監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

「洗顔後は乾燥しているのに、時間が経つと皮脂が気になる…」
「Tゾーンはべたつくのに他の部分は乾燥する」

このような肌質をインナードライ肌(乾燥性脂性肌・オイルドライ肌)と呼びます。見た目は乾燥していないので間違ったケアをしてしまっている方は要注意です。

では、なぜ肌がこのような状態になってしまうのでしょうか?この記事では、インナードライ肌をいち早く改善するために原因や特徴、見分け方や対策を詳しく解説していきます。

インナードライの意味とは?

インナードライ肌は、肌内部の角層を「インナー」、潤い不足による乾燥「ドライ」という意味をもちます。

肌表面は皮脂によるべたつきやテカリが見られますが、皮脂膜の奥にある角層は水分不足の状態です。肌タイプに分けると、「乾燥性脂性肌」と呼ばれています。

部位ごとに差が大きいので、肌質のコントロールが難しい肌です。湿度が下がる12~2月にかけては皮脂量が減り乾燥しやすく、湿度が上がる7月~9月にかけては皮脂量が減少します。また、目や口の周りは乾燥しやすく、Tゾーンは皮脂量が多い傾向です。

インナードライ肌の特徴・見分け方

インナードライ肌の特徴は、肌の表面は皮脂でべたつきやテカリが見られますが、肌内部の角層は水分不足の状態です。一見、脂肌のように見えますが、乾燥が進むとごわつきが見られ皮むけが生じることも。

インナードライ肌は手で顔を触ると皮脂がつき、部位によっては乾燥してカサカサしています。乾燥肌は手に皮脂はつかず、皮脂も水分も少ない状態です。

エステサロンや百貨店などの化粧品販売を行っている店舗では、カウンセリング機器による肌質診断を行っています。ご自身で肌質診断すると間違ったスキンケアを行う可能性もあるので、不安な方はぜひ1度足を運んでみてください。

ただし、季節や部位により皮脂分泌量は変化するので、肌のタイプは年間を通して変動します。

インナードライになる原因7個

1. 乾燥

皮膚の乾燥は主にターンオーバーの乱れや加齢、季節が原因で起こります。何らかの原因で角層が水分不足になると、皮膚が乾燥しはじめます。特に寒い季節には湿度が下がり、部分的にカサカサして気になる方も多いのではないでしょうか。

Tゾーンのべたつきが気になるからと、過度な洗顔や間違ったスキンケアをしていると肌に必要な油分が失われて乾燥の原因になります。

特に女性は40歳を過ぎると女性ホルモンが減少し、皮脂の分泌量が減り乾燥しやすい肌になるので、皮脂膜の成分に近い化粧品で優しく保湿ケアしてあげることが大切です。反対に男性は約50歳まで皮脂量が増え続け、50歳を過ぎると減り始めます。

2. 間違ったスキンケア

バリア機能が低下しているインナードライ肌は、肌表面にある角層を摩擦から守ることが大切です。脂肌だと勘違いしたり皮脂が多いことから、1日に何度も顔を洗ったりしていませんか?

過度な洗顔を続けていると、余計に皮脂分泌が盛んになるため注意が必要です。洗顔の洗い残しや顔をゴシゴシこすることは、ニキビや肌荒れの原因となるので控えましょう。

また、保湿力に優れたクリームや美容液などの化粧品を使っていない方は要注意です。水溶性の化粧水はつけた後すぐに美容液や乳液で蓋をしなければ、水分が蒸発し始めてしまいます。そのままにしておくと、過度な乾燥が起こりインナードライ肌の原因になりかねませんので気を付けましょう。

3. 睡眠の質が良くない

長く眠ってもなかなか疲れがとれないといった経験は、誰でもあるのではないでしょうか。反対に短い睡眠時間でも熟睡できていると、目覚めも良く肌の調子も良いと感じることがあるでしょう。

