監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

当たり前のように毎日行っているスキンケア。正しい順番や方法を守っていると、自信を持って言い切れますか。間違ったケアは、乾燥やシミ、たるみをまねき、年齢肌を悪化させる原因です。

ここでは、肌の悩みを抱える女性に今一度見直してほしいスキンケアの基礎知識を分かりやすく解説します。

スキンケアとは?

スキンケアとは、肌のお手入れ全般を指す単語です。私たちの肌はもともと、乾燥や紫外線に負けないように、自分自身を保護してくれる「バリア機能」を持っています。

角層細胞にはうるおいを保持する「天然保湿因子(NMF)」があって、角層細胞同士の隙間を埋めているのが「細胞間脂質(セラミド)」です。外と接する部分には、防御層の「皮脂膜」が形成されます。

天然保湿因子・細胞間脂質・皮脂膜がしっかりと機能してくれる肌なら、お手入れは不要です。この状態に近づけるために、日々のスキンケアを行います。

基本的なスキンケアアイテムと役割

基本的なスキンケアアイテムは、クレンジング・洗顔・化粧水・美容液・乳液またはクリームと5種類あります。アイテムごとの役割をおさらいしておきましょう。

①クレンジング

メイクや日焼け止めなど油溶性の汚れを落とすアイテムです。メイク汚れが残ってしまうと、肌荒れやくすみ、詰まり毛穴といったトラブルが起こります。ただし、クレンジング力が強いアイテムほど望ましいわけではありません。クレンジング力が高いほど肌の負担になりやすく、メイクの濃さに応じた使い分けが推奨されます。

②洗顔

石鹸や洗顔フォームを使って、空気中のほこりや汗、皮脂汚れを落とします。肌の汚れが残ってしまうと、角質層が厚くなったり、ターンオーバーリズムが乱れて老け込んだ顔に見えたり。デメリットがたくさんあります。メイクしない日でも空気中の汚れが顔につくため、洗顔ケアが必要です。

③化粧水

洗顔直後の肌を水分でうるおすとともに、保湿成分を補うためのアイテムです。ベーシックな保湿化粧水のほか、美白が得意な美白化粧水・抗炎症成分の入ったニキビケア用化粧水・古くなった角質を落とすためのふき取り化粧水など、いろいろなタイプがあります。

④美容液

化粧水より美容成分を豊富に含むアイテムです。乾燥や色素沈着、たるみなど、気になるトラブルに応じた商品を選択しましょう。美容成分を複数組み合わせることで、効率的なお手入れができる商品もたくさんあります。

⑤乳液またはクリーム

皮脂分泌量が低下して無防備になった肌を刺激から守り、保護する働きを担ってくれます。乳液とクリームの違いは、油分と水分のバランスです。クリームの方がこっくりとしたテクスチャーのものが多く、乾燥対策に適しています。クリームのべたつきが苦手な人は、サラサラした質感の乳液を選択しましょう。

これらのアイテムを活用して、朝・夜のスキンケアを行います。スキンケアの順番やケア中の注意点は、ここからくわしく紹介します。

朝のスキンケアの順番・ステップ

朝の肌は、寝ている間の汗や皮脂、室内のほこりで、想像以上に汚れています。これらをすっきり落としたうえで、保湿ケアや紫外線対策を進めましょう。

◎朝のスキンケア5ステップ

洗顔 → 化粧水 → 朝用美容液 → 乳液・クリーム → UVケア

1. 洗顔
よく泡立てた洗顔料を顔にのせ、なでるように洗顔します。体温より少し低いくらいのぬるま湯でしっかりすすぎ、清潔なタオルで拭き取りましょう。ひどい乾燥肌で朝の洗顔が苦手な人は、拭き取り化粧水を活用する手もあります。いずれにしても、汚れを残さず、まっさらな状態からスキンケアできる肌を作ることが大切です。

2. 化粧水
適量を手に出して、人肌程度に温めてから顔全体へとなじませます。つけ方のポイントは、顔の中心近くから外側に向かってつけることです。目頭や小鼻周り、口元など細かい部分には、指先を使ってなじませます。

3. 朝用美容液
日中も使える美容液で油分と水分を補い、刺激に負けない肌を作っていきます。夜専用の美容液を日中に使うのは、日焼けや色素沈着、メイクのヨレをまねく原因です。お使いの美容液のパッケージをあらためて確認し、朝のお手入れに使えるかを調べてみましょう。

