
「鼻の大きな角栓が取れない」「無数の角栓が顔を出し、ひどく気になる」など、世の女性を悩ませる毛穴トラブル。良くないことは分かっていても毛穴パックや押し出すケアを卒業できず、トラブルを繰り返す人も多いのではないでしょうか。
角栓の原因と正しい取り方を今一度おさらいし、汚れを溜めないきれいな毛穴を目指しましょう。
鼻の角栓が取れない…汚くてやばい…
そもそも角栓とは、過剰な皮脂や古い角質、メイク汚れが混ざり合い、毛穴に詰まったものを指します。最初は小さな塊に過ぎなかったものでも、長い月日を経る中で雪だるま式に膨らむと、ひどく目立ってしまうのです。
「巨大角栓」と呼ばれるくらいの大きさに育ったものは、毛穴を大きく開かせることも悩みの種。毛穴を引き締めるケアアイテムや洗顔料、専用グッズなど、あらゆるものに手を出して、収拾のつかない状況に陥る人も多くいます。
また、角栓トラブルは、あらゆる年代の女性の共通の悩み。季節の変わり目やストレスを感じた時、忙しい時期など一定のタイミングで毛穴の汚れが悪化し、不安を感じることがあります。
ここまで深く私たちを悩ませる鼻の角栓。どのようなことが原因で起こるかを知っていますか。原因を正しく把握することがトラブル解消の第一歩。次の項で紹介する内容にひと通り目を通し、毛穴トラブルや角栓の原因を突き止めましょう。
鼻の角栓の原因3個
角栓が過剰な皮脂や古い角質、メイク汚れの蓄積などから生まれることは、先に述べた通りです。皮脂や古い角質、メイク汚れが毛穴に詰まる原因として、以下3個の問題が考えられます。
1. ターンオーバー周期の乱れ
まず、ターンオーバー周期の乱れです。ターンオーバーとは、古い角質が剥がれ落ち、新しいものへ生まれ変わることを言います。
肌奥深くで作られた細胞が表面近くに押し出され、古いものと入れ替わるといったサイクルを繰り返し、健やかな状態を維持することが通常です。睡眠不足や身体の冷え、過剰なストレス、肌の乾燥などにより、このサイクルが乱れると、本当ならば剥がれるはずの角質が滞留します。
それでも下から新しい肌細胞が生まれ、積み重なっていくことにより、表面を覆う部分の厚くなった状態が角質肥厚。角質肥厚を起こした肌は角栓が目立つと共にごわつき、ざらつきなどを生じ、スベスベの状態から遠のきます。
2. 肌の乾燥
過剰な皮脂の根本的な原因の1つは、肌の潤い不足です。ターンオーバー周期の乱れた肌はバリア機能が低下するため、十分な潤いを保持できず、乾燥を感じることが多くあります。
乾燥を感じた肌は「油分が足りない」と判断し、皮脂腺の活動を活発化。必要以上に分泌された皮脂が毛穴に詰まり、角栓を悪化させます。
3. 誤ったスキンケア
日焼け止めやコントロールカラー、ファンデーションの油性成分は、一般的な洗顔料で落ちません。夜遅くに帰宅した日やメイク落としを行う前に寝入ってしまった日が続くと、角栓を悪化させます。
皮脂や古い角質の詰まった毛穴にメイク汚れが加わると、余計に不衛生な状態へと傾くため、アクネ菌の温床になりがち。大人ニキビが一気に増加し、ブツブツの肌になってしまうリスクがあります。
毎日きちんとクレンジング・洗顔しているつもりでも、細かい部分に汚れが溜まり、角栓や大人ニキビを繰り返す人は多いもの。正しいクレンジングや洗顔手順を見直し、まっさらな肌に戻してから就寝しましょう。
鼻の角栓を押し出すのは危険?
