監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

洗顔やメイクによって対策してもなお、止めどなく湧き出てくる顔の油。「この状態は、まさに油田… 」といった感情を持ち、悩む女性は多くいます。お手入れの基本方針が決まらなくては、正しい対策を行うことはできませんよね。

そこで、この記事では、油田肌の原因と洗顔、スキンケア、メイクによる正しい改善対策を紹介します。コンプレックスを解消するためのヒントとして、有効に活用下さい。

油田肌とは?

油田肌とは、読んで字のごとく、油田を想像させる肌の状態を意味します。一般的には、肌表面は深刻なオイリー状態・肌内部は乾燥するといったトラブルの比喩表現です。

インターネットメディアや雑誌の特集で生み出された造語ですので、明確な定義は存在しません。Tゾーンのテカリがひどく、他の部位は乾燥するといったトラブルを「油田肌」と表現することもあります。

いずれにしても、純粋なる「脂性肌」や「乾燥肌」とは異なる肌質を示すことが一般的です。そのため、「脂性肌用のお手入れを行うと肌内部の乾燥が悪化し、乾燥肌用のお手入れを行うとベタつきやテカリが気になる」といった悩みを抱えて、スキンケア難民に陥ります。

油田肌と砂漠肌の違い

砂漠肌とは、肌表面と肌内部の両方が乾燥し、かさつく肌を意味します。

油田肌と砂漠肌の違いは、以下の表の通りです。肌表面の皮脂量が多く、ベタつきやテカリを感じる場合は「油田肌」、皮脂量も水分表も少なく、カラカラに乾燥する肌は「砂漠肌」に分類されます。

 皮脂量水分量
油田肌多い少ない
砂漠肌少ない少ない

この表からも分かるように、水分不足という点では、砂漠肌も油田肌も同じです。皮脂量・水分量ともに多い、純粋な「脂性肌」のお手入れを行ってしまうと、肌トラブルの悪化を招くリスクがあります。

油田肌の改善方法[洗顔]

油田肌の洗顔のポイントは、過剰な皮脂を取り去ること・乾燥の進行を防ぐことの2点です。以下では、油田肌改善を目指すための洗顔手順をより詳しく紹介します。

◎油田肌を改善する洗顔手順

油田肌対策の洗顔といっても、特別なことを行うわけではありません。泡洗顔の基本に則り、以下の手順で洗顔します。

【1】ぬるま湯で予洗いする
体温よりやや低い程度のぬるま湯で、顔全体を予洗いしましょう。熱すぎるお湯は、潤いを維持するために必要な皮脂まで落とすリスクがあります。反対に冷たい水では皮脂がきちんと落ちないため、適温を守って下さい。

【2】皮脂の多い部位から順番に洗顔する
泡立てた洗顔料をTゾーンに乗せ、直接肌に触れないように洗顔します。次に洗顔する部位は、頬や顎といったUゾーン。目元や口元などかさつきやすい部位は、洗顔のフィナーレとして、とくに丁寧に洗います。

【3】ぬるま湯ですすぐ
予洗い同様、人肌より冷たい程度のぬるま湯を使い、顔全体をすすぎます。時間をかけすぎると油田肌状態の悪化を招くリスクがあるため、手際よく進めて下さい。

◎油田肌のNG洗顔

良かれと思って行っている洗顔が、油田肌を悪化させることもあります。油田肌の改善を目指すためには、以下のような習慣を改めましょう。

【1】1日に何回も洗顔する
油田肌に適した洗顔回数は、朝と夜の2回です。過剰な洗顔は、残したい油分まで落としてしまう原因の1つ。バリア機能の低下をキャッチした肌が「できる限り早く、正常な状態に戻ろう」と働き、余計に皮脂が分泌される悪循環に陥りがちです。

【2】角質ケア洗顔料を毎日使う
酵素洗顔やピーリング石鹸は、油分やタンパク質を取り除くための成分が含まれます。テカリやベタつき対策として適度に活用することは良いのですが、頻繁なお手入れはハイリスク。刺激を受けた肌が余計に皮脂を分泌し、油田状態を悪化させることがあります。

【3】ぬるま湯だけで洗顔する
皮脂を含む油性の汚れは、ぬるま湯だけでは落ちません。古くなった皮脂が酸化し、黒ずみ汚れを招いてしまうリスクがあります。

【4】冷たい水で洗顔する
冷たい水で洗顔すると、毛穴が閉じてしまいます。過剰な皮脂を毛穴内部に閉じ込めて大人ニキビを招くリスクがありますから、ぬるま湯を使いましょう。

油田肌の改善方法3個[スキンケア]

スキンケアのポイントは、十分な保湿を行うこと・ベタつきを解消することの2点です。保湿を重視するあまりにどっしりとしたクリームを活用すると、テカリ・ベタつきを悪化させるリスクがあります。保湿化粧水・皮脂抑制美容液・ジェルタイプの乳液の合わせ技で、油田肌の改善を目指しましょう。

1. 保湿化粧水で潤い不足を解消する

洗顔後は速やかに保湿を行い、不足した水分を補給します。内部的な乾燥で弱った肌は敏感に傾き、コットンを刺激に感じることがありますので、ハンドプレスでなじませましょう。

商品指定量の化粧水を手の平に出し、両手で包み込むように温めた後、顔の内側から外側へと伸ばします。鼻の横から頬、こめかみまでなじませた後、手の平に残った化粧水をTゾーンなどに伸ばし、顔全体のお手入れを行って下さい。

