監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

オイルやジェル、クリームなど、多くのクレンジングがある中で「自分に合う種類はどれなのか」といった疑問を持ち、悩む女性は多くいます。「クレンジングはオイルとクリームどっちがいいか?」「乾燥肌に適したタイプはどれか?」といった疑問を持ち、クレンジング難民に陥ってはいませんか。

この記事では、クレンジングの種類と役割、肌質別の選び方を紹介します。肌に対する負担や強さといった主要な項目について、種類別の比較も行いますから、クレンジング選びに迷った時のバイブルとして活用下さい。

クレンジングの役割と重要性

クレンジングとは、油分を含む化粧品を落とすためのスキンケアです。

油分を含む化粧品は、水やお湯、一般的な洗顔フォームで落とすことができません。メイク落とし専用のクレンジングを使用し、きれいに落とすお手入れが必要です。

◎メイク汚れを落とさずに就寝することのリスク

メイク汚れを落とさずに就寝すると、油性汚れが肌の上で酸化し、活性酸素という物質を生み出します。活性酸素は他の細胞を攻撃する性質を持ちますから、乾燥やたるみ、ハリ不足といったエイジングサインを悪化させる原因の1つ。短期的な影響としては、肌のごわつきやくすみ、毛穴の詰まりなどを招くことがあります。

また、メイク汚れの残る肌に化粧水、美容液をなじませても、肌内部へ浸透しにくく、思うように機能しません。高価な基礎化粧品をそろえるより先に、クレンジング選びや方法を見直しましょう。

クレンジング9種類の特徴と違い

クレンジングの主な種類は、以下9個です。種類によって洗浄力やテクスチャー、使い方が異なりますから、相性の良い種類を見極め、メイク落としに活用しましょう。

1. クレンジングオイル
2. クレンジングバーム
3. クレンジングジェル
4. クレンジングクリーム
5. クレンジングミルク
6. クレンジングリキッド(水クレンジング)
7. クレンジングシート
8. ポイントリムーバー
9. 泡クレンジング

以下では、種類別の特徴とメリット、デメリットを分かりやすく解説します。

クレンジングオイル油性成分の配合量が多く、メイクを落とす力が強いクレンジング。古い皮脂や角栓、毛穴汚れなど、メイク以外の油性汚れも落とすことができますので、皮脂トラブルや毛穴トラブルに悩む女性におすすめです。

その反面、肌の潤いを維持するために必要な皮脂まで落とし、乾燥を招いてしまうことがあります。オイルの種類によってはニキビの悪化を招くリスクもあるため、肌質に応じた選択が不可欠です。
クレンジングバームクレンジングオイル同様に油性成分の配合量が多く、しっとりとした質感のクレンジングです。固形のバームを体温で溶かし、滑らかなテクスチャーに変えたものを使用します。

この作業を行うにあたって多少の手間が発生しますが、クレンジングオイルと比較し、乾燥しにくい点がメリットです。

ただし、クレンジングミルクやジェルと比較すると乾燥しやすいタイプのクレンジング。洗浄力と保湿力のバランスを重視する人におすすめしたい種類と言えます。
クレンジングジェルジェル特有の弾力がクッションの役割を果たし、摩擦刺激を与えにくいタイプのクレンジング。クレンジングジェルをさらに細かく分類すると、水性ジェル、油性ジェルに分けられます。

<水性ジェル>
さっぱりとしたテクスチャーで、べたつきが苦手な人でも使用しやすいクレンジングジェル。メイクを落とす力はマイルドですから、ポイントリムーバーの併用も検討しましょう。

<油性ジェル>
油性成分の配合量が多く、メイクを落とす力を強化したタイプのクレンジングジェル。ジェル特有の弾力はそのまま残した商品が目立ち、摩擦刺激を軽減できます。
クレンジングクリーム油性成分、水性成分のバランスが良いクリーム状のクレンジングです。クレンジング後も乾燥しにくく、しっとりとした質感に仕上がる点が強みと言えます。

その反面、クレンジングの使い方を間違えると、メイクがきちんと落ちない点に注意しましょう。クレンジングクリームの油性成分、油性汚れをなじませる作業をきちんと行い、きれいに汚れを落としましょう。
クレンジングミルククレンジングクリームと比較し、水性成分の配合量が多い、乳液状のクレンジング。メイクを落とす力がマイルドである代わりに、乾燥を感じにくく、乾燥肌や敏感肌と相性の良い種類と言えます。