4. 乳液・クリーム
乳液やクリームは、乾燥しやすい部分から塗っていきます。目の下や口元になじませて、手に残った分を全体に伸ばすと、ちょうどいい質感に仕上がりますよ。乳液やクリームを使いすぎるとメイク崩れを起こしやすく、肌にも負担をかけるので、適量を守りましょう。

5. UVケア
UVケアは、年間を通して行います。自宅や会社の中にいる時間がほとんどとなら、SPF10~20・PA+~PA++くらいのものがよいでしょう。屋外レジャーやスポーツを行う日には、SPF30~50・PA+++~PA++++くらいを目安とします(長時間外にいる場合は、塗り直しが必要です)。UVカット機能がついた化粧下地を使っていれば、この工程を省略しても大丈夫です。

応用的な知識として、寝坊した日のスキンケアも見ておきましょう。活用したいアイテムは、拭き取り化粧水とオールインワンジェルだけです。時短ケアができる便利なアイテムを活用すれば、5分足らずでもお手入れできます。

◎寝坊した朝のスキンケア2ステップ

拭き取り洗顔 → オールインワンジェル

1. 拭き取り洗顔
拭き取り化粧水をやわらかいコットンに含ませて、顔全体を拭いてください。化粧水を使うとはいえ保湿するわけではなく、汚れを落とすためのステップです。摩擦ダメージを防ぐためにも、ヒタヒタになるくらいまで、たっぷりと含ませましょう。

2. オールインワンジェル
オールインワンジェルとは、化粧水・美容液・乳液など複数の機能を1つでまかなうアイテムです。500円玉大くらいを顔全体に伸ばすだけで、スキンケアが完了します。UVカット機能がついたオールインワンジェルを使えば、日焼け止めを塗る必要もありません。商品によってテクスチャーや配合成分が異なるので、自分好みのものを探してみましょう。

「オールインワンジェルは高分子ポリマーを使っているから、肌によくない」「皮膚呼吸を妨げる」などと主張する人たちもいますが、肌の新陳代謝と呼吸とは別物です。オールインワンジェルだから刺激が強い・肌荒れするということはないので安心ください。

ただし、化粧水・美容液と分かれたタイプと比べると、量の調整を行いにくい傾向はあります。時間がある日のお手入れは個別に分かれたタイプを使い、肌に合わせてケアしましょう。

夜のスキンケアの順番・ステップ

次に、夜のスキンケア手順です。一日の終わりに行うケアには、大きく2つの目的があります。

【1】日中に受けた刺激の影響を軽くすること
【2】寝ている間のトラブル修復がスムーズに行われるように準備すること

夜のスキンケアは、紫外線や空気中のほこり、乾燥など、あらゆる刺激を受けた肌をいたわって、コンディションを調整する大切な時間です。その日の疲れを翌日以降に持ち越さず、修復がきちんと進むように、以下の手順でお手入れしましょう。

◎夜のスキンケア5ステップ

クレンジング → 洗顔 → 化粧水 → 美容液 → 乳液・クリーム

1. クレンジング
シートタイプではなく、オイルやジェル、ミルクなど、洗い流すタイプをおすすめします。乾いた手に適量のクレンジングを出し、全体になじませましょう。オイルの場合はここで少量の水を足し、しっかり乳化させてください。全体が白く濁った状態になってからぬるま湯ですすぐと、メイク汚れが残りません。

多少はオイルのベタベタが顔に残った状態でも、洗顔で落とせます。ゴシゴシこすって負担をかけてしまうとよくないので、神経質になりすぎずに進めましょう。

2. 洗顔
朝の洗顔と同じように、やさしく汚れを落としてください。お風呂の中でクレンジング・洗顔する場合は、出る直前がよいでしょう。入浴後のスキンケアまでの時間が短いほど、乾燥トラブルを予防できます。

3. 化粧水
朝のケアよりていねいに、うるおい成分を届けましょう。「ていねいに」といっても、時間をかけすぎるのは逆効果です。塗る順番をあらかじめ決めておき、リズミカルにお手入れします。

4. 美容液
適量を手の平にとり、顔全体を包み込むようになじませます。乾燥やたるみ、シワが気になる箇所だけには、重ねづけもおすすめです。集中ケア用の美容液は作用が強いタイプもあるので、つけすぎには注意しましょう。1回でたくさん使うより、適量を毎日続けることが大切です。

