監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

あなたは1日に何回洗顔していますか?洗顔の目的は肌を清潔で健やかに保つためですが、その目的を果たすためには1日に何回洗顔するべきなのでしょうか。

洗顔をすると肌の汚れなどの不要物を洗い流せますが、同時に肌に必要なうるおいも奪われます。洗顔料には界面活性剤が入っていて、油を取り込んで洗い流しますが、その油が肌に必要かどうかの区別なく洗い流します。

そのため洗顔をし過ぎると肌のうるおいを必要以上に奪うため、肌のバリア機能が奪われて肌が乾燥したりトラブルの元になったりします。

この記事では、1日に何回洗顔すべきか、その回数は普遍的なものなのか肌質や性別で異なるのかについて、詳しく説明します。適切な洗顔回数を知った上で、正しい洗顔方法も紹介します。

洗顔回数は1日何回が目安?

実は1日の適切な洗顔回数は、万人に対して同じではありません。なぜならメイクをしているかどうか、どのようなメイクをしているか、皮脂分泌の量やニキビなどの肌コンディションによって、洗顔回数や洗顔の仕方は若干異なります。

非常に皮脂分泌が多い、又はニキビで病院を受診して洗顔に関して医師の指示がある場合を除き、通常の肌であれば1日2回の洗顔までが好ましいと考えられています。または洗顔すると顔がヒリヒリして痛むときには、洗顔料での洗顔は控えた方が良いこともあります。

適切な洗顔回数は、この範囲内で肌の状態を見ながら自分で判断するのが良いでしょう。

次に1日に1~2回行う洗顔のタイミングと、洗顔回数を決める判断基準について説明します。

洗顔するタイミング

多くの人は、夜寝る前と朝起きた後に洗顔すると思います。夜に洗顔が必要な理由は、入浴前または入浴中にメイクと1日の肌の汚れを取るためです。朝に洗顔が必要な理由は、夜の間に分泌された皮脂や肌の汚れを落とすためです。洗顔のタイミングは、朝と夜が適しているといえます。

1日の洗顔回数は、肌の状態によって決めると良いです。洗顔後に肌がヒリヒリするときや、乾燥がひどいときは
●洗顔回数を1回にする
●洗顔料をマイルドなものに変える
●部分的にだけ洗顔料を使う
などして加減したりすることが必要です。

洗顔を朝夜どちらか1回にするのであれば、メイクを落とす必要のある夜、クレンジング後に洗顔するのがおすすめです。

朝、ぬるま湯だけで洗うと皮脂のヌルつきが不快と感じるときには、洗顔料で洗顔するとすっきりします。乾燥した部分も混在していれば、ヌルつきのある部分だけ洗顔料で洗う方法もあります。

男性と女性で1日の洗顔回数は異なる?

男性は女性に比べて皮脂分泌が多いので、その点においては洗顔回数が増える理由になるでしょう。

男性の場合、皮脂分泌が多いからといって1日に何度も洗顔して皮脂を取り過ぎると、かえって皮脂分泌が活発になるので、やはり1日に2回、多くても3回くらいに留めておくのが無難です。男性も女性と同じく、肌の状態を見ながら洗顔の回数や洗顔の方法を変える必要があります。

肌が乾燥気味のときには1日に1回の洗顔、皮脂分泌が多いときには1日に2~3回洗顔しても良いでしょう。あまりに皮脂が多くて気になる時には、こまめにあぶらとり紙などで皮脂を取ると洗顔回数をむやみに増やさなくても済みます。

洗顔をしすぎると、皮脂を取るだけではなく肌の健康に必要な常在菌までも失ってしまい、かえって肌トラブルの原因になるので気を付けましょう。

正しい洗顔のやり方8ステップ

洗顔で肌を傷めないためには、洗顔の回数だけではなく洗顔の正しい方法を知ることも大事です。ここではできるだけ肌にダメージを与えない洗顔方法を紹介します。

正しい洗顔方法を身につけるためには、日ごろの肌状態の変化にも敏感になる必要があります。洗顔の前と後の肌の状態に気をつけて、いつもと違うと思った時には洗顔方法を変更するなどして、柔軟に対応していくことが必要です。

