監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

「目は口ほどにものを言う」ということわざもあるように、目は表現豊かであるため人の目線は目に行きがちです。実際に調査では、顔の印象を決定するパーツの第1位は目でした。

同時に目はシワやくすみ、たるみなどの悩みも多い場所でもあります。シワやたるみは加齢とともに増えてきますが、くすみは若い人にも起こり得る問題です。

そこで今回は目の周りのくすみの原因と対策法について解説します。顔のパーツの中で、目は最も影響力のあるパーツなので、目の周りのくすみケアが上手くできるようになると、好印象を持ってもらえる可能性も高まります。

肌のくすみとは?

肌のくすみとは、他の部分よりも暗い色をしていたり、疲れて見えたりする部分のことを言います。くすみと逆の肌の状態は、血色が良く透明感があります。目の周りは皮膚が薄いため、顔の中でも特にくすみが現れやすい部位です。

肌のくすみの原因はいくつかあり、目の周りのくすみも原因は同じです。また対策法も肌のくすみと基本的に同じですが、目の周りの皮膚が他の顔の部位に比べて薄くデリケートなため、目の周りのくすみケアには肌を傷つけないよう注意を払うことが必要になります。

目の周りにくすみができる原因5個

では目の周りにくすみができる原因を、5つ紹介します。いまあるくすみの原因は、この5つの中の1つとは限りません。いくつかの原因が重なってくすみになっている可能性もあります。

①目の周りのたるみによるくすみ

紫外線や加齢によって真皮層のコラーゲンが変質して硬くなったり減ってきたりして、ハリがなくなる結果、目の周りの薄い皮がたるんでしまいます。

そのたるんだ皮がくすみとなって現れます。その他年齢とともに表情筋が弱ってくると、これまで支えていた皮膚を支えきれなくなり、たるんでしまいます。表情筋の衰えによるたるみもまた、くすみの原因になります。

②目の周りの血行不良によるくすみ

運動不足や冷えなどによって血行が悪くなると、その部分に栄養が十分に届かなくなります。目の周りの皮膚は薄いため、血行が悪くなると目の下にクマができ目立ちやすいです。血行不良になるとターンオーバーも滞りがちになり、古い角質が剥がれ落ちずに積み重なってくすんでしまいます。

③目の周りの乾燥によるくすみ

目の周りの皮膚は薄いので、特に乾燥しやすいです。そのうえ目の周りの皮膚はよく動くので、乾燥と相まって細かなシワができやすいです。乾燥すると古くなった角質が剥がれ落ちにくくなります。古くなった角質が溜まってくると肌は透明感を失い、くすんで見えます。

④目の周りの色素沈着によるくすみ

紫外線による色素沈着だけではなく、メイクをする時やメイクを落とす時の目の周りの過度な摩擦や、花粉症などによる目の周りのこすり過ぎによって、色素(メラニン)が肌に沈着します。こすった時の刺激がきっかけとなり、メラノサイトが活性化されてメラニンを生成するからです。

⑤糖化による目の周りのくすみ

年齢を重ねると肌の色が次第に黄味を帯びてくることがあります。肌の黄味が強くなってくることの原因の一つとして考えられているのが糖化です。

糖化とは血中の過剰な糖分がコラーゲンやエラスチンなどのタンパク質と結合する現象です。糖化が起きたタンパク質は変性して弾力性を失い、硬くなります。また糖化はメイラード反応とも呼ばれ、その反応は褐色を呈することで知られています。

肌色に黄味がかるのは、メイラード反応が呈する褐色が影響している可能性があると考えられています。

目の周りで糖化が起きると、黄味がかったくすみとなって現れます。またコラーゲンが硬くなるためにたるみの原因にもなります。目の下のたるみは薄い皮膚のたるみにより、くすみの原因にもなります。糖化の原因は血糖の急激な上昇による過剰な糖分です。そのため食事面で血糖値が急上昇しないような工夫をすれば、糖化を防ぐことは可能です。

目の周りのくすみ対策8選

目の周りのくすみの原因がわかったら、次は対策です。目の周りのくすみを作っている原因は1つとは限りません。可能性のある原因を除去できれば、目の周りのくすみ改善の可能性は高まります。

