監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

肌トラブルは多くの女性の悩みです。しかし一言で肌トラブルと言っても、ニキビや乾燥などいくつもあります。

今回はそれぞれの肌トラブルについて、原因・症状・スキンケア方法について解説します。

肌トラブルはまず原因を知って、対策を取ることが再発させないためにもとても大切です。悩んでいる肌トラブルの項目を見つけたら、即実践してみましょう。

トラブルが起こりやすい人の特徴

肌トラブルが起こりやすい人の特徴は、以下の通りです。

・間違った保湿ケアをしている
・紫外線対策をしていない
・栄養が偏っている
・運動不足
・ストレスが溜まっている
・睡眠不足
・妊娠・出産して間がない

これらは肌の乾燥を招いたり、肌の新陳代謝に悪影響を及ぼしたりする可能性のある事柄です。外の有害物質から身体を守る働きをするのが皮膚であり、肌トラブルは身体を守るための一つの防御反応と考えることができます。

肌のバリア機能は皮膚を健康に保ち、皮膚の役割を果たすために重要な機能なので、ここが壊れてしまう原因を作ると肌にトラブルが発生します。

上記に当てはまる人は、今肌荒れがなくても肌荒れを起こす可能性が高いので、トラブルを防ぐためにも今から正しいスキンケア方法を身につけておきましょう。

1. シミの原因・症状・改善スキンケア方法

肌トラブルで最も多いと思われるのがシミです。シミができる原因や症状、改善のための方法を説明します。

シミの原因

シミの原因は主に4つあります。

◯紫外線
紫外線の中でもUVAは真皮まで届き、メラノサイトを活性化してシミの原因になるメラニン生成を活発にします。

◯ホルモンの変化
女性は妊娠・出産・閉経時にはホルモンのバランスが変わります。そのため一時的にメラニン生成が多くなり、シミになります。

◯活性酸素
活性酸素は他の物質と非常に反応しやすく、体内で発生した活性酸素はメラノサイトを刺激し、シミを作ります。紫外線、ストレス、タバコなどで活性酸素が発生します。

◯炎症や摩擦
虫刺されやアレルギーなどによる炎症や、摩擦の刺激でメラノサイトが活性化されて、メラニン色素が活発に生成されます。炎症後色素沈着とも呼ばれます。

シミの症状

いずれの原因であっても、メラノサイトが刺激されメラニン生成が活発になることは同じです。ホルモンの変化によりシミになる場合に特徴的なのは、肝斑という左右の頬骨に沿ってぼんやりできるシミです。

また炎症に伴ってできるシミの多くは一時的なことが多く、時間が経ては消失します。

シミは痛みなどを伴わないため、見た目が気にならなければ放置することになると思いますが、稀に深刻な病気であることもあるので、シミの中にただれがあったり盛り上がってきたりなど、異常を感じたら専門医を受診するようにしましょう。

シミの改善・スキンケア方法

日焼けの場合は紫外線が原因でシミができますが、まずは日焼けにより傷んだ肌のケアをすることが必要です。

肌の火傷と同じなので、放っておくと乾燥が進みシミが消えにくくなる可能性があります。肌が火照っているときには冷やし、その後たっぷり保湿をします。

シミが出来てしまった後のケアは、肌のターンオーバーによるメラニン色素排出を試みるため、保湿を基本として肌を健康に保つべく食生活を充実させましょう。食事はバランスよく摂るのが大前提で、タンパク質・脂質・ビタミン類はしっかり摂取するようにします。

ビタミンCは体内に貯蔵できないので、こまめにフルーツや野菜などで摂ることが必要です。その他、美白美容液や美白クリームを利用してメラニン排出を促すこともおすすめです。

2. ニキビの原因・症状・改善スキンケア方法

ニキビは顔の目立つところにできるととても気になります。痛いのも不快ですし、悪化するとニキビ跡になってしまうこともあります。そうならないために、ニキビの原因や症状、改善のための方法を紹介しますので、今後のニキビケアに役立ててください。

