監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

皮脂の分泌が多いと肌がべたつきメイクも崩れやすいですよね。洗顔直後は皮脂が流れてすっきりします。でも時間が経つとまた過剰な皮脂が肌表面を覆います。

そのため洗顔後には保湿しないほうが良いのではないか、ただでさえ毛穴は皮脂で満たされているのに、そこに化粧水や乳液を塗ると良くないのではないかと思うかもしれません。

けれども皮脂がなぜ分泌されるのか、皮脂の役割について目を向けてみると、見落としがちなことに気がつきます。

今回はオイリー肌の洗顔やスキンケアの方法について解説します。

オイリー肌とは?

オイリー肌とは脂性肌とも呼ばれ、皮脂分泌が活発な肌のことをいいます。オイリー肌には次のような特徴があります。

●皮脂のべたつきが気になる
●あぶらとりがみで一日に何度も皮脂を取り除く必要がある
●ニキビができやすい
●化粧が崩れやすい
●毛穴の開きが目立つ

また皮脂が多い部分と乾燥した部分が混在する肌質の人は混合肌と呼ばれています。混合肌の人も、皮脂が多い部分はオイリー肌の人と同じ特徴があります。

皮脂腺の多い額から鼻まわりは皮脂が多く、皮脂腺の少ない目の周りや口の周りが乾燥することが多いです。この記事で説明する内容は、混合肌の人にも参考にしていただけます。

オイリー肌の原因

オイリー肌の原因は次のようなことが考えられます。

◯男性ホルモン
皮脂分泌は男性ホルモンが多いと活発になります。男性ホルモンは男性だけではなく女性も分泌されています。ストレスなどによりホルモンバランスが崩れて男性ホルモンが優位になると、皮脂分泌が活発化します。

◯年齢
皮脂分泌量は年齢によって変化します。10代の頃は皮脂分泌が活発ですが、女性は40代以降になると徐々に皮脂が減ってきます。年齢による皮脂分泌の変化は、男性ホルモンだけではなく女性ホルモンの変化による影響もあります。

◯過剰な洗顔
洗浄力の強い洗顔料を使っていたり、一日に何回も洗顔したりしていると、必要な皮脂が洗い流されてしまい、肌の防御作用により皮脂分泌が活発になることがあります。

◯洗顔後のスキンケアが不適切
洗顔後は肌のうるおいを守る皮脂が洗い流されてしまい、肌の水分が蒸発しやすくなります。そのため洗顔後は保湿することが必要ですが、ケアを怠ると肌の防御作用により皮脂分泌がより活発になります。

◯食生活の乱れ
栄養不足は肌の状態を悪くし肌の乾燥を招くため、皮脂分泌が活発になります。

オイリー肌は保湿しない?

皮脂分泌が多いオイリー肌だと、保湿はいらないのではないかと思う人は多いかもしれません。しかしオイリー肌の原因で述べたように、肌のうるおいを守るために皮脂分泌が活発になることもあるので、肌はきちんと保湿する必要があります。

インナードライ肌(乾燥性脂性肌)という肌質は、外から見るとオイリー肌のようですが、オイリーなのは肌表面だけで、肌は水分不足ということもあるのです。この場合は特に、丁寧に保湿することが大切です。

肌の水分が奪われると、身体の防御反応として皮脂分泌が活発になるので、洗顔後は特にすみやかに保湿することがオイリー肌を改善するコツともいえるでしょう。

オイリー肌の改善方法4個[洗顔・スキンケア]

それでは具体的に、オイリー肌の洗顔・スキンケアのステップにおける改善方法について説明します。

1. 自分の肌に適した洗顔料を使う

洗顔料には洗浄力の強いものから弱いものまであります。さっぱりした洗い上がりを好むのであれば、石けんベースの洗浄力が強いタイプがおすすめです。

洗浄力は配合している洗浄剤により様々で、石けんベースでもアミノ酸系界面活性剤や非イオン(ノニオン)界面活性剤を混ぜた洗顔料もあり、少しマイルドな仕上がりに調整されています。

