監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

わずかな時間だからと油断して、顔が真っ赤に腫れるほど日焼けした。ヒリヒリとした刺激、痛みも感じる。このような状況を「なかったこと」に変えるためのお助けケアはあるのでしょうか。

この記事では、日焼けした後に黒くならない方法と日焼け予防対策を紹介します。夏本番、紫外線が強い時期の「転ばぬ先の杖」としてひと通り目を通し、肌トラブルを予防しましょう。

日焼けした肌とは?

日焼けした肌とは、紫外線を浴びた8時間後から24時間後に表れるサンバーンもしくは数日後に表れるサンタンを起こした肌のことを言います。

サンバーンとは、紫外線を浴びて数時間から24時間後までに見られる急性の症状です。海水浴やハイキングに行った後、顔が真っ赤に腫れ上がり、火照りを感じた経験はありませんか。この症状を意味する用語が「サンバーン」です。とくに多くの紫外線を浴びた日には、水ぶくれやヒリヒリとした痛みを感じることもあります。

サンタンとは、紫外線刺激によって刺激された色素細胞がメラニンを作り出し、肌の色を変化させる症状です。サンタンを起こすことで肌の色が暗く変化し、いわゆる「日焼け」状態に陥ります。

日焼けしたその日にすること4個

日焼けのダメージを持ち越さず、「なかったこと」に変えるためには、初期対応が大切です。以下では、外出中から実践できる対策2個と外出先から帰宅後・その日のうちに実践できる対策2個を紹介します。

1. 濡れタオルや氷などで顔の火照りをクールダウン

外出中からできる対策の1個目は、濡れタオルや氷で顔を冷やし、火照りを鎮める対策です。濡れタオルを使用する場合は、タオルハンカチやハンドタオルに冷たい水を含ませて、日焼け部分に乗せましょう。

街中で顔の火照りに気付いた時には、氷や冷凍ジュースを購入してタオルでくるみ、顔に当てる方法もおすすめ。冷やし過ぎるリスクがありますから直接当てる方法は避け、タオルやハンカチで包んだものを使って下さい。

2. いつもより多めに水を飲む

肌内部の水分量が低下すると、紫外線刺激に対する抵抗力が弱まり、乾燥トラブルも進行します。いつもより多めかつこまめな水分補給を行って、紫外線ダメージを軽減しましょう。

すでに多くの紫外線を浴びてしまった状態で水分補給を行うことは、肌の温度を低下させ、内側から冷やすことに貢献します。熱中症を防ぐためにも水分補給は大切ですから、喉の乾きを感じる前の段階で、適時・適切な対処を行いましょう。

3. 帰宅後に改めて、顔の火照りのクールダウン

帰宅後すぐに肌の様子を観察し、火照りや赤み、ヒリヒリした痛みがないかを確認します。外出中の応急処置のみでは間に合わず、火照りなどを感じる場合は、クールダウンを続けて下さい。自宅で行うクールダウン方法の選択肢は、以下のような内容です。

・氷水に浸した「冷やしスプーン」を顔に当てる。
・保冷剤をタオルで包み、顔に当てる。

ヒリヒリとした刺激を感じる状態のままシートマスクを使用すると、肌に対する負担が大きく、乾燥トラブルを悪化させるリスクがあります。まずは「保湿できる状態」になるまでクールダウンを継続し、炎症を鎮めることに注力しましょう。

4. 低刺激の化粧水で保湿する

炎症が軽度であれば、日焼けした日のうちから保湿ケアをスタートできます。ただし、軽度の炎症とは言え肌が敏感に傾いていることは事実。低刺激の化粧水を優しくなじませ、弱った肌をいたわりましょう。その他、日焼け当日の保湿を行う際の注意点は、以下2点です。

【1】コットンではなく手で付ける
コットンでパッティングするお手入れは、肌に対する刺激が強く、バリア機能の低下を招くリスクがあります。手のひらで顔を包み込むようになじませて、摩擦刺激を軽減しましょう。

【2】高級なシートマスクは使わない
美容成分を豊富に含む高級なシートマスクも同様に、肌に対する刺激が強く、トラブルを招いてしまうリスクがあります。「どうしてもパックを行いたい」という人には、低刺激の化粧水によるコットンパックがおすすめ。日焼けによって失われた水分をきちんと補い、バリア機能を強化しましょう。

日焼けした後に黒くならない方法5個

日焼けしてから一日後以降・急性の炎症が落ち着いた後は、色素沈着を予防して、メラニン排出を促すケアを行います。たとえば、以下のような対策を試してみてはいかがでしょうか。

