監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

「肌に透明感がない、手触りがごわつく」
「カサカサしてブツブツが出てきた」
「ポロポロと皮膚が剥がれ落ちる」

肌の露出が多くなる季節が近づくと、見た目はブツブツ、ザラザラとした手触りの鮫肌が気になりませんか?

腕や肩が露出する半袖やノースリーブなど、人目が気になって着られないと悩む方は多いようです。過度にこすったり触ったりすると、雑菌が入って炎症や跡が残る可能性も。人目を気にせず好きな洋服を着たい、海やプールにも行きたいですよね。

今回は、知っておきたい鮫肌の原因と改善策を詳しく解説していきます。

顔や腕の鮫肌をどうにかしたい…

日本人の3~4人に1人は悩んでいる顔や腕のブツブツ・ザラザラした鮫肌。この肌の状態は特に珍しい症状ではなく治療も必要ありません。

しかし、女性は暑い季節になると、肌の露出が増えるので早めに治したいですよね。顔の肌表面が硬くなってごわついたり目の下のブツブツが目立ったりと、化粧ノリも悪く悩む方が多いようです。

過度の乾燥状態が続くと、シワの原因となるので早めに対処したいところ。男性も顔や腕にできると、気になって仕方がないのではないでしょうか。

鮫肌は皮膚のバリア機能が未熟な子供さんにも見られ、乾燥する季節には我慢できずかきむしる姿を見るのは親としても辛いものです。

鮫肌(サメ肌)の意味とは?

鮫肌とは、水分不足により皮膚が乾燥してブツブツ・ザラザラとした鮫の鱗のような肌のことをいいます。主に小学生~思春期の子供に多く見られ、30歳前後になると自然と治る傾向です。

乾燥によって肌の表面が硬くなると、手触りはザラザラとごわつきます。キメが荒く毛穴が目立つようになり、角質がポロポロと剥がれ落ちることも。放置すると痒みや摩擦による軽い痛みを伴うため、いち早く治したいところです。

病院に行くべきなのか、自宅でできる改善方法はないのか、間違ったケアをしている方はぜひ知っておきたい原因と対策を解説します。

鮫肌になる原因5個!遺伝は関係する?

鮫肌は皮膚の表面がザラザラして、毛穴にポツポツとした角質が詰まった状態です。主な原因は何なのか、遺伝との関係性はあるのか、詳しく見ていきましょう。

1. 乾燥

特に湿度が低下する秋冬は肌が乾燥しやすいため、肌の水分量が減り鮫肌が悪化しやすい傾向です。健康な皮膚の水分量は、皮脂・NMF・細胞間脂質の3つの保湿因子によって正常に保たれています。3つの保湿因子が何らかの影響で減少すると、肌は水分不足となり酷く乾燥してしまうのです。

乾燥の原因はターンオーバーの乱れや加齢によるものなので、3つの保湿因子を補うために保湿ケアは欠かせません。

乾燥は鮫肌だけでなく、ウィルスやアレルゲンを防ぐために必要な皮膚のバリア機能まで低下させてしまいます。美容面でも肌がくすんだりシワが目立つようになったりと、肌を劣化させてしまうため年齢に関わらず注意したいポイントです。

2. ターンオーバーの乱れ

普段の生活スタイルや部位、ストレスや加齢などが原因で表皮のターンオーバーの乱れが生じます。この皮膚の生まれ変わり(ターンオーバー)が早すぎても遅すぎても問題です。

以下はターンオーバーの乱れの主な原因です。
・過度な洗顔
・遺伝
・ホルモンバランス
・加齢
・紫外線

理想的なターンオーバーサイクルは28日といわれています。約2週間かけて新しい細胞が角層に到着して、さらに2週間留まり皮膚を保護するために働きます。

最後に役目を果たすと角層からアカとなって剥がれ落ちます。何らかの影響で肌のターンオーバーが乱れると、本来剥がれ落ちるはずのアカが角層に留まり鮫肌の原因となるのです。

