監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

何歳になっても老けない理想の美肌を作るためには、丁寧なスキンケアの継続と生活習慣の見直しが不可欠です。

美魔女の言う「とくに、何もしない」を真に受けて、いい加減な生活を続けると、ニキビやシワ、たるみが増加し、老け込んでしまうリスクもあります。

スキンケア・食事・睡眠と分野別・美肌の秘訣をまとめて紹介いたしますから、理想の肌を作り、維持するための教科書として有効に活用下さい。

美肌の秘訣は何もしない?

世の中には様々な美容法が存在し、「肌を綺麗にするためには、何もしない方が良い」「肌を甘えさせないためには、肌断食を行うべき」といった主張を行う人も中にはいます。面倒なお手入れを何もしないで美肌になれるとしたら、これほど嬉しいことはありませんよね。

しかし、この美容法は、王道的な美肌術とは大きく外れる内容です。洗顔後に何も付けず、そのまま就寝してしまうと、バリア機能が低下します。

バリア機能の低下は、紫外線や花粉、スキンケアを行う際の摩擦といった外部刺激に対する抵抗力を衰えさせて、トラブルが起こるリスクを高めてしまう原因です。結果として、シワやたるみといったエイジングサインが増加し、見た目年齢を老け込ませることもあります。

美肌作りのために新しい手法を試す場合は、王道的な方法から始めることがセオリーです。インターネット上の噂を鵜呑みにして後悔することのないように、情報の取捨選択を徹底しましょう。

美肌の秘訣5個[スキンケア]

美肌の秘訣と言っても、特別なことを行わなければならないわけではありません。クレンジング・洗顔・保湿という王道のスキンケアを丁寧に実践し、自分自身の肌を大切に扱うことが、美肌作りのポイントです。

1. 毎日のクレンジングを怠らない

メイク時間が長いほど肌に負担をかけやすく、美肌が遠のく行為と言えます。美肌を作るためには、帰宅後すぐにクレンジングを行い、肌ストレスを軽減しましょう。クレンジングを行う時のポイントは、以下3点です。

【1】時間をかけない
クレンジングを乗せてからメイクを落とし終えるまでの時間は、30秒から40秒が1つの目安。クレンジングを行いながらマッサージすることは避け、手早くメイクを落としましょう。

【2】こすらない
クレンジングはこすって落とすものではなく、メイク汚れを溶かし出し、きれいに取り去るためのものです。手の平や指先を使用し、クレンジングとメイクをよくなじませ、摩擦刺激を軽減しましょう。

【3】オイルやクリームは乳化させる
クレンジングオイルやクリームをすすぐ前には、乳化作業が必要です。顔全体に少量の水分をなじませ、白濁色に変わったことを確認した上、すすぎましょう。

2. 朝・夜の2回、正しい手順で洗顔する

美肌を作る洗顔は、朝・夜2回の泡洗顔です。以下の手順に従って正しい方法で洗顔し、汚れをきれいに落としましょう。

【1】ハンドソープなどを使用し、手を洗う。
【2】ぬるま湯を使用し、顔全体を予洗いする。
【3】洗顔料をよく泡立て、濃密な泡を作る。
【4】Tゾーン・Uゾーンを最初に洗う。小鼻周辺は指の腹を当て、クルクルと円を描くように動かすことで、きちんと汚れを落としましょう。
【5】頬や目元、口元を優しく洗う。
【6】20回から30回以上すすぐ。
【7】すすぎ残しのないことを確認してから、清潔なタオルで拭く。

3. 化粧水を重ね付けする

化粧水の適量は、肌質や状態によって異なります。乾燥しやすい時期やかさつきが気になる時は、化粧水の重ね付けを行い、積極的な水分補給に努めましょう。

化粧水の適量は、肌質やその日の気温や湿度、生活スタイルなどによって、変化します。今の自分の肌にとって望ましい保湿ができるように、重ね付けの回数や化粧水の使用量を変えて下さい。

