監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

冬の寒さが一段落する時期になると、顔のテカリやメイクのヨレなど皮脂に関する悩みを抱え、悩む女性は多くいます。これらの悩みに対して「脂性肌は、体質だから」といった感情を持ち、諦めてはいませんか。

大人の女性の脂性肌は、誤ったスキンケアやメイク、食生活から生じることも多くあります。その場合、正しいお手入れや食生活へと切り替えることが肌質改善の近道であり、必須条件。この記事で紹介する対策を参考に、気になるストレスを解消しましょう。

脂性肌とは?読み方は?

脂性肌とは、過剰な皮脂が分泌されて、ベタつき・テカリ・大人ニキビといったトラブルを生じやすい肌質を意味します。脂性肌の読み方は「しせいはだ」です。

この肌質に対して「乾燥肌と真逆の肌質」「かさつき、ごわつきは感じない」といったイメージを持つ人も多いのですが、必ずしもそうとは言い切れません。過剰な皮脂・乾燥の両方が気になる肌は「脂性乾燥肌(オイリードライ肌)」といった名称で呼ばれます。

脂性肌の女性からよく聞かれる肌の悩みは、以下のような内容です。

・ベースメイクの皮脂崩れが気になる。
・起床後すぐに顔のベタつき、テカリを感じる。
・Tゾーンの毛穴の黒ずみ、開きが気になる。
・肌の調子が崩れると、ぶつぶつや大人ニキビがすぐに出来る。

さて、いかがでしょうか。全ての項目に心当たりを持つ人もいることでしょう。次の項では、これらのトラブルの原因と改善対策の方針を紹介します。

脂性肌の原因は?体質?

脂性肌の原因は、先天的な原因と後天的な原因に分類できます。

先天的な原因とは、生まれつきの体質や遺伝的な要素です。生まれつき皮脂腺が大きい人は、過剰な皮脂を分泌しやすく、ベタつきやニキビといったトラブルを生じやすい傾向があります。

後天的な原因とは、ホルモンバランスの乱れや誤ったスキンケア、生活習慣、気候の変化など、体質以外の原因です。皮脂の分泌量は、男性ホルモン「テストステロン」や「アンドロゲン」の影響を強く受けます。更年期や過剰なストレス、自律神経の乱れなどによって男性ホルモン優位の状態に陥ると、脂性肌に傾いてしまうというわけです。

気温や湿度といった気候条件は、皮脂腺や汗腺の活性度合いを左右します。気温と湿度の高い時期ほど皮脂腺・汗腺の活動は活発ですから、皮脂トラブルを感じやすく、積極的な対策が必要です。

脂性肌と乾燥肌の違い・見分け方

脂性肌や乾燥肌、普通肌といった肌質は、肌内部の水分量と皮脂量から判断します。脂性肌と他の肌質の違いは、以下の表の通りです。皮脂量も水分量も多い肌質は脂性肌、皮脂量も水分量も少ない肌質は乾燥肌に該当します。

 皮脂量水分量
脂性肌多い多い
乾燥肌少ない少ない
普通肌少ない多い
混合肌(脂性乾燥肌・オイリードライ肌)多い少ない

簡易的な方法で肌質を見分けるためには、朝のスキンケア・メイクを行い、約5時間後の肌の様子を観察しましょう。

「皮脂によるテカリが目立つ」「ベースメイクが落ちてしまった」といった印象を持つ人は、脂性肌の可能性が高いと言えます。

「テカリやベースメイクのヨレもあるが、目元や口元の乾燥も気になる」といった印象を持つ人は、脂性乾燥肌(混合肌)。「カサカサする」「顔がつっぱる」といった印象を持つ人は、乾燥肌の可能性が高いと言えます。

脂性肌の改善対策方法5個[スキンケア]

脂性肌のスキンケアのポイントは、過剰な皮脂をすっきりと落とすこと・肌にとって必要な潤いを残すことの2点です。具体的な対策としては、以下のことを実践しましょう。

1. メイクの濃さに合うクレンジングを活用する

落としきれないメイク汚れや過剰な皮脂が肌表面に滞留すると、くすみやごわつき、毛穴詰まりを招きます。メイクの濃さに合うクレンジングを活用し、汚れをきれいに落としましょう。

脂性肌の女性が好む毛穴カバー下地やファンデーションは、オイル成分配合のクレンジングでなければ落ちないものが主流です。クレンジングオイルやクレンジングバームなど、油性成分の多いクレンジングを活用し、汚れをきちんと落として下さい。

2. クレンジングの乳化をきちんと行う

過剰な皮脂とメイク汚れをきれいに落とすためのポイントは、すすぎの前の乳化です。以下の手順で乳化を行い、肌表面を清潔に保ちましょう。

【1】クレンジングオイルをなじませる
適量のクレンジングを顔全体になじませ、メイク汚れや過剰な皮脂を浮かせましょう。小鼻など凹凸のある部分は指の腹を使用し、くるくると動かすことで、汚れ残りを防止できます。