①紫外線対策でくすみケア

紫外線は日焼けや乾燥の原因になりますが、それだけではなく真皮層のコラーゲンを破壊します。真皮層のコラーゲンが減ると、肌の弾力性が低下します。これがたるみへと発展していきます。目の周りの皮がたるむとくすみとなって現れるので、紫外線ケアは怠らないようにしましょう。

紫外線ケアの方法ですが、一年を通して日焼け止めは必ず使いましょう。日焼け止めは塗りムラがあったり、使用する量が少なかったりすると意味がありません。使用する製品の説明書に記載している使用量を必ず守り、丁寧に均一に塗り広げます。SPF、PA効果の高い製品であっても、夏場は特に汗で取れてしまうので2-3時間おきに塗り直しが必要です。コラーゲンを破壊するのは肌の奥まで届くUVAですが、日焼け止めのPAで表わされている+がUVAをブロックする指標です。日常使いの日焼け止めであれば、++から+++で充分と言われています。

さらに紫外線の強い季節は日焼け止め以外に、帽子や日傘など、もう1アイテム追加して紫外線を浴びない工夫をすると良いでしょう。屋内にいるときでも、窓から紫外線が入ってくるので、うっかり日焼けをしないように注意しましょう。

②アイクリームでくすみケア

目の周りの皮膚は薄く乾燥しやすいので、目の周りには乳液やクリームにプラスして、さらに保湿力の高いアイクリームでケアするのがおすすめです。目の周りが乾燥する場合には、アイクリームは必須です。

アイクリームには保湿目的以外に、シワ改善やくすみ改善効果を狙った商品がありますが、どのアイクリームでも保湿力はかなり高いです。保湿ケアとしてのアイクリームは、ヒアルロン酸やセラミドなどの成分がおすすめです。シワやたるみにはレチノール・ニールワン※ビタミンC誘導体・コエンザイムQ10などの成分が配合された商品が人気です。これらの成分の中には、コラーゲンの生成を促進することが知られているものもあります。
(※成分名: 三フッ化イソプロピルオキソプロピルアミノカルボニルピロリジンカルボニルメチルプロピルアミノカルボニルベンゾイルアミノ酢酸Na)

血行不良でくすんでいる場合は、ビタミンEのような血行促進作用のある成分がおすすめです。色素沈着でくすんでいる場合は、アルブチンやビタミンC誘導体などの美白作用のある成分がおすすめです。

③マッサージで血行促進してくすみケア

マッサージは血行を促進するので、血行不良によるくすみや乾燥によるくすみに効果的です。マッサージにより目の周りの血流の滞りが解消され、血液循環により肌に必要な栄養が行きわたるため肌のバリア機能が回復し、うるおい成分であるヒアルロン酸などの生成が促されます。

マッサージのときに気をつけなければならないことがあります。それは摩擦で皮膚を傷つけないよう、マッサージを行う時には必ずマッサージクリームやオイルを使うことです。

マッサージは指の腹で優しく行いましょう。皮膚は繊細なので、優しく撫でるようにするだけで、十分マッサージ効果は得られます。特に目の周りは皮膚が薄く、ゴシゴシこするようにマッサージすると逆効果になることもあるので気をつけましょう。

④運動で血行促進してくすみケア

血液循環を良くするために、運動はおすすめです。マッサージでも部分的な血行を改善しますが、運動は全身の血行を良くするので顔の血液循環も改善します。全身の血行を促す方が効果も長続きするので良いと思います。

運動は激しいスポーツである必要はなく、ウォーキングやヨガなどで十分効果を発揮します。まとめて長時間するよりは、短時間でも継続して行う方が効果的です。

⑤表情筋を動かしてくすみケア

年齢とともに衰えていく表情筋を意識的に動かして表情筋を鍛えると、たるみが改善する結果、たるみが原因になっているくすみにも改善が見られます。目の周りにある眼輪筋は日ごろパソコンやスマホを見る時間が長い人ほど衰えがちになります。くすみが現れやすい目の下あたりの眼輪筋を鍛えるエクササイズがおすすめです。方法は簡単です。

まず「お」の口をして鼻の下を伸ばします。次に上を向き、下まぶたを上に押し上げます。目は閉じてしまわず薄目の状態で5秒ぐらいキープします。ちょっとした時間があるときに、何度も行うようにすると良いでしょう。

