監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

おでこに触れて、「なぜかかゆいし、ザラザラする」と感じたことはありませんか。そのザラザラは、大人の女性の肌のトラブルサインの1つ。

そのまま放置してしまうと、ザラザラを感じる部分の面積が広がり、おでこ全体のトラブルに発展するリスクもあります。

ザラザラの原因とスキンケア、基礎化粧品、生活習慣による対策を知り、気になるトラブルを解消しましょう。

おでこがザラザラする原因4個

「おでこのザラザラ」とひと口にいっても、その原因は様々です。以下の原因のうちのいずれに該当するかを見極めて、正しい対策を行いましょう。

1. 毛穴の詰まり

額はもともと皮脂分泌量の多い部位です。過剰に分泌された皮脂や汗、ほこりなどが毛穴に詰まり、ザラザラとした質感を招いてしまうことがあります。

スタイリング剤やシャンプー、トリートメントといったヘアケア商品が付着し、汚れが残ってしまうことも毛穴の詰まりの原因です。定期的なディープクレンジングで蓄積汚れを一掃し、肌の状態を整えましょう。

2. 大人ニキビ

詰まった毛穴はアクネ菌の温床になりやすく、大人ニキビの発生しやすい環境です。ニキビの目立つ肌は滑らかには見えず、ザラザラとした質感にもつながります。インナードライや乾燥肌にも関わらずニキビができてしまう人は、油分の多い基礎化粧品の使用が仇となり、トラブルを招いているかもしれません。

起床後すぐにテカリやベタつきを感じる場合は、過剰な保湿が疑われます。基礎化粧品の見直しを行い、基礎化粧品から補充する油分の量を調整しましょう。

ザラザラした質感の原因を「ニキビじゃない」と考える人でも、ニキビになる一歩手前の「コメド」という症状が見られるケースがあるため、油断は禁物。質感の変化をSOSサインと考え、適切な対処を行いましょう。

3. バリア機能の低下

誤ったスキンケアや髪の毛とおでこの接触といった摩擦刺激は、肌がもともと持っているバリア機能を低下させ、敏感な状態に変化させるリスクがあります。敏感に傾いた肌は肌荒れを起こしやすく、かゆみや炎症、ザラザラした質感につながるのです。

また、敏感に傾いた肌は自分自身の汗も刺激に感じ、拒否反応を起こしてしまうことがあります。額の汗をこまめに拭く、帰宅後すぐに洗顔するなど、トラブルを防ぐための対策を徹底しましょう。

4. ターンオーバー周期の乱れ

30代や40代から急にトラブルが悪化した人の場合、ターンオーバー周期の乱れが疑われます。加齢や紫外線ダメージ、生活習慣の乱れなどの影響を受け、古い角質の滞留する状態です。

本来ならば剥がれ落ちるはずのものまで肌表面に残ると、どんどん層が厚くなり、ザラザラした状態となってしまいます。古い層を取り除くお手入れとともにターンオーバー周期の乱れに対する対策を行い、正常なサイクルに戻すことが大切です。

おでこのザラザラの改善対策3個[スキンケア]

おでこのザラザラを改善するために必要なスキンケアは、正しい洗顔とクレンジングです。トラブルの状態によってはピーリングや酵素洗顔といった集中ケア商品を併用し、肌表面を清潔に維持します。

1. 正しい洗顔で毛穴の詰まりを解消する

毛穴の詰まりを解消し、滑らかな質感に導くためには、泡洗顔を行います。洗顔料を十分に泡立て、赤ちゃんの肌を扱うように、優しく丁寧に洗顔しましょう。この基本を守るとともに、以下2点の内容を意識すると、おでこのザラザラ解消を後押しできます。

【1】Tゾーンを最初に洗う
皮脂分泌量の多いおでこ、鼻を最初に洗い、他の部位へと進みましょう。この洗い方を行うことで、肌にとって必要な潤いを残しつつ、要らない汚れを落とすといった部位ごとのバランス調整が可能です。

【2】おでこのすすぎ残しを確認する
おでこに残る洗顔料は、肌トラブルの原因です。洗顔後に鏡を見て、すすぎ残しのないことを確認しましょう。髪の毛とおでこの境目はとくにすすぎ残しが生じやすいため、念入りな確認をおすすめします。

2. 刺激の強いクレンジングを極力避ける

バリア機能の低下やターンオーバー周期の乱れを起こした肌は、デリケートな状態です。シートタイプやコットンタイプなど刺激の強いクレンジングの使用は控え、ミルクタイプやクリームタイプを選択しましょう。

◯ミルクタイプのクレンジング
伸びが良く、滑らかな質感を強みとするクレンジングです。マイルドな洗浄力ではあるものの、ナチュラルメイク程度であれば、十分に対応できます。肌にとって必要な皮脂まで落としてしまうリスクが低く、乾燥肌・敏感肌でも使いやすい種類です。

◯クリームタイプのクレンジング
ミルクタイプより油分が多く、しっとりとした質感のクレンジングです。毛穴の詰まりや大人ニキビが原因のざらつきではなく、肌の健康状態悪化が原因と考えられる人におすすめしたい種類。「ニキビじゃないのに、ザラザラする」「肌の状態が安定せず、おでこがかゆい」といった悩みを持つ人と相性の良い種類と言えます。

