
顎のニキビはやっかいで、治ったと思ったらまた繰り返しできてしまいます。顎にニキビができると目立つし痛みやかゆみがあり、つい触りがちです。触ると炎症が悪化し、治りも遅く酷い場合にはニキビ跡ができてしまいます。
なぜ顎にニキビができやすいのでしょうか。理由を知ると、ニキビ予防や出来てしまったニキビ対策にも役立ちます。ニキビ跡を作らないためにも、ニキビを繰り返さないための対策を整理してお伝えしたいと思います。
この機会に顎ニキビと決別するため、顎ニキビの原因と治し方を学んでみませんか?
目次
繰り返す顎ニキビはなぜ?痛い・かゆい…
顎のニキビは痛いしかゆいので不快な上に、目立つのでつい触ってしまいがちです。そのため悪化して治りが遅くなってしまいます。やっと治ったと思っても、繰り返しできてがっかりしてしまうのが顎ニキビです。
顎ニキビが繰り返しやすい理由は、顎には皮脂腺は多いのに汗腺が少ないため、乾燥しやすく毛穴詰まりを起こしやすいからです。さらに顎は紫外線や摩擦にさらされやすいことも乾燥・毛穴が詰まりに深く関係しています。
これらの顎ニキビが繰り返しできる理由は、次に述べる原因と密接に関わっているため、詳細は次で説明します。
繰り返す顎ニキビの原因8個
さっそく顎ニキビが繰り返しできる原因について解説します。実は8個の原因のうち、上から6個はどの部位にできるニキビにも共通しています。最後の2個は顎ニキビ特有ともいえます。
(1)毛穴の詰まり
毛穴が詰まると皮脂を排出できなくなり、毛穴に皮脂が充満します。皮膚の常在菌であるアクネ菌が毛穴の中で異常に増殖する環境ができあがり、これがニキビの引き金になっています。
(2)過剰な皮脂分泌
ホルモンバランスの乱れやストレス、肌の乾燥などにより皮脂分泌が増えることも、ニキビの原因になります。アクネ菌は皮脂を栄養にして増殖するからです。
(3)アクネ菌の増殖
アクネ菌は皮膚の常在菌で、普段は病原菌から肌を守ってくれています。ところがアクネ菌の好む生育環境が整うと、アクネ菌がどんどん増殖します。異常繁殖すると、アクネ菌の栄養になる皮脂を分解したときに生成する物質の量も当然多くなり、それが肌を刺激して炎症が起きます。これがニキビの始まりです。
(4)肌の乾燥
顎は皮脂腺が多く汗腺が少ないのが特徴で、汗をあまりかかないため肌が乾燥しやすいのです。肌が乾燥すると毛穴が詰まりやすくなるため、ニキビができやすくなります。
(5)ホルモンバランスの乱れ
ストレスや不規則な生活により、ホルモンバランスが崩れると皮脂分泌が多くなります。
(6)洗顔のし過ぎ
一日に何度も洗顔料で洗うと肌が乾燥してしまい、ニキビができやすくなります。洗顔料を使う洗顔は、一日に2回までにしましょう。
(7)触りすぎ
顎はマフラー、マスク、衣服、布団、枕などに触れる機会が多く、頬杖をつくなど手で触る機会も多い部位です。これが刺激になり肌の乾燥を招きます。
(8)紫外線
顎は帽子や日傘ではカバーしにくく、日焼けにより肌が乾燥して角質層が厚くなり、毛穴が詰まりやすくなります。
繰り返す顎ニキビの治し方は?即効性あり?
