
唇のシミはとても目立つため、気になっている方は多いのではないでしょうか。唇の色はピンクや肌色に近く、そこに黒や茶色のシミができると、顔全体の印象が変わってしまいます。
唇のシミを解消するには、まず原因を知って新たなシミを予防する必要があります。そのうえで、唇のシミを消す方法を実践しましょう。また、すぐに改善するわけではないため、シミを一時的に隠す方法も覚えておきたいところです。
ここでは、唇のシミの消し方から原因や予防法、隠し方まで詳しく解説します。
唇のシミができる原因3個
まずは、唇のシミができる原因について詳しくみていきましょう。
1. 唇の乾燥
唇が乾燥すると、バリア機能が低下して刺激を受けやすくなります。その状態で紫外線や摩擦などの刺激を受けると、シミの原因となるメラニンが多量につくられて、唇に沈着するのです。
唇は、手で直接触れたりエアコンの風が当たったりすると、簡単に乾燥してしまいます。唇には皮脂線がないため、肌の水分の蒸発を抑える皮脂膜を作ることができません。そのため、他の部位と比べて乾燥しやすいのです。
また、唇の乾燥を感じた場合は、つい舌で舐めてしまいがちですが、これも乾燥につながります。唇を舐めても保湿できるわけではなく、唾液成分が蒸発するときに唇の水分まで奪い去ってしまいます。このように、唇は何気ない習慣で簡単に乾燥するため注意しましょう。
2. 紫外線
唇が紫外線を受けると、メラニンが生成されます。メラニンは、ターンオーバーによって自然に排出されるため、通常ではシミにはなりません。しかし、加齢や睡眠不足、栄養不足、運動不足、ストレスなどさまざまな原因でターンオーバーの周期が遅れて、メラニンの排出がメラニンの生成に追いつかなくなります。その結果、唇内部で蓄積したメラニンが表面化して、シミとなるのです。
唇は、服などで覆われていないため、外出時は常に紫外線にさらされています。さらに、皮脂線がないことでバリア機能が低いため、他の部位と比べて紫外線の影響を受けやすい問題もあります。
紫外線対策と言えば、顔や腕などが思い浮かび、唇も対策が必要なことが思い浮かびにくいのも理由の1つでしょう。
3. 口紅などの刺激
口紅に含まれる成分によって、唇が刺激を受けていた場合もシミができる可能性があります。唇はバリア機能が低いため、他の部位であればダメージを受けないような成分でもダメージを受ける恐れがあるのです。エタノールや合成着色料、保存料などによる刺激が懸念されますが、刺激となる成分には個人差があります。
口紅を使うときは、まずテスターを使用して刺激を感じないか確認しましょう。また、口紅を塗るときに押しつけるように塗ることも刺激につながります。口紅を塗るのに力は必要ないため、優しく塗るようにしましょう。
唇のシミを消す方法4個
それでは、唇のシミはどのように消せばいいのでしょうか。唇の直接的なケアだけではなく、身体の内側からアプローチすることが大切です。唇のシミを消す方法について詳しくみていきましょう。
1. 美白成分配合のリップケア用品を使う
美白成分配合のリップクリームやリップスティックを使うことで、シミの改善が期待できます。シミの元となるメラニンの生成を抑えたり、ターンオーバーによる還元を促したりできることが特徴です。美白成分としては、プラセンタエキス、ビタミンC誘導体、トラネキサム酸、コウジ酸、エラグ酸などがあります。
美白を目的としたリップケア用品をいくつか試して、使用感や予算が自分に合うものを継続的に使用しましょう。使用のタイミングは、洗顔後や日中の乾燥を感じたときです。冬は空気の乾燥により頻繁なケアが必要ですが、夏もエアコンによって空気が乾燥するため、季節を問わず唇の状態をこまめにチェックしてください。
2. ビタミン類を十分に摂る
