内側から発光しているかのように美しく、エネルギッシュな印象を強調するツヤ肌メイク。10代や20代から40代、50代まで、年代を問わずに人気のあるトレンドメイクの1つです。
ところが、ツヤ肌メイクにいざ挑戦しようとすると、肌トラブルが目立ってしまい、美しく仕上がらないこともしばしば… ツヤ肌メイクの基本の手順やコツを知り、ワンランク上の仕上がりを目指しましょう。
ツヤ肌の意味とは?
ツヤ肌とは、その名前の示す通りに「ツヤ」を感じ、生まれつき美肌であったかのように自然である肌を指します。
同じ「美肌」でも、下地やファンデーションをしっかりと仕込み、すべすべの質感に仕上げるマット肌とは異なるもの。ツヤ肌・ツヤ肌の主な違いは、以下の表の通りです。
ツヤ肌 | マット肌 | |
---|---|---|
キーワード | 素肌感・透明感・健康的 | すべすべ・毛穴レス |
イメージ | 若々しく、エネルギッシュ | しっとりとした大人の女性 |
メリット | ・人工的な印象ではなく、自然な美肌の演出が可能 ・顔立ちの立体感を強調し、整った印象に見せてくれる | ・フォーマルな場にマッチする品格や上品さを演出可能 ・毛穴トラブルやくすみを隠し、人形のように美しい肌を強調できる |
デメリット | 十分な作り込みを行わなければ、テカりやヨレが目立ちやすい | メリハリがなく、のっぺりとした印象に見えやすい上、老け顔を強調するリスクがある |
ツヤ肌メイクに必要な道具
最低限必要な基礎化粧品・メイクアイテムは、次の表の通りです。どれが欠けてもツヤ肌を作ることは難しいため、漏れなく準備を行いましょう。
保湿系の基礎化粧品 | 洗顔後の保湿がツヤ肌メイクの仕上がりを左右します。保湿力の高い化粧水と乳液もしくはクリームを用意し、丁寧な保湿を行って下さい。 |
化粧下地 | 適度なツヤを感じる化粧下地を用意します。ツヤ肌は潤いが大切であるため、保湿力の高い商品を選ぶことも大切です。 |
コンシーラー | クマや毛穴トラブル、大人ニキビを隠すために使用します。 |
パウダーファンデーション | ムラなく薄付きに仕上げるため、パウダーファンデーションを使いましょう。 |
ハイライト | 顔全体の立体感を強調するため、ハイライトを用意しましょう。 |
チーク | 仕上げにチークを乗せることで、お風呂上がりのような色付く頬を作ります。 |
アイシャドウ | クリームアイシャドウを使用し、濡れたような質感に仕上げます。 |
ツヤ肌メイクの作り方7ステップ
必要な基礎化粧品・メイク道具を用意したら、ツヤ肌メイクに取りかかります。以下の手順で肌の基礎からチーク、アイシャドウまでを仕上げ、魅力的なツヤ肌を作りましょう。
1. 十分な保湿を行う
ツヤ肌メイクを作るためには、毎朝の仕込みの作業が不可欠です。洗顔もしくは拭き取り化粧水で汚れを落とした後の肌へ、保湿化粧水をなじませます。十分な保湿を行うためにおすすめしたい付け方は、コットンパック。保湿化粧水をたっぷりと含ませたコットンを薄く割き、顔全体をパックしましょう。
朝のコットンパックには、水分不足を生じた肌に潤いを与え、ふっくらと整える働きが期待されます。3分から5分程度は放置し、十分な水分を補いましょう。コットンパックの後は、美容液や乳液・クリームなど、ひと通りの基礎化粧品を使います。乳液・クリームのどちらを使うか迷う場合は、肌質から判断しましょう。
混合肌や脂性肌:乳液
乾燥肌:クリーム
時間に余裕のある朝は、フェイスマッサージを行い、血行促進することもおすすめです。血行が良くなると、肌本来のツヤや透明感が引き出されるため、ファンデーションを厚塗りしなくてもきれいな状態になりますよ。
2. 化粧下地をなじませる
ツヤ肌を作るためには、微細パールやダイアモンドパウダー、美容液成分、保湿成分などを含む「グロウ」な下地を使用します。サラサラとした質感の下地は、ツヤ肌メイクを行う時には不向き。内側から光を放つように、潤いあふれる印象を作ってくれる化粧下地を選択しましょう。
化粧下地の塗り方は、次の手順を守って下さい。