3. 皮膚疾患の可能性

ザラザラ・ブツブツした鮫肌は、毛孔性角化症の一種である「毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)」と呼ばれる皮膚疾患の可能性も。毛孔性苔癬はターンオーバーのサイクルが乱れることで、毛穴の奥にある毛孔に角栓がたまり角質が厚くなり発症します。

毛孔性苔癬を発症する方は、以下の皮膚疾患や体系の方に多く見られます。
・アトピー性皮膚炎
・尋常性魚鱗癬
・血縁者に毛孔性苔癬が見られる

感染症ではないので人に移ることはありません。ご安心ください。

4. その他の皮膚疾患

以下は毛孔性苔癬の他に、鮫肌の原因と考えられる疾患を挙げています。
・光線過敏症…春から夏にかけて紫外線の多い時期に多く見られる
・ニキビ…発疹の中に皮脂がたまって触れると痛い
・マラセチア毛包炎…背中や胸に2~3mmのニキビに似た発疹が現れる

毛孔性苔癬と間違えて放置してしまうと、悪化することもあるので注意しましょう。

5. 遺伝

毛孔性苔癬の原因は遺伝的要素が強いと考えられています。放置しても重篤な皮膚疾患には繋がりませんが、ブツブツした見た目が気になるようなら改善策を実践してみましょう。

鮫肌の改善対策11個

1. 自分の肌に合う洗顔料を選ぶ

ブツブツ・ザラザラとした肌荒れ状態の鮫肌を改善するには、古い角質を洗顔できちんと洗い流すこと、そして肌に刺激の少ないものを選ぶことが重要です。

洗浄力の高い洗顔やクレンジング、ボディーソープを使っている方は、優しいものに切り替えましょう。石鹸と洗顔料、どちらが良いかは人それぞれ肌の状態により異なります。自分の肌の状態に合った石鹸や洗顔料選びが大切です。

洗いあがりがしっとりする洗顔料がおすすめ

鮫肌は酷く乾燥した状態の肌荒れなので、泡立ちの良さで選ぶのではなく、洗いあがりがしっとりしたものを選びましょう。

泡立ちの良い洗顔や石鹸は摩擦が少ないので、泡立ちの良さを重視して選ぶ方も多いのではないでしょうか。しかし、泡立ちの良い洗顔料や石鹸は脱脂力が強く、肌に必要な脂まで洗い流してしまうため、肌が乾燥状態の鮫肌の方は逆効果です。

泡立ちが悪くても泡立てネットで十分に泡立てれば、摩擦による肌への刺激も心配もいりません。ワセリンやビーズワックス、セラミドが含まれた洗顔料や石鹸は、洗いあがりがしっとりとするのでおすすめです。

2. 乾燥防止に必要な保湿成分を選ぶ

ブツブツ・ザラザラが気になる鮫肌は、清潔にした後、荒れた皮膚を乳液やクリーム、オイルを使って整えてあげることが大切です。鮫肌や乾燥肌はバリア機能が低下しているため、油分と水分をバランス良く含んだものを選びましょう。

以下は乾燥した鮫肌におすすめの保湿成分です。
・セラミド
・スクワラン
・アミノ酸
・ヒアルロン酸
・コラーゲン
・ワセリン

特に入浴後は時間が経つにつれて過乾燥状態となるので、素早く保湿することが重要。最後に、保湿効果の高い美容液やパック、クリーム等で肌に潤いを与えて保湿ケアしましょう。

3. 正しいスキンケアの基本を知ろう

ブツブツ・ザラザラとした鮫肌改善には、肌への摩擦や乾燥を防ぐことが大切です。摩擦により肌を傷つけると痛みや痒みが生じやすくなります。また、乾燥は肌荒れや老化の原因となるので正しいスキンケアを実践してくださいね。

以下は鮫肌改善のために気を付けたいポイントです。
・ゴシゴシこすらない
・患部に触れない
・ぬるま湯(32℃~34℃)で洗顔する
・パックの長時間使用は避ける
・日焼け止めだけの日でもしっかりと落とす
・洗い残しがないよう気を付ける
・温度の高い入浴は避ける