潤い補充ができたサインは、顔に触れた時、少し冷たく感じることです。首や耳の後ろ、あごの裏といった顔とつながる部分にも化粧水をなじませて、乾燥とは無縁の肌を目指しましょう。

4. 乳液・クリームを省略しない

基礎化粧品によって補った水分を長時間留めるためには、適度な油分が必要です。乳液やクリームによって表面に膜を張り、潤いを閉じ込めましょう。

なお、乳液やクリームは、「しっとりとした質感の商品ほど、保湿力が高い」というわけではありません。油分を補うお手入れに苦手意識を持つ人は、軽い質感でベタつきにくい商品を活用しましょう。

5. 日焼け止めを毎日塗る

「肌の老化の約8割は紫外線の影響」という説があるほど、日光の刺激は恐ろしいもの。外出する・しない、晴れの日・曇りの日に関わらず、365日体制で日焼け止めを使用し、肌トラブルを予防しましょう。日焼け止めの塗り方のポイントは、以下3点です。

【1】適量を使用する
SPFやPAを計測する際には、1㎠あたり2mgの日焼け止めを使用します。クリームタイプならパール2粒、ローションタイプは1円玉2枚分を目安として、適量を使用しましょう。

【2】鼻や頬骨に重ね付けする
鼻や頬骨など顔の中で高い位置にあるパーツは日焼けしやすい部位と言えます。顔全体に伸ばした後に重ね付けを行い、万全に対策しましょう。

【3】汗をかいたら塗り直す
汗をかいたりシャワーを浴びたりした後には、日焼け止めを塗り直します。とくに汗をかかない日でも、2時間から3時間置きには塗り直し、うっかり日焼けを防ぎましょう。

美肌の秘訣4個[食事]

次に、食事内容や食べ方の工夫により、美肌を作る方法を紹介します.積極的に食べたい食べ物・極力控えたい食べ物を知り、食習慣の改善に努めましょう。

1. 十分なタンパク質を摂取する

過剰なダイエットや食事制限を原因とするタンパク質不足は、シワやたるみ、血色の悪さといった肌トラブルを招く原因の1つ。1食につき手の平1杯分のタンパク質を摂取し、健やかな肌への生まれ変わりを後押ししましょう。

タンパク質を摂取する時のポイントは、植物性タンパク質・動物性タンパク質をバランス良く含めることです。牛肉や鶏肉のみ・大豆食品のみといった食べ方は避け、朝食・昼食・夕食の三食へ、様々な食材を含めて下さい。

2. 色とりどりの野菜を食べる

野菜の色と栄養素は、密接に関係します。赤・黄・緑・紫・オレンジと色とりどりの野菜を食事に取り入れて、老けない身体を作りましょう。

赤色β-カロテンやリコピンなど抗酸化成分を含む野菜が多く、エイジングトラブル予防に貢献します。トマト、赤ピーマンなど
黄色ビタミンCを豊富に含み、紫外線刺激に負けない肌を育てます。ビタミンCにはコラーゲンの合成を促す作用も期待されますから、タンパク質と合わせて取りたい栄養素に該当します。黄ピーマン、とうもろこしなど
緑色鉄分とカルシウムを豊富に含む野菜が多く、血行不良によるくすみ・青クマの気になる女性におすすめです。ブロッコリー、ピーマン、小松菜、アスパラガスなど
紫色アントシアニンを含むことが多く、コラーゲンの安定や生活習慣病予防に貢献します。ナス、紫いも、しそなど
オレンジビタミンA・ビタミンC・ビタミンEと美肌作りに欠かせない栄養素を豊富に含む野菜が多く、エイジングトラブルの予防や美肌作りに貢献します。ニンジン、カボチャなど

3. ファーストフードやジャンクフードを適度に留める

ハンバーガーやフライドチキンといったファーストフード、ピザやカップ麺といったジャンクフードの食べ過ぎは、身体の老化を加速させるリスクがあります。

これらの食品に含まれる過剰な脂質は、悪玉菌のエサになり、腸内環境の悪化を招く原因の1つ。腸内環境の悪化は、大人ニキビや吹き出物、毛穴の開きやベタつきといった、様々な肌トラブルを招いてしまう要素です。