次に肌の状態に合わせた洗顔方法も含めた、正しい洗顔方法を紹介します。

ステップ1:洗顔前に肌の状態を観察し、把握する

洗顔の前に肌の状態を観察し、乾燥している部分や皮脂でべたついている部分があるか確認します。あらかじめ肌の状態を確認しておくことにより、肌の負担を最小限に減らす洗い方が可能になります。

ステップ2:洗顔前に手をきれいに洗う

洗顔の前に、手をきれいに洗います。手が汚れていると、洗顔料を十分に泡立てられないからです。十分な泡を作ることは、肌への刺激を減らすためにも必要です。その理由は後で説明します。

ステップ3:ぬるま湯で顔を軽く洗う

洗顔料を使う前に、ぬるま湯で顔を軽く洗います。こうすることで泡が肌の上で滑りやすくなり、指との摩擦を減らすことができます。また軽く顔を洗うことで、肌にくっついたほこりなどを落とすこともできます。

ステップ4:洗顔料を十分に泡立てる

きれいな手で洗顔料を泡立てます。水気と空気を適度に入れながら泡立てるとボリュームのある細かい泡を作ることができます。手で泡立てが上手くできない場合には、泡立てネットなどを使用すると簡単に泡が作れます。

十分な泡を作ることにより洗浄成分が直接肌に触れる量を減らせるので、肌への刺激を少し緩和することができます。また、たっぷりの泡で洗うことにより、指との摩擦も減らすことができます。

ステップ5:油っぽい部分から洗い始める

洗顔前に肌を観察して確認した、皮脂でべたついた部分から洗い始めます。順序は油っぽい部分から始めて、最後に一番乾燥している部分で終わるようにします。油を取り込む洗浄力が最も強い洗い始めのときに最も油っぽい部分から洗うことで、肌への刺激を極力抑えることができます。

ステップ6:泡のクッションを利用して撫でるような力加減で洗う

十分な泡で肌を撫でるように優しく洗います。強く擦らなくても、泡の中の洗浄剤が油汚れを落としてくれます。強くこすると摩擦で肌を傷めてしまうので、注意しましょう。

ステップ7:ぬるま湯で丁寧に洗顔料を洗い流す

洗い流す水の温度は重要です。冷たすぎると汚れが落ちにくく、熱すぎると皮脂を取り過ぎてしまいます。体温から少し温かいと感じるくらいまでの温度で、丁寧に洗顔料を洗い流します。

洗い残しがあると肌への刺激になり、トラブルの元となります。洗い流す際には肌を擦らず、ぬるま湯に泡を溶かすようなイメージで洗いましょう。

ステップ8:清潔なタオルで顔を優しく押さえるようにして水分を取る

最後はタオルドライです。清潔なタオルで肌を優しく押さえるようにして水気を拭き取りましょう。タオルで擦って水分を拭きとると、肌を傷めてしまうので注意してください。

間違った洗顔のNG方法7個

洗顔はいつの間にか無意識に自分流になっていることが多く、間違った洗顔をしていても気がつきにくいものです。

しかし洗顔はスキンケアの中でも重要で、正しく行うと肌を健康的に美しく維持できますが、間違った方法で行うと肌の防御機能を壊す危険性があります。

次に洗顔のNG方法を7つ紹介していますので、洗顔方法に間違いがないかどうかを確認しましょう。もしも間違いを見つけたとしても、正しい洗顔方法を学び実践していきましょう。

1. メイクを落とさずに洗顔する

メイクは洗顔料だけで落とすことは無理なので、洗顔の前に必ずメイク落としをします。メイク落としにはいろいろなタイプがありますが、ダブル洗顔不要のメイク落とし以外は、クレンジング後に洗顔を行います。

