監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

角質ケア美容液に毛穴吸引、洗顔方法の見直し。いろいろな対策を行ったにも関わらず改善できない黒ずみは、メラニン毛穴が原因かもしれません。

この記事では、メラニン毛穴の特徴と見分け方、改善ケアを紹介します。黒ずみ毛穴とメラニン毛穴の違いや原因に応じた正しい対処法を知り、白くて美しい肌を実現しましょう。

メラニン毛穴とは?

メラニン毛穴とは、毛穴の周りの皮膚にメラニン色素が滞留し、色素沈着を起こした毛穴のことを言います。健やかな肌では、メラニンが生成されてもターンオーバーによって排出され、色素沈着が起こりません。

この後に紹介する様々な原因からメラニンの生成が排出スピードを上回り、毛穴の側面に滞留すると、メラニン毛穴ができてしまいます。

より簡易的な表現を使用すると「毛穴のシミ」がメラニン毛穴ということです。シミといってもいろいろな種類があるのですが、頬など顔の中で日焼けしやすい部位にできる「老人性色素斑」と同様の現象を起こした毛穴が「メラニン毛穴」に該当します。

メラニン毛穴の特徴・見分け方

メラニン毛穴は、開いた毛穴の周囲の皮膚もしくは内部に黒ずみが生じます。黒ずみの色は、一般的なポツポツ汚れと比較して茶褐色に近いことも多く、純粋なる「黒」とは限りません。

形状の特徴として、毛穴の内部だけにメラニン色素が滞留し、リング状の色素沈着を起こしてしまうこともあります。ドーナツのように中心部分が開いた黒ずみを見つけた場合は、メラニン毛穴を疑いましょう。

また、メラニン毛穴は、一般的な黒ずみ毛穴で見られるような毛穴の詰まり・角栓を伴わないケースも多くあります。メラニン毛穴と黒ずみ毛穴はメカニズムが異なることを理解し、正しい対策を行いましょう。

メラニン毛穴と黒ずみ毛穴の違い

ここでは、メラニン毛穴と黒ずみ毛穴の生成メカニズムの違いをもう少し詳しく紹介します。

メラニン毛穴先に紹介したように、メラニン色素の滞留から黒ずみを生じるトラブル。黒ずみの前段階として角栓を生じる場合ばかりではないため、汚れを取り除くお手入れでは、改善が見られません。
黒ずみ毛穴過剰な皮脂や古い角質、メイク汚れが毛穴に詰まり、蓄積すると、白い塊(角栓)になってしまいます。肌表面に近い部分が空気に触れて酸化すると、黒い色に変化。いわゆる「いちご鼻」のように、皮脂分泌の多い部分を中心とした黒ずみが増加し、ざらつきやメイクのヨレを招きます。

上の表を見ると分かるように、トラブルの発生メカニズムレベルから、大きな違いが存在します。この点を理解して対応を行わなければ、黒ずみの解消を目指すことは困難です。

メラニン毛穴になる原因3個

では、メラニン色素の滞留は、どのような原因によって起こるのでしょうか。メラニン毛穴を招く原因として、以下3個の要素を把握しましょう。

1. 紫外線ダメージの蓄積

まず、紫外線ダメージの蓄積です。紫外線を浴びた肌は過剰なメラニンを生成し、色素沈着を招きます。一般的なシミの原因の大半は紫外線と言われるほど、日焼けによる影響は多大なもの。長年紫外線を浴びた肌には大量のメラニン色素が滞留し、肌表面や毛穴の壁に沈着します。

また、紫外線ダメージは、肌の再生能力を衰えさせ、光老化を招くとも言われます。若い頃は問題なかった紫外線の浴び方でも、ダメージを受けやすくなった肌にとっては負担が大きいことがあるためご注意下さい。日常的な紫外線対策を徹底し、メラニン色素の生成・蓄積を予防しましょう。

2. ターンオーバー周期の乱れ

不安定な生活リズムや偏った食生活、ストレスなどからターンオーバー周期の乱れが起こると、メラニン色素の排出が進みません。生成されたメラニン色素がいつまでも滞留し、メラニン毛穴ができるのです。

反対にターンオーバー周期が早すぎると、潤いを維持するために必要なバリア機能が育たず、刺激に対する抵抗力が衰えます。すると、紫外線ダメージを受けやすい状態に傾くことから、早すぎる周期もやはり問題。この状態の肌では、過剰な皮脂も出やすくなるため、黒ずみ毛穴・メラニン毛穴を併発するリスクがあります。

3. 摩擦刺激の蓄積

メラニン色素は、誤ったお手入れやスキンケアの刺激によっても生成されます。毛穴の黒ずみを気にして自己流のお手入れを続けた人は摩擦刺激の蓄積によるメラニン毛穴を生じやすいため、誤ったアプローチを卒業しましょう。

