監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

年齢とともに毛穴が開き、悩む女性は多いものです。ファンデーションではカバーできず、鏡を見る度に気になります。

ここでは、毛穴が開く原因と引き締め対策、スキンケア選びなど、なめらかな美肌を目指す人に役立つ知識をまとめました。

毛穴が開く原因4つ

思春期毛穴と大人の毛穴は、原因が異なることをご存知でしょうか。成長ホルモンが活発に分泌される思春期は、皮脂分泌が過剰になって、毛穴の詰まりが起こりやすい時期といえます。詰まった毛穴に繁殖するアクネ菌が、思春期ニキビの原因です。

成長ホルモン分泌は、10代でピークをうちます。25歳くらいからはとくに顕著に分泌量が減っていき、皮脂分泌は落ち着くはずです。皮脂分泌量が落ち着くにも関わらず、毛穴トラブルに悩む女性が多いのはなぜでしょうか。大人の女性特有の原因として、4つのパターンが考えられます。

①肌の乾燥

まずは、肌の乾燥です。間違った洗顔やスキンケアから乾燥トラブルが進行すると、ターンオーバーリズムが乱れます。ターンオーバーリズムが乱れると、バリア機能が十分に育ちません。刺激に対して敏感になった肌を守るため、皮脂分泌過剰になります。過剰な皮脂は毛穴に詰まり、押し広げる原因です。

②過剰なメイク・洗顔不足

毛穴が開くと気になるので、カバーメイクを行いますよね。メイクを濃くするほど洗浄力が強いクレンジングを使わないといけなくなって、肌への負担が増す一方です。負担を軽減するために、クレンジングを控えめにしたらどうでしょうか。落としきれなかったメイクの汚れが皮脂と混じると、黒ずみ汚れが目立ちます。

これがいわゆる「イチゴ鼻」の状態です。イチゴ鼻を治すために、再び過剰なケアを行いますよね。過剰なケアを続ければ続けるほど、繰り返し毛穴が詰まって、巨大化してしまいます。

③肌のハリ・弾力不足

加齢や紫外線トラブルの蓄積、女性ホルモンの減少などからコラーゲン・エラスチンの生成が減ってくると、ハリ・弾力不足が起こります。肌のたるみと合わせて毛穴も一緒に伸びてしまった状態が「開き毛穴」「たるみ毛穴」と呼ばれるものです。さらに状態が悪化すると、伸びた毛穴同士が連結して、シワのようになってしまいます。これが「帯状毛穴」と呼ばれるもの。帯状毛穴になってしまうとなかなか改善できないので、早めの対処をおすすめします。

④色素沈着

開いた毛穴の上から紫外線を浴びてしまうと、くぼんだ部分にメラニン色素が生成されます。これがいわゆる「メラニン毛穴」と呼ばれるもの。大人ニキビをつぶしてしまい、炎症がひどくなった部分の茶色いシミも、同様のメカニズムから起こります。

色素沈着した毛穴はほかのものより目立つため、実際にはそこまで開いていなくても、コンプレックスになりがちです。毛穴が気になるときにはUVケアをきちんと行い、色素沈着を予防しましょう。

毛穴を引き締める方法6選


原因が分かったところで、本題に移ります。大人の女性におすすめしたい毛穴を引き締める方法6個を紹介しましょう。

①刺激が強いケアを止める

毛穴に悩む人ほど刺激が強いケアを行い、乾燥を悪化させてしまいがちです。たとえばこんなお手入れに心当たりはないでしょうか。

・剥がすタイプの毛穴パックを定期的に使っている
・スクラブ洗顔やピーリングでターンオーバーを促す
・手やピンセット、押し出し式のケアアイテムで毛穴の詰まりを解消する
・洗顔ブラシでゴシゴシ洗う
・皮脂汚れをとるため、1日に何度も洗顔する

これらはすべて、ターンオーバーを早めてしまう要素です。ターンオーバー周期が早すぎると、うるおいを維持してくれるバリア機能が育ちません。毛穴の引き締め対策の第一歩として、過剰なケアをお休みしましょう。カバーメイクもできる限り薄くして、肌の負担を軽減します。

②収れん化粧水をスキンケアの最後に使う

収れん化粧水とは、肌や毛穴を引き締めて、過剰な皮脂分泌をコントロールするケアアイテムです。いつも通りのスキンケアを行った後に毛穴を引き締めてあげることで、コンディションを整えます。繰り返しになりますが、大人の毛穴トラブルにとって、乾燥は大敵です。保湿用の化粧水を収れん化粧水に切り替える方法ではなく、プラスワンアイテムとして活用しましょう。

収れん化粧水を使ったお手入れは、以下のように進めます。

(1)500円玉くらいの化粧水をコットンに出す
(2)毛穴が気になる部分にだけ、軽くたたくようになじませる
(3)つけた部分がひんやり冷たく感じるくらいまで繰り返す