インナードライ肌の場合は、少し洗浄力を落としたほうが良いので、肌の状態と洗い上がりの好みで決めても良いと思います。サンプルがあれば、購入前に試せるので安心です。

2. 洗顔後は速やかに化粧水で保湿する

洗顔後は肌表面の皮脂や肌の保湿成分が洗い流されているので、肌の水分が蒸発しやすい状態になっています。このまま何もしないでいると肌はどんどん乾燥し、後から保湿しようとしても肌は思うようにうるおいを取り戻すことができません。

洗顔後、早く化粧水で保湿するかはかなり重要なのです。インナードライ肌だけではなく、オイリー肌であっても同じです。

洗顔後は直ちに化粧水で保湿するようにしましょう。使う化粧水はお好みのもので構いませんが、指で肌に触れながら隅々まで丁寧に塗り、保湿感が足りない部分には重ねづけするなどして、しっかり保湿することが肝心です。

3. 化粧水で保湿した後は乳液で肌を保護する

化粧水をつけただけの肌で放置していると、やはり肌の水分が蒸発してしまいます。化粧水は肌にうるおいを与えますが、油が配合されていないので肌の水分蒸発を防ぐことができないからです。

オイリー肌の人であっても、すぐに肌表面が皮脂で覆われるわけではありません。皮脂が肌表面を保護できるようになるまでの時間、乾燥を防ぐために油分を含む乳液で肌を保護する必要があります。

後になると皮脂でべたつくからと言って、ごく少量しか塗らないでいると、肌は乾燥してしまいます。肌が乾燥していると、肌を守ろうとして皮脂分泌が活発になってしまいます。油分を恐れず、適量をしっかり肌に塗りましょう。そうすることで、過剰な皮脂分泌を誘発する要因を一つ減らすことができます。

4. クリームは肌の状態に適したものを使う

夜のスキンケアにクリームを使うことをおすすめします。特に空気が乾燥している冬は寝ている間に肌の水分が奪われないよう、乳液よりも油分の多いクリームを使うと安心です。

クリームも使用量が少なすぎると効果が発揮できないので、思い切って適量をしっかり使いましょう。

オイリー肌の改善方法3個[メイク]

次にメイクの段階で、オイリー肌を改善する方法について説明します。

1. 下地の前後に余分な皮脂や油をティッシュオフ

皮脂が過剰に分泌されると、メイクの崩れが気になります。メイクを長持ちさせるためには、メイク時にできるだけ余分な皮脂を取り除いておくようにしましょう。

方法はスキンケアで肌を整えた後、下地を使う前と使った後に、ティッシュで軽く肌を押さえて余分な皮脂と、乳液や下地の余分な油を取り除きます。

こうすることで次に塗るメイクと下地が密着するので、メイクの崩れが緩和されます。

2. ファンデーションは肌の状態をよく見て選ぶ

ファンデーションはパウダータイプ、リキッドタイプ、クリームタイプがありますが、オイリー肌の人におすすめなのは、パウダータイプまたはリキッドタイプです。

パウダータイプは油分が少ないので、さらっとした仕上がりになります。リキッドタイプは油分を含みますがクリームタイプよりも油分が少なく、代わりに保湿成分が配合されています。パウダータイプにも、多少保湿作用を持たせることは可能ですが、リキッドタイプの方が保湿効果は高いです。

インナードライ肌にはリキッドタイプがおすすめです。オイリー肌でも、保湿成分が入ることにより肌が落ち着いて皮脂の分泌がある程度抑えられることもあるので、試してみる価値はあります。仕上げにパウダーを使えば、粒子が皮脂を吸ってくれるので皮脂が目立ちにくくなります。

オイリー肌の人でニキビができて肌が敏感になっているときには、ミネラルファンデーションがおすすめです。

ミネラルファンデーションとは天然の鉱物(ミネラル)で作られたファンデーションのことを指し、パウダーファンデーションに比べると使われている原料が少なく、その分肌への刺激も少ないと考えられています。

3. 皮脂をあぶらとりがみでこまめに取る

メイクしてから時間が経つと、皮脂が浮き出てきます。皮脂は化粧品と馴染むので、化粧崩れの原因となるのです。

時間の経過とともに浮き出てきた皮脂は、こまめにあぶらとりがみで吸い取るとメイクが長持ちします。メイクが落ちていると感じた部分だけ、皮脂を取り除いた後にパウダーを使えば、手早い化粧直しにもなります。