【2】少量の水分を足す
クレンジングオイルの上から少量の水分を乗せ、油分と水分を混ぜ合わせます。水分を入れすぎてしまうときちんと乳化できませんから、少量ずつ足すことが大切です。

【3】ぬるま湯ですすぐ
全体が白濁色に変わったことを確認し、ぬるま湯ですすぎましょう。

3. 固形石鹸で洗顔する

クレンジングで落としきれない顔の汚れは、洗顔で取り除きます。脂性肌におすすめしたい洗顔料は、シンプルな原料で作られた弱アルカリ性の石鹸です。弱アルカリ性の石鹸は、さっぱりした洗い上がりが大きな特徴。過剰な皮脂を取り除き、べたつき解消を助けてくれます。

固形石鹸に苦手意識を持つ人には、透明もしくは半透明の商品を選択しましょう。グリセリンやスクロースといった保湿成分配合の商品が多く、一般的な固形石鹸と比較してややマイルドな洗浄力で、しっとりとした質感に仕上がりますよ。

脂性乾燥肌の女性はとくに、洗浄力の強すぎる石鹸を負担に感じることがあります。肌内部の水分不足を進行させることのないように、肌質に合わせた石鹸選びを行いましょう。

4. 洗顔方法を見直す

過剰な皮脂を取り除き、さっぱりと洗うためには、洗顔方法の見直しも必要です。以下の手順に従い、正しい洗顔を行いましょう。

【1】石鹸を泡立てる
お湯で濡らした泡立てネットに石鹸をこすりつけ、クシュクシュと動かします。少量ずつお湯を足し、水分と空気、石鹸を混ぜ合わせるようにネットを揉むと、きれいな泡ができますよ。水分を足しすぎると泡がへたってしまうため、様子を見ながら調整しましょう。

【2】皮脂の多い部位から洗う
洗顔は、皮脂分泌の多い部位から少ない部位へと進めます。額や鼻筋を最初に洗い、顎のラインや頬、目元や口元の順番を守って下さい。

【3】ぬるま湯ですすぐ
体温よりやや低い程度のぬるま湯を使い、十分にすすぎます。小鼻やあご、紙の生え際などすすぎ残しが出やすい部分を意識して、20回から30回以上はすすいで下さい。

5. 洗顔後の保湿ケアを怠らない

過剰な皮脂を取り除いた後の肌は、無防備な状態に傾きます。保湿化粧水や乳液、クリームを使用し、水分と油分のバランスを調整しましょう。保湿化粧水を付ける時のポイントは、目元や口元、頬、Tゾーンと、洗顔とは反対の順番を守ることです。

目元や口元の乾燥を感じる人は、一連の保湿を行った後に重ね付け。「皮脂分泌の多い部位は薄く付ける」「少ない部位は重ね付け」と、部位ごとの保湿レベルを変えることが大切です。

脂性肌の改善対策方法3個[化粧・メイク]

肌質を今すぐに変えることは難しくても、基礎化粧品の活用やメイクテクニックにより、テカリやベタつきを抑えることは可能です。気温や湿度の高い春・夏は、以下のような対策を試してみてはいかがでしょうか。

1. 収れん化粧水でTゾーンのテカリを解消する

メイクを始める前のひと手間で、テカリやベタつきを予防できます。活用する基礎化粧品は、収れん化粧水。大判のコットンに収れん化粧水を含ませ、Tゾーンを中心にパッティング。内側が冷たく感じる程度までパッティングを繰り返しましょう。

2. 皮脂吸着成分配合の化粧下地を活用する

ファンデーションを塗る前に化粧下地を仕込むことでも、テカリやヨレを予防できます。皮脂吸着成分配合の化粧下地を薄く伸ばし、質感を整えましょう。

脂性乾燥肌の女性の場合は、2種類の化粧下地を使い分け、乾燥部分とテカりの目立つ部分の調整を行う方法も一案です。その場合には、Tゾーンには皮脂吸着成分配合の下地・他の部位には通常の化粧下地を使用しましょう。

3. 肌質に合うファンデーションを活用する

純粋な脂性肌の女性には、油分の少ないファンデーションをおすすめします。ルースタイプもしくはパウダーファンデーションを活用し、メイクのヨレを予防しましょう。

混合肌の女性の場合は、軽い質感のリキッドファンデーションを薄く塗り、ルースパウダーで仕上げる方法を検討できます。リキッドファンデーションには適度な油分が含まれますので、薄付きに留めることが大切です。

脂性肌の改善対策方法3個[食べ物]

最後に、食べ物の選び方による脂性肌の改善対策を紹介します。私たちの肌を作る原料は、日々口にする食べ物です。適切な食べ物選びで、過剰な皮脂を抑制しましょう。

1. ビタミンB2・ビタミンB6食材で過剰な皮脂をコントロール

皮脂量のコントロールを助けてくれる栄養素の代表格は、ビタミンB2です。ビタミンB2は、脂質や糖質の代謝を支援する栄養素。体内に貯蔵することのできない栄養素ですから、毎日コツコツ摂りましょう。