クレンジングミルクの中でも油性成分の配合量が多くクレンジングクリームに近いもの、水性成分の配合量が多くリキッドクレンジングに近いものもありますから、商品ごとの特徴をふまえて、相性の良いクレンジングを選択しましょう。
クレンジングリキッド(水クレンジング)油性成分をほぼ含まない、サラサラとした質感のクレンジングです。さらに細かく分類すると、コットンに含ませて拭き取るタイプやクレンジングオイルやクリーム、ミルクのようにすすぐタイプなどがあります。

クレンジングリキッドの大きな強みは、お手入れの手間を省ける点です。お風呂で利用できる商品、ダブル洗顔不要の商品など、多忙な女性に配慮したクレンジングが多くあります。オイルフリーのクレンジングリキッドは、まつげエクステをしている女性の使用も可能です。

その反面、拭き取る際に摩擦刺激を与えてしまうこともある点はデメリット。油性成分の少ないクレンジングですから、クレンジングオイルやクレンジングバームのように、毛穴汚れを溶かし出す働きも担いません。
クレンジングシートクレンジングのしみ込んだシートを使い、拭き取るスタイルでメイク落としを行います。クレンジングリキッドのようにコットンに含ませる手間がなく、クレンジングシート単体でメイク落としを行える点が大きな強み。外出先で使用するクレンジングとして使いやすく、旅行やジム通いのお供に重宝します。

その反面で、クレンジンリキッド同様、摩擦刺激を与えてしまい、バリア機能の低下を招くリスクがあります。乾燥肌や敏感肌には刺激が強いことも多く、デイリー使いに向かない種類と言えるでしょう。
ポイントリムーバーウォータープルーフのマスカラやアイライナー、リップティントといった一般的なクレンジングでは落としにくいメイク専用のクレンジング。濃いメイクをピンポイントで落としたい時に重宝します。

ポイントリムーバーを顔全体に使うことは、肌トラブルの原因です。本来の用途以外の使い方は控え、正しい方法で活用しましょう。
泡クレンジングハンドソープのように、ポンプを押すと泡で出てくるタイプのクレンジング。クレンジングと洗顔兼用の商品が目立ちます。ダブル洗顔不要タイプのメリットは、摩擦刺激を軽減できるということです。

その反面、細かい部分に洗い残しが出やすい種類にあたりますから、一般的なクレンジング・洗顔以上に丁寧なお手入れを意識しましょう。

クレンジングの選び方[肌質別]

次に、肌質別のおすすめクレンジングと選び方の基準を紹介します。肌質は人それぞれ異なりますから、全ての人に最適なクレンジングは存在しません。肌質別のクレンジング選びのポイントを覚えて、トラブルを予防しましょう。

乾燥肌のクレンジングの選び方

乾燥肌とは、水分不足を起こし、バリア機能の低下した肌を指します。乾燥肌のクレンジング選びのポイントは、洗浄力の強すぎる種類を避けることです。

クレンジングクリームやクレンジングミルクのように洗浄力がマイルドな商品を選択し、過剰な負担を防ぎましょう。

クレンジングクリームとクレンジングミルクの使い分けは、メイクの濃さで判断します。比較的しっかりとメイクを行う人にはクレンジングクリーム、ナチュラルメイクの人にはクレンジングミルクがおすすめです。

敏感肌のクレンジングの選び方

敏感肌とは、化粧品やダニ、ほこりといったアレルゲンに対する抵抗力が弱く、肌荒れしやすい肌質です。乾燥肌同様に、クレンジングクリームやクレンジングミルクなど、肌に負担をかけにくい種類を選択しましょう。

しかし、刺激を避けるあまりにメイク汚れが残ってしまうことも、肌にとっての負担です。必要に応じてポイントメイクリムーバーを併用し、メイク汚れの蓄積を防ぎましょう。

また、敏感肌のクレンジング選びは、低刺激の商品を選ぶことも大切です。以下2点を基準として、低刺激のクレンジングを選択しましょう。

【1】強い界面活性剤を含まない
界面活性剤の全てが悪いわけではなく、バリア機能の低下や乾燥、肌トラブルを招くほど強いものが問題です。無添加クレンジングの中にも界面活性剤を含むものは多いため、成分表示を確認し、刺激の強さを判断しましょう。