オイリー肌の改善方法3個[食べ物]

化粧品以外でできるオイリー肌の改善方法の中から、食べ物に関することを紹介します。

1. 油は飽和脂肪酸・トランス脂肪酸よりオメガ3を意識して摂る

油っこい物を食べ過ぎると皮脂分泌が活発になり、ニキビができるという説もありますが、因果関係は明らかになっていないのが現状のようです。脂質は悪ではなく、身体に必要な栄養素ですが摂りすぎるのは身体に良くありません。

特に飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の摂りすぎは健康を害する可能性があることが明らかになっていますので、気を付けると良いでしょう。

飽和脂肪酸やトランス脂肪酸が多く含まれる食品は、洋菓子・スナック菓子・揚げ物などです。脂質の中ではオメガ3が身体に良いと言われており、青魚・エゴマ油・クルミ・アボカドなどに多く含まれています。

2. 野菜を多く取り入れる食生活にシフトする

お肉中心の食生活から、野菜中心の食生活へシフトすることにより、ビタミン類を不足なく摂取することができれば、肌の再生も滞ることなく健やかな肌を保てるため、ニキビなどのトラブルも起こりにくくなります。

肌のコンディションが良くなるということは、肌自信がうるおいを作り出すことができるようになっているので、皮脂分泌も正常化するでしょう。

野菜中心の食生活で体調が良くなれば、身体を動かすことへの苦痛や抵抗も減ります。ストレスも軽減されれば過剰な皮脂分泌が落ち着くこともあります。

3. 外食を控える

外食の頻度が高いと、ビタミン不足になりがちです。ビタミンB群は皮脂分泌を抑える働きがあると言われているので、外食が多くなると皮脂分泌が増えることがあります。

また外食は栄養バランスが崩れがちになり肌荒れの原因にもなります。肌が荒れると肌が乾燥するので、皮脂分泌が活発化します。

オイリー肌の改善方法3個[生活習慣]

化粧品以外でできるオイリー肌の改善方法の中から、生活習慣に関することを紹介します。

1. 規則正しい生活を心がける

睡眠不足など不規則な生活は、ホルモンバランスを崩す原因になります。皮脂分泌量はホルモン量によって変わるので、生活リズムを一定に保つことは大切です。休日も就寝と起床時間はいつもと同じが理想的です。

2. ストレス解消法を見つける

ストレスとホルモンバランスは深く関わっています。強いストレスを感じると、ホルモンバランスが崩れて身体の不調が現れます。ホルモンバランスの変化によって、皮脂分泌量も変化します。

皮脂が減って肌が乾燥したり、皮脂が増えてベタついたり、皮脂分泌量が不安定になるのはこのためです。ストレスを解消する方法を一つか二つは持ち、ストレスを溜めすぎないようにしましょう。

3. 日常的に運動をする習慣を作る

運動はストレス解消にもなりますし、運動で汗を流すと代謝が良くなり肌の調子も良くなります。運動により血行が良くなると肌がうるおう結果、乾燥を防ぐために皮脂分泌が活発になっている場合には、皮脂分泌量は正常化するでしょう。

また適度な運動は、夜に心地よい眠りにつくためにも必要です。運動で汗をかくことにより肌表面の皮脂もある程度汗と共に流されるので、べたつきもいくらか解消されます。

まとめ:肌がうるおえば過剰な皮脂分泌は抑えられる

皮脂の量が多いとニキビなどの肌トラブルのリスクが高くなり、化粧水や乳液を使うこと自体が悪いのではないかと思うかもしれません。

しかし皮脂がたくさん分泌されるのは、肌を守るためであることを忘れないことです。肌の水分が不足していると、これ以上水分を失わないために皮脂分泌が活発化するのです。

それを避けるためには、洗顔後に必ず化粧水や乳液などで肌をしっかり保湿することが必要です。保湿する際には、少な目の量ではなく隅々まで保湿できるよう適量を丁寧に塗布するようにしましょう。

ノンコメドジェニック化粧品というものがありますが、これはニキビでも使えることを100%保証したものではありません。化粧水や乳液がニキビを悪化させるような場合には、皮膚科を受診するようにしましょう。