監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

乾燥肌とは、肌の水分不足が生じて、バリア機能の低下した肌のことです。水分不足を起こした肌は、刺激に対する抵抗力が下がりますので、化粧品がしみる・大人ニキビが増加するといったトラブルを併発することもあります。

どのようなお手入れを行っても乾燥肌を改善できず、人知れず悩む女性も多いのではないでしょうか。

この記事は、乾燥肌の原因と対策をおさらいし、本気の肌質改善を目指すための内容です。ひどい乾燥、かさつきの気になる女性は、肌質改善のヒントに活用下さい。

乾燥肌の原因4個

まず、乾燥肌の原因をおさらいしましょう。乾燥肌は、生活習慣や誤ったスキンケア、加齢など、様々な原因によって悪化します。季節や環境によって乾燥が悪化するケースも多く、総合的な対策が必要です。

1. 生活習慣

まず1つ目は、生活習慣に関することです。不規則な睡眠や過剰なストレス、喫煙や食生活の乱れは、バリア機能を低下させて、乾燥肌を招いてしまうリスクがあります。

不規則な睡眠や過剰なストレスは、自立神経の乱れを招くことが問題。自律神経にはターンオーバー周期を司る働きがありますので、本来の周期と比較し、短くなったり長くなったりしてしまいます。

ターンオーバー周期が短いことの弊害は、潤いを維持するために必要なバリア機能が育たず、外部刺激を受けやすい状態に傾くことです。反対にターンオーバー周期が長いと、ごわつきや肌のくすみ、毛穴トラブルが生じます。

喫煙や食生活の乱れは、血行不良を招く要素。健やかな肌を育てるために必要な栄養、酸素が運ばれにくくなることで、乾燥肌を悪化させます。

2. 誤ったスキンケア

ゴシゴシこする洗顔やクレンジング、保湿不足も、乾燥肌を招く原因の1つです。乾燥肌のスキンケアは、とにかく優しく、摩擦刺激を与えないように行うことがポイント。

バリア機能の低下した肌はわずかな刺激も敏感にキャッチし、ダメージを蓄積してしまうリスクがあります。

スキンケアは毎日行うことだからこそ、肌質に合うアイテムを活用し、正しい方法で行うことが大切です。乾燥肌改善を目指すためには、「何となく」で行うスキンケアを卒業し、本当に意味のあるお手入れを実践しましょう。

3. 加齢

天然保湿因子(NMF)や皮脂、セラミドなどの細胞間脂質は、加齢によって減少します。皮脂量がピークを打つ年代は30代。肌の中のセラミドも年々減少を続け、50代の肌のセラミド量は20代の約半分とも言われます。

また、加齢によるコラーゲンやヒアルロン酸の減少も、乾燥肌を悪化させる一因。年齢を重ねるごとに変化する肌の状態に応じたスキンケアを行わなければ、乾燥肌を抜け出すことは困難です。

4. 環境要因

最後に、環境要因です。空気の乾燥する秋・冬は、肌の水分量も低下し、乾燥肌が悪化しやすい季節。一般的には湿度の高い梅雨や夏にも、エアコンの使用による潤い不足を生じるケースはあります。

また、春から夏にかけては、紫外線ダメージによる乾燥リスクが高まる時期です。さらに、各季節の変わり目は、ホルモンバランスの変化による乾燥肌を生じやすい時期。「特定の時期のみ乾燥肌が悪化する」という人は、環境の変化に応じた対策を行い、乾燥肌を改善しましょう。

乾燥肌の改善対策方法5個[スキンケア]

乾燥肌を改善するためには、正しい洗顔・クレンジングと十分な保湿を行うことが大切です。洗顔料やクレンジング、保湿基礎化粧品の選び方とケア方法を見直し、根本的な肌質改善を目指しましょう。

1. クレンジング選びと方法を見直す

まず、乾燥肌に適したクレンジング選びとメイク落としの方法を理解しましょう。デイリー使いするクレンジングは、クリームタイプやミルクタイプといった摩擦刺激を与えにくく、乾燥肌を悪化させにくい種類がおすすめ。