合わせて、日常的な洗顔やクレンジング、メイクを行う時の摩擦刺激を軽減する対策が求められます。正しい洗顔・クレンジング手順を今一度見直し、総合的な改善策を投じましょう。

メラニン毛穴に効く改善ケア対策7個

メラニン毛穴の改善を目指すためには、蓄積したメラニン色素の排出と十分な紫外線対策、摩擦刺激の軽減を行うことが大切です。以下では、具体的な対策7個を紹介しますので、できることから少しずつ実践しましょう。

1. 酵素洗顔や炭酸パックを行う

蓄積したメラニン色素の排出を促すためには、酵素洗顔や炭酸パックを活用できます。酵素洗顔がメラニン毛穴の改善を助ける理由は、古い角質・皮脂汚れなどを取り除き、ターンオーバーを促すためです。ターンオーバーが促されるとメラニン色素の排出がスムーズに進むため、黒ずみの解消を後押しします。

◎酵素洗顔のやり方

【1】付属のネットを使用し、洗顔料を泡立てます。
【2】メラニン毛穴の目立つ部分に泡を乗せ、30秒から1分程度パックします。
【3】ぬるま湯ですすぎ、保湿ケアを行いましょう。

メラニン毛穴の目立つ部分だけではなく、顔全体に使用する方法でも大丈夫。顔全体をお手入れすると、くすみが一気に解消され、明るく見せる働きが期待されます。

酵素洗顔に苦手意識を持つ人は、炭酸パックに挑戦しましょう。炭酸パックとは、炭酸泡を含むマスクやジェルでパックを行うアイテムです。炭酸泡の刺激が血行を促進し、メラニン色素の排出を後押しするため、酵素洗顔同様のアプローチが可能です。

◎炭酸パック(ジェルタイプ)のやり方

【1】粉とジェルを混ぜ合わせ、パックの素材を作ります。
【2】顔全体もしくはメラニン毛穴の気になる部分に塗り、指定の時間だけ待ちましょう。
【3】ぬるま湯ですすぎ、パックを洗い流します。

酵素洗顔も炭酸パックも、頻繁なお手入れは禁物です。一般的な使用頻度は週1回から2回。メーカー指定の頻度を守り、長期的なアプローチを行いましょう。

2. ビタミンC誘導体配合の化粧水を活用する

メラニン毛穴が「毛穴のシミ」であることは先に紹介した通りです。そのため、美白成分を含む基礎化粧品でお手入れし、対処することができます。

蓄積したメラニン色素に対応できる美白成分の代表格はビタミンC誘導体。ターンオーバーを促すことで、メラニン色素の排出を助けてくれる成分です。

◎メラニン毛穴改善を助ける化粧水の付け方

【1】商品指定量の化粧水を手もしくはコットンに取ります。
【2】手で付ける場合は両手で挟み込むように適温に温め、顔全体を包み込むようになじませます。コットンを使う場合は小指と人差し指で挟み込むように持ち、優しく押し付けるように付けて下さい。

より積極的なお手入れを行うためには、コットンパックがおすすめです。化粧水をたっぷり浸したコットンをメラニン毛穴の目立つ部分に密着させ、30秒から1分程度パックしましょう。

ビタミンC誘導体は毛穴の引き締めを助ける成分でもあるため、加齢によるたるみ毛穴の解消にも貢献。定期的に行うことで、毛穴の黒ずみ・たるみ・開きの解消を助け、スベスベの手触りを実現できます。

3. 帰宅後すぐにクレンジング・洗顔を行う

毛穴をきれいに保つことは、メラニン毛穴対策にも有効です。きれいな毛穴を維持することで肌の状態を理想的に保ち、メラニン色素の排出を行いやすい環境に整えます。そのために実践したい対策は、帰宅後すぐにクレンジングと洗顔を行うこと。

クレンジングや洗顔を行う際のポイントは、以下3点です。

【1】強くこすらず、優しく汚れを落とすこと
摩擦刺激はメラニン色素の生成を促すため、肌をいたわる洗い方が適切です。メラニン毛穴の気になる部分はとくに優しく、丁寧なスキンケアを行いましょう。

【2】肌に優しいクレンジング・洗顔料を使うこと
刺激成分の含まれるクレンジングや洗顔料は、肌に大きな負担をかけ、ターンオーバー周期に影響を与えるリスクがあります。クレンジングを選ぶ際には、メイクの濃さに応じた使い分けも検討しましょう。

【3】ぬるめのお湯でよくすすぐこと
クレンジングや洗顔料が肌の上に残ってしまうと、毛穴の詰まりを招いてしまうリスクがあります。熱すぎるお湯ですすぐことは、肌の乾燥を招く原因。32℃程度のぬるめのお湯を使用し、乾燥トラブルを予防しましょう。