ニキビの原因

ニキビの原因は、過剰な皮脂分泌・毛穴の詰まり・アクネ菌の増殖の3つです。アクネ菌は皮膚の常在菌であり、普段は病原菌などから肌を守る働きをしています。

ところが乾燥や皮脂分泌が増えると古い角質や油汚れが毛穴に詰まってしまうと、皮脂が毛穴から排出されなくなり、毛穴は皮脂でいっぱいになります。酸素が苦手なアクネ菌にとっては好都合の環境となり、毛穴の中でアクネ菌は皮脂を栄養にしてどんどん増えていきます。

その際に遊離脂肪酸を生成するのですが遊離脂肪酸は肌に刺激性があるため、アクネ菌が増えると遊離脂肪酸の量も増え、炎症が起こります。それが引き金となり、ニキビができてしまうのです。

ニキビの症状

始めは毛穴が詰まり、目に見えるか見えないか程度のコメド(面ぽう)を形成します。コメドとは、毛穴の中に皮脂が詰まった状態のことをいいます。この時点では痛みも何も感じないので、気がつかないことが多いです。

コメドが次第に大きくなり、毛穴の中でアクネ菌がどんどん増殖して炎症が起き始めます。毛穴部分が炎症で赤くなり、見てわかるようになるとともに、痛みを感じるようになります。

さらに症状が進むと毛穴の中に膿が溜まり、赤かったニキビが黄色になっていきます。このまま炎症が進むと皮膚組織のダメージが大きく、ニキビ跡になってしまいます。

ニキビの改善・スキンケア方法

炎症が起き始めた頃に洗顔や市販のニキビ薬などを使い、炎症の広がりを抑えるとともに、ニキビには触らないようにすることです。

朝晩丁寧に洗顔するようにし、刺激の少ない化粧水でしっかり保湿をします。乳液やクリームなど油分を含むものは避ける必要はなく、むしろ肌の乾燥を防ぐためにも適量塗布するようにしましょう。食事はビタミン類をしっかり摂るようにして、甘いものは控え目にします。

紫外線はニキビに悪いので、日焼け止めなどのケアを忘れないようにしましょう。濃いメイクは避け、帰宅後はすぐにメイクを落とします。

ニキビが悪化したり消えにくい傷が残ったりする可能性があるので、どんなに気になってもニキビを自分で潰さないようにしましょう。自宅でのケアを続けても改善が見られないときには、ニキビ跡になるまで炎症が広がらないうちに皮膚科を受診するのがベストです。

3. 肌荒れの原因・症状・改善スキンケア方法

体調や季節ごとに異なる肌荒れの症状が出ることもあり、症状によって異なる対策が必要になります。症状をよく見て、適切に対処しましょう。

肌荒れの原因

肌荒れの原因には大きく次の3つが考えられます。

◯ターンオーバーの乱れ
肌の生まれ変わりをターンオーバーといいます。そのサイクルが遅いと古い角質が溜まり、毛穴が詰まって吹き出物が出ます。サイクルが早すぎると肌本来のうるおいが失われ、外からの刺激に対して敏感になります。

◯バリア機能の低下
肌表面は皮脂が覆い、紫外線などの有害物質から肌を守るバリア機能があります。バリア機能が低下すると、外からの刺激で肌にかゆみや赤味、湿疹が出ます。

◯女性ホルモンの変化
黄体ホルモンの分泌が多くなる生理前は肌が敏感になります。黄体ホルモンは皮脂分泌を活発にする働きがあり、毛穴が詰まりやすくなり、肌荒れが多くなります。

肌荒れの症状

肌荒れの症状は、吹き出物や湿疹などのブツブツ、乾燥で肌がガサガサになる、刺激に対して敏感になり肌が赤くなり、ヒリヒリチクチクするなど様々です。

初めは軽い症状だと思って放置しているうちに、症状が広範囲に拡がってしまうと治るまでに時間がかかりますので、早いうちの対処が肝心です。

また肌荒れは身体の不調からも現れますので、体調の変化や生活面で問題がないかチェックしてみましょう。

肌荒れの改善・スキンケア方法

身体の不調からくる肌荒れと思われる時には、症状によっては病院を受診することも検討しましょう。その上で肌の荒れを和らげるためのスキンケアと、肌の回復のために十分な睡眠や食生活も充実させ、特に不足しがちなビタミン類の補給も心がけることです。