クレンジングバームやクレンジングオイルといったメイクを落とす力の強い種類は、潤いを維持するために必要な皮脂まで取り去ってしまうリスクがあります。

これらの種類のクレンジングは濃いメイクの日のみに留めることが基本。普段の日用のクレンジング・濃いメイクの日用のクレンジングといった、複数種類の併用を検討しましょう。

クリームタイプ・ミルクタイプ・オイルタイプと、いずれを使用する場合にも共通するメイク落としのポイントは、以下2点です。

【1】商品指定の使用量を守ること
クレンジングの使用量が少ないと肌との摩擦を生じやすく、バリア機能を損ないます。商品指定の量を守り、摩擦刺激を軽減しましょう。

【2】時間を掛けすぎず、スピーディーに進めること
クレンジングを行いながらマッサージしたり、すすぎに時間をかけ過ぎたりすることも、肌トラブルの原因です。メイク落としにかける時間は、1分以内が1つの目安。乾燥しにくい部位から乾燥しやすい部位の順番で、スピーディーに進めて下さい。

2. 洗顔料選びを見直す

乾燥肌を改善するための洗顔料は、低刺激タイプがおすすめです。合成界面活性剤主体の洗顔料は、乾燥肌に不向き。エタノールやアルコール、ピーリング成分配合の洗顔料も刺激が強く、乾燥肌を悪化させるリスクがあります。

「肌に優しい」というイメージの強い弱酸性の洗顔料にも、刺激の強い商品は存在しますよ。乾燥肌をいたわるためには、ミリスチン酸やオレイン酸、パルミチン酸など、肌に負担をかけにくい洗浄成分使用の洗顔料を選択しましょう。

3. 正しい洗顔方法を守る

乾燥肌を改善するために適した洗顔方法は、泡洗顔です。以下の手順で洗顔し、汚れをきれいに落としましょう。

【1】洗顔料を泡立てる
適量の洗顔料を手のひらに出し、少量ずつぬるま湯を足しながら、濃密泡を作ります。泡立てが苦手な人は、泡で出てくる洗顔フォームや泡立てネットを活用しましょう。

【2】泡のクッションの上から優しく洗う
直接手が触れないように、泡のクッションを利用して、極力優しく洗顔します。強くこすってしまうとバリア機能を損なう恐れがありますから、大きな円を描くように、ソフトな力で洗って下さい。

【3】ぬるま湯ですすぐ
体温より低い温度のぬるま湯を使用し、顔全体をすすぎます。シャワーで洗い流す方法は刺激を与える可能性がありますので、手のひらですすぐ方法がおすすめです。

乾燥肌・敏感肌に適した洗顔方法として「ぬるま湯洗顔」を推奨する説も存在しますが、肌表面の汚れをきれいに落とすことができず、肌トラブルを招いてしまうリスクがあります。

洗顔の基本は「汚れをきちんと落とすこと」です。自己流のお手入れで乾燥を悪化させることのないように、安易な挑戦は避けて下さい。

4. 洗顔後は速やかに保湿する

洗顔後は速やかに、保湿ケアを行います。化粧水で潤いを補充した後、美容液や乳液、クリームによるお手入れを行い、肌の状態を整えましょう。

基礎化粧品の保湿成分は、セラミドやアミノ酸、スクワランなど、バリア機能の強化を助けるものがおすすめ。香料やアルコール、ミネラルオイルといった肌に対して刺激を与える成分を含む化粧品は、乾燥肌に不向きです。

セラミド肌の中の細胞同士の隙間を埋める働きを担う成分。セラミド不足を起こすと乾燥トラブルが進行する原因ですから、化粧水や美容液などを使用し、補うお手入れが検討されます。
アミノ酸天然保湿因子(NMF)の約半分を構成する成分。天然保湿因子は、水分を抱え込み、保持する働きを担います。
スクワラン加齢などの影響で減少した皮脂の代わりを担う成分。皮脂膜同様に働き、水分の蒸散を防いでくれます。