ビタミン類には、シミの排出や還元を促す成分やターンオーバーを促す成分があります。野菜や果物、肉類などから各種ビタミンを十分に摂ることで、身体の内側から唇のシミにアプローチできるのです。
意識的に摂りたいビタミンが多く含まれている食品は次のとおりです。
β-カロテン・・・にんじん、ホウレンソウ、かぼちゃ、海苔など
ビタミンC・・・ピーマン、ブロッコリー、キャベツ、レモン、オレンジ、イチゴなど
ビタミンE・・・ナッツ類、うなぎ、魚卵、アボカド、ゴマなど
様々な食べ物を好き嫌いせずに食べることで、自然に栄養をバランスよく摂ることができるでしょう。
3. リップスクラブで古い角質を落とす
リップスクラブは、古い角質を取り除くピーリング効果が期待できるケア用品です。古い角質を取り除くことで、シミが薄くなる可能性があります。また、古い角質が蓄積したために起こるくすみも対策できるでしょう。さらに、ターンオーバーを整えられるため、新たなシミができにくくなります。
古い角質は1回のケアで取り除けるため、1~2週間に1回の頻度のケアに留めましょう。過剰な角質ケアは、ターンオーバーを早めてしまい、未熟な角質になってしまいます。未熟な角質はバリア機能が低いため、新たなシミのリスクが高まります。
4. ホホバオイルでケアする
ホホバオイルは、メキシコやアメリカ南部で栽培されるホホバの木の種から採取されるオイルです。高い保湿力を持ち、唇に限らず顔全体の保湿ケアにも使えます。ホホバオイルに直接シミを消す効果はありませんが、唇の水分の蒸発を防ぎ、しっとりとした状態へ導けるため、バリア機能の維持に役立ちます。
結果的に、ターンオーバーが促されてメラニンの還元が進み、シミが消えやすくなる可能性もあるでしょう。ただし、水分は補給できないため、唇用の化粧水や美容液とあわせて使うことが大切です。
ホホバオイルは天然成分で比較的アレルギーが起こりにくいとされていますが、刺激を感じた場合は使用を中止しましょう。
唇のシミ取りレーザー方法
どうしても消えない唇のシミは、医療機関で受けられるシミ取りレーザーで改善が期待できます。レーザーの熱でメラニンを蒸散させることで、シミを解消する仕組みです。また、使用するレーザーはメラニンにだけ反応するため、周りの皮膚や唇に大きなダメージが及ぶ心配がありません。
ただし、レーザーの照射時には痛みを感じたり、施術後に赤みやヒリヒリ感などの症状が現れたりする可能性があります。また、使用するレーザーによって肌トラブルのリスクや効果が異なるため、まずは医師に相談しましょう。
自由診療で医療機関によって料金は異なりますが、1回8,000~20,000円程度で受けられます。シミの範囲によって料金が変わることが一般的です。
唇のシミの予防方法5個
唇のシミは、できるだけ予防することが大切です。加齢とともにターンオーバーが遅れてシミができやすくなるため、予防の意識を持たないと再びシミができてしまうでしょう。次のような予防策を習慣づけてください。
1. UVカットのリップクリームを塗る
UVカットのリップクリームを塗ることで、紫外線ダメージを抑えられます。リップクリームには、唇に水分を補給し、油分で膜を張ることで外的刺激を抑える役割があります。皮脂線がない唇のケアには欠かせないアイテムでしょう。
UVカットのリップクリームには、紫外線を防ぐ時間や効果を示す「SPF」と「PA」が設定されています。
SPFは、紫外線による急性の炎症を防ぐ効果を示しています。数値が大きいほどに、炎症が起こるまでの時間を引き延ばせることが特徴です。PAは、唇の奥にまで届き、コラーゲンやエラスチンを破壊して弾力を低下させる紫外線の防止効果を示します。+の数が多いほどに効果が高いことが特徴です。
日常使いのUVカットのリップクリームは、SPF15~35、PA++~+++程度のものを選びましょう。
2. UVカットのマスクをつける