1. 美白化粧水や美容液、クリームを活用する

美白化粧水や美容液、クリームは、メラニンの生成を抑制したりメラニンの排出を促したりする優れもの。

肌の火照りが引いてから1ヶ月は美白化粧品の使用を続け、色素沈着を予防しましょう。メラニンの生成予防・排出を助ける美白成分には、次のような成分が該当します。

アルブチンメラニンを生み出す酵素の働きを阻害し、色素沈着を予防する成分。日焼けした後、黒くなる前のお手入れに活用することで、くすみや色素沈着を予防しましょう。
4MSKチロシナーゼの働きを抑制するとともにシミの角化エラーに働きかけ、メラニンの排出を促します。
エグナーシグナルAMP肌細胞の代謝を促し、メラニンの排出を促す成分。メラニンの生成抑制ではなく、日焼け肌が元の状態に戻ろうとする反応を促すことが得意な成分です。
PCE-DP2019年に承認を受けた最新の美白有効成分。表皮細胞のエネルギー量を高めることでメラニンの生成を抑制・分解、排出を促進します。

2. 美白マスクで集中ケアする

「美白化粧水や美容液、クリームでは物足りない」「何としても色素沈着を防ぎたい」といった人は、集中ケア用の美白マスクを活用しましょう。

集中ケア用の美白マスクは値の張る商品も多いのですが、一般的な化粧水や美容液、クリームと比較して美容成分を豊富に含む点がメリット。黒くなる前のタイミングで集中的な対策を行う「転ばぬ先の杖」として、活用しましょう。

3. 食事やサプリメントでインナーケアする

日焼けによるダメージを「なかったこと」に変えるためには、身体の内側から行うケアも大切です。美白を助ける食材を日々の食事で摂取し、色素沈着を予防しましょう。

◎美白を助ける食材例

トマトトマトに含まれるリコピンには、メラニンの生成を抑制したり角質層の改善を助けたりする働きが期待されます。リコピンは油に溶けやすく加熱によって吸収率が高まる成分ですから、スープや炒め物に加える食べ方がおすすめ。トマト1個のカロリーは約30kcalとヘルシーですので、ダイエット中でも安心です。
アボカドアボカドは、美白や美肌作りに欠かせないビタミンAやビタミンC、ビタミンEを豊富に含む女性の味方。色素沈着予防に役立つ抗酸化作用を持ち合わせ、きれいな肌への生まれ変わりを後押しします。
赤パプリカ赤パプリカのビタミンC含有量は、身近な野菜の中でもトップクラス。他のビタミンの働きを助ける栄養素「ビタミンP」も豊富に含み、高い抗酸化力を発揮します。
鮭に含まれるアスタキサンチンの抗酸化力は、ビタミンEの500倍から1,000倍とも言われます。肌の代謝を高めることで色素沈着を予防し、シワやシミの目立たないきれいな肌への生まれ変わりを後押し。コラーゲンが豊富に含まれる皮も一緒に焼いたりシチューに入れたりして、栄養を丸ごと摂取しましょう。

日々の食事で不足するビタミンCやビタミンEを効率的に摂取するためには、サプリメントを活用する方法もおすすめです。マルチビタミンサプリメントや美白サプリメントなどから食生活に合うものを選び、日焼けした後の肌をいたわりましょう。

4. 角質ケアコスメで代謝を促す

日焼けした後の肌は角質肥厚を起こしやすく、メラニンの滞留を招いてしまうことがあります。ピーリングジェルや角質ケア美容液、ピーリング成分配合のフェイスマスクなどを使い、肌の代謝を促すことで、メラニンの排出を後押ししましょう。

日焼けした後に角質ケアコスメを使う場合の注意点は、以下2個です。

【1】角質ケア後は十分に保湿する
日焼けした後の肌は、ただでさえ敏感です。角質ケア後は十分な保湿を行い、健やかな肌への生まれ変わりを後押ししましょう。

【2】メーカー指定の頻度を守る
角質ケアコスメの多くは、1週間に1度程度の使用を前提として開発された商品です。商品の使用前に説明書をよく読み、頻度を守ってお手入れしましょう。

日焼けした後に角質ケアを行うことは、顔のごわつき・くすみを防ぐためにもおすすめです。紫外線を浴びた後に肌がごわつく・くすみによる顔の暗さが気になるといった人は、適正頻度で角質ケアコスメを使用し、透明感ある状態を目指しましょう。

5. 質の高い睡眠でバリア機能の回復を図る

日焼けした後のメラニン蓄積・滞留を防ぐためには、睡眠の質を高めることで成長ホルモンの分泌を促し、バリア機能の回復を助けることが大切です。

成長ホルモンは、眠り始めの3時間にとくに多く分泌されて、肌トラブルの修復やバリア機能の正常化を進めます。この時間帯に熟睡しているほど紫外線ダメージの修復は早く、メラニンの蓄積や滞留を防ぐことが可能です。

