監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

日焼け止めを塗り忘れ、大量の紫外線を浴びてしまった。シミやシワが増えてしまったらどうしよう…。

今まさにそのような不安を抱える人もご安心下さい。日焼け当日や数日以内に正しいアフターケアを行えば、紫外線の影響を最小限に食い止めて、肌の乾燥・色素沈着を防ぐことが可能です。

この記事では、日焼け後の肌の状態と肌の状態別・正しいアフターケア方法を紹介します。夏本番の強い日差しに立ち向かい、きれいな素肌を維持するためのヒントとして、是非参考に活用下さい。

日焼け後の肌の状態

紫外線を浴びた肌は、その日のうちに「サンバーン」という炎症反応を起こし、数日後に落ち着きます。次に「サンタン」という状態へと移行し、色素沈着を起こすことが一般的です。

サンバーン火傷した時のように、ヒリヒリとした痛みや火照り、赤みを伴う日焼け。長時間屋外で過ごし、とくに多くの紫外線を浴びた日には、水ぶくれ、腫れが目立ってしまうこともあります。

紫外線を浴びたすぐ後から症状が始まり、2〜3日後には落ち着くことが通常。生まれつきのメラニンが少ない色白の人はサンバーンを起こしやすく、十分な紫外線対策が不可欠です。
サンタンサンバーンが落ち着いた後に生じるメラニン増加や色素沈着反応です。紫外線刺激を感知した肌が自分自身を守るためにメラニンを生成し、肌の色を黒く変えます。

生まれつきのメラニンが多い人はサンタンを起こしやすく、紫外線ダメージを蓄積しない対策が大切です。

日焼け後の肌のアフターケアが重要な理由

肌の色が赤く変化し、火照りを伴うサンバーンは、火傷と同じ状況です。アフターケアを怠ると症状が進行し、医療機関に相談しなければならない程の重症度に陥ってしまうリスクもあります。

「単なる日焼け」と考えて適切なケアを怠った結果、本格的な治療を要する程の状態に到ることは、極力避けたい状況ですよね。火照りや肌の色の変化を「トラブルサイン」と考えて、なるべく早い対処を行いましょう。

また、日焼け後のアフターケアは、以下のような観点からも重要です。

・メラニンの過剰生成を防ぎ、将来的なシミやくすみのリスクを下げる。
・紫外線刺激による肌の乾燥を予防する。
・低下したバリア機能の回復を助ける。

日焼け後の肌は、バリア機能の低下を起こし、様々な刺激に対して敏感な状態です。この状態をなるべく早く抜け出し、バリア機能を回復させるためにも適切なアフターケアを行いましょう。

日焼け後の顔のアフターケア5個

日焼け後のアフターケアは、火照りを取り除くお手入れ・丁寧な保湿によって乾燥を防ぐお手入れの2種類を行います。

以下のような選択肢の中から日焼けの状態・肌質に応じたお手入れを選択し、日焼けに負けない健やかな肌を実現しましょう。

1. 濡れタオルや保冷剤で顔を冷やす

手や指を火傷した時には、何よりまず冷やしますよね。顔の日焼けも、同じことです。濡れタオルやガーゼにくるんだ保冷剤などで冷やし、顔の火照りを取り除きましょう。冷やすケアを行う時のポイントは、肌に負担をかけないように、優しくお手入れすることです。

以下のようなお手入れは日焼け後の肌に負担をかけるリスクがありますから、適切なアフターケアと言えません。

◯保冷剤や氷を直接当てる
→顔を冷やしすぎるリスクが高いことから、ガーゼやタオルで周囲をくるみ、肌への負担を軽減しましょう。

◯濡れタオルでゴシゴシ拭く
→摩擦刺激を与えるリスクが高いため、優しく顔に当てる程度に留めて下さい。

◯水シャワーを顔にかける
→水圧が強いと肌に負担をかけますので、冷水を手ですくい、少量ずつかけましょう。冷たいミネラルウォーターをスプレー容器に入れ、吹きかける方法もおすすめです。

2. 低刺激のクレンジングや洗顔料で日焼け止めを洗い流す

日焼け止めを塗ったまま長時間過ごすことは、肌に負担をかけてしまいます。帰宅後すぐにクレンジングや洗顔を行い、肌の負担を軽減しましょう。

しかし、繰り返し紹介したように、日焼け後の肌は普段以上にデリケート。肌トラブルを防ぐためには、以下2点の注意点を守りましょう。

【1】低刺激のクレンジングや洗顔料を使用する
敏感肌用に開発された刺激の少ないクレンジング、洗顔料を活用し、肌の負担を軽減しましょう。スクラブ入の洗顔料やシートタイプのクレンジングといった刺激の強い商品の使用は控え、炎症を起こした肌をいたわります。