ただし、クレンジングの本来の目的は、メイク汚れを落とすことです。濃いメイクを行った日までミルクタイプやクリームタイプにこだわる必要はなく、落とす力の強い種類を使わなければならない場面も存在します。肌に対する刺激・落とす力のバランスを考慮し、自分なりの「クレンジング・使い分けルール」を決め、複数種類を併用しましょう。

3. 週1回の角質ケアを行う

蓄積した毛穴の汚れや古い角質が多い場合、普段通りの洗顔だけでは落としきれないことがあります。ザラザラが特に気になる時には、肌質に応じた角質ケア商品を活用し、肌と毛穴の大掃除を行いましょう。

大掃除に活用できる商品の代表格は、ピーリング・酵素洗顔・スクラブです。これらの商品の特徴や使い分けは、次の表を参照下さい。

ピーリングタンパク質や皮脂を酸の力で溶かし出し、取り除くための商品です。市販のピーリング剤はマイルドな作用に調整されたものが多いものの、刺激を感じる人もいます。美容成分を配合し、よりマイルドに調整した商品を活用するなど、トラブルを防ぐための対策も検討しましょう。
酵素洗顔タンパク質や皮脂の分解酵素を配合した洗顔料です。一般的な洗顔料の代わりに使用し、集中ケアを行うタイプの商品が目立ちます。おでこのザラザラのみが気になる時には、酵素洗顔料の部分使いを行い、質感の調整を行うことも可能です。
スクラブクレイやこんにゃく粒といったスクラブ粒子を配合した洗顔料です。汚れ除去作用は比較的パワフルですが、成分によっては肌に対する刺激の強いお手入れ方法。バリア機能の低下した肌に使用するとトラブルを悪化させる恐れがあるため、相性の見極めが必要です。

おでこのザラザラの改善対策3個[化粧品]

次に、化粧水や美容液、乳液、クリームなど、基礎化粧品によるザラザラ改善対策を紹介します。ザラザラの原因に応じた基礎化粧品の選び方や活用法を知り、トラブルを繰り返さない、健やかな肌を目指しましょう。

1.【毛穴の詰まり】さっぱりタイプの化粧水で保湿する

毛穴の詰まりの気になる人がこってりとした保湿化粧水を活用すると、症状を悪化させるリスクがあります。しかし、大人の女性の肌にとって「保湿を全く行わない」といった選択はハイリスク。さっぱりタイプの保湿化粧水を活用し、肌にとっては欠かせない水分を補いましょう。

化粧水を付ける時のポイントは、手のひらでしっかりと入れ込むことです。コットンで滑らせるように付ける方法は、摩擦刺激を与えやすく、ザラザラを悪化させるリスクがあります。

とくに、肌をたたくようにパッティングする付け方は、トラブルを繰り返す肌をいじめる行為。手のひらで顔を包み込むように化粧水を押し込み、肌に優しい付け方を守りましょう。

2.【大人ニキビ】ニキビ対策用の化粧水・美容液・乳液を活用する

ニキビによるザラザラが気になる人は、ニキビ対策用の化粧水や美容液、乳液でお手入れしましょう。次のような成分が配合された基礎化粧品は、おでこのザラザラ対策として検討できます。

抗炎症成分(グリチルリチン酸2Kなど)ニキビや吹き出物による炎症を抑えるために配合されます。炎抗菌・殺菌作用ではないため、アクネ菌を退治する働きは持たず、炎症を和らげる目的から配合されます。
グリコール酸(AHA)・サリチル酸(BHA)ピーリング剤にも採用される成分。ざらつき、ごわつきの解消を支援し、滑らかな肌へ導きます。
ビタミンC・ビタミンC誘導体優れた抗酸化作用を持ち、ニキビ跡や色素沈着対策に活用されます。皮脂量のコントロールも担う成分であるため、おでこのべたつき予防にもおすすめです。
ビタミンAターンオーバーを促進し、柔らかく滑らかな肌への生まれ変わりを支援します。コラーゲン、エラスチンの生成を促す働きも担うため、おでこのシワやたるみが気になる人にもおすすめです。

3.【バリア機能・ターンオーバー周期】敏感肌・乾燥肌用の化粧品で保湿する

前述のように、バリア機能の低下やターンオーバー周期の乱れが見られる肌は、わずかな刺激も敏感にキャッチし、かゆみやざらつきを生じやすい状態です。敏感肌・乾燥肌用の化粧水や美容液、乳液・クリームを使用し、十分な保湿を行うことで、弱った肌を守りましょう。

基礎化粧品を選ぶ時のポイントは、細胞間脂質・NMF(天然保湿因子)・皮脂を補う成分を含むことです。これらの要素は、バリアの3因子と呼ばれるもの。バリア機能の低下やターンオーバー周期の乱れの生じた肌で不足する成分であるため、基礎化粧品の活用による補充が望まれます。