また、これらの食品には、使い回しの古い油が使用されることもあります。古い油を摂取すると、身体の酸化を加速させ、ごわつき・黄くすみ・シワやたるみを招いてしまうリスクがあります。ファーストフードやジャンクフードは嗜好品であることを理解し、食べる頻度を調整しましょう。

4. 発酵食品の力を借りて、腸内環境を整える

「肌は腸の鏡」とも言われるほど、腸内環境と肌の状態は、密接な関わりを持つもの。発酵食品の力を借りて善玉菌を増やし、腸内環境の正常化を図りましょう。美肌作りに貢献する善玉菌の種類と働き、食品例は、以下の表の通りです。

菌の種類主な働き食品例
乳酸菌腸内環境の改善や免疫アップに貢献します。腸内環境が改善されると老廃物の排出がスムーズに進みますので、ニキビや肌荒れ対策にもおすすめです。ヨーグルト、チーズ、キムチなど
酵母菌必須アミノ酸とビタミンB群を生成し、代謝を促す働きが期待されます。ビタミンB群は、皮脂量のコントロールや大人ニキビ対策に貢献する栄養素。味噌、ビール、ワイン、チーズなど
麹菌でんぶんをブドウ糖・タンパク質をアミノ酸に分解し、消化・吸収を後押しします。麹菌の含まれる調味料は旨みを引き出す働きも担いますので、野菜や魚をよりおいしく、効率的に摂取するため、積極的に活用しましょう。味噌、醤油、甘酒(米麹)、かつおぶしなど
酢酸菌酵素の力でアルコールを酢に変える働きを担うもの。飲酒時のアルコール代謝を助ける働きも担いますので、飲み会の多い時期の美肌対策として、意識的に取り入れましょう。酢、カスピ海ヨーグルト、ナタデココなど
納豆菌高温・低温に強く、生きたまま腸に届くことで腸内環境の改善を後押しします。乳酸菌と相性の良い菌ですから、納豆キムチのように、発酵食品同士の組み合わせで摂取する方法がおすすめです。納豆など

美肌の秘訣3個[睡眠・生活習慣]

生活習慣による肌ストレスの蓄積は、シワやたるみ、乾燥、大人ニキビといったあらゆるトラブルを招く元凶。以下3個のポイントを守り、美肌を作る生活へと切り替えましょう。

1. 睡眠の質を高める

私たちの肌は睡眠中に、肌トラブルを修復し、健やかな状態への生まれ変わりを行います。肌トラブルの修復や生まれ変わりを促すためには、「ぐっすり寝た」と実感できる質の高い睡眠をとることが大切です。

睡眠の質を高めるためには、視覚・嗅覚・聴覚・触覚・温熱感覚という「睡眠五感」に対してアプローチし、心地良い環境を整える方策が検討されます。

視覚「明るい時間は活動し、暗い時間は就寝する」といったメリハリが大切です。スマホやパソコン、テレビなどの強い光は脳を覚醒させますので、寝室への持ち込みを控えましょう。その他に、就寝1時間前を目安に、寝室の照明を落とす・遮光カーテンを使用する・起床後すぐに日光を浴びるといった方法もおすすめです。
嗅覚好きな香りの漂う空間では副交感神経が優位になりますから、睡眠の質を高めることに貢献します。イランイランやラベンダー、ヒノキといったリラックスを促すアロマから自分自身の好みに合う香りを選び、熟睡できる空間作りに活用しましょう。
聴覚45dBを超える音は脳を覚醒させますので、寝室の遮音性は大切です。図書館程度の静かさを1つの目安に、環境整備を行って下さい。
触覚布団や枕、パジャマの素材を綿やシルクなど、肌触りの良いものに切り替えましょう。吸湿性や保温性といった機能性は大切ですが、自分自身の好みに応じて選ぶこともまた睡眠の質を左右する要素。寝具売り場で実際に商品に触れ、「気持ち良い」と感じるものを選択しましょう。
温熱感覚寝室の室温は、夏25℃・冬15℃〜18℃程度が快適であるとされます。乾燥や湿度の高さにも気を配り、エアコンや加湿器の調整を行って下さい。