5. 乳液・クリーム
乳液・クリームの使い方も、朝のケアと同じです。乾燥しやすい部分から順番に顔全体を包み、保護膜を作りましょう。乳液・クリームが苦手でなかなか合う商品が見つからない場合は、オーガニックオイルで代用しても大丈夫です。乳液・クリームほど保湿・アンチエイジング成分が含まれない代わりに、シンプルなケアができます。化粧水・美容液とバッティングするリスクも低く、安心して使えるところがメリットです。

トラブルがとくにひどいときは、プラスアルファのケアとして、以下のアイテムも活用できます。

ナイトマスク・ナイトクリーム・目元パック
これらを使うにしても、普段のスキンケアをきちんと行っている前提です。多くの種類のスキンケアを行うほどよい、というわけではないので、必要に応じて検討しましょう。

スキンケアの注意点3個

安心してスキンケアを行うため、最低限守ってほしい注意事項を紹介します。ここで取り上げる注意点は、どのメーカーのスキンケアを使うにしても共通する内容です。ひと通りを確認し、日々のお手入れに活用ください。

①合わないスキンケアは使わない

まず何より、スキンケアとの相性を見ることです。肌質に合わないスキンケアを無理して使うと、アレルギーや拒否反応を起こすリスクがあります。以下のような症状に気づいた際には、直ちに使用を中止して、医療機関に相談しましょう。

・使用直後や使用中にただれや赤み、白班が見られた
・ヒリヒリした刺激が気になる
・つけた部分がかゆいもしくはかぶれてしまった

普段使っているアイテムだからといって安心できる保証はなく、体調やホルモンバランス、気候の変化によっては、トラブルを起こしてしまうリスクがあります。「なにか変だ」と感じたらすぐ、化粧水や美容液を洗い流し、専門家に相談しましょう。

また、メーカーのお客さま相談センターでも、アドバイスをもらえます。相談先が書いてある外箱や説明書は使い終わるまで処分せず、分かりやすいところに保管しましょう。良心的なメーカーだと、使用状況に応じた返金対応をお願いできるケースもあります。実店舗で購入した商品のレシートも合わせて保管し、万が一の事態に備えましょう。

②使用期限をきちんと守る

使わなくなったスキンケアをしまいこみ、積み重なってはいませんか。古いものを使ってしまうと、発疹や色素沈着など、トラブルにつながるおそれがあります。使用期限が書かれていないスキンケアについては、製造日から3年以内が目安です。防腐剤が入っていない商品だと、もっと短い独自の期限を設定して、外箱に記載していることもあります。

なお、メーカーが定めた使用期限は、未開封・適切な環境での管理を前提とした基準です。開封したものは、劣化スピードが早くなります。色やニオイが変わってきた・もともと均一に混ざっていたにも関わらず分離している・不自然にベタベタしているなどは、劣化を疑うサインです。顔に使うのはあきらめて、入浴剤やボディローションとして活用しましょう。

③正しい保管で劣化を防ぐ

スキンケアアイテムを劣化させずに使い切るには、正しい保管が不可欠です。保管する際に気をつけたいポイントを見ておきましょう。

◯キャップを閉める
空気やほこりに触れないように、使い終わったらすぐキャップを閉めます。私たちの手に残ったわずかな汚れも、劣化を早める要因です。ボトルの口はきれいに拭き、清潔にしてからしまってください。

◯直射日光をあてない
スキンケアアイテムは、高温多湿が苦手です。直射日光が当たらず、気温の変化が少ない場所に置いてください。特別な指定がなければ、冷蔵庫に入れる必要はありません。

スキンケアのよくある間違い9個

知らず知らずのうちに間違ったケアを続けて、ダメージを悪化させる人も多いものです。とくに多い間違いのうち、主なものをまとめました。

よくある間違い3つ【クレンジング・洗顔編】

①蒸しタオルで毛穴汚れを根こそぎ落とす

蒸しタオルで毛穴を開かせてから洗顔するケア方法は、肌質との相性が問われます。敏感肌・乾燥肌は、バリア機能が衰えて、ダメージを受けやすい状態です。蒸しタオルをのせたことが刺激になって、乾燥が悪化したり、軽い火傷のような状態になってしまったりと、トラブルを起こしてしまうリスクがあります。専門知識を持っているエステサロンの人たちでも、蒸しタオルの温度や放置時間には気を使います。どうしても挑戦したい場合は温め過ぎに注意して、放置時間を短めにして行ってください。

②しっとりうるおう洗顔料が望ましい

洗顔の目的は、汚れをきちんと落とすことです。しっとりうるおう洗顔料を使って汚れが残るくらいなら、きちんと洗える洗顔石けんを正しく使い、うるおいを補うスキンケアへと進みましょう。洗顔時の負担は、きめ細やかな泡を作る・ゴシゴシしない・ぬるま湯を使うといった工夫によって、軽減できます。洗顔アイテムのせいにはしないで、洗顔方法の問題点を考えてみましょう。

