監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

ある日突然、あごにできた白ニキビ。突然の大量発生に困惑し、自己流の対策を行うことは、トラブルの悪化を招く原因です。

では、あごの白ニキビをきれいに治すためには、どのような対策を行えば良いのでしょうか。

この記事では、白ニキビの大量発生を招いてしまう原因と治し方、再発を防ぐための対策について、分かりやすく解説します。滑らかな美肌を作り、維持するためのヒントとして、ぜひ参考に活用下さい。

白ニキビとは?

まず、白ニキビとはどのようなトラブルかをおさらいしましょう。白ニキビとは、過剰に分泌された皮脂や角質などが毛穴に詰まり、ポツポツ目立つトラブルです。

赤みや痛み、大きな腫れを伴うことは少なく、より症状の進行した赤ニキビや黄ニキビとは、明確に区別されます。

白ニキビを放置した結果として表面が酸化し、シミのように見えてしまうトラブルが黒ニキビです。さらに状態が悪化してアクネ菌が繁殖すると、赤ニキビや黄ニキビができてしまいます。

つまり、白ニキビは、ニキビの中でも初期段階に該当し、対応が急がれる肌トラブル。黒ニキビや赤ニキビ、黄ニキビになってしまうと、簡単に治すことが難しい上、クレーター状の凹凸や色素沈着の発生リスクが高まります。

なかなか消えないニキビ跡を残してしまう状況は、何としてでも避けたいと思いますよね。ニキビをきれいに治すためにも、トラブルを放置することなく、正しい対処を徹底しましょう。

白ニキビがあごに大量発生する原因4個

白ニキビの大量発生は、心身や肌の健康状態とホルモンバランス、ライフスタイルの問題などを示唆するサインと言えます。以下4個の原因の中から思い当たるものを探し、適切な治し方を検討するヒントとして、有効に活用しましょう。

1. 過剰なストレス

まず、過剰なストレスです。過剰なストレスを感じた脳は防御反応の一貫として、抗ストレスホルモンを分泌します。抗ストレスホルモンは男性ホルモンの分泌を促進する働きも担いますので、過剰な皮脂が分泌されて、ニキビの増加を招くのです。

2. 生理周期の影響

閉経を迎える前の女性は、生理周期の影響を受け、白ニキビが増加することもあります。生理前の1週間は黄体ホルモンが増加する時期。黄体ホルモンには皮脂分泌量を増加させる働きがありますので、毛穴の詰まりを起こしやすく、白ニキビのできやすい状態に傾きます。

3. 生活リズムの乱れ

夜更かしする日が続いたり食事の時間が不定期になったりといった生活リズムの乱れは、自律神経のバランスを崩し、ニキビリスクを高めます。

また、生活リズムの乱れは、ターンオーバー周期に影響を与えて、毛穴の詰まりを悪化させる原因の1つ。古い角質やメイク汚れ、ほこりなどが毛穴の出口を塞いでしまって、ニキビの大量発生を引き起こすことがあります。

4. 肌の乾燥

あごの周りは汗腺が少なく、汗による潤い補給ができません。乾燥を感じた肌は「強力な皮脂膜を張り、少しでも多くの水分を保持しよう」と働きますので、白ニキビのできやすい状態に傾きます。

さらに、あごの周りは、頬杖をつく習慣やマスクやマフラーとの接触により、摩擦刺激を受けやすいエリアです。摩擦刺激の蓄積は、バリア機能を低下させて、ニキビの大量発生を招く要因。

紫外線や気温・湿度の変化など、あらゆる刺激に対する抵抗力も衰えますから、治ってもすぐニキビができる悪循環に陥ってしまうリスクがあります。

白ニキビの治し方

できてしまった白ニキビは、市販の塗り薬を活用したり医療機関の治療を受けたりする方法で、速やかに対処しましょう。

市販の塗り薬による治し方

抗炎症成分や殺菌成分、角質軟化成分などの含まれる軟膏を活用し、ニキビを治す方法です。市販の軟膏と合わせてマルチビタミンサプリメントを内服し、毛穴の詰まりを起こしにくく、ニキビを再発させにくい肌質に導くことも良いでしょう。

医療機関の治療による治し方

セルフケアで対策しても治らないしつこいニキビは、医療機関に相談しましょう。医療機関で行うニキビ治療の内容は、肌質やトラブルの深刻度合い、予算や目標とするゴールなどを考慮し、個別に決定することが一般的。

塗り薬や飲み薬、コメド圧出(※1)といった保険適用治療のみではなく、ケミカルピーリング(※2)など自費診療メニューを組み合わせ、総合的な対策を行う方法も検討しましょう。