基礎化粧品の使用量や付け方、付ける順番は、メーカー指定の方法に従います。新しい基礎化粧品を使う前に説明書を確認し、正しいお手入れ方法を守って下さい。

5. 年間通して日焼け止めを塗る

肌老化の約8割は、紫外線が原因とも言われます。加齢による乾燥肌の進行を食い止めるためには、年間通した紫外線対策が必須。

その日の予定に応じた日焼け止めを正しく使い、バリア機能の低下を防ぎましょう。日焼け止めの強さは、SPF値・PA値で確認できます。

SPF肌の表面の日焼けを招く「UVB波」をカットする働きの強さを示す数字。0から50までの数字によって表記されます。
PAシワやたるみの原因となる「UVA波」をカットする働きの強さを示すマーク。「+」マークで表示され、「++++」が最大です。

通勤や通学、近所に買い物へ行く程度の日には「SPF20/PA++」程度の日焼け止めがおすすめです。軽い屋外スポーツ、1日通して外回りといった日には「SPF30/PA+++」程度の日焼け止めを活用しましょう。

本格的な屋外レジャーを行う日には「SPF50+/PA++++」程度の日焼け止めがおすすめ。サンバイザーやサングラスといった日焼け止め以外の紫外線対策を併用すると、より安心です。


乾燥肌の改善対策方法5個[食べ物]

乾燥肌を改善するためには、食習慣の見直しも大切です。以下では、乾燥肌対策におすすめの食べ物5個を紹介します。

1. 青魚

サバやイワシに含まれる不飽和脂肪酸(DHA・EPA)は、肌荒れ解消・乾燥肌の改善に貢献する良質な油分です。血液サラサラ作用によってターンオーバーを促し、健やかな肌への生まれ変わりを後押しする働きも魅力。血行不良による肌のくすみ、お疲れ顔の解消も助けてくれます。

また、青魚は、良質なタンパク質も摂取できます。新しい肌の原料となって、乾燥肌改善を助けることもポイントです。青魚の調理を面倒に感じる女性もいるはずですが、「生の魚から調理しなければいけない」というわけではありません。

サバ缶・イワシ缶やパック詰めされた水煮を活用すれば、簡単に調理できます。サバ缶やイワシ缶は、トマト缶と組み合わせてスープにしたり、サンドイッチの具材として取り入れたりと、活用レシピが豊富な食材。レシピサイトなどを参考にしつつ、いろいろな食べ方で楽しみましょう。

2. アーモンド

アーモンドは、「美肌のビタミン」とも言われるビタミンE豊富な食材の代表格。1日あたり10粒から25粒を目安に食べることで、美と健康維持に貢献すると言われます。

食物繊維が豊富で腹持ちが良い食べ物ですから、ダイエット中の間食にもぴったり。世の女性の不足しがちな鉄分やカルシウム、マグネシウムといったミネラルを補うことができる点も嬉しいですね。

最近では、コンビニでも、素焼きのアーモンドを購入できます。デスクワークの合間につまむお菓子として、ストックすると良いでしょう。

3. 緑黄色野菜

ほうれん草やニンジン、ブロッコリー、かぼちゃといった緑黄色野菜は、ビタミンA・C・Eを豊富に含む優秀な食べ物です。意外なところだと、モロヘイヤやトマト、豆苗も、緑黄色野菜に含まれます。

かぼちゃやニンジンは自然な甘さを持ちますから、野菜が苦手な女性でも、継続しやすいのではないでしょうか。かぼちゃとニンジンを柔らかくなるまでレンジで加熱し、つぶしたものをマヨネーズや塩コショウで味付けすると、見た目もおしゃれなサラダができます。

ブロッコリーは、茎も含めて調理する方法がおすすめ。葉より多くのビタミンAやビタミンCを含む茎を捨てず、炒め物やスープなどに活用しましょう。

4. 大豆食品

乾燥肌を改善するためには、肌の原料となるタンパク質が不可欠です。「畑の肉」とも言われる大豆は、お肉に匹敵するほどタンパク質豊富な食材。大豆オリゴ糖やレシチン、大豆イソフラボンなど、美肌作りに貢献する栄養素を多数含むことも嬉しいですね。