皮脂分泌が多いときには洗顔を丁寧に行い、洗顔後にしっかりと保湿ケアを行います。皮脂が少なく肌が乾燥しているときには、肌への刺激が少ない洗顔料で優しく洗顔を行い、保湿ケアをします。使っていた化粧品で刺激を感じるようであれば、敏感肌用の化粧品を試してみるのが良いでしょう。

生活面では規則正しい生活を心がけ、適度な運動も行います。運動をすると肌の血行も良くなるので、肌荒れの改善を助けます。

4. 赤みの原因・症状・改善スキンケア方法

肌に赤みがあると気になりますね。どのような原因で赤くなるのか、どのように改善すればよいのかについて説明します。

赤みの原因

病気が原因の場合を除き、肌の赤みで考えられる原因は4つあります。

◯ニキビや吹き出物
ニキビや吹き出物ができると、炎症により患部が赤くなります。症状や改善スキンケア方法についてはこのあとの説明を参照ください。

◯アレルギー
アレルゲンに触れると肌に炎症が起きて赤くなります。これは皮膚がアレルゲンに反応して炎症を起こすからです。

◯日焼け
しっかりと紫外線対策をして外出しても、うっかり日焼けをしてしまうことがあります。赤味が引く時間は日焼けの程度や個人差で異なりますが、数時間から数日程度でおさまることが多いです。

◯バリア機能の低下
バリア機能が低下すると外部からの刺激に敏感になるため、炎症を起こして肌に赤みができます。

赤みの症状

4つの原因はいずれも炎症による肌の赤みです。アレルギーは肌の状態が良いときでも、アレルゲンに接触した部位に炎症反応が起こり、肌が赤くなります。アレルギーの原因になっている物質を取り除くことで炎症がおさまります。

日焼けで肌が赤くなるのは火傷と同じで、患部に痛みとかゆみを感じることがあります。数日後、日焼けした部分の皮膚がめくれます。

バリア機能が低下すると肌が乾燥し刺激に敏感になるため、普段使っている化粧品にかぶれたり、髪があたるとチクチクして炎症を起こしたりします。

赤みの改善・スキンケア方法

アレルギーの場合は、ただちにアレルゲンを取り除くことです。アレルゲンがわからない場合でも、考えられる範囲で可能性のあるものを今後は使わないようにしましょう。

日焼け止めを正しく使い、うっかり日焼けをすることがないように気をつけます。日焼けをしてしまった時には、できるだけ早く患部を冷やすことです。火照りがおさまったら、たっぷりと肌を保湿します。数日後、日焼けした肌はカサカサになり、皮膚がはがれ始めます。しばらくは丁寧な保湿ケアを続けましょう。

バリア機能が低下した場合は、肌のターンオーバーが正常化するまでは、肌を保護するために保湿ケアを念入りに行い、十分な睡眠を取り、バランスの取れた食事を摂ることに勤めましょう。

5. 乾燥の原因・症状・改善スキンケア方法

冬になると乾燥肌に悩む人は多いと思います。加齢により乾燥肌が進みますが、30代から肌の乾燥に悩む人も増えてきました。スキンケアで肌の乾燥はかなり改善されるので、正しい保湿ケアを知ることが大事です。

乾燥の原因

乾燥の原因は次の5つです。

◯空気の乾燥
冬の外気・室内の暖房や冷房は、湿度が低くなり肌が乾燥します。

◯血行不良
血行不良になると肌への血液の流れも悪くなり、十分な栄養分や酸素が運ばれないために肌は乾燥します。寒さによる体の冷えや運動不足などでも、血行不良が引き起こされます。

◯皮脂分泌の減少
加齢や女性ホルモンの影響で皮脂分泌が減少すると、バリア機能が低下して肌が乾燥します。

◯間違ったスキンケア
入浴や洗顔により皮脂が洗い流され、肌の水分が蒸発しやすくなっているため、ただちに適切な保湿ケアを行わないと乾燥を招きます。

◯紫外線
紫外線からのダメージで、肌のバリア機能が低下するため乾燥を引き起こします。

乾燥の症状

肌は乾燥すると、カサカサしてつっぱり感が出ます。顔で乾燥しやすい部位は、頬・目の周り・口の周りです。乾燥した状態が続くと、シワになったりかゆみも出てきたりすることがあります。