4. 日焼け止めを毎日塗る

どれほど熱心に改善ケアを行っても、新しいメラニン色素が次々に生成されるようでは、イタチごっこになってしまいます。適切な強さの日焼け止めを毎日塗り、紫外線ダメージを防ぎましょう。日焼け止めの塗り方のポイントは、以下2点です。

【1】手のひらで顔全体になじませる
日焼け止めをムラなくきれいに伸ばすためには、基礎化粧品のクリームと同様の塗り方をおすすめします。適量の日焼け止めを手のひらに出し、挟み込むように伸ばした後、顔全体になじませて下さい。

【2】鼻や頬に重ね塗りする
顔全体をムラなく仕上げた後、重点的な対策が必要な部位に対して、重ね塗りを行います。具体的には、メラニン毛穴の目立つ鼻、日焼けしやすい頬などに重ね塗りを行いましょう。

5. 美白美容液・クリームを活用する

メラニン毛穴改善を助ける基礎化粧品は、ビタミンC誘導体配合の化粧水だけではありません。美白成分配合の美容液・クリームを導入し、積極的な対策を行う方法も選択肢です。

美白美容液やクリームを選ぶ際には、配合成分に注目しましょう。以下の表は、メラニン毛穴の予防・改善をサポートできる美白成分の代表格と働きを示すもの。パッケージの記載や配合成分を確認し、お悩み解消を助けるものを選択しましょう。

アルブチン別名「ハイドロキノン誘導体」とも呼ばれ、美白美容液・クリームによく採用される成分。メラニン生成に関わる酵素「チロシナーゼ」の働きを阻害し、色素沈着を予防します。
トラキネサム酸肝斑の治療にも採用されるほど信頼度の高い成分。メラニン生成を初期段階でブロックし、色素沈着を予防します。
ルシノールチロシン・チロシナーゼの合成を防ぎ、メラニン生成をブロックします。ビタミンC誘導体と相乗作用を発揮する成分であるため、ビタミンローションとの合わせ技による対策もおすすめです。

厚生労働省の認める美白成分は、上記の表の成分以外にも、数多く存在します。美容液やクリームの商品説明に「美白有効成分」といった記載が見られるものは、メラニン毛穴対策に使うことができますよ。

6. 十分な保湿を怠らない

美白成分の中には、肌に対する刺激が強く、乾燥リスクを伴うものも存在します。メラニン色素の排出・生成抑制対策を行うと同時に十分な保湿を徹底し、健やかな肌を維持しましょう。

近年の研究では、肌の乾燥がシミ悪化因子を発生させ、色素沈着の悪化リスクを高めることも分かってきました。保湿化粧水×美白美容液の合わせ使い、保湿成分・美白成分の両方を含む基礎化粧品の活用など、乾燥対策・美白対策を並行して進めることが大切です。

7. 美容皮膚科で治療する

セルフケアで対処できないメラニン毛穴は、美容皮膚科に相談し、専門的な治療を行うことも選択肢です。美容皮膚科に相談するメリットは、トラブルの状態に応じたオーダーメイド型の提案を受けられること。カウンセリングによって毛穴の状態をチェックした上で適切な対処を判断し、治療を進めることになるため、効率的なお手入れを実現できます。

美容外科で行うメラニン毛穴治療の代表メニューは、次のものです。

ケミカルピーリング肌表面の角質層を薄く剥離し、ターンオーバーを促す治療。市販のピーリングより強力な薬剤を使用することが多く、肌の状態に応じた薬剤のカスタマイズもなされます。
外用(ハイドロキノン・トレチノイン)治療強力な美白作用が期待されるハイドロキノン、ターンオーバー促進作用を持つトレチノインといった外用薬を使用し、色素沈着の解消を狙います。これらの外用薬の使用中は紫外線ダメージを受けやすいため、いつも以上に徹底した日焼け対策を行いましょう。
レーザー治療メラニン色素を破壊するレーザー機器やターンオーバーを促進するレーザー機器を使用し、毛穴トラブルの改善を目指します。
イオン導入ビタミンCやビタミンCE誘導体を肌の奥深くまで浸透させる治療です。導入材の種類を変えることで、様々な症状のトラブルに対処できます。

まとめ

この記事では、特徴や原因、改善ケアなど、メラニン毛穴対策の基礎知識を紹介しました。毛穴対策だけではなく、顔全体のシミ予防・解消にも役立つ対策ばかりですから、エイジングケアの一貫として導入を検討しましょう。

白くて美しい肌は、いつの時代も女性の憧れ。年齢を感じさせない理想の肌を作るため、前向きな対処をおすすめします。