【2】ぬるま湯でよくすすぐ
クレンジングや洗顔のすすぎは、体温より低い温度のぬるま湯で行います。熱いお湯を使用すると日焼けの炎症を悪化させるリスクがありますので、適温を守りましょう。

3. 十分な保湿を行う

サンバーンを起こした肌は脱水状態に陥ることから、保湿ケアが不可欠です。低刺激の保湿化粧水や保湿ミスト、保湿ジェルを使用し、潤いを補充しましょう。

日焼け後の肌に付けることを想定し、開発された商品の中にも、刺激成分を含むものがあります。たとえば、清涼成分(付けるとスーッとする成分)として配合されるメントール。日焼け後の炎症の強い状態に付けるとヒリヒリとした刺激を感じ、痛みや赤みを悪化させるリスクがあります。商品名やイメージには惑わされず、成分表示をよく確認の上、低刺激タイプを選んで下さい。

化粧水の付け方は、手で優しくなじませてハンドプレスで浸透させる方法がおすすめです。コットンを使う方法と比較し、肌に刺激を与えにくく、摩擦刺激を軽減できます。

◎ハンドプレスのやり方

【1】適量の化粧水を手の平に出し、挟み込むように温めます。
【2】顔全体を包み込むように化粧水を広げます。
【3】頬や額、フェイスラインを各10秒、手の平で軽く押さえて、化粧水の浸透を促します。
【4】目元や小鼻など細かいパーツは指先を使い、各10秒押さえます。

ハンド「プレス」といっても強く押さえるわけではなく、あくまで軽く、肌の奥深くまで化粧水を届けるイメージで行うことが大切です。化粧水の使用量が少ないと十分な保湿ができませんので、メーカーごとの推奨量を確認し、適切にお手入れしましょう。

4. ワセリンで肌を保護する

化粧水がしみるほど炎症がひどい時に無理は禁物。精製度の高いワセリンで肌を保護し、肌をゆっくり休ませます。

ワセリンは保湿成分を含むわけではありませんので、あくまでも応急処置です。肌の状態が落ち着き、化粧水に刺激を感じることがなくなってから、改めて保湿を行いましょう。

5. 水ぶくれや痛みがひどい場合は皮膚科に相談

水ぶくれができるほどひどい日焼けは、なるべく早く皮膚科を受診し、アフターケアのアドバイスを受けて下さい。水ぶくれを潰したり皮を無理矢理めくったりする行為は、更なるバリア機能の低下を招き、治りを遅くするリスクがあります。

火傷の跡のように消えない傷ができるリスクもありますから、安易なセルフケアは控え、専門家の見解に沿った対処を行うことが大切です。

日焼け後の顔の美白対策5個

火照りや赤みが落ち着いた後は、色素沈着を予防・解消するための美白ケアを行います。たとえば、以下のような対策を試してみてはいかがでしょうか。

1. 美白化粧水や美容液でメラニンの排出を促す

日焼けによって作られたメラニンがいつまでも居座ると、シミやくすみになってしまいます。メラニンの排出を促す美白成分配合の化粧水や美容液でケアを行い、色素沈着を阻止しましょう。

メラニンの排出を促す美白成分の代表例には、プラセンタエキスやAMP(アデノシン一リン酸)、4MSKなどが該当します。各成分の働きは、以下の表にて確認下さい。

プラセンタエキス細胞の増殖・再生を促すことで、メラニンの排出を助ける成分。活性酸素を抑制し、シミ予防にも貢献します。
AMP(アデノシン一リン酸)「メラニンの蓄積を抑制する」という観点において、日本で始めて効能の認められた成分。加齢などによって衰えた細胞のエネルギー代謝を高め、メラニンの排出を促進します。
4MSKチロシナーゼの働きを抑制し、メラニンの過剰生成を阻止してくれる成分です。肌の代謝を促すことで蓄積したメラニンの排出を促す働きも期待されます。

美白化粧水や美容液は、ターンオーバー周期に合わせて最低1ヶ月は継続し、色素沈着を予防しましょう。

また、シミのできやすい部位のみではなく顔全体に使用し、蓄積したメラニンの排出を促すことも大切。色素沈着が表面化する前に積極的な対策を行うことで将来的なトラブルリスクを軽減し、肌の透明感や若々しさを維持しましょう。

2. ピーリングジェルや角質ケア洗顔料を使用する

ピーリングや角質ケア洗顔料を使用し、肌の代謝を促すこともまた、メラニン排出に貢献します。AHAやサリチル酸など角質ケア成分を含む商品を活用し、シミやくすみを予防しましょう。

ピーリングジェルや角質ケア洗顔料によるお手入れを行う際の注意点は、以下3点です。

【1】角質ケア後の日焼けを避ける
角質ケア後の肌は、バリア機能が低下して、日焼けしやすい状態へと傾きます。外出時はもちろん自宅にいる日も日焼け止めを必ず塗り、二次日焼けを防ぎましょう。朝の洗顔代わりに活用する拭き取り化粧水など一部の商品を除いては、夜に使用することが角質ケアの正解。肌が無防備に傾いた状態で紫外線を浴びる状況を避けて、メラニンの過剰生成・蓄積を防いで下さい。