十分な保湿を行うためには、化粧水・美容液・乳液やクリームと基礎化粧品のセット使いを守り、工程の省略を避けることも大切です。化粧水は主に潤いを補充するもの・美容液は保湿成分やエイジングケア成分を入れ込むためのもの・乳液やクリームは表面に膜を張るものと、希少化粧品ごとの役割は異なります。

この点を理解せず「保湿したつもり」のお手入れで終わることは、ザラザラを悪化させる要因の1つ。保湿の基本に沿い、正しい方法でお手入れしましょう。

おでこのザラザラの改善対策5個[生活習慣]

最後に、生活習慣の見直しによるおでこのザラザラ対策を紹介します。おでこのザラザラだけではなく、全般的な美肌作りに貢献する内容であるため、当たり前の習慣として継続しましょう。

1. 紫外線対策を怠らない

紫外線によるエイジング現象は「光老化」と呼ばれます。光老化を起こした肌の顕著な症状が、肌の層が厚く、ゴワゴワした質感になること。おでこのザラザラの原因・角質肥厚と同様の症状が紫外線によって生じることから、日常的な対策が欠かせません。

日常的に行う紫外線対策の例として、次の内容が考えられます。

・環境に応じた強さの日焼け止めを毎日使う
・UVカットタイプのカーテンをかける
・外出時には、つばの広い帽子や長袖、サングラスを着用する
・日差しの強い時間帯の外出を控え、午前中の早い時間や夕方に用事を済ませる

一般的なカーテンや窓ガラスは紫外線を透過するため、部屋の中で過ごす日にも、十分な対策が必要です。365日体制で十分な対策を行い、おでこのザラザラを解消しましょう。

2. 腸内環境を整える

腸内環境の悪化は、スムーズなお通じを妨げ、大人ニキビや乾燥を招きます。おでこのザラザラを改善するためには、次のような対策を行い、腸内環境を整えましょう。

・乳酸菌を摂取し、善玉菌を増加させる
・善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を摂取する
・アルコールやタバコをほどほどに控え、悪玉菌の増加を防ぐ
・適度な運動を習慣化し、腸の活動を促す
・極端なダイエットや食事制限を控える

食生活の西洋化や便利な道具の発達が現代人の腸内環境を悪化させ、美と健康に悪影響をもたらしているといった指摘も存在します。意識的な対策を行うことで時代の変化に対応し、滑らかな肌を作りましょう。

3. 睡眠の質を高める

おでこのザラザラを改善するためには、新しい肌への入れ替わりを促すことが大切です。睡眠中は、新しい肌への生まれ変わりを司る成長ホルモンが分泌される大切な時間。規則正しい時間にベッドへ入り、質の高い睡眠をとることにより、トラブルの修復を促しましょう。

◎質の高い睡眠をとるためにできる工夫

・就寝直前のアルコール摂取や食事を控える
・ベッドの中で、ブルーライトを発する機器(PCやスマホなど)を使わない
・遮光カーテンを使用し、外部の光を遮断する

4. 良質なタンパク質とビタミンを摂取する

食生活のポイントは、タンパク質・ビタミン類を意識的に摂ることです。タンパク質は、肌や身体の原料となる栄養素。肉や魚、乳製品といった動物性タンパク質、大豆や納豆、豆腐といった植物性タンパク質をバランス良く含め、過不足なく摂取しましょう。

ビタミンB2は、皮脂分泌の調整を助けます。大人ニキビによるおでこのザラザラ解消のため、意識的に摂りたい栄養素の1つです。ビタミンB6は、ターンオーバー周期の正常化を助けます。ザラザラの気になる時はもちろん、エイジングトラブル対策として有効である栄養素です。その他、紫外線やストレスによる身体の酸化を防いでくれるビタミンCやビタミンE、乾燥や色素沈着を予防するビタミンAも、ザラザラ改善を後押しします。

なお、良質なタンパク質・ビタミン類が大切とはいえ、脂質や糖質の極端な制限は避けましょう。主食・主菜・汁物を組み合わせ、多くの食材をバランス良く摂ることがトラブル解消の近道です。

5. 前髪をあげる

髪の毛には、スタイリング剤や空気中のほこり、汗など、様々な汚れが付着します。おでこのザラザラが気になる時には前髪をあげ、衛生的なスタイリングを行いましょう。

「どうしても前髪を作りたい」といった人には、スタイリング剤の成分にこだわる・帰宅後はヘアバンドを使用するなど、負担を軽くするための対策をおすすめします。ヘアスプレーはコームに吹きかけ、梳かす方式で使用すると、肌荒れリスクの軽減が可能です。

まとめ

この記事では、おでこのザラザラの原因と改善対策を紹介しました。どれほど熱心に対策を行っても治らないトラブルは、医療機関に相談しましょう。マラセチア毛包炎・皮脂欠乏性湿疹などが原因で生じる肌のざらつき・炎症を放置すると、感染症を招いてしまうリスクがあります。

近年では美容分野に特化した皮膚科も多く、自費診療を含めた多様なコースメニューから柔軟な選択が可能です。自己努力による対策と専門家による治療を組み合わせ、理想の美肌を目指しましょう。