2. 皮脂抑制美容液で水分・油分のバランスを調整する

過剰な皮脂のコントロールには、皮脂抑制成分配合の美容液を活用します。テカリが気になる部位に薄く塗り、水分・油分のバランスを整えましょう。

水分・油分のコントロールに役立つ成分の代表例は、ライスパワーNo.6やイノシトール。それぞれの役割は、以下の表を参照下さい。

ライスパワーNo.6厚生労働省から承認を受けた、皮脂分泌抑制成分。皮脂腺に直接働きかけて、脂質合成を低下させ、過剰な油分のコントロールを行います。
イノシトール米ぬかから抽出するビタミンB様成分。脂性肌に対しては皮脂抑制、乾燥肌に対しては理想の状態まで底上げし、水分・油分のバランス調整を支援します。

この2つの成分の大きな強みは、適度な油分を残しつつ、過剰な皮脂のコントロールができる点です。ビタミンC誘導体などメジャーな皮脂・毛穴対策美容液に苦手意識を持つ人も検討しやすく、肌の調子の調整に活用できます。

3. ジェルタイプの乳液で質感を整える

化粧水、美容液の働きを高めるためには、乳液やクリームといった「蓋をする」基礎化粧品が必要です。これらのアイテムのベタつきが苦手な人は、ジェルタイプの乳液を活用しましょう。

ジェルタイプの乳液はサラサラとした質感に仕上がるものが多く、油田肌の女性におすすめですよ。ジェルタイプでなくとも「さっぱり」といった記載の見られる保湿乳液、クリームは、サラサラとした質感です。肌質に合う商品を選択し、スキンケアの仕上げとして取り入れましょう。

油田肌の改善方法4個[メイク]

最後に、油田肌のべたつき、顔のテカリを改善するメイクテクニックを紹介します。油田肌に適したベースメイクをマスターし、理想の肌を実現しましょう。

1. 保湿直後のメイクを避ける

化粧水や美容液、乳液が肌へ浸透する前にベースメイクを始めてしまうと、持続力が低下します。5分から10分程度は時間を置き、ベースメイクを始めましょう。基礎化粧品がきちんと肌に浸透すると、手の平に吸い付くような質感に変化します。この変化を確認してから、次の工程に進んで下さい。

どうしても時間がない時には、ティッシュを使い、水分・油分を押さえます。強くこすると残したい油分まで取り除いてしまうため、優しくそっとあてましょう。

肌の調子は毎日のように変化するため、過剰な油分を感じない日は、省略しても構いません。気候や体調に応じた肌の変化をこまめにチェックし、その日のコンディションに合わせた対応を行いましょう。

2. テカリ防止下地を塗る

化粧下地の省略は、ベースメイクの厚塗りを招いてしまう原因です。肌質に応じた化粧下地を有効に活用し、ドロドロのメイク崩れを予防しましょう。

油田肌に適した化粧下地は、テカリ防止下地です。パール1粒大程度の量を手の平に伸ばし、ハンドプレスを行いながら、顔全体になじませましょう。

油田肌の女性の場合、5点置き(両頬・額・鼻・顎先に置いてから、全体に伸ばす方法)にこだわる必要はありません。5点置きは、顔全体に万遍なく伸ばしたい時に適した手法であることが理由です。

油田肌を改善するためには、化粧下地をとにかく薄く、肌と密着するようになじませます。化粧水や乳液をつける時のように、顔全体を手の平で包み込むようになじませると、密着力が高まりますよ。

3. リキッドファンデーションはスポンジで塗る

ファンデーションの厚塗りを避けるためには、メイクスポンジを使用します。手の甲に適量のファンデーションを出し、濡れスポンジの面の部分に含ませましょう。ファンデーションを最初に置く場所は、乾燥しやすい両頬です。両頬を起点として、内側から外側へとファンデーションを伸ばしましょう。

この後にTゾーンへも乗せますが、付け足すことは避けて下さい。スポンジに残った少量のファンデーションを使い、薄くカバーする程度に留めましょう。

4. メイク崩れしやすい部分にパウダーを乗せる

Tゾーンなどメイク崩れを起こしやすい部分には、フェイスパウダーを重ねます。使用するパウダーの種類は、目的に応じて判断しましょう。

ルースパウダーサラサラとした質感に仕上げてくれるフェイスパウダー。薄いヴェールをまとったように、ナチュラルな表情に見せてくれます。
プレストパウダー粉状のパウダーをプレスし、固形に変えた化粧品。ルースパウダーよりしっかりフィットしますので、落ち着いた印象に仕上がります。

どちらを使用するにしても、顔全体に乗せることは避けましょう。汗や皮脂でメイク崩れを起こしやすい鼻筋や小鼻、額に薄く使用します。メイクブラシを使う場合は、手の甲で量を調整した後、対象部位に乗せて下さい。パウダーの付いていないブラシで余計なパウダーを落とすと、よりきれいに仕上がります。

パフを使用する場合は、肌の上に置くように乗せましょう。横にスライドさせたり叩き込むように付けたりする方法は、メイクのヨレを招きます。きれいに仕上げた下地やファンデーションを崩してしまうことになりますから、正しい付け方を守って下さい。


まとめ

スキンケアやメイクの工夫で油田肌を改善する方法について紹介しました。皮脂や毛穴のトラブルは、大人の女性のよくある悩みの1つです。

油田肌を恥ずかしいこととは考えず、前向きに対策しましょう。肌ストレスを軽減できると、じめじめとした梅雨・真夏の猛暑の不快さも和らぐのではないでしょうか。トラブルの原因に応じた改善方法を今一度検討し、理想の肌を目指しましょう。