ダブル洗顔不要のメイク落としでも、肌の状態によってはダブル洗顔をしても良いでしょう。ただし洗いすぎは肌の乾燥などトラブルの元になるので、べたつきが気になる部分だけ洗顔するなどして、できるだけ肌の負担を減らすように気をつけてください。

2. 十分に泡立てないまま洗顔する

泡立ちが十分でないと肌に触れる洗浄成分の量が増えることになり、それだけ肌への刺激が強くなってしまいます。洗顔をするときは、たっぷりの泡を作ってから行ってください。洗顔料を十分に泡立てて泡の体積を増やすことで、肌に直接触れる洗浄成分が少なくて済むため肌への刺激を緩和することができます。

また泡立ちが少ないと、指が直接肌に当たって摩擦が大きくなり肌を傷めてしまいます。十分に泡立てから洗顔すると、指と肌の間に泡のクッションがあるために摩擦も減らすことができ、肌への負担を減らすことができます。

3. 強い力で擦って洗う

洗顔料には油を取り込む界面活性剤が入っているので、力をいれて擦らなくても肌の油汚れを落としてくれます。強い力で肌を擦ると肌を傷つける可能性があるので、優しく撫でるように洗うようにしてください。

肌はとても薄く傷つきやすいのです。適切な力加減がわかりにくいかもしれませんが、桃は少し力を入れるだけで傷むのを想像してみてください。洗顔のときも自分の肌を桃と思って扱うと上手くいきます。

4. 時間をかけて洗う

肌は丁寧に時間をかけて洗顔して汚れをよく落としたからといって、きれいな肌になるわけではありません。洗顔料は肌にマイルドなものであっても、皮脂を奪います。

皮脂は肌を守るために必要なものなので、取り過ぎると肌荒れや乾燥の原因になります。お湯だけで洗っても皮脂は流れ出てしまうものなのです。だから洗顔はできるだけ手早く行うことが肝心です。

ただし洗顔料の洗い残しには要注意です。肌に洗顔料が残っていると、かゆみや炎症を引き起こす可能性があります。特に額や顎、生え際辺りに洗い残すことがあるので、意識して丁寧に洗い流しましょう。

5. 冷水や熱いお湯で洗い流す

洗顔に適したのはぬるま湯です。冷水だと汚れが落ちにくく、洗顔料を洗い残すことがあります。熱いお湯は洗い流される皮脂の量が増えるため、肌が乾燥してしまいます。

体温ぐらいのぬるま湯が最適です。入浴中に熱いシャワーで洗顔料を洗い流すのも良くありません。温度だけではなく、水流に勢いがあるのでより多くの皮脂が失われる可能性があるので、ぬるま湯を洗面器などに溜めて使うのがおすすめです。

6. タオルで擦って拭き取る

洗顔が終わってタオルで水分を拭きとるときには、擦って拭き取らないように注意しましょう。柔らかいタオルであっても擦ると摩擦が大きいので、肌を傷める可能性があります。

清潔なタオルで、肌の水分を吸い取らせるように優しく抑えるようにします。タオルで水気を拭かずに自然乾燥させるのは肌の乾燥を加速するので、必ずタオルドライをするようにしてください。

7. 洗顔後のスキンケアをしない

洗顔後、肌がしっとりしているからといって、化粧水や乳液などで保湿しないでいると、時間とともに肌の水分が蒸発し、肌が乾燥してしまいます。

肌がつっぱったりヒリヒリしたりしてから保湿しても、なかなかうるおいが感じられません。化粧品で角質に補給される量よりも、スキンケアをしないで放置することによって失われる角質の水分の方が大きいからです。

タオルドライしても、肌は湿った状態です。肌表面に水気があると、肌の水分は蒸発しやすい上に、皮脂を洗い流した洗顔後の肌は特に乾燥しやすくなっています。だから洗顔直後のスキンケアは重要なのです。化粧水でしっかり保湿し、次に油分を含む乳液やクリームを塗って、肌水分の蒸発を防ぎましょう。