※1コメド圧出:
専用器具を使用してコメドを押し出し、毛穴の詰まりを解消する治療です。

※2ケミカルピーリング:
医療機関専用のピーリング剤を使用し、古い角質・皮脂を剥がしとる治療です。

白ニキビの予防対策7個

セルフケアや医療機関の治療が終わった後の滑らかな肌をなるべく長く維持するためには、白ニキビの再発を予防する日常的な対策が不可欠です。以下では、スキンケアの工夫や生活習慣の見直しによる白ニキビの予防対策7個を紹介します。

1. 朝・夜2回、優しく丁寧に洗顔する

日々の正しい洗顔は、ニキビ予防の基本です。起床後すぐと帰宅後すぐの朝・夜2回、たっぷりの泡で包み込むように洗顔し、毛穴をきれいに保ちましょう。

白ニキビを予防する洗顔手順

【1】十分な量の洗顔料を手のひらに出し、たっぷりと泡立てます。
【2】鼻筋などベタつきやすい部位から順番に泡を乗せます。泡のクッションを利用し、指が直接顔に触れないように意識しながら、汚れを吸着させて下さい。
【3】ニキビのできやすい部位はとくに優しく、時間をかけすぎないように洗顔しましょう。
【4】ぬるま湯でよくすすぎ、洗顔料と顔の汚れを流します。
【5】清潔なタオルで軽く押さえるようにしながら、顔の水分を吸収させます。

反対に、以下のような洗顔は、白ニキビの発生リスクを高めてしまうNG習慣に該当します。

・ベタつきや過剰な皮脂が気になって、1日に何度も洗顔する。
・体温より高い温度のお湯ですすぐ。
・スクラブ剤の含まれる洗顔料を日常的に使用する。
・肌の乾燥を防ぐために洗顔料は使わずに、ぬるま湯のみで洗顔する。

ぬるま湯のみの洗顔では、皮脂汚れやほこり、クレンジングで落としきれないメイク残りを取り去ることができません。肌に対する負担が気になる人は、敏感肌用の洗顔料を選択し、正しい洗顔を行いましょう。

2. 化粧水や乳液、クリームで保湿する

洗顔後は速やかに保湿を行い、バリア機能を強化しましょう。過剰な皮脂を抑えようとするあまりに乳液やクリームを避けることは、バリア機能の更なる低下を招く原因の1つ。化粧水と乳液もしくはクリームを使用する正しい保湿で、水分・油分のバランスを整えます。

化粧水や乳液、クリームによる保湿を行う際のポイントは、以下2点です。

【1】手のひらでなじませる
コットンを使用する付け方は、バリア機能の低下した肌を刺激するリスクがあります。化粧水や乳液は、両方の手のひらで挟み込むように軽く温め、優しく顔になじませましょう。

【2】正しい順番・使用量を守る
化粧水や乳液、クリームを付ける順番や各商品の使用量は、メーカー指定の方法に従うことが基本です。乳液先行型(化粧水より先に乳液を使用するお手入れ方法)の基礎化粧品を扱うメーカーもありますので、パッケージに記載された使い方を必ず確認、正しい保湿を行いましょう。

3. 紫外線対策を毎日行う

紫外線刺激は、肌の乾燥・バリア機能の低下を招き、ニキビリスクを高めます。日焼け止めを毎日塗る・日傘やサングラス、UVカット機能付きの洋服を着用するなど、十分な紫外線対策を行い、白ニキビを予防しましょう。

とくに外出する用事がなく、自宅で過ごす日であっても、紫外線対策を怠ることはハイリスク。「一般的な窓ガラスは7割程度の紫外線を通してしまう」とも言われますので、以下のような対策を組み合わせ、「うっかり日焼け」を予防しましょう。

・UVカット下地を使う。
・紫外線を通しにくい素材のカーテンをかける。
・窓ガラスに紫外線カットフィルムを貼る。

4. ノンコメドジェニック化粧品を選択する

化粧品の選び方を見直すことも、ニキビ予防に貢献します。日々のメイクで活用する化粧下地やファンデーション、コンシーラーをノンコメドジェニック化粧品に切り替えて、ニキビの大量発生を防ぎましょう。

ノンコメドジェニック化粧品とは、コメド(ニキビの初期段階)のできにくさに関するテストを行い、一定基準を満たしたことを確認した上で販売される商品です。あごのニキビの気になる女性でも日常使いしやすく、再発リスクを予防しながら、メイクを楽しむことができます。

なお、「ノンコメドジェニック化粧品を使用すれば、絶対にニキビができない」という保証はありません。汚れたメイクブラシを使用したり長時間の濃いメイクで肌に負担をかけたりすると、あごのニキビの再発リスクは高まります。化粧品の見直しを行うと同時にメイク方法を工夫し、総合的な対策を行うことが大切です。