③クレンジングオイルは絶対に避ける

クレンジングオイルは「老いるクレンジング」と、毛嫌いする人もいます。ミルクやクリームタイプと比較して洗浄力が強く、刺激になりやすいことが理由です。間違いではないのですが、濃いメイクをした日まで低刺激アイテムを選ぶのは考えもの。メイクが残ってしまっては、クレンジングの意味がなくなります。

よくある間違い4つ【化粧水・美容液編】

④コットンでパッティングする

過剰なパッティングは弱った肌を傷つけてしまい、トラブルを悪化させるリスクがあります。トラブルが心配だったら、手の平でやさしく包み込むようにケアしましょう。パッティングの代わりに行うなら、ピアノを弾くときのように極めて軽く、指の腹でタップします。強く押し込んでも肌内部に浸透するわけではないので、負担をかけないお手入れを守りましょう。

⑤美容液は特別なときだけ使えばよい

肌に合う美容液を毎日使うことにより、コンディションが安定します。「肌を甘やかさないため、美容液は使わない」「特別な日だけ使えば十分」といった考えから使用を制限している人は、損しているかもしれません。毛穴やニキビ、乾燥といったトラブルが出ているときにはとくに、化粧水・美容液によるていねいなケアが大切です。年齢や状態に応じたスキンケアを正しく使うことにより、美しく健康な肌が育ちます。

⑥アンチエイジングにはビタミンC美容液

「シミやたるみ対策にはビタミンC」と思い込み、間違ったケアになってしまうことがあります。皮脂のコントロールや毛穴ケア、色素沈着対策などいろいろな働きが期待される反面で刺激が強く、乾燥肌を悪化させるリスクがあるためです。

スキンケアの主な目的は、肌本来の機能を補うことでしたよね。美白やアンチエイジングを考えるにしても、保湿ができていないと、健康で美しい肌は作れません。ビタミンC美容液を使うなら、セラミド・コラーゲン・ヒアルロン酸など、保湿重視のスキンケアとの組み合わせがおすすめです。乾燥や炎症がとくにひどいときには、ビタミンC美容液をお休みしましょう。

⑦同じケアを続けると肌が慣れて効かなくなる

肌に合うスキンケアアイテムを継続的に使うことがスキンケアのセオリーです。加齢や環境の変化、ホルモンバランスの影響で「合わなくなってきた」と感じるまでは、変える必要はありません。頻繁にスキンケアを変えていると、合わない成分にあたってしまうリスクが高くなります。「気分転換に違うものを使ってみたい」と感じたときには、普段のお手入れは継続しつつ、プラスアルファの集中ケアアイテムを検討するのがよいでしょう。

よくある間違い2つ【乳液・クリーム編】

⑧すりこむようにたっぷりつける

乳液やクリームの役割は、バリア機能の補完です。すりこむようにたっぷりつけるのではなく、適量を使ってください。うるおい不足を感じるようなら、化粧水や美容液で調整しましょう。最近では高機能な乳液・クリームも増えていますが、本質的な役割を忘れてしまうのは考えものです。スキンケアアイテムごとの役割を見直し、全体のバランスを考えましょう。

⑨乳液やクリームはニキビができる

ニキビができにくいアイテムを選び、適量を使いましょう。正真正銘の脂性肌で皮脂が十分に分泌されていれば、乳液やクリームを省略してもかまいません。ただ、大人ニキビに悩む多くの人は、乾燥肌もしくは普通肌、混合肌と考えられます。十分な保湿が必要なのに乳液やクリームを省略するのは、望ましいケアとはいえません。

ニキビができにくい乳液やクリーム選びのコツは「ノンコメドジェニックテスト済み」の記載を見ることです。この記載が書いてあったら、ニキビができやすい成分を避けて開発された証拠といえます。化粧水や美容液でしっかりと保湿ができれば、乳液やクリームは質感が軽いものでも大丈夫です。大人ニキビに適した商品から、合うものを探してみましょう。

まとめ

正しいスキンケアの順番や方法を守るだけでも、コンディションが変わってきます。乾燥や大人ニキビ、シミなどのトラブルが気になったときこそ、あらためて肌と向き合い、スキンケアを見直すよい機会です。お手入れを行う目的や目指すゴールを振り返り、今の自分に望ましいスキンケアを考えてみましょう。