【1】パール大の化粧下地を手に出した後、両手の指先に広げます。
【2】内側から外側方向へと、左右の頬に薄塗りします。
【3】指先に残った化粧下地を、額や顎、目元や口元になじませます。
3. コンシーラーでカバーする
クマやニキビ、シミの気になる部分をコンシーラーでカバーします。マットな質感のコンシーラーは厚塗り感が出やすいため、リキッドやクリームタイプがおすすめ。肌の悩み別のカバー方法は、次の表を参照して下さい。
目元のクマ | クマの目立つ範囲より少し広くコンシーラーを塗って下さい。クリームタイプを使用する場合は指先によるスタンプ塗り・ペンタイプを使用する場合は目の際から下方向へとラインを引き、明るさの調整を行います。 |
まぶたのくすみ | 目頭や目尻を含めた広めの範囲にコンシーラーをなじませます。「少なすぎる」と感じるくらいの量を乗せ、できるだけ薄く伸ばすと、美しく仕上がります。 |
口角のくすみ | 筆ペンタイプのコンシーラーを使用し、「く」の字にカバーして下さい。 |
ピンポイントに濃いシミをカバーする時だけは、硬いテクスチャーのコンシーラーを使用します。ペンシルコンシーラーでシミの上を塗りつぶし、周りの肌となじませましょう。ニキビ跡も、同様の方法でカバーが可能。色素沈着を起こした部分を覆い隠すように、コンシーラーを乗せて下さい。
4. パウダーファンデーションをブラシ塗りする
ツヤ肌メイク=リキッドファンデーションという連想を持つ人も多いのですが、自然なツヤを引き出すためには、パウダーファンデーションのブラシ塗りがおすすめ。ブラシを使用することにより、美しい仕上がりを目指すことが可能です。
◎ファンデーションの付け方
【1】ブラシの毛先にファンデーションを含ませる
ファンデーションの容器に対して垂直にブラシを当て、適量を含ませます。肌に乗せる前にティッシュペーパーの上でトントンし、余計な粉を落としましょう。
【2】全体に塗る
頬の内側にブラシを当て、外側方向へ滑らせます。ファンデーションを足さず、残った粉を口元・額に伸ばし、顔半分を仕上げましょう。少量のファンデーションを足し、反対側を同様に仕上げます。
【3】毛穴トラブルをカバーする
頬や小鼻など毛穴トラブルの目立つ部分は、少量の重ね塗りを行います。ブラシの毛先を使用し、トントンと軽く叩くようにして、肌表面の凹凸を埋めて下さい。
5. ハイライトを塗る
ハイライトの目的は、顔の凹凸を調整し、美しい造形に見せることです。目元やTゾーンなど、肌のあらの目立つ部分・頬やあごなど高さを強調したい部分に薄く塗り、美しい顔立ちを作ります。付けすぎると不自然に見えるため、少量ずつ乗せることがポイント。ラメやパール入りのハイライトはとくに、控えめに留めましょう。
6. チークを塗る
大人の女性に多い肌の悩みの1つが「くすみ」です。何となく元気がなく、顔色の悪い印象に見えてしまい、つややかさを損なうことも多くあります。この悩みを解消するアイテムがクリームチーク。指先に少量取り、頬の中心あたりからこめかみ方向に向かって、楕円形になじませます。
◎クリームチークの塗り方
【1】指先にチークを取る
チークを指先に取り、手の甲に軽く押しつけ、量の調整を行います。そのまま付けてしまうと濃すぎるケースが多いため、このひと手間が大切です。
【2】顔に塗る
最初にチークを乗せる位置は、頬の部分です。こめかみ方向へ向かって、3ヶ所程度「ポンポンポン」と置き、グラデーションを作りましょう。
【3】顔に塗る
最後の仕上げに、何も付いていない指を使い、チークを置いた場所同士の境目をぼかします。
7. アイシャドウを指塗りする
クリームチーク同様に指を使い、アイシャドウを伸ばします。少量を指に取り、手の甲で量の調整を行った後、まぶたに薄く乗せましょう。目の際に近い部分にだけ重ね塗りを行い、グラデーションを作ると、印象的な目元に見えます。
つややかに仕上げた顔全体の印象を変えないためにも、アイラインやマスカラは、控えめが正解。目を囲う太いラインやボリュームマスカラの重ね付けなど、目元の強さを強調するアイメイクは避けて下さい。
ツヤ肌メイクのコツ5個