大豆オリゴ糖善玉菌のエサになって、腸の活動を活発にしてくれる成分。便秘を解消して吹き出物を防いだりターンオーバーの正常化を助けたりと、嬉しい働きをたくさん持ちます。
レシチン細胞への栄養補給や老廃物の排出を助けてくれる成分です。イライラを鎮めたり不眠症を予防したりする働きも期待され、生活習慣の乱れの招く乾燥肌対策に貢献します。
大豆イソフラボン女性ホルモン「エストロゲン」に似た働きを担い、ターンオーバーを促進したり、自律神経を安定させたりする成分です。

5. アボカド

アボカドに含まれる不飽和脂肪酸は、セラミドの原料となり、バリア機能の正常化を助ける成分。加齢によるセラミド不足から生じた乾燥肌と相性の良い食べ物です。

また、アボカドは、ビタミンEやコエンザイムQ10を含む美肌食材。1日半分を摂取量の目安として、日々の食事に取り入れましょう。

乾燥肌の改善対策方法3個[生活習慣]

最後に、生活習慣や室内環境の改善による乾燥肌対策を紹介します。できることから実践し、理想の美肌を目指しましょう。

1. 睡眠の質を高める

質の高い睡眠は、成長ホルモンの分泌を促して、肌トラブルの修復や潤い不足解消を助けます。就寝する1時間から2時間前にぬるめのお風呂にゆっくりつかり、体温を上げて下さい。

内臓が活発に動いていると睡眠の質が低下しますので、就寝の約1時間前からは夜食やお酒を控えることが理想。ヨガやストレッチを行ったりヒーリングミュージックを聞いたりして、睡眠準備を整えましょう。その他、以下のような対策も、睡眠の質を高めることに貢献します。

・身体に合う高さの枕を使う。
・肌触りの良いパジャマを着る。
・照明の明るさを落とす。
・寝室のカーテンを閉めて、外の光を遮断する。
・パソコンやスマホの電源を切り、寝室には持ち込まない。

2. 加湿器を活用する

肌にとって快適な湿度は、50%から60%程度と言われます。乾燥のひどい時期は加湿器を活用し、快適な湿度を維持しましょう。加湿しすぎも肌にとっては良くないため、湿度計を活用したりタイマー機能を使用したり。適度な湿度を保つことが、乾燥肌の改善を後押しします。

寝室の環境整備には、アロマ機能付きの加湿器を使用する方法もおすすめ。好きな香りに包まれてゆったりと過ごす時間を作ると、気持ちがすっと安らぎます。ラベンダーやローズマリー、ベルガモットの香りは睡眠の質を高めますから、寝室用におすすめです。いろいろなアロマの中から自分の好きな香りを選び、生活の一部として取り入れましょう。

3. 適度な運動で血液循環を促す

ストレッチやウォーキングで身体を動かし、血液循環が改善されると、ターンオーバーも促進されます。発汗を促すことで角質が柔らかくなり、毛穴に詰まった皮脂を排出したり黒ずみを予防できたりすることもメリット。

30分早起きしてウォーキングに挑戦する・自転車通勤を始めるなど、ライフスタイルに応じた無理のない方法で、運動習慣を付けましょう。

なお、運動後の汗を放置すると、肌トラブルを招いてしまう恐れがあります。たくさん汗をかいた時はシャワーを浴びて、十分な保湿を行って下さい。

まとめ

乾燥肌の原因と改善対策を紹介しました。「日本人女性の約9割は乾燥を気にする」といったデータも存在するほどかさつきや粉ふき、乾燥性敏感肌に悩む人は多く、国民病と言っても過言ではない水準です。

それだけに、正しい対策を実践し、潤いあふれる美肌を実現した時の喜びはひとしお。紹介した対策の中から自分自身に合う対処法を選択し、トラブル解消・美肌の実現を目指しましょう。