目元や口元のようにデリケートな部位は避け、毛穴が気になる部分だけをケアしましょう。収れん化粧水にはアルコールを含む商品が多く、敏感肌・重度乾燥肌にはマッチしません。炎症やニキビをまねくリスクもあるため、肌質に合わせて取り入れましょう。

③洗い流すタイプのクレイパック

どうしても毛穴汚れが気になるときには、クレイパックでお手入れしましょう。クレイパックとは、泥パックのことをいいます。天然の泥の吸着力を利用して、詰まってしまった毛穴の汚れをすっきり落とし、引き締めをねらうケアアイテムです。クレイにもいろいろな種類があるので、自分に合うものを使ってみましょう。

◯ホワイトクレイ
カオリンを主成分とした白色のクレイです。粒子が非常に細かく、敏感肌・乾燥肌でも使いやすい種類といえます。メラニン色素の生成を抑制する働きも期待されることから、黒ずみケアにおすすめです。

◯レッドクレイ
鉄分・油分を含んだ赤褐色のクレイです。血行を促進する働きが強く、冷え対策に活用されます。しっとりした質感で吸着力も強い反面、合う・合わないがはっきりでやすい種類です。

◯グリーンクレイ(モンモリロナイト)
天然ミネラル豊富・しっかりとした吸着力があるクレイです。顔の汚れを磁石のように吸い寄せて、排出を助けてくれます。皮脂分泌がもともと多く、べたつきやテカリが気になる人におすすめです。

◯ガスール
マグネシウムを豊富に含んだ土色のクレイです。汚れを吸着する力は比較的強く、デトックスが得意な種類にあたります。敏感肌・乾燥肌には負担が強いケースもあるため、はじめて挑戦する際には気をつけましょう。

クレイパックを行うタイミングは、クレンジング・洗顔をした後です。メイクやほこりなど顔表面の汚れをあらかじめ取った後、取りきれなかった分を落とすために使います。クレイパックを使ったお手入れは、以下の手順で進めてください。

(1)クレイ大さじ2〜3杯に対して水1くらいを目安に、なめらかなペーストを作る
(2)皮脂分泌量が多い部分から順番にクレイペーストを塗っていく
(3)5〜10分くらいパックして、クレイが乾く前に洗い流す

パックをしている最中に乾いてしまうと、乾燥トラブルを悪化させるリスクがあります。メーカーが指定している放置時間を上限として、様子を見ながら調整しましょう。顔の中でもとくに早く乾く部位があれば、乾燥トラブルが進行しているサインです。すすいだ後に重点的な保湿を行い、コンディションを整えましょう。

④炭酸水でパックする

コンビニやスーパーでよく見掛ける無糖タイプの炭酸水は、毛穴の引き締めに活用できます。弾ける泡が血管を拡張させて、ターンオーバーを促してくれるためです。炭酸水には、タンパク汚れを吸着する働きも期待されます。洗顔では落としきれない毛穴の汚れも吸着し、きれいにお掃除することでニキビ予防にもなるのです。

炭酸水を使ったパックは、次の手順で進めましょう。

(1)コットンがひたひたになるくらいまで、たっぷり炭酸水を含ませる
(2)毛穴の目立つ部分に1を置く
(3)肌の上で弾ける感じがなくなってきたら炭酸水を足しつつ、5〜10分パックする

パックした直後の肌はやわらかく、保湿成分を浸透させるチャンスです。化粧水・美容液・乳液もしくはクリームによる乾燥対策を進めましょう。手作りの炭酸水パックなら、1回あたり100円以下でケアできます。低コストで継続できる毛穴ケアをお探しの人には、もってこいのお手入れです。

パックに使った炭酸水が余ったら、洗顔にも活用できます。洗顔料を泡立てるときに炭酸水を使うだけの簡単なお手入れです。炭酸の力できめ細やかな泡ができ、適度な刺激によってたるみケアも行えます。バリア機能が衰えた肌には刺激が強いケースもあるため、週に1回のお手入れから始めてみましょう。

⑤食生活を見直す

毛穴の引き締め対策でも、生活習慣が大切です。揚げ物や嗜好品といった油っぽい食べ物・お菓子は、皮脂の過剰分泌をまねきます。アルコールや炭水化物、カフェインもほどほどにして、栄養バランスのとれた食事をしましょう。基本的な栄養バランスは守ったうえ、意識的に取りたい栄養素は、ビタミンB群・ビタミンCです。

◯ビタミンB群
タンパク質や脂質の代謝を促して、皮膚や粘膜の健康維持を助けてくれます。アドレナリンやセロトニンといった神経伝達物質の合成にも関わり、ストレスに負けない身体を作るために欠かせない栄養素の1つです。

