監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

年齢を重ねるごとに重力に負けて、シワやたるみが増えてしまった自分の顔。鏡を見る度に憂鬱で「何とかしたい」と感じる女性は多いものです。

ゴルゴ線やマリオネットライン、ほうれい線といったエイジングサインが年々増加し、老け込むこともまた、女性にとっては悩ましいトラブル。ピンとしたハリを感じる若々しい素肌を、いつまでも保ちたいと思いますよね。

そこで、この記事では、顔のたるみの原因とハリ感を引き出すための対策を紹介します。年齢をものともしない理想の自分を作るためのヒントとして、有効に活用下さい。

顔のたるみの原因4個

まず、顔のたるみの原因4個を紹介します。どのタイプに該当するかによって適切な対策が異なりますから、自分自身のトラブルの原因を特定しましょう。

1. コラーゲンやエラスチンの減少

コラーゲンとエラスチンは、肌のハリ・弾力を維持するために重要な繊維です。ベッドで言うと、コラーゲンはマットレス・エラスチンがスプリングに該当するもの。

コラーゲンやエラスチンの減少した肌は、しなやかさが損なわれ、シワやたるみが生じます。コラーゲンやエラスチンの減少・劣化を招く要素は、紫外線ダメージの蓄積や加齢の影響、過剰なストレスなど、様々です。

肌の乾燥がターンオーバー周期の乱れを招き、コラーゲンやエラスチンの産出を妨げてしまうケースもあります。

2. 表情筋の衰え

表情筋は、骨と骨をつなぐ形式ではなく、皮膚に直接接する筋肉。表情筋が衰えると、皮膚や皮下脂肪を支えることができなくなって、シワやたるみが悪化します。

表情筋も筋肉の一種ですから、使用する頻度が減少すれば、低下する一方。意識的に動かしてあげるトレーニングを行い、表情筋の維持・回復に努めましょう。

3. 姿勢の悪さ

デスクワークやスマホ操作を行う時の姿勢によって、シワやたるみが悪化するケースもあります。パソコン作業を行う際に背中が丸まり、画面を覗き込むような姿勢でいると、首の後ろの筋肉が縮みますよね。

首の後ろの筋肉につられるように後頭部や顔の筋肉も下方向に引っ張られてしまうと、シワやたるみが生じます。姿勢の悪さは習慣になりますから、シワやたるみのある状態が固定化。筋肉が形状記憶を起こすことによって、重力に負けた表情になってしまいます。

4. 顔の冷え

エアコンの風や冬場の寒さによって顔が冷えると、血流が悪化します。血流の悪化は、コラーゲンやエラスチンの産出を妨げる要素。コラーゲンやエラスチンの分解速度に産出速度が追いつかないと、シワやたるみが生じます。

加齢によって全身の代謝が衰えることも、顔の冷えを悪化させる要素の1つ。末端冷え性を感じる女性は全身の代謝の衰えによって顔の血流も悪化し、シワやたるみを招いてしまうリスクがあります。

顔がたるみやすい人の特徴

顔のシワ・たるみは、生活習慣によっても悪化しますよ。以下のような習慣に心当たりを持つ人は、シワ・たるみリスクが高いと言えます。

・清涼飲料水やお菓子、甘いコーヒーが好き。
・バスタブにつからず、シャワーのみの日が多い。
・短時間の外出であれば、日焼け止めを使用しない。
・パソコンやスマホを操作する時間が長い。
・よく噛まずに食べ物を飲み込む。
・喫煙者である。
・毎日のようにお酒を飲む。
・慢性的な睡眠不足もしくは睡眠リズムが不安定。
・身体を動かす頻度が少なく、運動不足を感じる。
・仕事や家事のストレスを頻繁に感じる。
・筋肉量が少なく、姿勢が悪い。
・肩こりや腰痛持ちである。

生活習慣の影響は毎日少しずつ蓄積されて、5年後や10年後のシワ・たるみにつながります。できることから改善し、肌トラブルを予防しましょう。

顔のたるみの改善方法2個[化粧品]

現在の日本には「たるみを改善する化粧品」は存在しません。薬機法という法律の規定によって、「たるみ」という言葉を使用できないことが理由です。

では、顔のたるみに悩む女性は、どのような視点から基礎化粧品を選択すれば良いのでしょうか。以下では、「コラーゲン・エラスチンを増やす」という観点から、化粧品選びのポイントを紹介します。

1. コラーゲン・エラスチン配合の化粧品を活用する

顔のたるみの原因がコラーゲンやエラスチン不足であることは、上で見た通りです。コラーゲンやエラスチンそのものや、コラーゲン・エラスチンの隙間を埋めるヒアルロン酸配合の化粧品を活用し、ハリ・弾力アップを目指しましょう。

基礎化粧品の全てを切り替えることが難しい場合は、美容液やクリームの見直しがおすすめ。エイジングケア化粧品シリーズの主力商品は、美容液やクリームであることが多いためです。お財布事情に余裕があれば、ハリ感アップ商品のシリーズ使いに挑戦しましょう。