オイリー肌の人の洗顔回数と方法

オイリー肌の人は、皮脂分泌が多いので1日に何回も洗顔したくなるかもしれません。けれども洗顔をし過ぎると肌の常在菌が減ってしまいます。常在菌は肌を弱酸性に保ち、病原菌が皮膚で繁殖するのを防いでいます。肌のコンディションを整える役割もあり、常在菌が減ると肌トラブルが起きやすくなります。

そのためオイリー肌の人でも洗顔は1日2回までにとどめるべきで、さっぱり感を求めたいときには脱脂力の強い石けんを使って洗顔することをおすすめします。

どうしても皮脂を取りたいときには洗顔回数を増やすのではなく、あぶらとり紙で過剰な皮脂をこまめに取るようにします。また皮脂の取り過ぎは皮脂分泌を活発にすることもあるので、注意しましょう。

乾燥肌の人の洗顔回数と方法

乾燥肌の人は洗顔するとヒリヒリしたり、肌が赤くなったりすることがあるかもしれません。このような場合には、洗顔料を使わずに炎症がおさまるまでぬるま湯だけで洗顔をするか、敏感肌用の脱脂力が弱く肌への刺激が少ない洗顔料を使うことをおすすめします。

1日の洗顔回数は、洗顔料を使って洗顔する場合、夜メイクを落とした後に1回が目安です。夏場や皮脂が気になるときだけ朝も洗顔料を使っても良いでしょう。

洗顔後に顔のつっぱり感を強く感じる場合には、使用する洗顔料をよりマイルドなものに変えたり皮脂の気になる部分だけ洗ったり、短時間で洗い流すなどの工夫が必要です。

敏感肌の人の洗顔回数と方法

敏感肌の人の洗顔方法は乾燥肌の人とほぼ同じですが、アトピー性皮膚炎など皮膚トラブルで皮膚科受診している場合には、まず皮膚科医に相談されると良いでしょう。使用する洗顔料はできるだけ脱脂力の弱いものを使い、すすぎはぬるま湯でしっかりと洗顔料を洗い流すようにします。

洗顔回数は1回を目安とし、洗顔料がしみるときにはぬるま湯だけで優しく洗うようにしましょう。メイクは落としやすいものを使うと、メイク落としや洗顔の際に肌への負担を減らすことができます。

毛穴の黒ずみが目立つ人の洗顔回数と方法

毛穴の黒ずみが目立つ場合、洗顔の前にメイク落としでしっかりとメイク汚れを落とすことを心がけましょう。メイクが落とせたら、洗顔料の洗浄力はマイルドなもので十分です。

毛穴の黒ずみを取るために洗浄力の強い洗顔料が良いと思うかもしれませんが、洗顔料では黒ずみを除去することはできません。硬くなった角質を柔らかくするために、より多くのうるおいを肌に残すことができるマイルド洗顔が適しています。

毛穴の黒ずみは1回の洗顔で解消することはないので、正しい洗顔を根気よく続けることも必要です。毛穴の詰まりが気になると、メイク落としや洗顔時に力を入れて擦ろうとしがちですが、逆効果になります。

力を入れる必要はなく、優しくリズミカルに指を動かすだけで汚れが浮いてきます。洗顔の回数は1日に1回から多くても2回までに留めましょう。

まとめ:洗顔で失われるうるおいを最小限に

皮脂や角質の保湿成分は、お湯だけでも容易に洗い流されてしまいます。洗顔料で洗顔すると、失われるうるおい成分がさらに増えるのです。そのため洗顔し過ぎると肌荒れを起こしたり過度な乾燥を招いたりしてしまいます。

洗顔とはそういうものであるということを常に意識し、できるだけ不必要な洗顔をしないように心がけることが必要です。洗顔をするときには極力肌に負担をかけない正しい洗顔方法で行い、肌のうるおいを極力逃がさないようにすることと、洗顔後直ちに保湿ケアを行い肌のうるおいをキープするようにしましょう。