ツヤ肌メイクがうまくできない… そのような悩みを抱える女性のため、間違いやすいポイントや上達のためのコツを紹介します。
1. 保湿後すぐにメイクをしない
保湿を行い、すぐにメイクを行うと、ムラやヨレを招いてしまうリスクがあります。保湿から3分程度は時間を置き、肌の状態が落ち着いたところで下地を塗ると、美しく仕上げることが可能です。
時間のない朝は、汗や余計な皮脂をティッシュで吸収するだけでも、仕上がりに差がつきます。強くこすらず、優しく当てるようにして、肌の状態を整えましょう。
2. 化粧下地を省略しない
化粧下地は、肌の凹凸やシワ、色ムラを隠し、状態を整える働きを担います。化粧下地を省略すると、肌トラブルが目立ったり、ファンデーションのなじみが悪くなったり、チークがうまく発色しないなど、ベースメイクの後の作業がスムーズに進まない原因にもなってしまいます。
また、上で紹介したように、ツヤ肌メイクで使用する化粧下地には、肌の乾燥を防ぎ、メイク仕立ての質感を長続きさせる働きが期待されます。理想の肌を長時間維持するためにも、化粧下地の省略は避け、手順を追ってメイクをしましょう。
3. ツヤとテカリを区別する
ツヤ肌メイクでは、顔の一部に明るさを足し、つややかさを表現します。しかし、ツヤとテカリをはき違えてしまう女性も多いことが問題点。小鼻や鼻と口の間、額といった皮脂をイメージさせる部位をマットに仕上げ、バランスを調整しましょう。
そもそもTゾーンにテカリが出やすく、バランスの調整が難しい場合は、収れん化粧水を活用できます。使用するタイミングは、保湿基礎化粧品によるお手入れを終えた後です。大判のコットンに化粧水を含ませ、テカリの気になる部位だけを抑えて下さい。
収れん化粧水に刺激を感じる場合には、皮脂バランスを整える基礎化粧品を活用しましょう。保湿・テカリ対策を同時に行え、お手入れ時間の短縮も可能です。
4. 肌になじむチークを使う
ツヤ肌メイクにおけるチークは、血色の良さをアピールし、自然に上気したかのような肌を作ることです。肌の色と合わないチークを使用すると「いかにもメイク」という印象になってしまい、狙い通りの働きを得ることが困難です。
では、適切なチークの色は、どのように選択すれば良いのでしょうか。イエローベース・ブルーベースと肌色別のおすすめチークは、次の表の通りです。
イエローベース | オレンジやコーラルピンクなど、黄色を含む色味のチークをおすすめします。ただし、あまりにも黄色の強い色味はくすみを強調するリスクがあるため、不向き。青の強い色味も、イエローベースになじみません。 |
ブルーベース | ベビーピンクやローズピンクなど、青を含む色味のチークを選択しましょう。ベージュに近いくすみカラーのチークを選択するとなじまないため、発色の良い色味をおすすめします。 |
チーク選びに迷う人は、プチプラコスメで新しい色味に挑戦し、相性診断を行うこともおすすめです。複数のチークを混ぜ合わせ、自分だけの色味を探すことも良いでしょう。
5. フェイスパウダーでヨレを防ぐ
クリームチークを塗った後にメイクのヨレが気になる人は、フェイスパウダーを活用しましょう。チークの上から少量重ねて、フィット力を高めます。
フェイスパウダーにもいろいろな種類があるのですが、ツヤ肌メイクで使用するアイテムはルースパウダー。プレストパウダーと比較し、軽やかな質感に仕上がります。
ルースパウダーの中でも透明カラーのアイテムは、厚塗り感が出にくく、ツヤ肌メイクにぴったりです。少量をブラシにとり、チークの上に重ねましょう。強く押し付けることは避け、ブラシを軽く滑らせる程度の量で十分です。Tゾーンや小鼻の脇にも同様の方法で付けてあげると、皮脂浮きしにくく、持続力が高まります。
まとめ
ツヤ肌メイクのやり方と失敗しないためのコツを紹介しました。この記事の内容を参考に、メイク方法や使用アイテムを今一度見直し、垢抜け顔に変身しましょう。
メイクを切り替えるだけで雰囲気が一気に変わり、新しい自分に出会うことが可能です。自分の中の定番メイクに固執することは避け、トレンドをふまえた素敵なメイクに挑戦してはいかがでしょうか。