UVカットのマスクをつけることで、紫外線による唇へのダメージを抑えられます。マスクをつけられるシーンは限られますが、UVカットのリップクリームと併用することで、さらに唇へのダメージを抑えられるでしょう。
口から頬にかけてしっかり覆うものを選ぶことがポイントです。また、UVカット率はできれば97%はほしいところでしょう。実際に販売されているUVカットマスクのほとんどが97%以上のカット率です。また、唇が強く摩擦されるようなマスクは避けましょう。
継続的に摩擦されることで、シミのリスクが高まる可能性があります。UVカットマスクは化学繊維が使用されたものが多いのですが、肌ざわりが優しいものを選ぶことで唇への刺激を抑えられます。
3. 睡眠習慣を整える
睡眠習慣が乱れていると、肌のターンオーバーが遅れて唇の健康を保ちにくくなります。睡眠中に分泌される成長ホルモンの働きでターンオーバーが促されるため、睡眠不足に注意しましょう。また、睡眠の質も重要とされているので、目がさえて眠れなくなるような行為は避けてください。
例えば、寝る前にスマホやテレビの画面を見ると、強い光の刺激で眠りにつきにくくなります。また、寒かったり暑かったりする環境も睡眠の質の低下を招くため、エアコンや扇風機で室温を調節しましょう。
4. 唇を触らないようにする
唇を触るクセがある場合は、意識して触らないようにすることが大切です。口元に手を持っていきそうになったら、唇にシミができるイメージをするといいでしょう。唇を触って一時的に満足感を得るのと、唇にシミができるのと、どちらがいいか考えることで、唇を触るクセを克服できる可能性があります。
また、唇を触ってしまうタイミングがいつなのか確認し、そのときだけマスクをつけておくのもいいでしょう。
5. 栄養バランスのとれた食事を心がける
ターンオーバーには、様々な栄養が必要です。ビタミン類を十分に摂ることがシミの改善につながりますが、ターンオーバーを整えるには他の栄養もしっかり摂らなければなりません。ビタミン類やミネラル、タンパク質をしっかり摂りましょう。それぞれの栄養の働きと多く含まれている食品は次のとおりです。
◯タンパク質
タンパク質は、肉類や魚類、卵のほかに、大豆にも含まれています。肉や魚は脂質が多く含まれているものもあるので、注意が必要です。
◯鉄分
鉄分は、血流を改善してくすみを防ぐ働きがあります。ひじきや昆布、あさり、小松菜などに多く含まれています。
◯亜鉛
亜鉛は、ターンオーバーにおいて重要な役割を果たしている栄養素です。牡蠣やビーフジャーキー、煮干しなどに多く含まれています。
唇のシミの隠し方2個
唇のシミの改善に取り組んでも、すぐに消えるわけではありません。唇のシミが気になって、人とのコミュニケーションに支障をきたすような場合は、次の方法で隠すといいでしょう。
1. 口紅で隠す
口紅を塗ることで、シミを目立ちにくくすることは可能です。自分に似合う色の範囲内で、シミを目立ちにくくできる口紅を選びましょう。
2. 口紅でも消せない場合はコンシーラーで前処理
口紅でも消せないシミは、コンシーラーで前処理することで、消せる可能性があります。次のようにメイクしましょう。
(1)少量のファンデーションを唇に薄く塗る
(2)コンシーラーをシミにのせる
(3)軽く指で叩き込む
(4)口紅を塗る
コンシーラーをのせすぎると、周囲の色との差が生まれ、かえって目立ってしまうため注意が必要です。また、叩き込むときは爪が唇に当たらないようにしましょう。
まとめ
唇のシミは、メラニンの生成を抑えたり還元を促したりする成分を取り入れることで、改善が期待できます。睡眠や栄養バランスなどを見直して、身体の内側からもアプローチしましょう。唇のシミは目立つため、コンプレックスに感じている方が多いのではないでしょうか。これ以上、唇のシミが濃くなる前にケアを始めましょう。