監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

敏感肌と乾燥肌は、いずれもよく聞く肌質タイプにあたるものの、「2つの肌質の明確な違いを知らない」「自分自身の肌質がどちらにあたるか、判断に迷う」といった悩みを持つ人は多くいます。

自分自身の肌質が分からないと適切なスキンケア商品を選ぶことが難しく、的外れのお手入れを行ってしまうこともしばしば。

敏感肌と乾燥肌の違いと原因、肌質別のスキンケアのポイントを知り、基礎化粧品の見直しや気になるトラブル解消を目指しましょう。

敏感肌とは?

敏感肌とは、一般的に、化粧品や紫外線、ほこりや花粉といった刺激を敏感に感知し、トラブルを起こしやすい肌質を意味します。

ただし、学術的に「この条件を満たす人が敏感肌」という明確な定義が存在するわけではない点にご注意下さい。

メーカーによっては、季節性のトラブルを起こしやすい肌質やアトピー持ちの女性の肌を「敏感肌」と呼び、他の肌質と区別するケースもあります。

◎敏感肌の症状・サイン
・新しい化粧水や美容液、クリームなどに刺激を感じた経験がある。
・花粉の時期は、顔がかゆい。
・生理前やストレスで肌荒れする。
・日によって、メイクのノリが悪かったり化粧水や美容液がしみたりする。
・紫外線を大量に浴びると急に肌がかゆくなる。

敏感肌の症状や反応を示す対象は、人によってまちまちです。何らかの刺激に対する感受性が高まり、過敏な反応を示してしまう状態を総称した呼び名が「敏感肌」ととらえましょう。

乾燥肌とは?

乾燥肌とは、肌内部の水分・油分が不足し、かさつきや突っ張りを感じやすい肌質を意味します。

目の周りや口元、頬など、もともと油分の少ない部位はとくに乾燥を感じやすく、粉ふきやシワ、たるみといったトラブルを起こしやすい肌質です。ターンオーバー周期の乱れによるキメの粗さ、ごわつきを感じることも多くあります。

◎乾燥肌の症状・サイン
・冬場の粉ふき、かさつきがひどく気になる。
・季節の変わり目は肌の調子が落ち着かず、くすみやごわつき、かさつきが気になる。
・乾燥によるメイク崩れを起こしやすい。
・洗顔後に顔全体の突っ張りやヒリヒリとした刺激を感じる。

医療機関では、「乾燥肌」といった名称ではなく、「ドライスキン」「皮脂欠乏症」といった表現を使用することもあります。これらの名称を使用する場合も「水分や油分が不足し、肌の乾燥を感じる状態」といった捉え方で差し支えありません。

敏感肌と乾燥肌の違い

敏感肌と乾燥肌はいずれもバリア機能が低下し、肌トラブルを起こしやすい状態を意味します。敏感肌の女性は乾燥トラブルを併発しやすく、乾燥肌の女性もまた顔のかゆさや化粧水・美容液などに対する反応を生じやすいため、はっきりとした線引きを行うことは困難です。

もともと敏感肌の人が拒否反応を繰り返した結果として乾燥しやすい肌になる・乾燥肌が悪化して敏感に傾くなどといったように、片方のトラブルが他方のトラブルを招いてしまうケースもあります。

あえて違いをあげるとしたら、敏感肌は刺激に対する反応に焦点をあてた表現・乾燥肌は水分・油分のアンバランスに焦点をあてた表現です。

肌がひどく乾燥する・おまけに、花粉の時期には顔がかゆい」といった女性の場合、「乾燥する」といった部分に焦点をあてると乾燥肌、「顔がかゆい」といった部分に焦点をあてると敏感肌といったように区別できます。

敏感肌の原因

私たちの肌はもともと、皮脂とNMF(天然保湿因子)、細胞間脂質からなるバリア機能を保持します。3要素のいずれかもしくは全てが不足し、バリア機能の低下した状態が敏感肌です。バリア機能の低下が起こると、普段は刺激を感じないアレルゲンも敏感に感知します。

多くの場合は、後天的な原因によるものです。後天的な敏感肌を招く原因には、次のような内容が該当します。

・睡眠不足や栄養バランスの偏りなど、生活習慣に関する問題
・人間関係や仕事に対する過剰なストレス
・誤ったスキンケア
・生理周期や更年期障害などによるホルモンバランスの変化
・紫外線や汗、ほこりなど、外部刺激によるダメージ