まずはニキビができないように、ニキビの原因を避けることです。顎特有の原因である「触りすぎ」と「紫外線」に対する対策をすることも必要です。
予防をしっかりしていても、確実にニキビを防げるとは限りません。できてしまった顎ニキビは炎症が酷くならないうちに対処することで、治りも早くなります。
ニキビができて、次の日にきれいに治るという意味での即効性はありませんが、小さなニキビを見つけたら次に紹介するニキビ対策を行うことで、酷くならないうちに治すことが可能になります。
繰り返す顎ニキビの予防対策4個[スキンケア]
顎ニキビは治ったと思っても繰り返しできることが多いので、できたと思ったらすぐに適切に対処できるようになりたいものです。そこで毎日のスキンケアの中で、顎ニキビの予防やニキビができてしまったときの対策をまとめてみました。
日々のスキンケアを正しく行なうことで、ニキビを予防することができますし、万が一ニキビができてしまったとしても、素早く適切に対処して、炎症をすばやく鎮めることが大切です。難しいことはないので、ぜひお試しください。
1. しっかり保湿する
皮脂が多いとニキビができるのではないかと思うあまり、洗顔後に保湿せずそのままにすることがあるかもしれませんが、肌が乾燥すると毛穴が詰まりやすくなり、皮脂分泌が盛んになるので、逆効果です。
入浴や洗顔後すぐに、しっかりと保湿をすることが大切です。化粧水だけではなく、油分を含む乳液やクリームまで塗るようにしましょう。油分はニキビに悪いと思いがちですが、入浴や洗顔の後は皮脂が洗い流されているので、肌の水分が蒸発しやすくなっています。
皮脂が分泌されて肌表面を覆うまでには少し時間がかかるので、その間に肌が乾燥すると毛穴詰まりの原因になります。肌が乾燥することが刺激になり、皮脂が過剰に分泌されることもあるため、化粧水後には適度な油分も補うようにしましょう。
2. 適度に洗顔する
メイクや汚れ、過剰な皮脂やアクネ菌などの細菌を洗い流すために洗顔は必要ですが、洗い過ぎると肌が乾燥し肌荒れやニキビの原因になるので、洗顔料を使った洗顔は一日に1~2回までにとどめるべきです。
洗顔はしっかり泡立てて、できるだけ洗顔による摩擦を減らすようにします。ぬるま湯ですすぐときやタオルで水分を拭きとる時も、擦らないように気を付けましょう。
3. 市販のニキビ薬を使う
ニキビができ始めたと思ったら、洗顔や保湿によるスキンケアで対処することもできますが、炎症が引かない場合には早めに市販のニキビ薬を使うこともおすすめです。
炎症が酷くなる前のほうが、薬で炎症を鎮めやすいので悪化を防ぐことができます。顎ニキビは再発することが多いので、家にニキビ薬を常備しておくとすぐに対処できます。
市販のニキビ薬には消炎剤や殺菌剤などが配合されていますが、塗布した部分の肌が乾燥しやすいので、広範囲に塗るのではなく患部のみに塗るようにしましょう。グリセリンなどの保湿剤が入っているものは乾燥しにくい処方なので、気になる方は保湿剤が入っているものを使うと良いです。
4. 顎の紫外線対策をする
紫外線を浴びると肌は乾燥します。ニキビで炎症がある部分に紫外線が当たると治りが悪くなるので、紫外線対策が必要です。
顎は日傘や帽子では防ぎきれないことが多いため、日焼け止めを塗ることになりますが、ニキビの炎症が酷い場合や日焼け止めをニキビに塗ることに抵抗がある場合には、UVをカットしてくれるテープを貼る方法があります。
肌色のテープなので遠目には目立ちません。テープの上からメイクができるものもあるので、これなら使えそうという商品を探してみると良いかもしれません。外出時だけ使うようにすれば、肌の負担も少なくてすみます。
繰り返す顎ニキビの予防対策6個[食べ物・食事]
顎ニキビの予防対策として食べ物・食事は非常に重要で、中心に考えるべきといえるほどです。一日に3回食事をとり、食事で得られる栄養素で身体が作られるからです。ニキビにならないために肌のコンディションや体調を整えるためにも、食事の内容を見直してみましょう。
1. タンパク質を避けないで
タンパク質は細胞を作る材料になる栄養素です。材料がなければ新しい細胞を作ることができないので、タンパク質をしっかり摂ってスムーズに肌の再生ができるような食生活を心掛けることが必要です。