ビタミンB2を多く含む食べ物は、納豆、牛乳です。手頃な値段で購入できる野菜の中では、ニラやモロヘイヤ、ほうれん草をおすすめします。

「肌のビタミン」とも呼ばれるビタミンB6も、皮脂量のコントロールに貢献します。まぐろの赤身やささみ、バナナ、にんにくなどは、ビタミンB6が豊富な食べ物。脂質の多い牛肉メインのおかずを控えて、まぐろの赤身のステーキやささみを選ぶ食べ方を検討しましょう。

2. ビタミンC食材でストレスに負けない肌を作る

「対人ストレスを感じた時の皮脂分泌量は、そうでない時と比較し、約1.7倍に増加する」とも言われます。アセロラやピーマン、ブロッコリー、レモンといったビタミンC食材を摂取し、ストレスケアを行いましょう。

ビタミンCは水溶性ビタミンですので、生のまま食べる方法がおすすめ。色鮮やかな緑黄色野菜のサラダは、心も豊かにしてくれます。加熱する場合は、さっと蒸したりスープにしたりと、ビタミンCをできるだけ残すレシピを選択しましょう。

3. 大豆イソフラボンでホルモンバランスを整える

大豆食品は、ホルモンバランスの乱れから脂性肌に傾く女性のお助け食材。きな粉や豆腐、納豆といった大豆食品を日々の食事に取り入れましょう。

自炊の際にソイミートを活用する、水煮の大豆をスープに入れるといった方法であれば、無理なく大豆を摂取できます。煮豆など保存のきくおかずを週末に作り、ストックする方法もおすすめです。

30代脂性肌のスキンケア方法

30代脂性肌のスキンケアのポイントは、ホルモンバランスやストレスによる皮脂トラブルへの対策です。

30代は、結婚や出産、転職など女性の生き方を大きく左右する出来ごとの多い時期。ライフスタイルが大きく変化するタイミングやストレスを強く感じた時に、水分・油分のバランスが崩れがちです。

大人の女性のストレスをコンセプトとしたスキンケア商品のメインターゲットは、まさにこの年代です。過剰な皮脂を抑制する有効成分「ライスパワーNo.6」配合の基礎化粧品など、大人の女性の皮脂トラブルに特化したスキンケアを検討しましょう。

過剰な皮脂による大人ニキビが気になる人は、大人ニキビ対策に特化した洗顔料、基礎化粧品を選ぶことも一案です。思春期用のニキビ対策洗顔料は脱脂力の強いものが多く、30代の肌トラブルにマッチしません。

40代脂性肌のスキンケア方法

40代は、肌内部の水分量が減少し、シワやシミ、たるみといったトラブルを生じやすい年代です。乾燥を感じた肌がこれまで以上に過剰な皮脂を分泌し、脂性乾燥肌が悪化するケースもありますので、十分な保湿ケアを行いましょう。

エイジングケア美容液を取り入れるにしても、しっかりとした肌の土台がなければ、実力を発揮しません。日々の洗顔と丁寧な保湿によって、水分・油分のバランスを整えることが、エイジングケアの第一歩です。

40代後半以降は、ホルモンバランスの変化による皮脂トラブルが増加します。バリア機能の低下した肌が敏感に傾き、これまでの基礎化粧品が合わなくなる人もいますから、スキンケア方針の見直しを検討しましょう。

脂性肌は比較的、バリア機能低下によるトラブルを起こしにくい肌質ですが「炎症や拒否反応が絶対に起こらない」という決めつけは危険です。年齢や季節によって肌が変化することを念頭として、定期的な見直しを行いましょう。

50代脂性肌のスキンケア方法

50代の女性の皮脂分泌量は、20代の5分の1とも言われます。皮脂を取り去るだけの脂性肌対策は卒業し、水分・油分のバランスを整えるスキンケアを導入しましょう。

もともと脂性肌だった人でも、加齢とともに普通肌や乾燥肌へと変化することがあります。「べたつきやすい肌質だから」と決めつけて、乳液やクリームの量を控えることは避けて下さい。

肌の乾燥から生じる過剰な皮脂は、適切な保湿を行うことで改善できます。目元や口元といったエイジングサインの出やすい部分はとくに、意識的な対策を行いましょう。

また、近年の傾向として、50代の女性に顕著な悩み「おっくう」に注目、時短ケアを実践できる商品が見られます。たとえば、化粧水や美容液、乳液やクリームの役割を全てまかなうオールインワンアイテムなどが一例です。心身の不調を感じた時は、このようなアイテムを活用し、無理のないスキンケアを実践しましょう。

まとめ

脂性肌の原因と改善対策、年代別のスキンケアのポイントを紹介しました。まず何よりも、純粋な脂性肌・脂性乾燥肌をきちんと区別し、肌質に応じた改善対策方法を検討しましょう。スキンケアやメイクの方法に、絶対的な正解は存在しません。自分自身の肌と会話しながら、本当の意味で自分に合う対策を検討しましょう。