長い時間眠っていても疲れがとれない原因は熟睡できていないからです。眠り始めの約3時間の間に熟睡することで、成長ホルモンが分泌されて食べたものが体に吸収されます。

就寝前に携帯やPCを見ていたり、カフェイン入りの飲み物を飲んでいたりすると、脳が刺激されて深い眠りにつくことができません。

4. 偏った食事を摂っている

体のもとを作る食事は、健康な皮膚を作るためにもとても大切です。偏った食事を続けていると、体調不良や免疫機能の働きが低下します。

過度なダイエットや断食、太りやすいからと肉などのタンパク質を避けるのは厳禁です。バランス良く摂ることが乾燥にも負けない健康な肌を作ります。

カフェインやお酒は中毒性もあるので適量に留めたほうが良いです。特定の食べ物にこだわらず、色々なものを食べて肌の内側から潤いを満たしましょう。

5. 運動不足

運動不足が続くと、血行不良による冷えや疲労回復力低下などに繋がります。

ランニングや散歩は面倒という方でも柔軟体操やヨガなどのストレッチは、自宅で気軽に行えるのでぜひトライしてみてください。

6. 紫外線

紫外線は肌に最も悪い影響を与えるといわれています。紫外線を浴びた肌は、活性化酸素を発生させて細胞にダメージを与えて細胞の働きを妨げます。その結果、肌は乾燥しやすくなりシワやたるみなどの肌老化を促進してしまうのです。

紫外線は乾燥だけでなく、インナードライ肌を含め多くの肌トラブルに繋がります。シミや皮膚がんの原因にもなるので、紫外線には極力気を付けたいところです。

7. ストレス・疲労

過度なストレスや疲労が続くと、血流を悪くする交感神経が働き、消化不良などの体調不良を引き起こします。

交感神経が働き続けると、自律神経が乱れ免疫機能が低下して、肌は炎症を起こしやすい状態に。ストレスは人間関係や経済的な悩みから避けにくいものですが、リラックス効果のある入浴や運動を通してストレスがたまらないよう心掛けましょう。

インナードライの改善対策5個[スキンケア]

インナードライ肌だけに限らず、どの肌タイプの方も足りないものを化粧品で補い、余分なものはクレンジングや洗顔で綺麗に取り除くことが大切です。

インナードライ肌は、肌表面には皮脂が多く見られますが角層は水分不足の状態です。余分な汚れは取り除き、皮膚に必要な油分は残したまま肌に潤いを与えてあげましょう。

1. クレンジングは十分な量を使って素早く落とす

クレンジングは肌に刺激の少ないものを選びましょう。摩擦による肌への刺激を防ぐため、少量ではなく十分な量を使ってメイクを落とします。肌への摩擦が起きると、肌表面が傷ついて思わぬ肌トラブルに繋がるため注意が必要です。

また、メイクの洗い残しは雑菌が繁殖して肌荒れやニキビの原因にもなるので十分に洗い流して下さい。クレンジングを落とす時はゴシゴシとこすらず、手が肌にあたらないよう優しくメイクを落としましょう。

クレンジングの選び方

インナードライ肌は、部位的に皮脂は多いものの肌内部が乾燥している状態なので、メイクはしっかり落とせて洗いあがりはしっとりとするものを選びましょう。洗浄力弱のクレンジングミルク、洗浄力中のクレンジングクリームがおすすめです。

ウォータープルーフの日焼け止めやマスカラなどを使用している方は、オイルクレンジングや専用クレンジングでないと落ちにくいので部位によって使い分けると良いでしょう。

ただし、オイルクレンジングは洗浄力が高く皮脂膜ごと洗い流されてしまうので、十分な保湿を心掛けましょう。W洗顔は肌内部が乾燥したインナードライ肌には負担がかかるので、「W洗顔不要」と書かれているものを選ぶと、肌に残りにくく1度のクレンジングでメイクを落とせます。

2. 洗顔はたっぷりの泡でこすらずに行う

朝の洗顔は就寝中に分泌された皮脂や汗、ホコリなどの汚れを洗い流すために必要です。夜は皮膚に残ったクレンジング剤や古い角質などの汚れを洗い流すために使用します。

摩擦を防ぐために泡立てネットを使って十分に泡立てること。肌に必要な水分を守るため、水や熱いお湯ではなく「ぬるま湯(32~34℃)」を使いましょう。

洗顔料は皮脂が気になる部位に付けて、乾燥が気になる部位はつけない、又は軽く泡をあてる程度で素早く洗い流しましょう。あまり時間をかけて丁寧に洗うと、肌に必要な潤い成分まで奪ってしまうので注意が必要です。