タンパク質を多く含む食材は、肉類・魚類・豆類・豆腐・チーズ・ヨーグルトなどです。タンパク質はアミノ酸からできていますが、様々なアミノ酸を摂るほうが身体には良いので、いつも決まった食材からタンパク質を摂ろうとせずに、いろんな食材から摂るようにするとバランスよくアミノ酸を摂ることができるでしょう。
2. ビタミンB群で肌を健康に
ビタミンB群は肌の健康を維持するのに不可欠なビタミンです。その中でも特に、顎ニキビをケアするのに良いと思われるビタミンBを紹介します。
ビタミンB2
ビタミンB2は皮膚を健康に保ち、皮脂分泌のバランスを整える働きがあります。ビタミンB2を多く含む食材は、レバー・うなぎ・牛乳などです。
レバーにはビタミンB2が豊富に含まれているので、月に数回はメニューに入れるようにして、牛乳はできるだけ家に常備して料理などに使うようにすると、牛乳を飲むのが苦手な人や飲む習慣がない人にも取り入れることができると思います。シチューやスープなどに使うのが簡単です。紅茶に使うのも良いですね。
ビタミンB6
ビタミンB6は、肌のターンオーバーを整える働きがあります。ビタミンB6が多く含まれる食材は、青魚・バナナ・卵・大豆などです。
大豆は日本食中心の食生活であれば、日常的に食べるでしょう。青魚は月に数回はメニューに加えるようにすると良いです。バナナは果物の中でも通年安価で購入できるので、家に常備する果物にするのもおすすめです。バナナはヨーグルトに入れたり牛乳とはちみつや砂糖を加えてジュースを作ったり、ケーキを作ったりなど、いろんな使い道があります。
ナイアシン
ナイアシンもビタミンBの仲間で、皮膚を健康に保つ働きがあります。ナイアシンが多く含まれる食材は、落花生・かつお・まぐろ・たらこなどです。
落花生はおやつにすることもできますし、料理に使うことも可能です。常温で日持ちするのもありがたいです。まぐろはお刺身として食べると、調理の手間もかからず手軽にナイアシンが摂取できます。たらこは朝食でご飯のお供にすると、健康的な朝食にもなります。
パントテン酸
パントテン酸もビタミンBの仲間で、皮膚を健康に保つ働きがあります。パントテン酸が多く含まれる食材は、納豆・鶏もも肉・レバーなどです。
納豆は朝食にすると、調理の手間もかからず忙しい朝に最適なので、常備しておきたい食材です。鶏もも肉は牛肉に比べて安価でヘルシーな食材で、様々な料理に使えて便利です。調味料を変えて調理すれば、全く違う味が楽しめて飽きません。毎週1回から数回は使えそうです。
3. ビタミンCはこまめな補給を
ビタミンCは日焼けを防ぎコラーゲンの生成を助ける働きがあります。水溶性ビタミンなので、体内に貯蔵することができません。そのため一日何回かに分けてこまめに補給することが必要です。
ビタミンCが多く含まれる食材は、赤ピーマン・黄ピーマン・キウイフルーツ・ブロッコリーなどです。柑橘類やイチゴもビタミンCを含むので、食後やおやつにフルーツを食べるのも良いと思います。
一度にたくさん摂取しても排泄されてしまうので、こまめに補給するのがベストです。ビタミンCは熱や光に弱く、すぐに壊れてしまいますが、例えばブロッコリーをさっと茹でるぐらいであれば、ビタミンCは壊れません。茹でて時間が経つとビタミンCの含有量は減ってしまいますので、すぐに食べるのがおすすめです。
4. ビタミンAで乾燥しない肌に
ビタミンAは肌の乾燥を防ぐ働きがあります。肌の乾燥は毛穴詰まりを招き、ニキビの原因になるので、ビタミンAもニキビ予防には大事な栄養素です。ビタミンAを多く含む食材は、鶏レバー・うなぎ・にんじん・モロヘイヤなどです。
モロヘイヤは旬の7-8月になるとスーパーで安く手に入ります。旬は夏なので、お浸しにすると食べやすいです。細かく刻むと粘りが出てくるので、粘る食材が好きな人におすすめです。にんじんは様々な料理に使えますが、あまり使う機会のない人はスティック状に切ってサラダにすると簡単です。
5. ビタミンEで肌荒れ防止を
ビタミンEは血行を促進する働きがあります。血行が良くなると、肌にも血液がスムーズに送られるので、肌荒れを防ぎます。肌が荒れるとニキビも悪化するのでビタミンEも積極的に摂りたい栄養素です。