エイジングケア化粧品は継続的に活用して結果を求めるものですから、背伸びした選択は、自分のためになりません。3ヶ月や半年は使うことを前提として、化粧品の導入方法を検討しましょう。

2. コラーゲン・エラスチンの生成を促す化粧品を活用する

近年では、コラーゲン・エラスチンを直接補う方法ではなく、繊維芽細胞(コラーゲンなどの生成を担当する細胞です)の働きを活性化し、エイジングケアを行う化粧品も注目されます。美容成分を直接補う方法と比較し、根本的な解決を目指せる点が特徴です。

具体的には、以下のような成分配合の化粧品が「生成を促すタイプ」に該当します。

ビタミンC・ビタミンC誘導体コラーゲンの合成を行う際には、ビタミンCが必要です。ビタミンC誘導体は、ビタミンCを浸透しやすい状態に改良した成分。肌へ浸透しやすいだけではなく、持続性が高いとも言われます。
レチノールシワ対策化粧品に採用されることも多い成分。ターンオーバーを促進することにより、コラーゲン・エラスチンの産出を促します。
EGF表皮層に働きかけて、線維芽細胞の成長を促進したり活動を整えたりする成分。再生医療分野でも活用されるほど注目度が高く、信頼できる成分です。
FGF真皮層に働きかけて、コラーゲン・エラスチンの生成を促す成分。毛穴の開きやほうれい線対策用の化粧品に配合されることも多く、エイジングトラブル世代の味方です。

顔のたるみの改善方法5個[食べ物]

顔のたるみは、身体の酸化や糖化によって加速するとも言われます。身体の酸化や糖化を防ぐ食べ物を摂取し、ハリ・弾力アップを目指しましょう。

1. 鶏肉

鶏肉に含まれる「カルシノン」は、身体の酸化と老化を抑えると言われます。胸肉・ササミはとくに、カルシノンの多い部位。必須アミノ酸を豊富に含み、健やかで若々しい肌への生まれ変わりを後押しします。

また、鶏手羽元は、コラーゲン豊富なことが特徴。スライスしたしょうがと一緒に煮込むことでコラーゲンがたっぷりと溶け出し、美肌作りを助けてくれます。鶏手羽先をコトコト煮込んだスープでも、コラーゲンを頂くことができますよ。身体の芯から温まる水炊きは血行を良くする働きも期待され、顔の冷え解消に一役買います。

2. 鮭

鮭のピンク色は、エイジングケア化粧品でも馴染みの深い「アスタキサンチン」が生み出す色です。アスタキサンチンの抗酸化作用は、ビタミンEの1,000倍といった説もあるほど強力なもの。シワやたるみといったエイジングトラブルに悩む女性にとって、心強い味方です。

ちなみに、アスタキサンチン摂取を目的として食べるなら、キングサーモンや銀鮭よりも紅鮭がおすすめ。ビタミンCと合わせて摂取するとアスタキサンチンの持続力が高まるといった説もあるため、レモンや大根おろしを添えて、頂きましょう。

3. ブロッコリー

ブロッコリーは、ビタミンA・ビタミンB郡・ビタミンEと、様々なビタミンを含みます。ビタミンAやビタミンEは脂溶性のビタミンなので、炒めたりオイル蒸しにしたりして食べる方法がおすすめ。古い油を使用すると抗酸化力が下がるため、新鮮なものを使用しましょう。

また、ブロッコリーは、鮭やエビなど、アスタキサンチンを含む魚介類と相性の良い食材。ブロッコリーとエビのガーリック炒め・鮭とブロッコリーのマスタード炒めなど、いろいろなメニューをローテーションしていけば、飽きることなく継続できます。

4. キウイ

キウイに含まれるビタミンCは、みかんの約2倍です。ビタミンCは細胞を元気にして活動を促してくれる栄養素ですから、コラーゲンの生成も助けてくれます。

また、キウイは、カリウムを豊富に含む果物。余計な水分の排出を助け、すっきりとしたフェイスラインを作ることに貢献します。

ちなみに、ビタミンCの効率的な摂取を目指すためには、グリーンキウイ(緑色のキウイ)よりもサンゴールドキウイ(黄色のキウイ)がおすすめ。サンゴールドキウイのビタミンC含有量は、グリーンキウイの約2倍です。

5. 大豆食品

大豆には、ポリフェノールの一種である大豆イソフラボン、血液サラサラ成分の大豆サポニンなどが含まれます。その他にも、タンパク質やビタミンB1、ビタミンEなど美容に役立つ栄養素をバランス良く含む食材ですから、極力毎日摂取しましょう。

「大豆食品の食べ過ぎは身体に良くない」といった過激な報道がなされたこともありますが、神経質になる必要はありません。1日当たり75mgの大豆イソフラボン摂取を目安として、いろいろな大豆食品を摂りましょう。

納豆や油揚げ、豆腐など、そのまま食べられる大豆食品を冷蔵庫にストックすると、タンパク質不足を感じた時の副菜として重宝します。味噌や醤油も大豆から作られますが、塩分量が多いので、適量に留めて下さい。

顔のたるみの改善方法5個[運動]