◎睡眠の質を高める方法
・就寝の2時間から3時間前には夕食を済ませる。
・残業デーは、夕方に間食を挟み、寝る直前に消化の悪いものを食べない。
・就寝の2時間前にストレッチを行い、体温を上げる。
・激しい運動は、就寝の3時間前までに終える。
・遮光カーテンを使用し、寝室の窓から入る外の光を遮断する。
・睡眠中は音楽をかけず、寝室を静かに維持する。
・保温性と吸湿性に優れた寝具を使う。

日焼けの予防対策5個

最後に、今後の日焼けに備えるための基礎知識として、日常生活で実践できる日焼け予防対策5個を紹介します。

1. 適切な強さの日焼け止めを毎日使う

日常生活に適した強さの日焼け止めは、SPF10・PA+程度です。短時間のウォーキングやテニス、ランニングなど屋外の軽いスポーツを行う日に適した日焼け止めの強さは、SPF10から30・PA++程度。より長時間の屋外スポーツ・レジャーを楽しむ日の日焼け止めは、SPF30から50・PA++から+++程度を選択します。

近所にゴミ捨てに行くなど短時間の外出でも紫外線の影響は受けますから、365日体制で日焼け止めを活用し、うっかり日焼けを阻止しましょう。

2. 2〜3時間置きに日焼け止めを塗り直す

日焼け止めの働きを持続させるためには、2時間から3時間置きの塗り直しが推奨されます。スプレーやスティックタイプの日焼け止めを持ち歩き、1日数回の塗り直しを行いましょう。

メイクの上から使用できるタイプのUVカットスプレーは、外出先でも活用しやすく、メイク崩れの心配もありません。保湿成分配合など、紫外線による乾燥を防ぐ働きを兼ねたものもありますから、使いやすい商品を選択し、バッグの中にしのばせて下さい。

3. 日傘や帽子を活用する

日傘や帽子といった紫外線対策グッズを活用することも、有効な対策です。日焼け対策に活用する日傘は、紫外線カット率に注目しましょう。

紫外線カット率の高い日傘ほど紫外線の影響を阻止する比率が高く、シミや色素沈着予防に貢献します。帽子を選ぶ時のポイントは、つばの広さと素材、色です。つばが広く、縫い目の細かい素材で作られた帽子ほど、紫外線の影響を軽減できます。

帽子の色は、黒や紺といった濃い色がおすすめ。濃い色の帽子ほど紫外線の影響を軽減する働きが高く、日焼け予防に貢献します。

4. サングラスや紫外線カット眼鏡を使う

目から入る紫外線の影響を阻止するためには、サングラスや紫外線カット眼鏡といったアイウェアが活躍します。

厚生労働省「紫外線 環境保健マニュアル2015」によると、「紫外線カット眼鏡を正しく着用した場合、目に対する紫外線の影響を90%カットすることができる」とのこと。骨格に合うサングラスや紫外線カット眼鏡を上手に使い、目から入る紫外線によるシミ、色素沈着リスクを軽減しましょう。

5. 飲む日焼け止めでインナーケアする

飲む日焼け止めとは、活性酸素の発生を防ぐための成分を含むサプリメントのことを指します。ニュートロックスサンやファーンブロックといった植物由来の抗酸化成分を含み、日焼けしにくい肌を育てるために活用するもの。各成分の特徴と主な働きは、以下の表を参照下さい。

ニュートロックスサンシトラスエキスやローズマリーから抽出される成分。飲み続けることで紫外線に対する肌の抵抗力を高め、シミや赤み、炎症といった日焼けの反応を予防すると言われます。
ファーンブロックシダの一種から抽出される成分。ニュートロックスサン同様、シミや赤みといった日焼けトラブルを防ぐとともにエイジングトラブルの予防に一役買います。

飲む日焼け止めは、医療機関やインターネット通販、ドラッグストアなどで購入できます。塗る日焼け止めプラスアルファの対策として、体質に合うサプリメントを活用しても良いでしょう。

まとめ

「絶対、日焼けしたくない」という人のため、日焼け当日に行うケアと一日後以降に行う美白対策について紹介しました。紫外線を浴びた後にメラニンの過剰生成を招くことなく、白い肌を維持するためには、十分な日焼け対策が不可欠です。

日焼けによるシミ、シワ、たるみは、10年後や20年後になって生じることが多いからこそ、早いうちから行う対策が非常に大きな意味を持ちます。この記事の内容を今一度読み直し、紫外線に負けない肌を育てるための対策を早速今日から始めましょう。