肌のバリア機能も低下しているので、細菌感染による炎症も起こしやすくなります。かゆみや炎症が伴うことで、気になって患部を触ってしまうと悪化するので注意が必要です。

また、乾燥によるニキビができることもあり、炎症によって色素沈着が起こりシミになる場合もあります。

乾燥の改善・スキンケア方法

乾燥肌は酷くならないうちに対処するほど高い改善効果が得られるので、放置しないことが重要です。

最も保湿ケアの効果を高めることができるのは、洗顔や入浴後です。できるだけ早く化粧水で十分肌をうるおし、完全に肌になじむまで待ってから、乳液やクリームをつけましょう。分量はメーカーが推奨する量を守り、特に乾燥している部位には重ね塗りをし、指先で隅々まで行きわたらせるようにします。

寒い冬には空気の乾燥に加えて血行不良にも陥りがちになるので、湯船につかって身体をよく温めたり、適度な運動をしたりすることも効果的です。但し湯船に長くつかりすぎると、流れ出る皮脂が多くなり乾燥がひどくなるので要注意です。

食事は体温を高める根菜類やネギ・生姜などの食材を積極的に使うこともおすすめです。

6. シワの原因・症状・改善スキンケア方法

年齢を重ねると、どうしても気になってくるのがシワです。でもシワの原因は加齢だけではないことは知っていますか?シワの原因を知り、正しくスキンケアしたいですね。

シワの原因

シワの原因は主に次の4つです。

◯肌の乾燥
肌がうるおいを失い乾燥すると、固くゴワゴワになってシワができやすくなります。

◯紫外線
紫外線は真皮まで到達し、肌の弾力性を保っているコラーゲンやエラスチンを劣化させます。その結果肌は徐々に弾力性を失い、深いシワを形成します。

◯加齢
年齢を重ねると肌の弾力が衰えると同時に、女性ホルモンが減少することで肌のうるおいも少なくなります。その結果、年齢とともにシワが増えてきます。

◯表情のくせ
笑い方によって目尻に笑いジワができたり、ほうれい線が目立ったりします。目を細める癖のある人は眉間にシワが刻まれ、上目遣いをする癖があると額にシワができやすくなります。

シワの症状

乾燥によるシワは表皮のシワなので、細かく浅いシワが多いのに対して、紫外線・加齢・表情のくせによりできるシワは真皮層からできるシワなので、深いシワになります。真皮層にまで及んだシワは改善が難しく、スキンケアである程度改善はできても完全に消すのは困難です。

乾燥によるシワができやすい部位は、目の周り・口の周りのように皮膚が薄く乾燥しやすい部位です。乾燥によるシワも、保湿ケアせずに放置しているとシワが深くなり改善が困難になるので、早いうちからケアを始めることが必要です。

シワの改善・スキンケア方法

肌の乾燥によるシワは対策が早ければ早い程、改善効果が期待できます。

朝夕の洗顔後には化粧水で保湿し、油分を含む乳液やクリームで仕上げるようにします。洗顔のし過ぎはうるおいを守ってくれる皮脂を奪うことになり、乾燥によるシワを増やすことになるので気を付けましょう。

保湿ケアだけでは改善が難しい場合には、シワ改善効果を謳うことが認められている医薬部外品のシワ改善効果クリームを使ってみるのもおすすめです。

深く刻まれたシワを消すことは、シワ改善クリームでもできません。これが化粧品によるスキンケアの限界ともいえるでしょう。きれいにシワを消したい場合には、美容整形を検討することになります。


まとめ:肌荒れの改善は健康的な生活から

肌荒れは環境や体調、生活習慣などにより起こります。どんな症状も、早めに気づいて対処すれば大事に至らずにすむので、少しの変化でも軽視しないで正しい保湿ケアを行うことがまず第一歩です。

きれいな肌を作るのは化粧品ではなく、身体を作る元になっている栄養素や身体の正常な働きであることも忘れずに、食事や生活スタイルにも気を付けて、健康的に過ごすことが肌荒れ改善の近道です。