表情筋をほぐしたり鍛えたりする運動は、顔のハリ・弾力を高めることに貢献します。たるみ改善を目指して実践したい顔ヨガ・トレーニングの具体例を紹介しますので、日々の習慣として実践しましょう。

1. まぶたのたるみ解消を目指す運動

まず紹介する顔ヨガは、眼輪筋に働きかけて、目の周りの血行改善・まぶたのたるみ解消を目指すもの。眼精疲労の回復にも貢献するため、パソコン作業の多い人におすすめです。

【1】左右交互にウィンクを繰り返します。速度を緩めたり速めたりしながら適度な回数繰り返し、目の周りの筋肉を緩めて下さい。
【2】天井方向に視線を向ける・床方向に視線を向けるといった動きを繰り返し、目玉の体操を行いましょう。

2. 頬のたるみ解消を目指す運動

頬のたるみやほうれい線の解消を目指すためには、舌回しトレーニングを実践しましょう。

【1】唇をしっかり閉じて、唇と上の歯茎の間に舌を入れます。
【2】上の歯茎の左端から右端までを、舌先でなぞりましょう。
【3】下の歯茎も同じように右端から左端までなぞり、口の中を一周します。
【4】2と3を1周と考えて、右回りを10周分行います。
【5】右回りを左周りに変えて、もう10周分行いましょう。

この運動のポイントは、ほうれい線を伸ばすイメージを持ち、できる限り大きく舌先を動かすことです。右回り10周・左回り10周が楽にできるようになったら、左右それぞれ約50周を上限として、回数を増やしましょう。

3. 口元・あごのたるみ解消を目指す運動①

3個目のエクササイズは、口元やあごのたるみの解消を目指すもの。テレビを見ている時や家事の合間に実践し、若々しい口元を作りましょう。

【1】唇をすぼめて思い切り前に突き出し、「ウ」の形を作ります。
【2】唇を思い切り左右に引き、「い」の形を作ります。
【3】もう1回、1と同じ「ウ」の形を作りましょう。
【4】1から3を1セットとして5セット×1日あたり3回通り繰り返します。

「い」の時の口の形は、思い切り笑顔を作る時の顔です。この表情が日常生活の中で自然に出せると、若々しい笑顔美人を演出できます。

4. 口元・あごのたるみ解消を目指す運動②

口元の印象は顔全体の若々しさを左右します。割り箸を使用した簡単エクササイズで、実年齢マイナス5歳や10歳の若々しさを実現しましょう。

【1】割り箸を割らず、横長の形でくわえます。
【2】奥歯でしっかり噛み締め、「い」の形を作りましょう。口角を割り箸よりも高い位置に維持しながら、30秒キープします。
【3】10秒間休憩します。
【4】1から3を1セットとして、1日3回行って下さい。

5. 顔全体のむくみ解消・デトックスを目指す運動

5個目のエクササイズは、顔全体の血行改善・たるみ解消に役立つもの。エクササイズといっても難しいものではなく、いろいろなパターンの「変顔」を作るだけで、なまけている表情筋を動かしてあげる運動です。

【1】左下方向へ舌を伸ばし、目線も左へ向けて下さい。
【2】右パターンに切り替えて、1と同じ表情を作ります。
【3】口を大きく開き、下顎を正面方向へと突き出します。
【4】顔のパーツを「これ以上は寄せられない」という状態まで寄せるイメージで、中心方向に集めて下さい。
【5】表情筋の力を抜き、顔全体をリラックスさせます。

決まった順番を覚えなくても、いろいろな表情を作り、リラックスする動きを繰り返すだけで大丈夫です。動かしにくい部分の筋肉は弱っている証拠ですので、集中的に対策しましょう。

40代・50代の顔のたるみ改善対策

40代や50代以降の顔のたるみは、骨密度の低下が一因です。更年期以降のホルモンバランスの変化に伴い骨密度が低下すると、顔の皮膚と骨の間に隙間が出来て、シワやたるみを招いてしまうケースがあります。

つまり、40代や50代以降のハリ・弾力対策には、骨密度の低下を防ぐことが大切。適度に身体を動かして骨を作り出す細胞の働きを活性化したり、喫煙や過剰な飲酒といった骨粗しょう症リスクを高める行為を控えたり。しっかりとした骨を維持するための対策を行いましょう。

骨密度の低下は、顔のシワ・たるみを招くことと同時に、記憶力や免疫力の低下を引き起こすリスクを持つ症状。全身を若々しく、健康に維持することが、シワやたるみの目立たないきれいな肌を保つコツです。


まとめ

顔のたるみの原因と、ハリ・弾力を高めるための対策を紹介しました。化粧品や食べ物、顔ヨガのいずれにしても、一朝一夕に変化を感じるものとは言えません。すぐに改善が見られなくても諦めず、継続的に対策を続けることが、若々しさを保つコツです。

どうしても今すぐに解消したい顔のたるみは、美容外科に相談することも選択肢の1つと言えます。その場合はまとまった費用が必要ですので、予算と期待される変化を考慮し、総合的な判断を行って下さい。