモンバランスが崩れると皮脂分泌が増えることがあります。

また肌が乾燥すると、さらなる水分蒸発を防ぐために皮脂の分泌量が増えることもあります。毛穴が詰まると皮脂が毛穴から出られなくなり、その結果ニキビの原因になっているアクネ菌が好む環境が生まれます。

5. アクネ菌の増加

ニキビの原因になるアクネ菌は、普段は肌の常在菌として肌を弱酸性に保ち病原菌などから肌を守る働きがあります。

しかし毛穴が詰まると酸素を嫌うアクネ菌が活発になり、毛穴にはアクネ菌のエサである皮脂で満たされているため、どんどん増殖していきます。

アクネ菌が皮脂を分解してできる物質には刺激性があり、その物質が肌に炎症を起こします。これがニキビの始まりです。

ニキビを治す方法3個[生活習慣]

ニキビができてしまった時に一番気を付けなくてはならないことは、ニキビ跡にならないよう、ニキビを悪化させないことです。そのためにはニキビに気づいたらすぐに対処することです。そこでニキビの治りをスムーズにするための生活習慣について、ポイントを紹介します。

1. 早めに寝て十分な睡眠を取る

睡眠不足は肌荒れの原因になり、ニキビができたり悪化させたりするので、早く寝る習慣を身につけることです。眠つけない日が続くときには朝日を浴びるようにすると、体内時計がリセットされて夜になると自然に眠りにつけるようになります。

2. 適度な運動をする

適度に運動することにより、血流を促して肌の新陳代謝を高めます。肌の生まれ変わりに必要な栄養素は血流にのって運ばれるので、血流が滞っていると肌の状態もなかなか良くなりません。また運動により身体が疲れると、寝つきが良くなるという効果もあります。

3. ストレス解消法を持つ

ストレスもまた、肌荒れの原因になります。ニキビを早く治すためには肌のコンディションを良い状態に保って、肌本来の機能を正常に戻さなければなりません。普通に暮らしていても仕事や生活の中でストレスは存在するものなので、ストレスが溜まったと感じたときに解消する方法をいくつか持っていると良いでしょう。

読書や映画鑑賞などのインドアだけではなく、ウォーキングやサイクリングなどのアウトドアのストレス解消法があればベストです。

ニキビを治す方法3個[食事]

出来てしまったニキビのケアには、バランスの取れた食事を心掛けることが必要です。新鮮な野菜や果物を積極的に摂り、不足しがちなビタミン類を補給するようにしましょう。次に、特に気を付けておくと良いことについて説明します。

1. ビタミンB不足にならないよう気を付ける

ビタミンBにはいろんな種類があり、それらをまとめてビタミンB群と呼びます。ビタミンB群は代謝に関わる栄養素で、エネルギー源となる糖質・タンパク質や脂質などをエネルギーに変えるための働きがあります。

ビタミンB群は皮膚を美しく保つための働きもしているため、不足すると炎症が起きやすくなります。ビタミンB2は皮脂分泌をコントロールする働きがあるので、ニキビのときには意識しておきたいビタミンです。

ビタミンBは単体で効果を発揮するというのではなくお互いが助け合って働いているので、ビタミンB群は複合体で摂取するのがベストです。

幸い食品には数種類のビタミンB群が含まれているので、できるだけ多種類の食材をバランスよく食べることがおすすめです。

レバー類、サンマなどの青魚には、数種類のビタミンB群が豊富に含まれているので、積極的に使いたい食材です。

2. ビタミンCをこまめに摂取する

ビタミンCはビタミンB群とともに肌を再生するために必要なビタミンです。ビタミンB群と一緒に摂るのが効果的です。

ビタミンCはビタミンB群と異なり、水溶性のビタミンで、体内に貯蔵しておくことができません。そのため一度にたくさん摂るよりはこまめな補給が望ましいビタミンです。

パプリカ、トマト、ブロッコリーの他、キウイフルーツや柑橘類などフルーツに含まれているので、毎日1〜2回は食後にフルーツを食べる習慣があれば良いと思います。

3. タンパク質も必要

タンパク質は新しい肌を作るために必要な栄養素の1つです。タンパク質の摂りすぎは良くありませんが、食事の偏りでタンパク質不足にならないようにも気を付けておく必要があります。

またタンパク質を摂取した後、体内で代謝される際にはパントテン酸(ビタミンB5)、ビタミンB12、葉酸(ビタミンBの一種)が必要になるので、タンパク質をたくさん食べたときには意識してこれらを含む食材も一緒に摂るように心がけましょう。

レバー類はこれらの栄養素を含みます。パントテン酸は納豆に多く含まれ、葉酸はほうれん草や枝豆に多く含まれます。

ニキビを治す方法3個[スキンケア]

ニキビができた後のスキンケアも大切です。ニキビを悪化させないように注意しながら、肌のコンディションを整えていくことを心掛けましょう。

1. ニキビに優しい洗顔をする

ニキビになっている部分はとても敏感になっているので、特に丁寧で優しい洗顔が求められます。洗浄力の強い洗顔料を使うよりも、肌にマイルドな洗顔料を使うことをおすすめします。

こすらなくても余分な皮脂は洗い流せるので、たっぷりと泡立てて、優しく泡で包むように洗顔します。炎症部位には洗浄剤が刺激になるので、時間をかけすぎないようにしましょう。

洗顔後は清潔なタオルで、そっと押さえるようにして水分をふき取ります。タオルで擦るようにして拭くと、炎症を悪化させる恐れがあるので注意してください。

2. しっかり保湿をする

洗顔後は皮脂が洗い流されているので、洗顔前に比べて肌の水分が蒸発しやすくなっています。肌を洗いっぱなしにしていると、肌が自ら防御するために皮脂分泌が活発になることもあります。皮脂分泌を抑えるためにも、洗顔後はしっかりと保湿するようにします。

ニキビがあると油分を含む乳液やクリームは敬遠して化粧水だけで保湿ケアを済ましてしまいがちです。しかし洗顔後の肌はとても乾燥しやすくなっているので、乳液やクリームなどで肌を保護して乾燥から守るようにしましょう。

3. 紫外線から肌を守る

ニキビができている部位は、特に紫外線によるダメージを受けやすくなっていますので、日焼け止めを塗るか、紫外線をカットするテープをニキビがある場所に貼るようにします。

紫外線をカットするテープは肌に近い色で、上からメイクができるものもあるので、ニキビのある場所に貼ってもあまり目立ちません。ニキビの悪化を防ぐためにも、紫外線から肌を守りましょう。

まとめ:睡眠時間の見直しでニキビ対策を

睡眠は身体の疲れを取るだけではなく、細胞の修復や再生をする大事な時間であることがわかっていただけたと思います。

睡眠は習慣的な要素が強いので改善しづらいかもしれませんが、一度習慣化してしまうと継続することはそれほど困難なことではありません。ニキビに悩んでいる人は、睡眠時間の見直しに取り組んでみる価値はありそうです。