3. 化粧水は乾燥が気になる部位に重ね付けする

肌は皮脂・NMF・細胞間脂質の3つの保湿因子によって皮膚の潤いが保たれています。何らかの影響で3つのバランスが崩れると、過度な乾燥状態になるのです。

インナードライ肌は3つのバランスが崩れている状態なので、水分と油分がバランス良く配合された化粧品で整えましょう。

以下はインナードライ肌におすすめの化粧水成分です。
・セラミド…細胞間脂質の成分に近い
・アミノ酸…NMFの成分に近い
・スクワラン…皮脂膜の成分に近い

洗顔や入浴後は素早く化粧水で保湿を行いましょう。何もつけない状態のまま時間が経つと、どんどん水分が蒸発して過度な乾燥状態に。乾燥や肌荒れの原因となるので、素早く潤いバランスを整えましょう。

4. 乳液・美容液・保湿クリームで水分を閉じ込める

乳液やクリームには、化粧水だけで逃げてしまう水分を、人工的な皮脂膜を作って閉じ込める重要な成分が配合されています。化粧水だけでスキンケアを終了している方は要注意です。

化粧水で肌を整えた後、化粧水の浸透を待たずに美容液・乳液・クリームを塗りましょう。時間が経つと水分が蒸発して、化粧水本来の役割を果たせません。

Tゾーンのべたつきが気になる場合は、皮脂の多いTゾーンは乳液を少なめにするなど、肌の状態に合わせて量を調節しましょう。反対にカサカサが気になる目の周りや口の周りは、重ね付けしてしっかり保湿してください。

5. 少しの外出でも日焼け止めを使用する

紫外線対策はインナードライ肌を改善するために重要です。肌に最も悪い影響を与えるといわれているので、短時間の外出でも日焼け止めを塗るよう心掛けましょう。紫外線によって肌がダメージを受けると、乾燥やシワ、たるみなどの肌老化を招きます。

以下は生活に合わせた日焼け止めの選び方です。
・散歩や買い物などの日常使い…SPF10・PA+~++
・スポーツやレジャーなどの野外活動…SPF40~50・PA+~+++
・海や山などの紫外線が強い場所…SPF50+・PA++~++++

たっぷりの量をムラなくのばして、2~3時間おきに塗り直すと効果的です。

インナードライの改善対策7個[食べ物]

インナードライ肌の改善には、多くの食品をバランス良く摂ることが大切です。体に良いからといって同じものを繰り返し食べていても栄養素は単独では作用しません。

美肌に大切な栄養素や食品の知識をもつことで、自然と好きなものだけを食べてもバランス良く栄養を摂ることができます。

ここからは、美肌に導く栄養素とインナードライ肌の改善におすすめの食べ物を解説していきます。

1. 免疫力維持に必要なビタミンA

にんじん・ほうれん草・ピーマンなどの緑黄色野菜に含まれるビタミンAは、抗酸化作用があり免疫機能を維持するのに欠かせない成分です。ビタミンAが不足すると、皮膚や粘膜の乾燥が促進され、ターンオーバーの乱れやバリア機能の低下に繋がります。

ビタミンAは体内に溜めておける栄養素なので、休日にまとめて食べても大丈夫です。緑黄色野菜の摂取量目安は1日に100g以上なので、毎日そんなに食べられない!という方はサプリメントを活用しましょう。ただし、サプリメントで補給する時は摂りすぎに注意しましょう。

2. 皮膚の乾燥を防止するビタミンB6

ビタミンB6は、皮膚の乾燥を防止して新陳代謝を促進する作用があり、まぐろやニンニクなどに含まれています。

ビタミンB6やビタミンB2が不足すると口内炎や皮膚炎、しびれといった不調が現れます。インナードライ肌の原因となる乾燥と肌荒れ防止のために、バランス良く摂りましょう。

3. 代謝に必要なナイアシン

タラコ・まぐろ・レバー・肉などに含まれるナイアシンは、糖質・脂質・タンパク質の代謝に重要な栄養素で美肌に作用する成分です。ナイアシンが不足すると、食欲不振や消化不良、皮膚炎を引き起こします。

一般的な食生活を送っているとナイアシン不足は心配ありませんが、偏った食生活をしていたりサプリメントの過剰摂取をしていたりしている場合は注意が必要です。

4. 万能な栄養素のビタミンC

ビタミンの中でもビタミンCは、美容においては欠かせない万能の栄養素です。高濃度のビタミンCは、美容業界だけでなく医療面でも注目されています。

抗酸化作用が働いて紫外線による肌老化を防ぎ、ストレスや疲労の回復にも注目されているのでぜひ積極的に摂りたい成分です。

ビタミンCを多く含む食べ物は、レモン・赤パプリカ・ジャガイモ・ブロッコリーなどです。苺やキウイにも含まれていますが、糖分が多いので食べ過ぎには注意しましょう。多く摂れば美容にいいのでは?と思いがちですが、ビタミンCは多く摂りすぎても尿として排出されてしまいます。