表情筋を動かすことで顔の血液循環を良くする効果もあるので、くすみ改善にはとてもおすすめの方法ですが、変な顔を見られたくないときは自分の部屋やお風呂、トイレですると良いですね。

⑥目の周りの摩擦を排除してくすみケア

花粉症などのアレルギーがある人は、目の周りがかゆくなってこすってしまうことがあると思います。摩擦が引き金となってメラニンが生成されますが、継続的な摩擦があるとメラニンが目の周りに沈着し、それが茶色のくすみになってしまいます。花粉症などで目の周りにかゆみが出始める時期は、眼鏡や目薬その他飲み薬で対処しましょう。

アイメイクなどが原因で目の周りにかゆみが出ることもあるので、目の周りがかゆくなるときはすぐに原因を見つけて、くすみが出現する前に対策することが必要です。メイク時に過度な摩擦が生じていないかも、確かめてみると良いでしょう。多くは無意識にしていることだと思うので、目の周りの色素沈着が気になる人は、メイク時に過度な摩擦が生じていないかチェックしてもよいかもしれません。

⑦糖化を防いでくすみケア

糖化は血中の糖分がコラーゲンやエラスチンなどのタンパク質と結合する現象を言いますが、糖化を防ぐには急激に血糖値を上げないようにすることが必要です。

血糖値を急に上昇させない食べ方は、糖分の多いものを食べ過ぎないこと、おなかが空いてから食べること、早食いしないこと、食物繊維から先に食べること、GI値が低めの食品を選んで食べることです。

GIとは血中への糖の摂り込まれる速さを数値で表したものです。GI値が高い食品は急激に血糖値を上げ、GI値が低い食品はゆるやかに血糖値を上げます。GI値の低い食品は豆類、野菜、果物などですが、野菜の中でもじゃがいもはマッシュポテトにすると高GIになるので注意しましょう。GI値の高いものは菓子類、もち米などです。

⑧メイクで隠すくすみ対策

根本的なくすみ解決にはなりませんが、気になるくすみをメイクで隠すことができます。目の下は特に皮膚が薄いので、ファンデーションの厚塗りをするとシワやムラで時間とともに粗が目立つことになってしまいます。

くすみを目立たなくするメイクのコツは、ハイライトや色を上手く使うことです。コンシーラーや下地にコントロールカラーを使うとくすんだ色を目立たなくすることができます。ファンデーションはツヤの出るものを使えば、光の反射を利用して、くすみを目立たなくすることが可能です。

くすみケアは効果がわかるまで時間がかかるものなので、メイクを上手く使ってくすみを一瞬で目立たなくするのも一つの方法です。

目の周りの肌ケアになる生活習慣5つ

目の周りの肌は顔の中で最もセンシティブな部分なので、目の周りの肌に良い生活習慣を身につけると肌全体のケアにもなるので、できるだけ生活の中に取り入れていきましょう。

①適度な運動

適度な運動は血行促進をはじめ、筋肉の引き締めや脂肪燃焼、ストレス解消など、美容に良い事ばかりです。全身の血行が良くなることで目の周りの血流も良くなります。血行が良くなると、代謝が促されるので乾燥肌やハリが改善するでしょう。

血行不良、乾燥、たるみによるくすみの改善が期待できます。ただし即効性はないので、根気よく継続することが大事です。毎日の生活の一部に取り込んでしまえば、継続しやすいです。

どうしても続かない人は、運動のための時間を確保するよりも、電車を使うときには目的地の一駅手前で降りたり、階段を使うようにしたりするなど、移動の手段を徒歩や自転車に置き換えるのも良いと思います。

②食生活

食事は体を作る元になるので、おろそかにはできません。目の周りの肌ケアを中心に考えると、ハリを高めるためにコラーゲンが必要になります。

コラーゲンはタンパク質の一種なので、アミノ酸が必要です。アミノ酸で構成されているタンパク質を含む食品を摂りましょう。タンパク質は体内に吸収される時にアミノ酸や数個のアミノ酸で構成されたペプチドまで分解されます。

体内に吸収された後、アミノ酸をつなげて体に必要なタンパク質を再合成します。その際にビタミンCが必要と言われているので、ビタミンCの補給も欠かせません。ビタミンCは水溶性ビタミンで、体内に貯蔵することができないためこまめに摂取しましょう。フルーツを食後やおやつに食べるのがおすすめです。