熱いお湯で洗顔したりシャワーを浴びたりしていると、肌に必要な潤い成分まで洗い流されてしまい、過度の乾燥状態となるので控えましょう。

4. 紫外線対策は365日必要

紫外線による肌へのダメージは肌が健康な状態に戻ろうとして、ターンオーバーのサイクルが早まります。その結果、ターンオーバーの乱れが生じてブツブツした鮫肌やカサカサとした乾燥肌に繋がるのです。そのため、紫外線対策は鮫肌予防と改善のためにも欠かせません。

晴れの日には紫外線対策を念入りにしなければなりませんが、曇りの日も同様に気を付ける必要があります。

晴れた日の紫外線が100%として、薄曇りの日は晴れた日の約8~9割、曇りの日で約6割、雨の日は約3割の量です。雲の有無によっても紫外線の量は変化しますので、1年季節に関わらず対策を怠らないことが大切です。

最適な日焼け止めの選び方

紫外線を浴びた後に肌が赤くなる方と黒くなる方では、同じ環境下であっても反応が変わります。日焼け止めを選ぶ時の重要ポイントは、自分のライフスタイルに合った日焼け止めを選ぶこと。

日常使いやアウトドア、時間や紫外線の強さを確認して、自分の肌タイプに合ったものを選びましょう。

以下の表は、生活シーンに合った日焼け止めのSPFとPA指数を示したものです。

日常使い(買い物・散歩など)SPF20~30・PA++
軽いアウトドア(スポーツなど)SPF30~50・PA++
炎天下でのアウトドア(海や山など)SPF50~50+・PA+++
海外・紫外線が強い場所・紫外線に過敏な方SPF50~50+・PA++++

朝起きて塗って終わりではなく、日焼け止めの効果を発揮するためには、2~3時間おきに塗り直しましょう。

日焼け止め以外の紫外線対策

日焼け止めを塗った後、帽子やUVカット効果のある衣類、黒色の日傘などを着用すると、さらに紫外線対策効果が高まります。

目からも紫外線は吸収されるので、紫外線の強い春夏シーズンにはUVカット効果のあるサングラスやコンタクトもおすすめです。

5. 睡眠を改善する

睡眠不足で不規則な生活をしていると、体調だけでなく肌の潤いにも影響します。

不規則な生活により肌が乾燥し始めると、肌を守る角質層が乱れて鮫肌や肌荒れ、シワなどの原因に。美肌に大切な生活リズムを整えて肌を健康な状態へ戻しましょう。

睡眠中は肌の修復機能が働く

肌を健康な状態へ戻すには、「質の良い睡眠」が1番の近道です。眠りはじめの約3時間の間に成長ホルモンが分泌され、食べ物の栄養素を吸収して細胞が活発に働きます。ここで大切なのは熟睡できているかということ。

質の良い睡眠をとるには、以下を行いましょう。
・就寝前は携帯やPCを使用しない
・寝る1時間前から照明を暗くする
・就寝前はカフェインを控える
・リラックス効果のあるアロマオイルを使用する

夜更かしをした次の日に肌の調子が悪く感じるのは、寝ている間に肌の修復がされていないからです。忙しくて睡眠不足が続き休日にまとめて睡眠をとる方もいますよね。

成長ホルモンは溜めておけないので生活リズムが崩れて体調不良の原因に繋がるので、毎日質の良い睡眠をとることが大切です。

6. 食事と飲み物で内面から美しく

美肌に欠かせない食べ物といえば、ビタミンを多く含むものをイメージしますよね。しかし、栄養素は単独では作用されないので、鮫肌改善には色んな食べ物をバランス良く摂ることが大切です。

バランス良く栄養を摂ることで、ビタミンなどの美肌に導く栄養素を効果的に届けられます。

乾燥予防に期待できる栄養素を摂りましょう。以下の表は、乾燥肌予防のおすすめの栄養素と多く含む食べ物、目的を記したものです。

栄養素と成分多く含まれる食べ物目的
ビタミンAにんじん
ほうれん草
レバーなど
肌を正常に保つ
抗酸化作用
ターンオーバーを整える
ビタミンCピーマン
ブロッコリー
レモンなど
保湿
アンチエイジング
美白
タンパク質