2. ストレスを溜め込まない

ストレスを溜め込まず、リラックスして過ごすことも、美肌作りの秘訣です。以下のような方法でストレスを発散し、日常的なイライラを解消しましょう。

・週末を活用し、郊外へ旅行に行く。
・ドラマや映画を見て、思い切り泣くもしくは笑う。
・ヨガやストレッチで身体を動かす。
・家族と過ごし、他愛もない話しをしたり夕食を食べたりする。

仕事や人間関係のストレスをゼロにすることは難しくても、イライラを溜め込まず、快適な生活を送ることは可能です。自分自身にとって「心地良い」と感じる場所で過ごし、「楽しい」「すっきりする」と感じる行動を取ることが綺麗な肌を育ててくれます。

3. 意識的に身体を動かす

適度な運動は、美肌を作り、維持するための重要な要素と言えます。しかし、仕事や家事の合間をぬってジムに通ったり筋トレを行ったりすることは、大変なこと。無理なく美肌を作るためには、以下のような対策によって意識的に身体を動かし、活動量を高めましょう。

・通勤中や買い物中に早歩きする。
・電車の中で座席に座らず、かかとの上下運動を行う。
・エスカレーターを避け、階段を使う。
・掃除や洗濯をダラダラ行うことを避け、きびきび動く。

適度に身体を動かす習慣は、ストレスに負けない心身を作るためにも大切です。また、たくさん身体を動かし、程よい疲れを感じることは、スムーズな入眠を助けます。身体を動かすことに抵抗意識を持つ人も、無理のない範囲からコツコツと継続すれば、肌や心の変化に気付くことが多いもの。老けない肌と健康な心を作るための前向きな努力を、できることから始めましょう。

40代でも美肌を綺麗に保つ秘訣

40代は、ホルモンバランスの変化や紫外線ダメージの蓄積による肌の変化を実感しやすい時期です。経済的なゆとりの生じる年代にもあたりますから、高額なエイジングケア化粧品の購入を検討し、試行錯誤を行う人も多いのではないでしょうか。

しかし、40代の女性の全てに高額なエイジングケア化粧品が必要であるとは限りません。正しい洗顔・クレンジング・保湿を継続し、美肌に導く生活習慣を徹底することが、肌を綺麗に保つコツです。

上記の基本を理解した上、新しい基礎化粧品を取り入れるとしたら、以下のような観点に注目しましょう。

・乾燥肌対策として、セラミドやヒアルロン酸、コラーゲンなどを含む保湿美容液を取り入れる。
・くすみやシミ対策として、フラーレンやビタミンC誘導体など、美白美容液を取り入れる。
・たるみ対策として、レチノールやエラスチンなど、ハリ感アップ美容液を取り入れる。

50代でも美肌を綺麗に保つ秘訣

50代は、更年期に差し掛かり、身体のだるさやのぼせ、イライラといった不調を感じやすい時期と言えます。心身の不調を感じる時には、化粧水・美容液・乳液やクリームといった一連のスキンケアを行うことすら、面倒に感じがち。50代の肌を前提として開発されたオールインワンジェルなど、時短に役立つアイテムを活用し、肌の調子を整えましょう。

これまで通りの化粧水・美容液・乳液やクリームによるお手入れを継続する場合のポイントは、付ける量です。肌の変化に応じて使用量を増やし、乾燥肌の進行を防止します。目元や口元といったエイジングサインの出やすい部位はとくに、集中的な対策を行って下さい。


まとめ

スキンケアや生活習慣の改善によって美肌を作る方法と何歳になっても若々しく、理想の美肌を保つ秘訣を紹介しました。

お手入れ習慣が変われば現在の肌が変わり、現在の肌が変わると将来の肌も変わります。現在・将来の美肌を作るための秘訣を今一度見直し、できることから少しずつ、前向きな努力を継続しましょう。