ビタミンCは、インナードライ肌を引き起こす乾燥防止にもなるので、毎日の食事に少しずつプラスしてください。

5. 抗酸化作用があるビタミンE

ビタミンEは、抗酸化作用があり肌荒れ防止、血行促進が期待できる脂溶性ビタミンです。

シミやシワ予防にも有効であり、アーモンドやタラコなどの食べ物に含まれています。ほうれん草などの緑黄色野菜にも多く含まれるため、比較的摂取しやすい栄養素です。

ビタミンEが不足すると、女性の悩みに多い体の冷えや紫外線防御力の低下に繋がります。

6. アンバランスな食生活で不足しやすい亜鉛

亜鉛はいわし・にぼし・牡蠣などに含まれており、食生活が偏っていると不足しやすい栄養素です。

亜鉛不足になると食欲不振や皮膚炎、味覚障害や成長障害を発症します。子供にも大人にも重要な栄養素なので、バランス良く日々の生活で摂取しましょう。

7. 保湿力に働きかけるコラーゲンとヒアルロン酸

コラーゲンは肌の保湿力を高める成分で皮膚の乾燥防止には欠かせません。表皮の奥にある真皮の約70%はコラーゲンで構成されており、エラスチン(弾性繊維)やヒアルロン酸も存在しています。

真皮では大量の水分と肌の弾力、クッション性が保たれています。コラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンが不足すると、肌が乾燥して老化を引き起こしてしまうのです。

コラーゲンはビタミンCと一緒に摂ると、ビタミンCがコラーゲンの生成を助けます。コラーゲンとヒアルロン酸を含む食べ物は、うなぎ・手羽先などです。どの栄養素を摂る時も同じものばかり食べるのは禁物なので、色んな種類をバランス良く摂取しましょう。

インナードライの改善対策3個[生活習慣]

1. 肌に栄養を届けるには睡眠が大切

インナードライ肌を改善して潤いに満ちた美肌を目指すには、肌の修復機能が働く就寝中が最も大切。熟睡できるよう良い睡眠に導きましょう。

以下は良い睡眠に導く方法です。
・照明は消す
・携帯やPCは電源を切る・見ない
・就寝前はノンカフェイン飲料を飲む
・眠気を誘うアロマオイルを使用する

また、睡眠直後の約3時間は成長ホルモンの働きが最も盛んになる時間帯です。

2. 健康的な肌に導くための運動をする

インナードライ肌を改善して美肌に導くには健康的な体があってこそ。健康を維持するためには欠かせない運動は、ストレス解消・心肺や筋力機能アップなど、さまざまな効果が期待できます。

以下は運動の種類を示した表です。

運動の種類効果
有酸素運動水泳・ウォーキング・ランニング血液循環の良化・酵素摂取量アップ
無酸素運動短距離走・加圧トレーニング成長ホルモン分泌促進・筋力アップ
ストレッチラジオ体操・ヨガ血行良化・体の柔軟化

インナードライ肌は肌内部が潤い不足なので、運動を通して血液を体に循環させて肌に栄養を届けることが大切です。急に無理をすると、めまいや動悸がすることもあるので、自分に合ったストレスのない心地の良い運動方法を選びましょう。

3. リラックスできる心地の良い入浴を心がける

心地の良い入浴はリラックス効果や疲労回復効果が期待できます。湯銭に浸かることで浮力が働いて筋肉がほぐれ、体が温まることで血行不良が改善しますので、美容には欠かせない生活習慣です。

38~40℃程度の目安で湯銭に浸かると、リラックスしている時に働く副交感神経が働いて心地よい気分で過ごせるのでおすすめ。疲労回復には、額が汗ばむくらいの時間を目安に入ると効果的です。


まとめ

この記事ではインナードライ肌の特徴や見分け方、原因や改善策を解説してきました。肌内部が乾燥しているため、こまめに保湿を心掛けることが大切です。

日中は乳液や目元美容液、スティック型美容液などを使って肌の乾燥を防ぎましょう。面倒だからとスキンケアを怠っていては、いつまでも肌悩みはつきません。

まずは原因や対策を知って、普段使っている化粧品や生活習慣を見直してみてくださいね。乾燥に負けない潤いに満ちたプルプル肌を目指しましょう。