牛乳など
肌の基礎を作る
肌を健康な状態に導く

女性はカロリーを気にしてタンパク質を避ける傾向がありますが、肌を作る根本的な栄養素なので乾燥を防ぐためにも重要な成分です。

冷たい飲み物は控える

飲み物に関しては、季節に関わらず温かい飲み物がおすすめです。冷たい飲み物は体を冷やし血行や代謝を悪くします。

暑い季節には冷たいものを飲みたいところですが、常温や温かい飲み物を飲む習慣をつけておきましょう。カフェイン入ったものは血管収縮作用があるので、1日2~3杯程度に控えて就寝前は控えてください。

ハーブティーやローズヒップティーなどは、ビタミンCの栄養素が多く含まれているのでおすすめです。

7. ゆっくり入浴して疲労とストレスを解消しよう

肌のターンオーバーの乱れは体の疲労やストレスが溜まっている時にも起こります。入浴は肌を清潔にすると同時に疲労回復やリラックス効果もあるので、時間がある時はぜひお風呂に浸かりましょう。

血液の流れが良くなり硬くなった筋肉をほぐし、新陳代謝や自律神経を整える作用もあります。夏は38℃前後、冬は38℃~40℃のぬるま湯に入ることで、副交感神経が働きリラックスできますよ。

8. 健康な体と肌を作るために適度な運動をする

美しく健康的な肌を保つには適度な運動は欠かせません。運動不足が続くと、ストレスや体重増加、筋力の衰えや生活習慣病などのリスクが高まります。

以下は運動の種類や効果を示した表です。

種類運動例効果
無酸素運動ウォーキング・水泳など血液循環の良化・酸素取得量アップ
有酸素運動短距離走・トレーニングなど成長ホルモン分泌促進・筋力アップ
ストレッチヨガ・柔軟体操・ラジオ体操など血行不良改善・関節の動きを柔軟にする

どの運動もやりすぎは要注意なので、心地よいと感じるくらいの運動を意識して行いましょう。

9. 肌老化や肌トラブルを引き起こす喫煙は控える

ご自身がタバコを吸う方や周りに喫煙者がいる(受動喫煙)方は、吸わない人に比べるとニキビや肌荒れが起こりやすいので実年齢より老けて見られます。

いくら良い美容液や規則正しい生活をしていても、栄養素を破壊するニコチンなどの有害物質を体内に入れてしまうと全てが台無しです。

血行不良が起こりホルモンバランスも崩れますし、鮫肌が悪化する乾燥の原因にも繋がるため極力控えましょう。

10. ピーリングで古い角質を溶かして新しい肌へ

加齢やストレスによりターンオーバーサイクルが遅くなると、古い角質が角層に溜まりやすくなります。鮫肌は角質が毛孔に詰まった状態なので、ピーリング剤で古い角質を溶かしてケアしましょう。毎日使うには刺激が肌に負担がかかりすぎるので、2週間~4週間に1度を目安にしてください。

また、費用はあがりますが、美容皮膚科でも薬剤で角質を溶かす「ケミカルピーリング」や刺激を与えて肌の再生力を利用する「ダーマローラー」が鮫肌治療のために使われています。

どちらにしても、ピーリングを行った後の肌はむき卵のような敏感な状態なので、丁寧な保湿ケアを心掛けましょう。

11. 患部には適切な軟膏やクリームを使う

皮膚科では鮫肌の症状を和らげる軟膏やクリームが処方されます。サリチル酸や尿素、ヘパリン類似物質を含むものは、蓄積した角質を溶かして肌の潤いを維持するためザラザラとした鮫肌を和らげます。

忙しくて病院に行く時間がない方は市販薬も視野に入れて、患部に痒みや傷みが現れた時は皮膚科へ行きましょう。痒みや痛みがある場合は、ステロイド剤の軟膏といった医師の処方薬で抑えられます。


まとめ

鮫肌になる原因や改善策をご紹介してきました。放置しても自然と治りますが、素早く改善するために1番重要なのは保湿ケアと生活習慣です。

症状悪化や他の皮膚疾患の可能性があれば、皮膚科への受診をおすすめします。正しい美肌知識を身につけて、ブツブツ・ザラザラした肌から抜け出しましょう。