5. 生活リズムを整える

規則正しい時間に起床し、朝ご飯を食べる。仕事や家事で身体を動かし、規則正しい時間に就寝するといった理想的な生活リズムは、自律神経のバランスを整えて、ホルモンバランスの乱れによるニキビの再発リスクを軽減します。就寝時間に影響するほどの残業や休日前の夜更かしは適度に留めて、生活リズムを整えましょう。

「そうは言っても、なかなか夜更かしがやめられない」という人は、次のような対策を試してみてはいかがでしょうか。

【1】週末の寝だめをやめる
週末の寝だめは、体内時計の乱れを招く原因です。平日と同じ時間に起床し、アクティブに行動しましょう。日中に強い眠気を感じる時は、20分から30分程度の昼寝をします。昼寝の時間が長過ぎると夜の眠気が起こりにくいので、適度な時間に留めることが大切です。

【2】夜の用事を朝に回す
SNSの更新やインターネットサーフィンなど、翌日でも構わない用事は朝に回し、早く就寝することに集中しましょう。仕事や家事など日々の暮らしを成立させるためにはやむを得ない用事でも、「夜の内に行わなくてはならないこと」は少ないもの。「22時を過ぎたらできる限り何もしない」など、自分なりのルールを決めて、就寝時間の固定化を目指しましょう。

6. バランスの良い食事をとる

バランスの良い食事は、毛穴の詰まりを起こしにくい、健やかな肌への生まれ変わりを後押しします。タンパク質とビタミン、ミネラル、良質な脂質と適度な炭水化物をバランス良く摂取しましょう。

仕事や家事で忙しい女性がバランスの良い食事をとるためのポイントは、主食・主菜・副菜の3セットを揃えることです。

主食米やパン、麺類など、炭水化物を主成分とするメニュー。身体を動かすエネルギー源として働きますので、「炭水化物抜き」など、極端な食事制限は避けましょう。
主菜魚や肉、卵や大豆食品など、タンパク質を主成分とするメニュー。過剰な皮脂の気になる時には「脂質の多い肉を控えて、青魚を取り入れる」などの方法で、積極的なニキビ予防を行うことも可能です。
副菜緑黄色野菜や海草類、豆類などを使用し、主菜で不足する栄養素を補うためのメニュー。ビタミンやミネラル、食物繊維豊富な食材を盛り込み、身体の調子を整えたり肌トラブルを予防したりする副菜を用意しましょう。

主食・主菜・副菜の考え方と食材選びのポイントさえクリアできれば、必ずしも3品を揃えなくても大丈夫。カレーライス(主食・主菜の組み合わせメニュー)に野菜サラダ(副菜)を添えるなど、変則的な献立を作ることも可能です。

また、必ずしも自炊しなくてはいけないわけでもありません。スーパーの総菜に野菜のおひたしもしくはサラダ、ご飯を添えるだけでも、主食・主菜・副菜の3品をクリアできます。

無理なく継続できる範囲でバランスの良い食事を続けることが肌トラブルに悩まない、きれいな肌を作るコツです。必要に応じて外食や中食メニューを盛り込みつつ、食生活の改善に努めましょう。

7. ストレスを溜め込まずに発散する

仕事や人間関係のストレスは溜め込まず、定期的に発散しましょう。上手にストレス発散するために意識したいキーワードは「3R」です。

Rest(レスト)心身を休ませ、疲労を和らげる行為です。デスクワークの合間に適度な休憩を挟む・疲労感の強い日は早めに帰宅し、十分な睡眠時間を確保するといった対策が含まれます。
Recreation(レクリエーション)日常生活と異なる場所や空間に行ったり、趣味を楽しんだりする行為です。具体的には、週末を利用し、隣の県までドライブすること・地域のスポーツイベントに参加することなどが含まれます。
Relax(リラックス)心身の緊張を解きほぐす、癒しの時間を持つことです。具体的には、デスクワークの合間にストレッチを行うこと・アロマの香りに癒されること・ヒーリングミュージックを聞くことなどが含まれます。

ストレス発散法や頻度には絶対的な正解がありませんので、自分自身の心身と向き合い、相性の良いやり方を模索しましょう。

まとめ

白ニキビが大量発生する原因と治し方、理想の肌を維持するためのポイントを紹介しました。根本的な肌質改善には一定の時間を要するケースが多く、1ヶ月や1年スパンの対策が必要とされることもあります。

すぐに変化が見られなくても諦めず、継続的な努力を行うことで、あごの白ニキビを解消しましょう。