鼻の角栓を押し出す行為は、非常に危険なお手入れです。毛穴周囲の肌に負担をかけて、炎症や色素沈着を招いてしまうリスクがあります。
また、角栓を押し出すためには、毛穴を大きく広げて、通り道を作らなくてはなりません。このことから開きやたるみが悪化し、余計に汚れを溜め込んでしまうリスクもあります。
そもそも角栓の目立つ肌は、ターンオーバー周期の乱れや乾燥により、デリケートな状態へと傾きます。その上、さらに負担の大きいお手入れを重ねては、肌トラブルを悪化させる一方。正しい角栓の取り方に従い、できる限り負担をかけないお手入れへと切り替えましょう。
鼻の角栓を取る正しい方法5個
では、できる限り負担をかけないお手入れとは、どのような方法を指すのでしょうか。角栓の重症度に応じた正しいお手入れ方法5個を紹介しますので、ケア方針の判断基準に活用下さい。
1. 【軽度の角栓】角質ケア洗顔料で泡パックする
角栓が黒ずむ前の初期トラブルには、角質ケア洗顔料を活用しましょう。角質ケア洗顔料とは、酵素やクレイ、ピーリング成分などを含み、古い角質を取り去ることのできる洗顔料のことを言います。
一般的な洗顔料は、タンパク質を含む汚れを落とす力を持たないため、角質を取り去ることができません。この機能を補った特別な洗顔料が角質ケア洗顔料。角質ケア洗顔料による泡パックで、毛穴の汚れを一掃しましょう。
◎泡パックのやり方
【1】角質ケア洗顔料を十分に泡立て、濃密な泡のパックを作ります。
【2】角栓の気になる部分に泡を乗せ、1分から2分程度パックします。
【3】ぬるま湯ですすぎ、十分に保湿しましょう。
このお手入れのポイントは、洗顔料の力で毛穴をほぐし、自然な排出を促すことです。押し出すお手入れのように無理矢理通り道を作るわけではないため、肌の負担を軽減できます。選択する洗顔料は、肌との相性により選択すれば大丈夫。角質ケア洗顔料の中には刺激の強いものもあるため、肌質に合う商品を活用しましょう。
2. 【軽度の角栓】蒸しタオルでパックする
角質ケア洗顔料に苦手意識を持つ人には、蒸しタオルによるお手入れをおすすめします。普段通りのクレンジング・洗顔後に蒸しタオルでパックを行い、角栓をふやかしてから落とすことで、ざらつきや毛穴の汚れを一掃できます。
◎蒸しタオルパックのやり方
【1】45℃くらいのお湯にタオルを浸し、水分が垂れない程度に絞ります。
【2】2分から3分程度パックを行い、毛穴を大きく開かせます。
【3】パックを外して洗顔を行い、十分に保湿します。
蒸しタオルパックを行うタイミングは、汚れをきちんと落とした後です。クレンジング・洗顔前に行うと、メイク汚れやほこりなどを毛穴内部に押し込んでしまうリスクがあるため、正しいタイミングを守って下さい。
このお手入れのメリットは、蒸しタオルの蒸気によって肌の代謝を促進し、ターンオーバー周期の正常化を助ける点です。肌の代謝が促進されると角栓の排出がスムーズに進み、毛穴トラブルの解消を後押しできます。
3. 【中程度・黒ずみを伴う角栓】綿棒と美容オイルで絡めとる
巨大化した角栓が毛穴に詰まり、空気に触れて酸化したいちご鼻。何層にも重なった角栓が毛穴の壁にこびりつくことも多く、簡単には落ちません。このレベルの角栓を取るためには、綿棒と美容オイルで絡めとる方法を検討できます。以下の手順でお手入れを行い、気になる汚れを取り除きましょう。
【1】綿棒の先端をオイルに浸す
ベビーオイルやホホバオイル、オリーブオイルなど任意のオイルを小皿に出し、綿棒の先端を浸します。付ける量が少ないとうまく機能しないため、ひたひたになる位、十分なオイルを付けて下さい。
【2】角栓を絡めとる
綿棒を横向きに持ち、オイルに浸した部分を鼻に付け、転がすようにマッサージします。強くこすることは避け、皮脂やメイク汚れを溶かし出すイメージで、優しくマッサージを続けましょう。
【3】洗顔する
表面に残ったオイルをティッシュで拭き取り、通常通りの洗顔を行います。オイルが付いたまま放置すると新しい角栓の材料を与えることになるため、ご注意下さい。洗顔後は十分な保湿と引き締めケアを行い、肌の状態を整えます。
4. 【中程度・黒ずみを伴う角栓】クレイパックで集中ケアする
クレイパックとは、パウダー状やペースト状の天然クレイ(泥)を使用し、パックを行う方法です。粘着シートタイプの毛穴パックのように角栓を無理矢理剥がすわけではなく、クレイによって吸着・除去する商品であるため、肌の負担を軽減できます。
使用するクレイの種類によって期待される働きが異なるため、肌の状態に応じた使い分けも可能です。代表的なクレイの種類と期待される働きは、次の表を参照下さい。
ガスール | 天然ミネラルを豊富に含み、吸着力の強いクレイ。石鹸やシャンプー、ヘッドスパにも活用されるメジャーな種類に該当します。 |