【2】合成香料を含まない
リラクゼーション作用を狙って配合される香料も、敏感肌が注意したい成分の1つ。化粧品やシャンプー、洗顔料でかぶれた経験を持つ人には、無香料のクレンジングをおすすめします。

脂性肌のクレンジングの選び方

脂性肌とは、肌内部の水分・油分がともに多く、テカリやベタつきを感じやすい肌質を意味します。部分的にテカリやベタつきを感じる肌質は、混合肌です。ここで言う「脂性肌」は「そもそもの肌質として水分・油分が多く、皮脂トラブルや毛穴トラブルを生じやすい肌」ととらえて下さい。

脂性肌と相性の良いクレンジングは、クレンジングオイルやクレンジングバーム。メイクと一緒に古くなった皮脂汚れを取り除き、毛穴の詰まりやベタつきを予防できます。

クレンジングオイルやクレンジングバーム特有のベタつきに苦手意識を持つ人は、使い方を間違えているかもしれません。メイクとなじませた後に少量の水分を重ね、きちんと乳化させてから洗い流すと、ベタつきストレスを軽減できます。

混合肌のクレンジングの選び方

混合肌とは、Tゾーンには油分が多く、頬や顎は乾燥するといったように、脂性肌と乾燥肌の特徴を併せ持つ肌質です。油分の多い部位に合わせてクレンジングを選択すると乾燥しやすく、水分不足の部位に合わせてクレンジングを選択するとニキビやテカリ、ベタつきが悪化する。

そのような悩みを持つ人には、部位ごとのクレンジングの使い分けをおすすめします。たとえば、油分の多い部位にはクレンジングオイルを使用し、他の部位にはクレンジングジェルを活用するといった方法は、有効な選択肢の1つです。

「どうしても1個のクレンジングで対応したい」という人は、メインの肌質に応じた種類を選択し、他のスキンケアの工夫によって、トラブルを予防しましょう。たとえば、「乾燥を感じる部分がクレンジングクリームやミルクを使用し、クレンジング後の洗顔に脱脂力の強い石鹸を使用する」といった組み合わせであれば、過剰な皮脂もきちんと落ちます。

洗顔後の保湿は丁寧に行い、水分をしっかり入れ込んであげれば、乾燥トラブルの進行を阻止できますよ。「クレンジング単体で肌の調子を整えよう」とは考えず、総合的な視点からスキンケアの見直しを進めることが大切です。

正しいクレンジングのやり方

どのタイプのクレンジングを使うにしても、ポイントメイクをまず落とし、顔全体のクレンジングを進めます。顔全体のクレンジングは、次の手順を守りましょう。

【1】皮脂分泌の多い部位からクレンジングをなじませる
皮脂分泌の多い部位からクレンジングを乗せ、優しくメイクとなじませます。小鼻など汚れの残りやすい部位には指の腹をあて、小さな円を描くようにクルクルと動かし、メイク汚れを浮かせて下さい。

【2】乾燥しやすい部位にクレンジングをなじませる
頬や顎のライン、目元や口元の順番で、クレンジングをなじませます。クレンジングの途中にフェイスマッサージを行うことは避け、スピーディーに進めて下さい。

【3】ぬるま湯ですすぐ
体温より低い温度のぬるま湯を使い、十分にすすぎます。お風呂で使用するタイプのクレンジングでも、シャワーをあてる方法ではなく、洗面器に用意したぬるま湯ですすぐ方法がおすすめ。肌に対して過剰な負担をかけることのないように、できる限り刺激の少ない方法でメイク落としを行いましょう。

まとめ

様々なクレンジングの特徴と違い、自分に合うクレンジングの選び方を紹介しました。肌質やメイクの濃さ、生活習慣など多くの要素を考慮して自分に合うクレンジングを探すことは大変ですが、トラブルに悩まない健やかな肌を育てるために欠かせない作業と言えます。

メイク落としは毎日行うことであるからこそ「何となく」の落とし穴に陥りやすいスキンケアです。クレンジング選びや使い方を今一度見直し、理想の美肌を目指しましょう。