【2】商品規定の頻度を守る
過剰な角質ケアは、バリア機能の低下を招く原因です。日焼けによって低下したバリア機能を、なお一層衰えさせるリスクがありますので、規定の頻度を守りましょう。

【3】保湿ケアを怠らない
角質ケア後は、保湿成分配合の化粧水や美容液、クリームなどを活用し、バリア機能の回復を促しましょう。

適度な頻度の角質ケアは、角質肥厚を解消し、化粧水や美容液の浸透を促すことにも貢献します。日焼け後のくすみ、ごわつきの解消を目指すためにも、肌に合う角質ケア商品を上手に使い、健やかな肌への生まれ変わりを後押ししましょう。

3. ビタミンCローションでコットンパック

「できてしまったシミも合わせて美白したい」という人は、ビタミンローションによるお手入れを検討できます。ビタミンローションとは、ビタミンCやビタミンC誘導体、APPSなどを配合した化粧水です。これらの成分には、メラニンの生成を抑制するとともに黒色メラニンを無色化する働きが期待されます。

ビタミンCローションを活用したコットンパックは、以下の手順で進めて下さい。

◎コットンパックのやり方

【1】大判のコットンにビタミンCローションを含ませ、2枚に裂きます。
【2】2枚に裂いたコットンをさらに裂き、合計4枚のコットンを作ります。
【3】2のコットンを薄くのばし、両頬に1枚ずつ密着させます。同じように薄く伸ばしたコットンを額に張り、残りの1枚は半分に裂いて下さい。
【4】半分に裂いたコットンの片方を鼻の上、もう片方を顎の下に貼付けます。
【5】5分程度パックを行い、コットンが乾く前に剥がしましょう。

4. ビタミンACEを意識的に摂取する

日焼け後の肌を健やかな状態に戻すためには、食事の工夫も大切です。美白に役立つ栄養素の代表例は、ビタミンAとビタミンC、ビタミンE。

いずれのビタミンもシミ予防や美肌作りに役立つ重要な栄養素ですので、意識的に摂取しましょう。

ビタミンA肌の代謝を促進し、透明感ある素肌への生まれ変わりを支援します。ビタミンAは脂溶性ビタミンですから、炒めたりオイルをかけたりする食べ方がおすすめ。強い抗酸化作用も持ち、紫外線ダメージによるシミ・シワ予防にも一役買います。

【ビタミンAを含む食べ物】
ニンジン、かぼちゃ、レバー、卵、乳製品など
ビタミンCメラニン生成を抑制したり活性酸素を分解したりする働きを担います。セラミドの合成を促すことでバリア機能の回復も後押し。大人ニキビや毛穴対策にも活用されるほど、汎用性の高い栄養素です。

【ビタミンCを含む食べ物】
リンゴ、キウイ、ピーマン、レモン、パプリカ、トマトなど
ビタミンE「若さのビタミン」と呼ばれるほどの抗酸化作用を持ち、シミやそばかす、シワ予防に貢献します。紫外線刺激を受けた肌のトラブル予防に貢献します。

【ビタミンEを含む食べ物】
アーモンド、オリーブオイル、小松菜、モロヘイヤなど

5. 美白サプリメントを活用する

身体の内側から行う対策の選択肢は、食事のみではありません。市販の美白サプリを活用し、美白に役立つ成分を効率的に摂取しましょう。美白サプリメントに含まれる成分の代表例は、次の表の通りです。

アルブチン「ハイドロキノン誘導体」とも呼ばれる美白成分。チロシナーゼの働きを阻害し、メラニンの生成を抑制します。
プラセンタエキス肌の代謝を促し、メラニンの排出を後押しします。美肌作りに欠かせないコラーゲン、アミノ酸も含みますので、紫外線ダメージによるエイジングトラブル予防にもおすすめです。
L-システイン紫外線刺激によって生じた活性酸素を除去し、シミや肌荒れを予防するアミノ酸。エネルギーの産出を促す働きも担い、夏バテ予防に貢献します。

その他、ビタミンCやビタミンEを含むサプリメントを飲むことも、日焼け後のトラブル予防に貢献します。食事のみでは十分な摂取が難しい栄養素はサプリメントで補い、紫外線に負けない肌を育てましょう。

まとめ

日焼けのダメージを残さず、トラブルを予防するための保湿・美白対策を紹介しました。どれほど神経質に紫外線対策を行っても日焼けしてしまう時はあるもの。適切なアフターケアを行うことで影響を最小限に食い止めて、肌の老化を防ぎましょう。

現在の心掛け次第で、5年後や10年後の肌の状態が変化します。いつまでも若々しい、理想の自分であるための対策を今のうちから始めましょう。