肌の乾燥を防ぐのに良い食品は、タンパク質、脂肪、ビタミン類です。セラミドや天然保湿因子など、肌をうるおす成分を体内で作るために必要です。いろんな種類のビタミンを摂取するためには、野菜やお肉などバランスよく食べる必要があります。少しずつ多品目を目標にすると、自然とたくさんの種類の栄養素を摂り入れることができます。

積極的に摂るべき食品をあげてきましたが、摂り過ぎに注意すべき食品もあります。それはスナック菓子類やファストフードなどの味が濃く、脂肪分の多い食品です。脂肪は必要な栄養素で、肌を作る材料にもなります。けれどもファストフードなどには飽和脂肪やトランス脂肪酸が多く含まれているため、過剰摂取になりがちですので注意しましょう。

最後に砂糖を使った甘い食べ物です。やはり食べ過ぎは肌には良くありません。糖化についてこの記事で説明しましたが、血中の過剰な糖分はタンパク質と結合して糖化という現象を起こします。糖化は老化現象の一つと考えられています。コラーゲンは生成されてから分解されるまでの期間が約15年と言われています。そのためにコラーゲンが糖と結合する機会が増えるのです。コラーゲンが糖化すると弾力性を失いますので、たるみが生じ、また肌が黄色っぽくなるとも言われています。加齢により肌色が黄色くなってくるのは糖化が原因とも言われています。これらは目の周りの肌に特に現れやすいので、糖分の摂り過ぎには注意しましょう。

③十分な睡眠

睡眠が大事な理由は、寝ている間に成長ホルモンが体の代謝を促し、傷ついた細胞の修復をするからです。美容だけではなく健康維持のためにも成長ホルモンはとても大事です。成長ホルモンが分泌されないと、脂肪が分解されず肥満が進み、内臓脂肪が増えるためにインスリン分泌も減り糖尿病のリスクが上がります。血糖が増えると糖化が起こりやすくなります。体の健康は肌の健康でもあることを、忘れてはならないでしょう。

その他にも成長ホルモンの分泌が少ないと肌が乾燥し、筋肉が衰えることからたるみやくすみにもつながります。成長ホルモンが若返りホルモンとも呼ばれているのは、成長ホルモンのこのような作用があるからです。

④表情筋を動かす

一人でいると、表情を変えることがあまりないため、表情筋が衰えてきます。仕事でパソコンを長時間使うような人も同じように、同じ表情で作業を続けるため、表情筋が衰えやすいです。このような生活パターンの人は、意識的に表情筋を動かす習慣を身につけるとよいでしょう。

表情筋の中でも特に目の周りにある眼輪筋が衰えると目の周りがたるみ、それがくすみとなって現れます。表情筋を鍛えるためには表情筋を動かすエクササイズでも良いのですが、友人と会って話をしたり、歌を歌ったり、食事のときにバランスよく左右の歯でよく噛んで食べたりすることで、表情筋を動かすようにしましょう。

⑤水分を摂る

水分は体に必要なものだということは、誰でも知っていることだと思います。では何で水分補給をしていますか?人間が必要な水分摂取量は食物に含まれるものを除くと1.5リットルと言われています。1.5リットルのうち、どんなものを飲んで水分補給していますか?

体の中での水分の働きは、物質の溶解・運搬・体温調節ですが、この働きにより筋肉を動かして代謝を高め、血液をサラサラにし、肌のうるおいを保つことができます。このように水分補給をすることはとても大事なのですが、どんなものを飲んで水分補給するかは考えなくてはなりません。糖分を含んだ清涼飲料水などで水分補給はせず、水やお茶などでの水分補給を心がけましょう。

まとめ:スキンケアと生活習慣の見直しでくすみ改善

目の周りのくすみを取ることは簡単ではありません。今悩んでいるくすみの原因が一つとは限りません。いくつもの原因が重なっていることもありえます。そのため対策はできるだけ広く行いましょう。

食生活や睡眠・運動など、くすみの改善だけではなく健康増進にもつながることです。肌は体の一部ですから、肌に良いことは体にも良いことのはずです。考えてみれば当然のことですね。魔法のように一瞬でくすみを取るメイクテクニック、生活習慣を変えてコツコツ根本から改善していく方法、の2方向から取り組んでいきましょう。