ビタミンEを多く含む食材は、モロヘイヤ・カボチャ・うなぎ・アーモンドなどです。カボチャも使い道の多い野菜です。炊いたり炒めたり揚げ物にしたり、スープにもできます。ビタミンEは油溶性のビタミンなので、油と一緒に調理する炒め物などすると、吸収力がアップします。
6. 食物繊維で腸内から整える
食物繊維は腸内の環境を整える働きがあります。腸内環境が良いと、肌の調子も良くなります。ニキビができやすい場合は、腸内環境を整えると改善することもあります。
食物繊維を多く含む食材は、いも類・豆類・ゴボウ・ふき・キノコ類・海藻類などです。食物繊維は腸内の吸収を緩やかにするため、ダイエットにも有効といわれています。
実は日本人の主食である白米にも食物繊維は含まれていて、レタスよりも多くご飯一杯分でセロリ3分の1に匹敵することはご存知ですか?野菜にばかり目が行きがちですが、毎食ご飯をしっかり食べることは、健康にもニキビにも良いといえます。
繰り返す顎ニキビの予防対策5個[サプリメント]
顎ニキビの予防対策には食事が非常に大切であることを説明しましたが、食事で不足する栄養素はサプリメントで補うことができます。サプリメントはあくまでも補助的なものと考えるようにしましょう。
次にニキビの予防対策で、身体に必要な栄養素のうち不足しがちといわれるものを紹介します。足りていないなと感じることがあれば、下記の栄養素を含んだサプリメントを生活に取り入れてみるのも良いでしょう。
1. ビタミンB群
ビタミンB群のサプリメントがあるので、食事で不足気味と感じた時に服用するのがおすすめです。ビタミンB群もビタミンCと同じく水溶性のビタミンで、必要以上に摂取した分は体外に排出されるので、脂溶性のビタミンと違い過剰摂取による障害はないといわれてきました。
しかし近年サプリメントを常用している人の数も増え、長年に渡って過剰摂取している場合は身体に害を及ぼすという報告が見られます。
結果がはっきりわかるまで時間がかかると思いますが、いずれにしても日常的に過剰摂取をする必要もないので、食事で足りない分を補うという考え方で服用すべきでしょう。
2. ビタミンC
ビタミンCは体内に貯蔵できないため、こまめな摂取が必要だと説明しました。仕事が忙しく、一時的にビタミンC不足になることもあると思います。
また季節によって、体調やニキビなど肌の調子が悪い時には、ビタミンCを普段より少し多めに補給したいと思うときにサプリメントが役に立ちます。
3. マルチビタミン
多忙で食事に手間と時間が欠けられない時期には、ビタミン不足になることがあると思います。肌の調子が良くないときにも、普段よりも身体がビタミンを欲するでしょう。
そのようなときに、マルチビタミンを選ぶとたくさんの種類のビタミンを摂取することが可能です。ビタミンの中には過剰摂取を避けるべきものがあるので、マルチビタミンを長年に渡って服用する必要があるかは、よく考えることが必要です。
4. 亜鉛
亜鉛には炎症を抑える働きがあります。ニキビができてしまったときに、食事からの亜鉛摂取では足りないと感じるときにおすすめです。亜鉛はすべての細胞に必要なため、様々な食材に含まれています。そのため普段は亜鉛が欠乏することはほとんどありません。
ニキビができたときに亜鉛のサプリメントを服用することは良いですが、その後も継続的に服用すると過剰摂取になる可能性があります。過剰に亜鉛を摂取すると、銅や鉄の吸収が阻害され、貧血になることがあります。
その他免疫障害・神経症状・胃腸障害・コレステロール代謝異常なども報告されているので注意しましょう。
5. 乳酸菌
腸内の善玉菌である乳酸菌を増やすことで、腸内の環境を整えたいときには、乳酸菌サプリメントがおすすめです。
肌をきれいに保つために、食物から栄養を摂る大切さを説明しましたが、栄養が吸収されるのは腸です。腸を元気に保つことで、食事もおいしく栄養もしっかり吸収することができます。
まとめ:もう顎ニキビを繰り返さない
顎ニキビを繰り返し作らない、もし顎ニキビができても見つけたら直ちに対処してすみやかに治すために必要なことをお伝えしました。
顎ニキビの原因は、その他の部位にできるニキビと共通することがたくさんあることに気づいていただけたと思います。顎ニキビの予防対策がわかったら、他の部位のニキビ対策にも応用して、ニキビのないきれいな肌を目指しましょう。