上記の内容に思い当たる節がなく、スキンケアやライフスタイルを気遣っているにも関わらず肌が敏感である人は、生まれつきの肌質を疑いましょう。

乾燥肌の原因

乾燥肌の原因もまた、バリア機能の低下です。バリア機能の低下した肌は潤いを維持することが難しく、様々な刺激を受けやすい状態へと傾きます。

乾燥肌の大きな特徴は、肌の水分・油分がともに不足し、刺激に対して敏感であるということです。角質層に十分な油分があって水分のみ不足した状態は、「混合肌」と表現されます。

乾燥肌は、年齢を重ねるごとに悪化し、かさつきや大人ニキビ、くすみやごわつきといったトラブルを生じる女性が多くいます。

乾燥肌の悪化を招く根本的な原因の代表例は、次のような内容です。

・1日2回を超える過剰な洗顔
・ピーリングジェルや酵素洗顔料など角質ケアアイテムの頻繁な使用
・乳液やクリームを使わない、化粧水や保湿ジェルのみのお手入れ
・不十分な紫外線対策と紫外線ダメージの蓄積

敏感肌のスキンケア対策

敏感肌のスキンケアは、肌に負担をかけないこと・適切な保湿によってバリア機能を補うことが大切です。スキンケア用品は敏感肌用に開発された商品を選び、パッチテストなどにより肌との相性を確かめてから使って下さい。

クレンジング・洗顔・保湿とスキンケアの工程別・対策ポイントは、以下の表の通りです。

クレンジングメイク時間が長いほど肌に負担がかかりますから、帰宅後すぐにメイク落としを行いましょう。普段使いするクレンジングは、クリームやミルクタイプといった油分を落としすぎないものがおすすめ。

商品指定の量を手のひらに出し、優しくメイクとなじませた後、ぬるま湯ですすいで下さい。
洗顔朝と夜・合計2回の泡洗顔を行いましょう。ゴシゴシこする洗顔は敏感肌に負担をかける可能性が高く、バリア機能の更なる低下を招いてしまうリスクがあります。

よく泡立てた洗顔料を顔の上で転がすように、優しく洗顔して下さい。
保湿保湿化粧水と美容液、乳液やクリームを使用し、バリア機能を補完します。化粧水や美容液は、セラミドやアミノ酸など、バリア機能の強化を助ける成分を含むものがおすすめ。乾燥をひどく感じる部位には化粧水の重ね付けを行い、肌の調子を整えます。

肌がとくに敏感に傾いた時は、ワセリンやバームを薄く塗るシンプルなお手入れに留めることも一案です。肌の緊急事態を脱してから改めて肌に合う保湿を行い、バリア機能の回復を目指します。

乾燥肌のスキンケア対策

乾燥肌のスキンケアもまた、肌に負担をかけにくい洗顔とクレンジング、正しい保湿を行うことが大切です。その上で、年齢に応じたスキンケアを導入し、肌の調子を整えます。

20代・乾燥肌のスキンケア対策

20代・乾燥肌のスキンケアは、肌の状態に応じた基礎化粧品の見直しが大切です。軽い質感の乳液を卒業して保湿クリームを導入する・洗浄成分の強すぎない洗顔料を使用するなど、肌に負担をかけないための対策を検討しましょう。

また、年間通して日焼け止めを使用するなど、紫外線ダメージの蓄積を防ぐための対策も必要です。「日焼け止めを塗ると乾燥する」という人は、肌に負担をかけにくいノンケミカル(紫外線散乱剤使用)タイプを選び、肌の負担を軽減しましょう。

30代・乾燥肌のスキンケア対策

30代は、仕事や家事のストレスから乾燥トラブルが進行しやすく、より一層丁寧な保湿ケアを必要とする時期と言えます。毛穴の開きや大人ニキビが目立つ時でも、ゴシゴシこする洗顔や頻繁な角質ケアは、肌にとって大きな負担。丁寧な保湿ケアを継続し、バリア機能の回復に努めましょう。

40代以降・乾燥肌のスキンケア対策

乾燥から生じるシワやたるみ、シミといったエイジングサインが目立ち始める年代ですので、保湿ケアのみではなく、年齢肌対策用のスキンケアを検討しましょう。エイジングサインの悪化を防ぐためにも、過剰な洗顔・クレンジングや角質ケアは控えて下さい。

まとめ

敏感肌と乾燥肌の違いと肌質別・スキンケアのポイントを紹介しました。いずれの肌質もお手入れの手を抜くとすぐにトラブルを生じるデリケートな肌質ですので、正しいスキンケアを継続しましょう。

「乾燥肌だから」「敏感肌だから」と諦めずに地道な努力を続けることが、明日の美肌を作ります。自分自身の肌質とスキンケア方法を今一度見直し、バリア機能回復に向けたアプローチを早速今日から始めましょう。