<ビタミンB群が豊富な食材例>
レバー・うなぎ・マグロ・バナナ・乳製品・発酵食品

◯ビタミンC
コラーゲンの生成には、ビタミンCが必要です。活性酸素から身体を守る栄養素でもあって、美と健康維持のために重要な栄養素の1つといえます。ビタミンCを効率的に摂取するなら、生のまま食べられる野菜や果物がおすすめ。サラダやデザートとして、日々の食事にプラスしましょう。

<ビタミンCが豊富な食材例>
パプリカ・レモン・アセロラ・ブロッコリー・ゴーヤ・キウイ・ケール

⑥表情筋トレーニング

ハリ・弾力不足から毛穴が目立ってしまった人は、表情筋トレーニングを試してみましょう。顔の筋肉を強化して、たるんだ毛穴を持ち上げるように伸ばしてあげることにより、引き締めをねらいます。

参考までに、簡単な表情筋トレーニングのやり方を紹介しましょう。

【あ・い・う・え・お体操】
1. 口を大きく開いた「あ」の形で4秒キープ
2. 口角が下がらないように「い」の形を作って4秒キープ
3. 口を思い切り前に突き出した「う」の形で4秒キープ
4. 口角をきゅっと上に上げる「え」の形で4秒キープ
5. 口をすぼめて下あごを引き「お」の形で4秒キープ

【舌回しトレーニング】
1. 口を閉じる
2. 口を閉じたまま、歯茎の外側をなぞるように、左回りで1周する
3. 左回りを20回続ける
4. 右回りに変えて20回続ける

朝・晩のスキンケアにプラスして表情筋トレーニングを行うことで、代謝もアップ。むくみがとれて、すっきりとした小顔を作る働きも期待されます。楽しみながらケアするため、市販のトレーニンググッズを活用するのもおすすめです。手頃な値段で購入できるアイテムもありますから、雑貨店で探してみましょう。

毛穴引き締めにおすすめの化粧水や美容液

開き毛穴を引き締めるためには、十分な保湿ケアが必要です。保湿成分配合の化粧水・美容液を使って、継続的にケアしましょう。以下の成分が入ったアイテムは、毛穴ケアにおすすめできます。

セラミド

肌内部の水分をつなぎとめ、バリア機能を高めてくれ高保湿成分。もともと私たちの肌にある成分なので、刺激が少なく、敏感肌・乾燥肌の保湿にも適しています。セラミドの中でもとくになじみがよく、乾燥対策に適したスキンケアを選ぶなら、ヒト型セラミドに注目しましょう。肌にあるセラミドと似た構造で作られるため親和性が高く、すっとなじむ質感が特徴です。

ヒアルロン酸

1gで6Lもの水分を保持できるといわれるほど保水力が高く、乾燥予防やハリ対策として配合されます。なるべく早く変化を感じるためには、浸透力を高めるために低分子化し、配合しているスキンケアを選びましょう。セラミドとの組み合わせで活用すると、より効率的にケアできます。

コラーゲン

セラミド・ヒアルロン酸と並ぶ三大保湿成分にあたります。加齢によって不足してしまったコラーゲンをスキンケアから補うことで、ハリのあるみずみずしい肌をサポート。肌内部の水分蒸発を防ぎ、うるおいを維持する働きが期待されます。

保湿成分と合わせて検討できるのが、皮脂をコントロールし、たるみケアが得意な美容成分です。たとえば、ビタミンC誘導体が該当します。

ビタミンC誘導体

皮脂分泌過剰を防ぐ・セラミドやコラーゲンの合成を促す・たるんだ毛穴を引き締めるなど、たくさんのメリットが期待されます。ターンオーバーを促す働きから、メラニン毛穴の美白にも活用される成分です。

ビタミンC誘導体の入ったスキンケアは、保湿ケアとの組み合わせで行いましょう。ビタミンC誘導体単体だと、乾燥肌を悪化させるリスクがあります。皮脂を抑える働きが仇になって、うるおいを維持するために必要な皮脂までコントロールしてしまうケースもあるためです。大人の毛穴対策なら、保湿+毛穴引き締めが同時にできるアイテムを選択しましょう。

化粧水や美容液と一緒に使うアイテム

化粧水・美容液と合わせて活用したいスキンケアアイテムは、乳液もしくはクリームです。

油分で蓋を作ることにより、補充した保湿成分を内側に閉じ込めて、逃さない働きを担ってくれます。乳液とクリームの違いは、水分・油分のバランスです。水分が多く、サラサラとした質感に作られたアイテムが乳液・油分の配合を多くして、よりしっとりツヤのある肌を作るアイテムがクリームととらえましょう。

まとめ

大人の毛穴引き締めは、適切な美容液や化粧水の使用と間違ったケアを止めること、表情筋トレーニングなど、総合的な対策が不可欠です。すぐに変化が見られなくても、根気強く継続することにより、5年後や10年後のコンディションが変わってきます。毛穴の目立たないなめらかな美肌を作るため、コツコツ努力を続けましょう。