モンモリオナイト | ガスールと比較し、マイルドな吸着力を特徴とするクレイ。保湿力の高い種類に該当するため、乾燥による大人ニキビの気になる人にもおすすめです。 |
カオリン | ベビーパウダーに活用されるほど優しい質感のクレイ。角栓を除去する力もマイルドですが、クレイパックを初めて行う人が挑戦しやすい種類と言えます。 |
レッドクレイ | 鉄分を多く含み、血行促進作用が高い種類。中程度の洗浄力・保湿力を持ち、フェイスパックに活用されることも多いクレイです。 |
いずれの種類のクレイを使用しても、パックの手順は同様です。パウダー状のクレイに水を足し、ペースト状にしたものを鼻の上にパックします。そのまま5分から10分程度放置し、クレイが乾ききる前に流して下さい。
5. 【重度の角栓】美容皮膚科の処置を受ける
どのような対処を行ってもなお取れない角栓は、美容皮膚科に相談しましょう。美容皮膚科で検討される施術の代表格は、次の表の通りです。
角栓除去 | 角栓を柔らかくほぐす薬剤やスチーマーを使用した後、専用マシンで吸引を行い、毛穴の詰まりの解消を目指す施術。1回で目に見える変化を感じることも多いものの持続力は低く、他の施術と並行して行うことが一般的です。 |
イオン導入 | ビタミンCやトラネキサム酸など毛穴の引き締めに役立つ美容成分を効率的に入れ込み、肌質改善を目指す施術。過剰な皮脂をコントロールし、角栓のできにくい肌へ導く働きも期待されます。 |
ケミカルピーリング | 古い角質や皮脂汚れを溶かし出す薬剤を肌に塗り、ターンオーバーを促進することで角栓の解消を助ける施術。肌の状態に応じた薬剤をプロの目で判断することから、セルフケアより安心です。 |
鼻の角栓を取るNG方法5個
無理矢理剥がす・強い刺激を与えて取るといったお手入れは、角栓を悪化させるリスクがあります。以下5個のお手入れは、よくある間違いパターンですから、今すぐにでも卒業しましょう。
1. ピンセットでつまみ取る
引き抜く際に周囲の皮膚を傷つけて、炎症を起こすリスクがあります。炎症が大人ニキビを悪化させ、クレーター状の凹凸ができてしまうと、なかなか元に戻りません。
医療用のピンセットを使用したとしても、完璧なリスクヘッジは不可能です。毛抜きを使用したお手入れにも同様のリスクがあるため、安易な使用は避けましょう。
2. 粘着シートタイプの毛穴パックを使用する
粘着シートタイプの毛穴パックも肌に対する負担が重いお手入れの1つ。お手入れの後に毛穴が大きく開いてしまい、汚れを溜め込むリスクを伴うためです。ピンセットや毛抜きを使用する時と同じように毛穴の周りの皮膚を傷つけ、炎症を招くリスクもあります。
パックによるお手入れを行うとしたら、正しい方法のところで紹介した泡パック・クレイパックが正解です。無理矢理剥がしとるパックではなく、肌に負担をかけにくい選択肢へと切り替えましょう。
3. スクラブ洗顔や専用ブラシでゴシゴシ洗う
スクラブ洗顔や専用ブラシも、やり方を間違えてしまうと、周囲の肌を傷つけます。すると、ターンオーバー周期の乱れや乾燥トラブルを悪化させ、バリア機能の低下を招くリスクがあるため、推奨できないお手入れです。
専用グッズを使用せず、単にゴシゴシ洗うことも、もちろんNG。よく泡立てた洗顔料を使用し、摩擦刺激を軽減しながら洗顔する方法への切り替えをおすすめします。
4. 酵素洗顔やピーリングを毎日行う
酵素洗顔やピーリングを行うこと自体が悪いのではなく、頻繁なお手入れが問題です。一般的な酵素洗顔料やピーリング剤は、週に1回から2回といった集中ケアに使うように作られることが通常。頻繁に使用すると、健康な肌が育つ時間がなくなるため、角栓の目立たない状態への生まれ変わりを阻害します。
ケア商品の適切な使用頻度はメーカーによって異なることから、お手入れ前に確認しましょう。使用中に分からないことが生じた際には、問い合わせ窓口に相談し、正しい使い方を守りましょう。
5. コメドプッシャーや専用キットを使用する
コメドプッシャーや専用キットも、押し出す方法同様のリスクを持ちます。エステティシャンや医療機関のスタッフがお手入れを担当するならまだしも、何も知識を持たない人が角栓だけを取り除くことは至難の技。セルフケアで対処できない角栓は専門家に相談し、安全な方法でケアすることをおすすめします。
まとめ
毛穴の汚れを原因とする角栓の正しい取り方、避けたい取り方を紹介しました。紹介した方法を参考に、毛穴の開き・角栓の目立たないきれいな鼻を目指しましょう。
なお、角栓ケアの最新理論として「角栓は皮脂や古い角質の塊ではなく、うぶ毛の根元(内毛根鞘)のタンパク質である」といった説も存在します。紹介した方法で目に見えた変化を感じない人は、最新理論に基づいて開発された基礎化粧品を活用しても良いでしょう。